平成423日目

1990/03/06

この日のできごと(何の日)

【海部俊樹首相】消費税で対話姿勢

海部首相の施政方針演説に対する各党代表質問は二日目の6日午前、論戦の舞台を参院本会議に移し、社会党の赤桐参院議員会長、自民党の平井元労相の両氏が質問に立った。

首相は答弁の中で最大焦点の消費税について、野党の廃止要求を改めて否定した上で「野党が選挙で間接税の必要を言い、さらに個別間接税が必要だと言ったのだから、将来のため、どこかで接点がないのか真剣に議論しよう」と述べ、政府が提出する消費税見直し法案を軸に野党と話し合いを進めていく姿勢を示した。海部首相が国会で消費税の決着に向け「接点」の表現で野党と協議する意向を示したのは、初めてで、与野党協議の進展を促しそうだ。

首相は、先に行われた日米首脳会談の内容について「(日米構造協議に関して)個別問題では話し合ってはいない」と述べ、特定問題に触れていないことを重ねて強調した。また、「中間報告、最終報告に向け内閣の最重要課題として取り組んでいく決意だ」と述べ、当面、4月の中間報告に向けて国内調整に全力を挙げる意向を表明した。

午後は2時から再び衆院本会議で新村社会党元決算部会長、不破共産党委員長、永末民社党委員長が質問を続行する。

予算編成に関連して、平井氏がシーリング(概算要求基準)方式の撤廃を求めたのに対し、首相は「これまでにシーリングの果たした(歳出抑制の)役制と、その時々の財政事情、経済事情を勘案すべきであり、今後検討させてもらう」と述べ、対前年度伸び率を投資的経費横ばい、経常経費マイナス10%として3年間続いた90年度予算までのシーリング内容の見直しに含みを持たせた。

また、与野党逆転下の国会運営について、首相は「与野党が接点を求めて、真剣な議論を続けてもらいたい」と述べ、話し合いによる国会の円満な運営を期待した。《共同通信》

国会は海部首相の施政方針演説に対する各党代表質問二日目の6日午後、再び舞台を衆院本会議に移し続行した。質問には新村元社会党決算部会長、不破共産党委員長、永末民社党委員長が立った。新村氏が、リクルート社からの政治資金提供問題をただしたのに対し、首相は「(既に公表した)1440万円だけで、それ以上の金額はない」と一部に伝えられる公表以外の政治資金提供を明確に否定した。

さらに首相は、新内閣の橋本蔵相ら6閣僚に対するリ社からの政治資金提供の事実関係を明示した上で「いずれも自民党見解に照らして問題はない」との判断を強調した。閣僚のうち佐藤国土庁長官が資金提供を受けていることが新たに分かった。首相が新内閣の閣僚に対するリ社からの資金提供を一括して公表したのは初めてである。

首相、6閣僚への資金提供の総額は4883万円に上り、内訳は、海部首相1440万円、橋本蔵相240万円、大野運輸相80万円、塚原労相630万円、坂本官房長官893万円、砂田北海道・沖縄開発庁長官220万円、佐藤国土庁長官1400万円。坂本官房長官は、これまでの公表額である420万円より多い。

首相はこれに関連して(1)政治改革についての政治への信頼回復が何よりも大切(2)政策中心の選挙が実現するよう装本的な改革が必要―などと指摘した上で「選挙制度審議会の答申を十分尊重しながら不退転の決意で取り組む」と強調、選挙制度などの抜本改革断行に強い決意を表明した。《共同通信》

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【プロ野球】

ダイエー20−9ヤクルト◇6日◇神宮

20−9の大乱戦。19安打で打ち勝ったダイエーとすれば、西俊、馬場、脇坂の3新人をはじめ一軍枠に割り込もうとする若手の頑張りが好材料といえるだろう。

ヤクルト投手陣が調整不足ではあったが、レギュラー定着を狙う広永が3点本塁打を含む3安打4打点したほか、右田が3安打3打点、吉永が2安打と、とにかく攻撃陣全体に勢いがある。控え層に芽生えた競争意識が好結果につながったという意味で、田淵監督の選手育成が着実に実を結びつつある。

だが、投手陣についていえばダイエー、ヤクルトとも頭が痛そう。特にヤクルトは12与四死球、若手がいずれも逃げ腰の投球で、実戦での感覚を取り戻していない。《共同通信》

【憲仁親王妃久子殿下】第三子ご懐妊

宮内庁は6日、高円宮憲仁さま(35)の妃殿下久子さま(36)が懐妊されたと発表した。ご出産は9月の予定。

高円宮ご夫妻は昭和59年12月に結婚。61年3月に長女の承子さま、63年7月に二女の典子さまが生まれている。《共同通信》

【皇太后陛下】87歳の誕生日

皇太后さまは6日、87歳の誕生日を迎えられた。昨年1月の昭和天皇ご逝去後、皇居内の吹上御所で一人で静かにお過ごしだが、最近は痛めている腰の具合が少しずつ悪化、御所内でも車いすに頼ることが増えてきた、という。しかし食欲はおありで、その他の体調も良好。このため宮内庁は今月20日すぎから月末まで10日間程度、神奈川県の葉山御用邸でのご静養を検討している。誕生日用の写真公表は昭和62年以降今回も見送られた。

宮内庁によると、吹上御所では「午前7時起床、午後9時就寝」という規則正しい毎日で、起床後は一階居間に飾ってある昭和天皇の遺影に拝礼されるのが日課。昼間は女官ととものテレビや画集を見るなどして過ごされているという。

6日は御所で両陛下はじめ皇太子さま、紀宮さま、皇族方の祝賀を受けられる。《共同通信》

【政界メモ】チャスラフスカさんが激励

○…東京、メキシコ両五輪の体操競技で金メダルを獲得したチェコスロバキアのチャスラフスカさんが6日午後、国会内に姿を見せ、海部首相を表敬訪問した。「こんにちわ」と日本語でのあいさつを受けると、首相は「おー」と驚き、しっかりと握手。「東京オリンピックの素晴らしい体操演技が鮮やかに思い出されます」と持ち上げた。

チャスラフスカさんが「11回目の来日だが、自由になったチェコから来たので、今回が一番幸せ」と話しかけたが、首相は「もっと話したいが、国会があるので」と2分余りで席を立ち、チャスラフスカさんから逆に「頑張って下さい」と日本語で激励されて照れることしきり。

〇…この日昼、社会党は総選挙当選の新人59人による「九〇会」の結成総会を国会内で開き、清水国対副委員長が記念講演をした。「常在戦場で臨み、何があってもたじろがないようにお願いしたい」と先行き不透明の国会への決意を促したかと思えば「調査なくして発言なし。役人がこういう質問をしていただきたいと言ってくるだろうが、そういう甘言に乗ってはならない。社会党のスタンスを忘れてはいかん」と訓示を垂れた。

しかし、格調の高さもここまでで「地元の人の陳情には、議員会館に役人を呼び付け目の前でやると、先生も大したものだ、ということになる」と、最後は“野党らしさ”を発揮。《共同通信》

【三菱、ベンツ】提携合意

三菱商事は6日、三菱商事、三菱自動車工業、三菱重工業、三菱電機の三菱グループ4社首脳と西ドイツのダイム・ラー・ベンツ・グループ首脳が3、4の両日シンガポールで会談した結果、今後両グループは自動車、航空・宇宙、エレクトロニクス、サービスなどの分野を中心に広範な協力関係に入ることで合意した、と発表した。今後、航空・宇宙、エレクトロニクス、通信機など飛躍的発展が予想される分野で具体的提携交渉に入る。

傘下に自動車、電機、航空・宇宙の先進企業を有するダイムラー・ベンツ・グループと、日本を代表する企業集団である三菱グループという日独の巨大企業集団の提携への動きは、欧州共同体(EC)の市場統合や、ソ連・東欧圏の経済開放政策など世界経済の統合化、技術革新による産業構造の変化を視野に入れたもので、今後波紋を広げそうだ。

首脳会談は、初日に全体会合、二日目に個別会談の形で進められ、既に提携関係にある三菱自工とメルセデス・ベンツの自動車産業分野に加え、他の分野でも広く交流を進めていくこと、今後も会合を継続していくことで一致した。ただ、両グループが持つ防衛産業分野については、日本の防衛政策や米国政府への配慮から、協力対象から外すことになった。《共同通信》

【ソ連・ゴルバチョフ書記長】東独・モドロウ首相と会談

ゴルバチョフ・ソ連最高会議議長は6日行われたモドロウ東ドイツ首相との会談で、性急な東西両ドイツ統一は欧州と世界の安全に影響を与えると述べ、統一に突き進む西ドイツのコール政権に懸念を表明した。

タス通信によると、議長はソ連は東西ドイツ国民の自決権を尊重するとして統一を容認する姿勢を示しながらも「感情をかき立て東ドイツを併合しようとして最後通告を突き付けるようなやり方は、欧州と世界の運命に大きな影響を与えるドイツ問題に対する責任あるアプローチとは相いれない」とコール政権の性急な統一への動きを批判した。

その上で議長は「統一ドイツ実現のための不可欠の条件は、(第二次大戦の戦勝)四大国と近隣諸国の権利と利益を十分に考慮し、現在の欧州の国境線を無条件に受け入れて報復主義的な領土要求を控えることである」と述べた。

ゴルバチョフ議長のこの日の発言は、今月18日に行われる東ドイツ総選挙前にソ連の提案で東西ドイツと四大国の六カ国協議が開催される見通しとなったことを受け、西ドイツが主導権を握ってドイツ統一を推し進めることや西ドイツ国内で出ている国境線変更要求にクギを刺したものとみられる。《共同通信》

【米・ブッシュ大統領】伊・アンドレオッチ首相と会談

ブッシュ米大統領は6日、訪米中のイタリアのアンドレオッチ首相と会談、ドイツ統一問題を中心とする欧州情勢を話し合った。アンドレオッチ首相はドイツ統一問題で東西ドイツと米ソ、英国、フランスが「2プラス4」方式による六カ国協議の開催を決め、イタリアなど他の欧州諸国が除外されていることに不満を表明した。

会談後の発表によると、大統領と首相は結局、ドイツ統一の安全保障面での問題は北大西洋条約機構(NATO)の枠組みの中でも十分協議することで一致した。

アンドレオッチ首相は会談冒頭に記者団の質問に答え、ベルリン管理についての問題は戦勝四カ国の協議事項だが、ドイツ統一に関する諸問題は「NATO全加盟国が取り扱うべきだ」と強調した。

会談に出席したサイツ国務次官補によると、会談はかなりの時間を六カ国協議をめぐる協議に割いた。次官補は会談後、ドイツ統一後の東ドイツ領域の取り扱いなど数多くの問題がNATOで協議されることになると述べ、重要な問題について六カ国協議で勝手に取り決めたりすることはないと指摘した。《共同通信》



3月6日 その日のできごと(何の日)