平成424日目
1990/03/07
この日のできごと(何の日)
【近鉄・野茂英雄投手】オープン戦デビュー
日本ハム6−6近鉄◇7日◇日生
注目のルーキー野茂が二番手で登板し、2回で3本塁打を浴びるなど4失点と打ち込まれた。本塁打はいずれもストレートをきれいに振り抜かれたもの。球威が評判とは程遠く、制球も甘い。高めに浮き、棒球となったストレートを狙い打ちされた。疲れているにしてもあまりにもふがいない投球だった。
日本ハムの武田、河野両投手も球威、コントロールともまだまだ。
両チームの打者では野茂からいきなり一発を放った小松崎、同点3ランの鈴木の鋭い振りが特に目立った。《共同通信》
◇
「さすがのスーパールーキー」も作り笑いをかべるだけだった。二番手で登板し、2イニングで3本打を含む被安打5の4失点。散々なデビューだった。
六回は無得点に抑えた。しかし七回に火だるまになった。この回先頭の小松崎に左へ、二死一塁で小川に右中間へ、続くデイエットには左中間へ。いずれも持ち味のストレートを運ばれ、1イニングで3本塁打という屈辱を味わった。
「ボールが高かった。リズムが悪かった」とうのが野茂の反省点。球威もない。力強さもない。サイパンキャンプで仰木監督が野茂を評し「速い、重い、力強い、柔らかい、変幻自在」と口にした“キャッチフレーズ”は、この日の投球を見る限り片りんもうかがえなかった。
プロの怖さが身にしみたのだろう。「甘くないというのが印象です。ショックですね」と、はっきりした口調でメッタ打ちにあったシーンを振り返った。そして「次の登板は頑張らないと。開幕一軍が第一の目標だから」と、ちょっぴり焦りの色も。
試合前に「きょうは何をチェックするの?」と聞くと「ゲーム前にそんなこと言えません。見てからのお楽しみ」と、不敵な笑みを浮かべていたのとは全く違う表情が、降板後の野茂だった。
まだ本調子じゃない、といってしまえばそれまでだが、それにしても打たれすぎる。紅白戦を含めると、7イニングで14安打、9失点、しかも6本塁打。次回の登板は11日の大洋戦(下関)。そして17日の巨人戦(大阪)ではいよいよ先発での登板が待っている。《共同通信》
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【皇太子殿下】横浜税関を視察
皇太子さまは7日午前、横浜市中区海岸通の横浜税関を訪れ、麻薬や短銃などの密輸の取り締まりの実態などを視察された。
横浜税関は安政6年(1859年)、横浜港開港と同時に開設された「神奈川運上所」が始まり。明治5年、名称が税関と改められてから118年の歴史がある。
皇太子さまは午前10時半、車で到着、坂本導聡税関長らの案内で庁舎内を見学。資料展示室では大麻、覚せい剤、短銃などの密輸の手口やブランド品とコピー商品を並べている本物、偽物コーナーなどを熱心に見て回られた。《共同通信》
【富山県警山岳警備隊】訓練中の隊員が不明に
7日午前9時45分ごろ、北ア・剣岳の早月尾根2900メートル付近の通称・カニノハサミで、積雪期山岳遭難救助訓練に入っていた富山県警山岳警備隊分隊長鍛治啓一郎巡査部長(37)=上市署=が、表層雪崩に遭って行方が分からなくなった。
県警外勤課に入った連絡によると、現場の積雪は4、5メートルで、前夜から60センチの新雪があり、天候は吹雪の状態。雪崩は深さ6、70センチ、幅5メートルにわたって発生し、鍛治隊員は池の谷方向へ転落した。鍛治隊員は西本隆夫同訓練副隊長、谷内六治隊員の3人でトラバス中で、鍛治隊員が先頭になり、西本副隊長と谷内隊員の2人はザイルで体を結んでいたが、鍛治隊員は結んでいなかった。西本副隊長と谷内隊員の2人が捜索に当たる一方、他の隊員も現場へ向かっている。また、県警ヘリを上市署馬場島警備派出所に待機させ、天候の回復を待っている。
同山岳警備隊26人は、3日から剣岳一帯で積雪期山岳遭難救助訓練に入っていた。計画では鍛治隊員らは、同日午前6時に起床、同7時に早月尾根を出発し、同11時に早月尾根のシシガシラに着き、他の班と合流し、午後4時に2200メートル付近でテント設営する予定であった。《北國新聞》
【海部俊樹首相】野党との対話を強調
海部首相の施政方針演説に対する各党代表質問は7日、参院本会議で続行、3日間の日程を終えた。
首相はこの中で衆参ねじれ現象の今国会の運営に関連して「両院協議会の活用など与野党で十分議論し早急な結論を期待する」と述べ、野党との対話路線を基調にした与野党協議の枠組みづくりに意欲を表明した。
首相はまた、リクルート社からの政治資金提供問題については既に公表した1440万円以外にはないことを重ねて言明、橋本蔵相ら新内閣の6閣僚への献金も含めて「自民党の見解に照らして問題はない」と強調した。《共同通信》
【政界メモ】豪腕の迫力に若者圧倒
○…自民党の小沢幹事長は7日、党中央政治大学院の研修会に参加した日経連加盟企業の入社予定者を前に、珍しく人生論。「私の子供の教育方針でもあるが、とやかく干渉しないことだ。あなたたちも自分の責任で行動すればいい」と体験的放任主義の勧めを語ったあと「しかし、今の世の中で欠如しているのは、行動の責任を自分で取るということ。他人のせいにして責任転嫁するのは最も卑劣なやり方だ」と、持論である「自己責任の確立」をはなむけの言葉におくった。
「剛腕」といわれる小沢氏は総選挙に「自民党敗北なら党の責任者として私は打ち首、獄門」と不退転の覚悟で臨み、勝利を手にした実績があるだけに、会場の若者たちもその迫力に押されっ放し。
○…この日の参院本会議で代表質問した社会党・護憲共同の田英夫氏は、ソ連・東欧の改革を取り上げ「この変化を社会主義の破綻(はたん)と認識しているのか」と海部首相にただした。これに対し首相は「社会主義のはじょうと考えているのか、とのご質問ですが」と前置きして答弁、議場のあちこちからどよめきが起きた。
役人が作成した答弁資料にあった「破綻」を「はじょう」と読んでしまったミスだが、議場からは「(首相は)文部大臣を二回もやったんじゃないのか」という痛烈なやじも。首相には草稿なしの「弁舌」の方が似合うのかも。《共同通信》
【米・ブッシュ大統領】電気通信も特定し協議
ブッシュ米大統領は7日、ワシントン市内で開かれた米電子工業会の昼食会で演説し、先週末の日米首脳会談で日米構造協議に加え、包括貿易法スーパー301条(不公正貿易国と行為の特定・制裁)の特定分野である人工衛星、木製品、スーパーコンピューターのほか、半導体と電気通信を個別案件として「特定して話し合った」と言明した。電気事業法の見直しなどが問題になっている電気通信分野について、首脳会談で取り上げたことを大統領自身が明らかにしたのは初めてである。
日米首脳会談では、日本政府はスーパー301条で特定された三分野だけ例示的に取り上げられたと発表しているが、半導体などその他の個別案件については明らかにしていない。
ブッシュ大統領は演説の中で「人工衛星、電気通信、スーパーコンピューター、木製品、そしてもちろん半導体を特定して協議した。日本がこれらの問題分野の早期解決に向けて行動するよう期待する」と述べた。
日米構造協議については「互いに最大の努力をしなければならないとの点で合意した」と語り、構造協議の進展が当面の関係にとって最重要課題であることを改めて強調した。同時に構造協議は「双方向の話し合いであり、米国の課題は米経済の競争力を強化することである」と述べ、貯蓄率の向上など米側も改善措置が必要だとの見解を示した。《共同通信》