平成5074日目

2002/11/29

この日のできごと(何の日)

【高円宮憲仁親王殿下】斂葬の儀

高円宮さまの本葬「斂葬の儀」が29日、皇族の墓所である豊島岡墓地(東京都文京区大塚)で、しめやかに営まれた。喪主の妻久子さま(49)をはじめ皇太子ご夫妻など皇族方、小泉純一郎首相ら814人(宮内庁発表)が参列した。皇族の葬儀は2000年7月の香淳皇后の斂葬の儀以来。

天皇、皇后両陛下は皇室のしきたりに従い参列せず、代わって侍従長、侍従次長が使いとして拝礼した。ひつぎが乗せられた「霊車」は午前9時半ごろ墓地に到着。皇族方や三権の長、閣僚のほか、スペインのクリスティーナ王女ら外国の代表が起立して迎えた。両脇には日本サッカー協会の川淵三郎会長らが寄り添うように進んだ。

ひつぎは正面の葬場に安置され、司祭長が高円宮さまの生涯に触れる「祭詞」を大和言葉で読み上げた。両陛下の使いに続き、久子さまが玉ぐしをささげて拝礼し、娘の承子さま(16)、典子さま(14)、絢子さま(12)ら3人も一緒に進み出て拝礼。ほかの皇族方や参列者も続いた。《共同通信》

高円宮さまの遺骨を墓に納め、埋葬する儀式が29日、豊島岡墓地(東京都文京区)に新たに設けられた高円宮家の墓所で営まれた。この日、2回に分けて同墓地で行われた一般の拝礼には3871人が訪れた。

儀式は「斂葬の儀」のうちの「墓所の儀」と呼ばれ、喪主の久子さま(49)、娘の承子さま(16)、典子さま(14)、絢子さま(12)、秋篠宮ご夫妻など皇族方が参列された。

遺骨を地中に作られた「石槨」に、サッカーの靴やユニホームなどの愛用品とともに納め、久子さまが土をかけた。高円宮さまの功績を記した「墓誌」は急逝のために間に合わず、後日納められる。

この後、久子さまが墓の前に進み出て、葬送の言葉を述べて拝礼。参列者が続いて拝礼し、別れを告げた。皇室のしきたりで出席されなかった天皇、皇后両陛下は30日午後に墓所を訪れる。《共同通信》

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【富山県】「ノーベル街道」整備へ

富山県は29日、ノーベル化学賞を受賞する田中耕一さんにちなみ、ノーベル賞受賞者とかかわりの深い富山市から岐阜県高山市までの国道41号を「ノーベル街道」として整備する構想を練っていることを明らかにした。神通川をはじめとする沿線の自然や風土を生かし、知恵を育てる道とする。県では岐阜県とも協議の上、来年度から事業に取り掛かる。

同日開かれた県議会経営企画常任委員会で、塚原鐵二政策総括監が明らかにした。

富山市から高山市までの国道41号沿線は、富山市出身の田中さんを含め4人のノーベル賞受賞者とかかわりが深い。1987(昭和62)年にノーベル賞生理学医学賞を受けた利根川進さんは大沢野町で少年時代を過ごし、岐阜県神岡町にあるカミオカンデ(現スーパーカミオカンデ)では今年、物理学賞を受ける小柴昌俊さんが研究を続けた。また、高山市では2000年に化学賞を受けた白川英樹さんが小学校から高校までを過ごした。

県は、田中さんを含めて計12人の日本人受賞者の3分の1が国道41号沿線から生まれていることを重視し、構想の推進を決めた。現在のところ「まったくの構想段階」(県総合政策課)となっているが、4人が通った学校や遊んだ場所、好きだった景観などさまざまな観点から特定の地を洗い出し、観光スポット化したい考えだ。《北國新聞》

【埼玉県熊谷市】14歳3人、ホームレス男性を殺害

埼玉県熊谷市の市道で26日、ホームレスの男性が倒れているのが見つかり死亡した事件で、県警少年課と熊谷署は29日、傷害致死容疑でいずれも14歳の市内の市立中2年の男子3人を連捕した。

3人は「からかったら傘で抵抗され、突っつかれたので腹が立って暴行した」と話しているという。

調べでは、3人は25日午後8時ごろ、同市肥塚の市道で住所不定、無職Aさん(45)を殴るけるなどし、26日午前、搬送先の病院で急性硬膜下血腫などで死なせた疑い。Aさんは左後頭部に5、6カ所傷があるほか、胸の骨も折れており、同署は暴行の状況を調べている。

3人は同級生で、調べに対し「レンタルビデオ店で3人一緒になり、いつもいるホームレスをからかってやろうという話になった」「殴っているうち動かなくなったので、もういいやと思って帰った」などと話しているという。

3人のうち1人が29日午前、中学校で友人に「ホームレスの事件はおれがやった」と漏らし、伝え聞いた担任が本人にただすと、3人で暴行したことを認めたという。3人はAさんが死んだのを報道で知った後も登校していた。

Aさんは9月ごろから、民家のブロック塀を風よけにして現場付近で野宿していたという。親族によるとAさんは東京の大学を卒業後、約20年間行方が分からなかったという。《共同通信》

【北朝鮮による日本人拉致事件】

北朝鮮高官「新たな拉致被害なし」

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)外務省の朴龍淵・アジア局副局長は29日、平壌市内のホテルで共同通信とTBSの取材に、拉致被害者5人が日本にとどまっていることについて「日本政府は約束を覆し、信頼関係が破壊された」と批判し「そういう状況で交渉して何の進展があるのか」と述べた。

日本側が要求している拉致の真相解明をめぐっては(1)このままでは疑問点調査に応じられない(2)(最初に拉致を認めた)8件13人以外に被害者はいない−とした。5人の子供たちについては「両親が日本人と知らない。親が直接話すべきだ」と語った。

10月末にクアラルンプールで行われた日朝国交正常化交渉が物別れに終わった後、北朝鮮の交渉当局者が日本のメディアに会ったのは初めて。北朝鮮が拉致問題で強硬姿勢を示したことで、日朝交渉の再開は厳しくなった。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・自民党の亀井静香前政調会長は29日、同党地方議員による「反小泉」集会でのあいさつで「われわれが選ばなければ小泉(純一郎)さんは首相になっていない。われわれ国会議員に国の運命がどうなるかの責任がかかっている」と指摘した上で「責任を果たしておらず、国会議員であることが恥ずかしい」と自らを皮肉ってみせた。しかし、その後は「われわれは評論家ではない。経済、外交で何をなすべきかは子供でも分かる。小田原評定をしている場合ではない。死力を尽くす」と「倒閣宣言」のボルテージは上がる一方。《共同通信》

【民主党・鳩山由紀夫代表】事実上の辞意表明

民主党の鳩山由紀夫代表は29日夜、党本部で緊急記者会見し、辞任要求が高まっている自らの進退について「(12月13日の)臨時国会末までに出処進退を明確にしたい」と言明、事実上の辞意を表明した。

同時に二大政党制の必要性を強調、新党結成を視野に野党結集を目指す方針を明らかにした。鳩山氏はこの後、羽田特別代表、自由党の小沢一郎党首と相次いで会談し、同様の考えを伝えた。羽田氏は自由党との合流方針に理解を示し、小沢氏も「どのような協力も惜しまない」と述べた。

鳩山氏は来月1日に小沢氏と再会談し、具体的手順、体制について協議する。社民党の土井たか子党首とも会談する方向だ。

反執行部陣営は、鳩山氏がいったん身を引くことで、新党結成後も一定の影響力を残す狙いがあるとみている。民主党内では、合流構想が小沢氏主導で進められていることとへの反発が強く、党内対立に拍車が掛かり、党分裂に発展する可能性も出てきた。

鳩山氏は会見で無所属の会にも参加を呼び掛ける考えを示し「野党の活動を結集していくことが必要だ。統一会派や対等合併は選択肢の一つだ」と指摘した。《共同通信》

【家永三郎さん】死去

32年間にわたる「教科書訴訟」で、旧文部省の教科書検定のあり方を問い続けた元東京教育大(現筑波大)教授の家永三郎氏が11月29日、心不全のため死去した。89歳だった。告別式などは行わず、親族のみで密葬を済ませた。家族の話では、29日夜に自宅で食事中に倒れたという。

1937年、東京大国史学科を卒業。専攻は日本史学、日本思想史。旧制新潟高、東京高等師範学校(東京教育大の前身)で教鞭をとり、東京教育大、中央大教授を歴任した。

歴史学者として、1952年から高校教科書「新日本史」を執筆し、62年度の検定で323カ所が「不適当」と文部省から指摘され、65年に第1次訴訟を起こした。

憲法の精神を生かした民主的な教科書作りを進める立場で、訴訟も第2次、第3次と続けた。国による検定制度が違憲であるとの主張を貫いた。一連の訴訟は、国に損害賠償を求めた1次と、検定不合格処分の取り消しを求めた2次ともに家永氏が敗訴。検定制度も「合憲」とする司法判断が下されたが、80年代の検定の是非が争われた3次訴訟では、97年の最高裁判決で「南京大虐殺」「731部隊」などについて、検定意見の違法が確定し、訴えの一部が認められた。《毎日新聞》

【この日の民主党】

4野党、補正予算要求の内容を合意

民主党はじめ野党4党は29日、国会内で幹事長・書記局長会談を開き、先週大枠で合意した今国会中の補正予算要求の内容を確認、合意した。

内容は、1.雇用・失業対策、2.中小企業対策、3.国民負担増の凍結、の3本の柱からなり、当初予算の組替・振替で財源を確保するとしている。

会談後記者会見した中野寛成幹事長は、「この内容は予算委員会でぶつけることにしている」と述べ、4日の鳩山代表と小泉首相の論戦で政府から回答を引き出すとした。

また、統一会派問題についての記者の質問に「私は2大政党論者。インパクトのある共闘は必要だ」とだけ答えた。

自民・石原議員が石井紘基議員への追悼演説行う

衆議院本会議で29日、10月25日に暴漢に刺されて亡くなった故石井紘基議員に対する追悼演説が行われ、自民党の石原伸晃議員(行革・規制改革担当相)が故人の思い出や業績を偲びながら、深い哀悼を捧げた。

遺族も議場を見守る中、追悼演説に立った石原議員は、まず事件を振り返り、「民主主義の糸が切れた時、独裁や暴力が暴走し体制を支配する」という石井議員の言葉を引いて、2度と同様の事件を繰り返さない決意を示した。

続いて石原議員は、石井議員の経歴を回顧。とりわけ、中央大学法学部在学中、安保闘争のただ中で故江田三郎氏(元社会党書記長、江田五月民主党参議院議員の父)と出会って政治を志すようになったこと、モスクワ留学中に出会ったナターシャさんと結婚し、以後、妻を支えとして政治活動に邁進したこと、1993年に日本新党で初当選して以来、9年余にわたって国会で一貫して日本の構造改革のために闘ってきたことなどが紹介された。

とりわけ石原議員は、自らが行政改革に取り組むようになって以来、石井議員に党派を超えて相談役になってもらってきたことも紹介。石原議員が行革担当相として現在取り組んでいる特殊法人改革も、石井議員が道路公団関連企業にまつわる問題を最初に告発したことがきっかけになったとし、「まさに先見の明であった」と讃えた。その上で石原議員は、「一貫した行政改革への取り組みに大きな期待が寄せられていたこの時に石井議員を失ったことは、国家国民にとっての大きな損失であり、遺憾の念に耐えない」と無念の思いを込めて述べた。

最後に石原議員は、石井議員の著書の一節を引用し、追悼の言葉を締めくくった。

「政治が国民の未来に奉仕する、名誉あるものに生まれ変わることが先決である。日本の政治文化は国民の手にかかっている」

「統一会派問題は原則を踏まえるべき」佐藤国対委員長

民主党の佐藤敬夫国会対策委員長は、29日朝の国対役員会後の定例記者会見で、統一会派問題についての記者の問いに答えて「党の正式機関の審議を経ない独走は許されない。政策合意なしの統一会派は政党の自殺行為」と表明した。

佐藤国対委員長の発言は次の通り。

「ある党との統一会派構想というものは、原則的には党の基本に関することがらであって、党の存亡に関わる問題。この件に関して、党の正式機関の審議を経ずに、各議員が個々に対応することは、党の統一を乱すものである。党代表といえども独走は許されない。党大会、両院議員総会のうえに党の代表者がいるのではなく、その党の最高機関が存在する以上、きちんと手続き的に経過していく必要がある。党の正式機関において十分な議論を行ったうえで、党大会または両院議員総会において決定し、そのうえで他党との協議を行うべきである。とりわけ、統一会派の基本政策については十分な議論と合意が必要。基本政策の議論を行わずに統一会派の結成を急ぐことは、野合の誹りを免れない。国民に対する明確なメッセージなしに統一会派の結成を急ぐことは、政党にとって自殺行為に等しい愚行である」

「国会運営にあたって、党の基本的な行為についてきちんと手続きがとられないのであれば、国対はそういう原則を踏まえて他党との交渉をしているので、国対機能を停止せざるを得ない」

首相施政方針演説の衆参一本化等に反対を確認

民主党の国会対策委員会役員会は29日、衆議院議院運営委員会のもとに設けられた議会制度協議会で綿貫衆議院議長から提案されている「衆参両院本会議での首相の施政方針演説の一本化」「議員のスキャンダル問題についての政治倫理審査会の活用」について、問題があるとして反対することを確認した。

首相の施政方針演説は、毎年の通常国会の冒頭、衆参両院の本会議で同じ日にそれぞれ行われるのが通例となっている。民主党の高木義明議院運営委員会筆頭理事によれば、議長提案は、同じ原稿を衆参それぞれで2度読むのは不効率だとして、これを衆参両院合同で行うというもの。これに対して、民主党など野党側は、憲法56条で「両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない」とされ、、また同67条で、両議院それぞれが首相指名の議決を行うと規定され、その両院それぞれの信任の基礎のうえに施政方針演説が行われていることから、一本化は憲法上疑義があると主張、渡部副議長も野党側の見解に賛同したという。

政治倫理審査会の活用についての提案は、議員のスキャンダル追及を予算委員会ではなく、政治倫理審査会で行うようにしようというもの。現在、政治倫理審査会は、疑惑を持たれた議員本人の申し立てにより、その釈明の場として原則として非公開で開催されることとなっているが、その開催ルールを弾力化する。これに対しても、民主党など野党側は、議員のスキャンダルの中には、公共事業口利き問題などのように予算執行にからむスキャンダルもあり、スキャンダル追及と予算審議を明快に区分することはできないと主張している。

議会制度協議会では、一連の秘書給与流用問題などを踏まえ、公設秘書制度の見直しも課題となっている。この件については、党内各議員の意見などにも幅広く耳を傾けながら、今後の協議に臨む方針。

「野党大結集に向け私心捨てて努力する」鳩山代表会見

民主党の鳩山由紀夫代表は29日夜、党本部で臨時に記者会見を開き、野党の何らかの形での結集を12月13日の臨時国会末までに図れるよう努力すること、代表選挙以降の党人事への批判や補欠選挙の敗北をふまえ、同日までに自らの出処進退を明らかにすることを表明した。

鳩山代表は、会見の冒頭、「民主主義が日本ではしっかり育っていない。民主主義の危機は、二大政党政治が十分に機能していないことにある。民主党は今日まで二大政党政治の実現に向け努力を傾注してきたが、現在の民主党は国民に理解されていない」と前置きしたうえで、「民主主義を蘇生させるためにも、野党の活動を結集していくことが必要だ。政策の類似性をふまえ、例えば自由党、社民党、無所属の会などとともに、より強固な野党の体制を構築しなければならない」と具体的に他党の名を例示して野党結集の必要性を表明。同時に、「民主党の一致団結の迫力、若さ、たくましさを現実のものとするために、代表として努力する」と述べ、1月の党大会に向けた党改革の取り組みについても引き続き全力をあげる方針を表明した。

「野党結集とは、統一会派なのか党の合併なのか」という記者の問いには、「すべてはこれから。それぞれの政党独自の事情も勘案して決めていくべきことで、統一会派や党の合併は選択肢の一つ一つ」と述べ、今後、各党間の協議や党内機関の議論を通じて結論を見いだすとしている。

政権戦略委、北岡伸一東大教授を招いて勉強会

鳩山由紀夫代表の諮問機関である政権戦略委員会(岡田克也委員長)は28日、国会内で党再生の課題について第2回勉強会を開催した。

講師の北岡伸一氏(東京大学大学院教授)は、「リーダーを交代させても党勢拡大は大して期待できない」としたうえで、民主党が掲げるべき理念として、1)普通の国民を代表する政党、2)国際協調主義・積極的平和主義、3)自立と官尊民卑の打破、の3点を挙げた。

また北岡氏は、「補選と統一地方選の行われる来年4月はターニング・ポイントになる」と指摘しつつ、「反自民勢力が緩やかな連合体を結成して政権戦略を練るべきだ」と主張。その際には、効果的な候補者の選定が重要で、特に「普通の生活者・納税者を立てるべきだ」と述べた。

北岡氏はさらに、しばしばマスコミが国民世論と乖離する点に言及し、「実態をよく見極めることが大事だ」と指摘したほか、「政治腐敗の防止だけでなく、政策の悪しき連鎖を断つという意味で、政権交代は極めて重要だ」と強調した。《民主党ニュース》



11月29日 その日のできごと(何の日)