平成431日目

平成2年3月14日(水)

1990/03/14

【海部俊樹首相】連座制強化に積極的

選挙制度審議会(首相の諮問機関、小林与三次会長)の第七回総会が14日朝、首相官邸で開かれ、海部首相も出席、委員と意見交換した。首相は冒頭のあいさつの中で「政治改革を内閣の最重要提題とする」と位置付け「信頼の政治を確立しなければならない。政治改革に全力を卒げて取り組む」と決意をするとともに、同審議会の早期答申を要請した。

首相はまた、委員との協議の中で政党への公的資金補助の拡充について「どれだけ金が掛かるか、どの程度が妥当かについて国民が納得するかの問題がある」と、慎重論を示す一方、腐敗行為防止の観点から審議会で論議されている選挙違反の連座制強化に対し「政治家の倫理による対応だけでなく、法によって対処することを考慮する必要がある」と積極的に取り組む姿勢を示した。

首相が同審議会に出席したのは昨年9月以来で、首相サイドの強い意向で実現された。総選挙での大勝で、自民内の政治改革への熱が冷めている、と指摘されていることを首相としては考慮、改めて政治改革に取り組む姿勢を示して国民へのアピールを狙ったものとみられる。

首相はあいさつの中で「可能な限り早い時期に答申をまとめて頂けることを期待する」と、4月中の答申提出を要請した上で、「答申の趣旨を最大限見直し、改革の実現に向けてまい進する」と約束した。

具体論については委員との質疑の中で「政治資金はできるだけ透明度を高め、分かりやすくしていかないといけない」との原則を掲げる一方、「選挙制度について、現在の中選挙区制では政策中心の論争ができにくいことになっている。制度の仕組みが政策中心になることが大切」と、小選挙区比例代表制の導入を念頭に置いていることを改めて示した。

奥田自治相は「答申は自民党にとって血の出るようなものになるだろうが、国民の利益に合致するような改革を今こそ進めていかなければならない。首相も不退転の決意をされており、私も答申を最大限尊重したい」と述べた。《共同通信》



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【大相撲春場所4日目】北天佑、はや2敗

大相撲春場所4日目(14日・大阪府立体育会館)横綱千代の富士がベテラン太寿山の寄りに土俵際に詰まりながらも、右下手投げで逆転して土つかずの4連勝をマーク。通算1000勝にあと「2」とせまった。

横綱北勝海は巨砲をあっさり右下手投げで破ってこちらも4勝目。小錦、旭富士の両大関も全く危なげなく勝って全勝を守った。もう一人の大関北天佑は栃乃和歌に一方的に敗れて2敗となった。《共同通信》

【米・モスバカー商務長官】経済摩擦、早期解決努力を

来日中のモスバカー米商務長官は14日、武藤通産相、中山外相をはじめ、斎藤経団連会長らと相次いで会談、日米間の最重要課題となっている日米構造協議など経済摩擦の早期解決に向けて政府、産業界の努力を改めて要請した。

武藤通産相との会談で、モスバカー長官は「日米のグローバル・パートナーシップ(地球的規模の協力関係)は重要だが、そのためには貿易面で越えなければならないハーードルがある」として、構造協議のほか、米包括貿易法スーパー301条(不公正貿易国と行為の特定・制裁)を通用されたスーパーコンピューター、衛星、木製品の三分野と電気通信、半導体を具体的に挙げ「これらの問題を解決することが重要だ」と早急な対応を迫った。

これに対して武藤通産相は「21世紀の世界貿易への枠組みづくりに向けて米国が第一エンジンなら日本は第二エンジンだ。日本としても消費者の観点から構造協議の解決に努力し、一日も早く日米摩擦を解消させたい」と真剣な対応を約束した。

また、同席したアマコスト駐日米大使も「ワシントンで開かれた衛星の専門家会合では進展がなかったと連絡を受け、残念だ。通産省の所管ではないが、関係省に伝えてほしい」と重ねて強調した。

通産相に先立つ中山外相や経団連首脳との会談でもモスバカー長官は「もはや議論のときではなく、行動に移してほしい」(経団連との会談)と早期解決を求めた。中山外相は「全力を挙げて取り組む」、経団連側も「消費者の利益に力点を置いてやっていく」と積極的な姿勢を示した。《共同通信》

【自民党】政治・選挙制度改革へ始動

海部首相は14日昼、都内の料理屋に自民党政治改革推進本部の伊東本部長、後藤田本部長代理らを招き、選挙制度の抜本的改革を中心に政治改革推進本部の活動を再開するよう要請した。伊東氏は推進本部を一部組織替えし、今月末に総会を開くことを約束、総会には首相が出席し政治改革の方針を全党員に呼び掛けることになった。

一方、自民党は選挙制度調査会の羽田孜会長らが協議した結果、政治改革推進本部の活動再開に対応し、政治資金規正法改正、衆院の定数是正、選挙制度の抜本改革の三点について検討を進め、11月の国会開設100年までに結論を得るとの方針を決めた。この三課題を検討していくため選挙制度、政治資金、定数是正の三小委員会を近くスタートさせる。

総選挙での勝利で自民党内の政治改革への熱意も冷めがちだが、選挙制度審議会(小林与三次会長)が4月答申を決めたことを受けて自民党は政治改革への党の姿勢を強めるため、政治改革推進本部と選挙制度調査会の“車の両輪”を再始動させることとなった。

伊東氏らとの会合で首相は「選挙公約でも選挙制度審議会の答申を最大限生かすと言っている。決意新たにやりたい」とした上で、「私の政治改革に対する考えを話す機会をつくってほしい」と要望した。これに対し伊東氏は「党内のこと、野党のことを考えると本当に大変なことで、海部内閣の問題ではない。政治改革は選挙制度と議員定数是正が中心だが、血みどろにならないとできない」と、首相の決意の固さが重要であることを指摘し、政治改革推進本部総会で首相が考えを示すよう提案した。

また伊東氏は「派閥の弊害をなくすと言っているが、今でも逆の方向に行っている」と述べ、首相が派閥の領袖を訪ね歩いたことを暗に批判した。後藤田氏は「政治改革をやろうとするなら、今を除いたらやれなくなる」と述べ、首相も「不退転の決意でやる」と強調し、両氏の協力を求めた。《共同通信》



3月14日のできごと