平成230日目
1989/08/25
この日のできごと(何の日)
【山下徳夫官房長官】辞任
女性問題をめぐり進退が注目されていた山下官房長官は25日午前、辞任した。辞任理由について山下長官は閣議後の記者会見で「これ以上、官房長官の職にとどまるのは来月早々の日米首脳会談と政治改革のための臨時国会を控えてる海府内閣にとって適切でないとして最終的に辞任する決意をした」と語った。
海部首相は同日午後、自民党の小沢幹事長ら三役と後任人事を協議した結果、女性閣僚の一人として起用したばかりの森山真弓環境庁長官を横滑りさせ、環境庁長官の後任には志賀節官房副長官の起用を決めた。同日夕に皇居で、志賀氏の閣僚認証式を行った。《共同通信》
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【森山真弓氏】女性初の官房長官に就任
森山官房長官は25日午後、就任に当たって記者会見し「(海部首相から)大変難しい時ですし、国会も控え、そう遠くない将来に衆院選も予定されており、非常に重要な時期の大切な仕事なので、ご苦労だが一生懸命やってくれ、と言われた。今のところちょっと戸惑っている。緊張の一言だ」と述べた。
山下前官房長官の辞任については「いろいろお考えになった決断だと思う。その決断は高く評価したい」と女性問題への言及は避けた。
また「40年近い職業生活の中で(女性としての)ハンディを感じたことはない」と強調。国会対策についても「内閣一体で処理しなければいけないので(官房)副長官や他の閣僚の力も借りて一生懸命やりたい」と意欲を示した。《共同通信》
【政界メモ】辞任の“痛み”なお続く?
◯…海部首相は25日、山下官房長官の進退問題について何を聞いても「本人が一晩考えて決断することだ」「今日、閣議の後で会います」と朝から繰り返すばかり。
それでも、昼前に山下氏が記者会見で辞任を明らかにすると「先ほど、官房長官が辞表を持ってきた。記者会見で言われたように本人の辞意が非常に固かった」と背景説明。「これまで長年の同志として、友情の集大成のように組閣以来よくやってくれた。あれだけの政治家の判断だ。非常に心が痛む」と沈痛な表情で語ったが、この“痛み”は一過性で終わらずに政権に突き刺さりそうな気配。
◯…衆院議運委筆頭理事の羽田孜氏はこの日昼、議運委の海外視察でフィンランドに向けて成田を出発したが、辞職した山下官房長官の後任に擬せられたこともあって出発前、記者団から質問攻め。「プライベートのことだから、男と女なんだし、そういうのがあっても女房さえ許せばよい」と山下氏の弁護をしながら「米国ではタワー国防長官だって突っぱねて、女性問題(など)で延々1カ月半も頑張り、ブッシュ(大統領)も応援したのだから」と国際通らしい弁。
自分のことになると「僕は新聞辞令では全閣僚をやっている。自分は今が一番楽でいいやと思っている」と今回ばかりは永田町の騒ぎを楽しむ風で、まだ夏休み。《共同通信》
【ソウル地検】金大中総裁を在宅起訴
ソウル地検公安部は25日午前、野党第一党、平民党の金大中総裁を同党の徐敬元・議員の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)秘密訪問・スパイ容疑事件に関連して国家保安法違反(不告知)と外国為替管理法違反で在宅起訴した。
金総裁に対する刑事訴追は1980年、光州事件に関連した内乱陰謀事件以来で、金総裁は事実関係を全面否認しているものの、その政治的ダメージは極めて大きく、致命的となる可能性すらある。《共同通信》