平成6129日目
2005/10/19
【小泉純一郎首相】民主・前原代表と党首討論
小泉純一郎と前原誠司民主党代表による初めての党首討論が19日午後、開かれた。首相は自らの靖国神社参拝に中国などが反発していることについて「日中関係は靖国(問題)だけですべて規定されるものではない。総理大臣である小泉純一郎が一国民として参拝し、平和を祈念、戦場で倒れた人に敬意と感謝の誠をささげるものだ」と強く反論した。
前原氏が「(首相は)靖国神社参拝を強行し、日中間の戦略的、包括的対話の道筋が閉ざされた」と批判したのに答えた。《共同通信》
◇
小泉首相は19日の党首討論で、靖国神社参拝に中国や韓国が反発していることについて「中国や韓国とかつてないほど相互依存関係が深まっている。靖国参拝をやめればいいという議論にはくみしない。2度と戦争はしない、軍事大国にならないことは60年間の実績の歩みの中で示しており、理解してもらえるように努力していかないといけない」と述べた。
また、「憲法で、思想及び良心の自由はこれをおかしてならないと第19条に規定されている。首相である小泉純一郎が一国民として参拝する、平和を祈念する、二度と戦争しない、戦場で倒れた人に敬意と感謝のまことを表す。それがどうしていけないのか理解できない」と述べ、私的参拝は憲法で保障された権利で、問題はないと強調した。《読売新聞》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【岐阜家裁】息子2人を持つ男性が「性別変更」申し立て
心と体の性が一致しない性同一性障害の岐阜県羽島市、会社員、M子さん(44)が19日、岐阜家裁に、男性から女性へ性別を変更するため、戸籍法に基づく戸籍訂正と性同一性障害特例法に基づく性別変更を申し立てた。M子さんは昨年12月にも戸籍法に基づき同様の申し立てをしたが、今月5日に岐阜家裁で却下されていた。
M子さんは01年11月に性同一性障害と診断され、03年3月に戸籍上の名前を変更、同7月に性別適合手術を終えた。昨年7月施行の特例法は、子どもの福祉に影響することを理由に、子どもがいないことを性別変更の条件としている。M子さんには14歳と12歳の男子がいるが、2人ともM子さんを母親と認め、逆に戸籍上の性別変更ができないことに戸惑いを感じていると主張している。《毎日新聞》
【サダム・フセイン元イラク大統領】初公判で無罪主張
多数の住民虐殺などを指示したとして、戦争犯罪で起訴されたイラクのサダム・フセイン元大統領(68)の初公判が19日、バグダッドの特別法廷で開かれた。フセイン被告は統治の正当性を主張し全面的に争う方針。有罪判決の場合は死刑が有力視される。2003年のイラク戦争で政権の座を追われ、同年12月に米軍に拘束されて約1年10カ月ぶり。
24年にわたる「独裁政権の罪」を問う歴史的な裁判の行方は、新憲法案の国民投票を終えたばかりのイラク政情にも影響を与えそうだ。ただ被告弁護人のドレイミ氏は、弁護に必要な準備が不足しているとして、開廷直後に3カ月の休廷を求める方針。フセイン被告の罪状認否など実質審理を行う前に休廷する可能性がある。《共同通信》
【この日の小泉総理】
食育推進会議(第1回)
平成17年10月19日、総理大臣官邸で第1回食育推進会議が開催されました。
この日の会議では、構成委員の紹介に続き、議事の手続き等を規定した運営規則が決定されました。また、食育基本法に基づき、食育の総合的かつ計画的な推進を図るため、平成18年3月末を目途に、食育推進基本計画を作成することなども決まりました。
会議の会長として小泉総理は挨拶で、「知育、徳育、体育はそれぞれ大事ですが、基本は食育だと思っております。厚生大臣の時も話してきましたが、お医者さんも薬も大事です。しかし、最も大事なのは食生活です。生活習慣病にかかった人の半分ぐらいは食生活で治る人が多いそうです。いかに食生活が大事であるかと思います。さらに、食は文化です。食事は人間関係を作る面において最も基本的な大事なものです。家族団らん、これは人生最高の喜びの一つだと思います。推進会議で有意義な会合ができますよう、よろしくご指導をお願いします。」と述べました。《首相官邸》
【この日の民主党】
前原代表、初の党首討論で、戦略なき小泉外交を厳しく追及
19日午後、今国会初となる党首討論が衆議院で開かれ、前原誠司代表が戦略や主体性を欠く小泉首相の外交姿勢に対し、厳しい批判を展開した。また、対中国政策のトータルパッケージとして、地球環境・大気汚染に配慮して、日本の省エネ・新エネルギーの技術協力を申し入れることを提案した。
首相はこうした前向きの提案にも答えず、また、各省庁の縦割りを排し、情報収集・分析能力の向上を図るべきだとの提案にも、「一国では無理だ」と答えるなど、無責任な答えに終始した。
やり取りの要旨は以下の通り。
■日米関係 冷戦後の日米安保条約の意義
前原 冷戦時には日米同盟の意味は国民にとってもよく理解できた。冷戦後の日米同盟の意義については、国民によく説明できていないのでは。
小泉 冷戦後も極めて重要と考えている。日本の安全を図る上で、日本一国では難しい。侵略を未然に防ぐ抑止力として将来も極めて重要。
前原 橋本・クリントン会談で、日米同盟はアジア・太平洋の安定のための公共財としている。その認識でいいのか。
■対中国・対米関係・沖縄の基地問題
前原 中国をどう見るのかは、50年後の日米同盟にとって重要。中国は両面作戦をとり、日米の分断を図っている。東アジア首脳会談にアメリカが入らないのは。
小泉 日本とアメリカとの関係が良ければ、アジア、中国ともいい関係になる。
前原 日米関係が良好であることはアジアの国にとってもハッピーなのはその通り。日本の政治・外交に欠けているのは戦略性と主体性。米軍のトランスフォーメーションでもすでに2年遅れている。普天間基地の問題は9年前に解決すべきもの。リーダーシップを発揮してきたのか。
小泉 遅れているのは事実。沖縄県民、自治体の関係者と協議し、協力を得て進める課題。
前原 責任を取るのか。
小泉 責任はすべて私にある。
前原 沖縄への説得もか。
小泉 そう。
■東アジア共同体とアメリカ
前原 東アジア共同体でのアメリカ外しをアメリカは懸念している。12月の東アジア首脳会議にオブザーバーではなく、正式メンバーとしてアメリカを入れるべきではなかったか。
小泉 アメリカは日本に信頼感を持っている。その懸念はないと思う。
前原 アメリカはそんなに甘くない。なぜアメリカは今までアジア共同体に反対してきたのか。アジアにとって一番大きいマーケットはアメリカであり、アメリカを入れるべきだと主張すべき。日米のFTAを交渉すべき。
小泉 FTAは時期尚早。
■日米関係・基地 日本の主権
前原 戦略性、主体性のなさは戦後60年経っても、米軍が敷地内を管理していることに現れている。信じられないこと。岩国や横田の空域も米軍の管制下。これで主権国家と言えるのか。日米安保の事前協議制度もそう。日本からいったん移動すれば、どこに行ってもかまわないと町村外相自らが答弁している。米軍ヘリの墜落事故もそう。何故、日本の警察が第一義的な捜査権をもたないのか。ここを改善せずに日米同盟の大切さを説明しても理解されない。自らを守るのは基本。しかし、それは軍事力だけではない。情報が一番大切。ここでもアメリカに依存している。
小泉 一国だけでは安全を確保するのは難しい。軍事も情報も日本独自で持つのは無理。
前原 主体性、戦略性をもつことの重要性を言っている。情報収集でも外務省だけでなく、警察、公安、入国管理局などがそれぞれ有している情報を共有していくことが必要。分析能力を持つことだ。
■中国のガス田開発
前原 中国の東シナ海でのガス田開発見て見ぬふりをするのか。国際法上は既成事実が優先する。民主党は帝国石油会社が試掘できる法案を提出する。真剣に検討を。
小泉 検討する。
前原 中国は日本よりエネルギー効率が6分の1、人によって12分の1と言う人もいるが。この効率で経済成長を続ければ、いま問題となっている天然ガスだけでなく、世界中の石油、天然ガスも掘りつくすことになる。公害、大気汚染もこともあり、日本の省エネルギー、新エネルギー技術協力を申し入れることで、現在の天然ガスを枝葉末節の問題とすることができる。このような戦略的、包括的対話の道筋をもてるのか。
小泉 できると思っている。
戦略性なき総理の外交安保政策は情けない 党首討論後に代表
前原誠司代表は19日、党首討論後に国会内で記者団に答え、「予想していた通り、(総理は)まともにお答えにならないし、お答えにならないということ(を通じて)は外交や国の安全保障について明確にお考えになっていないことが明らかになった」と語った。
前原代表は、二大政党制に向かうなか、昔のように右か左かというイデオロギーの対立ではなく、外交安全保障という国の基本にかかわる問題については、パワーゲームのなかでの外交を日本としてどう乗り切っていくのかという日本の主体性、日本の意志が問われていると指摘。それを実行する上で必要となる戦略性こそが党首討論では通じて掘り下げたかった点だとしたうえで前原代表は、「しかし私にとって満足のいく回答はなく、一国の総理が外交安全保障でああいう定見のなさでは非常に悲しい思いがした」と印象を語った。
「現実的な提案、戦略性とか主体性とかを提案するなかで、むしろ国民の皆様方にこれからの2大政党制のあり方の(なかでの)外交安全保障の姿、議論の形というものを提案したいと思ったのが、(今日の党首討論における)私の一番の本心だった」と重ねて述べた。米国だのみではなく日本独自の情報収集機能の必要性を指摘したのに対して小泉首相が「現状維持で仕方がない」と回答したところに象徴されるように、小泉首相の戦略性のなさについては「情けない思いがした」とも語った。
また、米軍再編に伴う沖縄基地問題に関しては、11月のブッシュ大統領来日前までに具体的地名も含めて基地再編については責任をもつと明言した首相に対し、「しっかりと責任を果たしていただきたい」と改めて言及。注意深く見守っていく考えを示した。
さらに小泉首相の靖国神社参拝問題については「人の心にふれる話なので、もう少し冷静に話をしたかった」と述べるとともに、参拝を否定するものではなく、日本国総理大臣は私人か公人なのかという問題と国益を考えたとき、とるべき行動はどうあるべきかを聞きたかったと説明。「いつもの紋切り型の靖国参拝のことしかおっしゃらない。そこは残念だった」と指摘した。
党首討論の意義を問われたのに対しては、「私が逆の立場だったらもっと真剣に答える」とした上で、まともに答えない小泉首相の姿勢が続く限り党首討論の形骸化につながるとの見方を示し、「国民にとってそれは不幸なことだと思う」と語った。
若林調査団長ら、パキスタン地震の被害状況を対策本部で報告
民主党パキスタン地震支援対策本部は19日午後、国会内で第3回会合を開催した。
冒頭、本部長を務める前原誠司代表は、調査団をねぎらうとともに、今回の調査を基礎に党としての考え方をまとめ、日本政府の対応に関する案を官邸に申し入れたいと表明した。
会議では、若林秀樹調査団長が現地の状況を、笠浩史国民運動委員長が被災救援募金活動の実施について、それぞれ報告した。また、政府への提案申し入れの実施方法や、今後の報告会の開催などについて協議が行われた。
会議には、浅尾慶一郎ネクスト外務大臣、大畠章宏組織委員長、松野頼久筆頭副幹事長の各副本部長、事務局長の田嶋要役員室次長(危機管理担当)、事務局長代理の細野豪志役員室長、事務局次長の藤田幸久国際局副局長も出席した。《民主党ニュース》