平成4665日目

2001/10/16

この日のできごと(何の日)

【衆院テロ対策特別委員会】

衆院テロ対策特別委員会は16日夕、米中枢同時テロへの報復攻撃をする米軍などの後方支援のため、自衛隊を海外派遣するテロ対策特別措置法案を、「自衛隊派遣を国会の事後承認とする」など一部修正し、自民、公明、保守の与党3党の賛成で可決した。実質的な委員会審議は参考人聴取も合わせて5日間のスピード審議だった。

18日の衆院本会議で可決して参院に送付、26日または29日に成立する運びだ。自衛隊派遣を国会の事前承認とする民主党独自の修正案は否決した。《共同通信》

テロ対策特別措置法案が衆院特別委員会で可決された16日夕、野党党首らは一斉に政府、与党の対応を批判した。

15日夜、法案修正をめぐる小泉純一郎首相との党首会談が決裂し、法案反対に軌道修正した民主党の鳩山由紀夫代表は「何のために、いつ、どのような規模で自衛隊をどこに派遣するのか一切見えないまま派遣だけ決まった。だから国会が関与して基本計画を国民の前で決めるべきだと求めてきた」と、国会の「事前承認」は譲れない姿勢を強調した。

岡田克也政調会長は「残念だ。与党内事情だろうが、事前承認に首相が賛成する可能性はあった」と未練たっぷり。《共同通信》

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【狂牛病問題】疑陽性は公表せず

狂牛病問題で厚生労働省の桝屋敬悟副大臣は16日同省で会見し18日からの全頭検査をめぐり、自治体レベルの一次検査で疑陽性が出た場合は速やかに公表するとの方針を撤回し、確認検査で陽性となり、同省の研究班が確定診断をした段階で公表することを決めたと発表した。

坂口力厚労相が一次検査段階での公表方針を12日に打ち出したのに対し、産地への影響を懸念する自民党などから反対の声が上がっていた。

厚労省は各自治体に、同省の方針に沿うよう要請する。既に一次検査段階での公表を打ち出している自治体もあり、同省は「自治体の主体性を尊重する」としているが、高了承に決定で方針転換をする自治体もありそうだ。

桝屋副大臣は「自民党の強い申し入れもあり、農水省とも協議した結果、いたずらに不安をあおることがあってはいけないと判断した」と説明した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の鳩山由紀夫代表は16日の両院議員総会で前夜の党首会談での小泉純一郎首相の対応について「首相はほとんど目をつぶっていた。話を聞いていたのかどうかすら、いまだに判然としない」と痛烈に批判した。「首相が1時間あまりの会談で、口を開いたのはたったの3回。まず最初は『山崎拓(自民党)幹事長どうぞ』、次は『民主党に協力をお願いしたい』だった」とめった切りにし、「何のための党首会談なのか理解し難い思いだ」とボルテージは上がりっぱなしだった。《共同通信》

【えひめ丸事故】1人の遺体を収容

米海軍は16日、ハワイ・ホノルル国際空港沖の浅瀬に移動させた愛媛県立宇和島水産高校の実習船えひめ丸船内で、行方不明者9人のうち1人の遺体を発見、同日収容した。2月9日に米原潜に衝突され、沈没して以来、不明者の遺体が発見、収容されたのは初めて。

米海軍当局者によると、海軍は死因の特定や身元確認のため、収容遺体を検視官に引き渡すとともに、残る8人の行方不明者発見に向け、本格的な船内捜索に着手した。《共同通信》

【米・パウエル国務長官】パキスタン・ムシャラフ大統領と会談

パキスタン訪問中のパウエル米国務長官は16日、イスラマバードでムシャラフ・パキスタン大統領らと会談した。会談後の記者会見で大統領はタリバン政権崩壊後について「ザビル・シャー元国王やタリバンの穏健派、北部同盟など幅広い勢力が参加する新政権が不可欠との認識で合意した」と語った。

パキスタンが反タリバン勢力の北部同盟の新政権を支持する代わりに、米国がタリバン勢力の穏健派を新政権に加えることを認めるという、両国間で妥協が成立したといえる。大統領は、こうした新政権構想を軍事作戦と並行して迅速に進めるべきだと強調。国務長官も、広範囲な基盤を持つ新政府の樹立への支援を表明した。《共同通信》

【この日の民主党】

にわかじこみの自衛隊法改正は危険~中野寛成副代表

衆院テロ対策特別委員会の最後の審議となった16日、民主党副代表の中野寛成衆議院議員が質問に立ち、連日の議論をさらに深めた。

中野議員は「国際テロへの対応は、国益そして国際社会の平和を考えながら、いかにして心をひとつに国際貢献していくかだ」との姿勢を示し、法案をめぐる鳩山代表と小泉首相との党首会談の経緯に対し、与党側の姿勢に対して「フツフツとした怒りを覚える」と述べた。

民主党が求めた基本計画の国会事前承認について、「単に国会が監視しようというだけではなく、そのリスクを国会も共同で負うために求めたもの」と中野議員は強調。「国会の事前承認を得、国民にも理解してもらうことは自衛隊員の安心にもつながる」とした。武力行使以外は何でもしたいという姿勢が垣間見える小泉首相にも釘をさし、「できてしまうとひとり歩きする法律の危険な側面を考慮しても、国会承認の必要性は欠かせない」と重ねて主張した。

同時に、そもそも党首同士の1対1の議論の場であった会談で、たった2回しか発言しなかった小泉首相に対し、その政治姿勢とリーダーシップのなさに中野議員は大いなる疑問を呈した。

また、テロ対策特別措置法の基本方針として小泉首相が「国際協調の立場から主体的に対処する」と度々口にしている点に言及。「実際には米国をはじめとする外国の軍隊への支援・国連等の要請に基づく行動。到底主体的ではなく、主体的に人に追従しているにすぎない」と矛盾を分析してみせた。

続けて、テロ根絶には武力攻撃だけでなく、テロ組織の資金源を絶つなど、包括的な対応が必要だと指摘。同時に、これを機に国際テロ全体の撲滅に対する国内法の整備や国際社会の申合せなど、充分に検討する必要があると問題提起した。

自衛隊法についても、基本的に有事法制であり、100条などに災害出動などの平時の活動が列記してあるが、「今回のような緊急事態への対応が欠落している」と指摘。“警察が国内を守り、外敵に対しては自衛隊が守る”とする大原則は守られるべきだとしながらも、緊急事態対応として国内外に向けて自衛隊の力を発揮できる法体系の整備が必要だと重ねて訴えた。福田官房長官は「鋭意検討中だ」とした。

同時に中野議員は、自衛隊法の改正は重要課題であるにもかかわらず、今回、テロ対応ということで“にわかじこみ”で改正しようとしている危険性を指摘した。

また、今回の問題の根本原因となっているパレスチナ問題を、宗教的に中立の立場をとる日本が積極外交を展開することで改善していくべきだとした。

さらに中野議員は田中外相に対し、タリバン政権崩壊後のアフガニスタン新政権のあり方をめぐる日本の役割について、「充分な準備と国際協議への積極参加が必要だ」とし、平和貢献にむけての新しい日本の役割の追求を強く求めた。

アフガン復興への人道的取り組みを~古賀一成議員

衆院テロ対策特別委員会の最後の審議となった16日、中野副代表に続いて、民主党の古賀一成議員が質問に立った。

古賀議員は、国内のテロ対策をめぐって、来年開催されるサッカーのワールドカップが大きな焦点になると指摘。対策の現状について質した。村井国家公安委員長は、すでにフーリガン対策などは海外治安機関と連携をとりながら検討しているとしながらも、テロ事件との複合については「非常に難しい」と述べ、今後ハイジャックやBCテロ対策などに全力を挙げる意向を明らかにした。

また、手段を選ばないテロリストに対しては、首相の言うように「やれることを全てやる」ではなく、むしろ大義の面でイスラム過激派グループを追い込んでいく知恵を使った外交的取り組みが必要だと主張。関連して、10月3日にパウエル米国務長官が、アフガンの平和と安定を援助することが日本の最大の貢献になるという趣旨の発言を行ったという報道を取り上げ、どう受けとめているかを質した。

しかし、田中外相は「その発言は直接聞いていないが、今小泉内閣がやっていることではないか」などと、その場しのぎの答弁に終始。古賀議員は、「ただちに発言の真意を確認するくらいのことはやったらどうだ」と厳しく批判し、同時に現地情勢を含めた情報収集の強化も要請した。

さらに古賀議員は、日本がアフガン復興を願い、そのための人道的スキームをも持っているということを、自衛隊を派遣するのと同時にしっかり表明することが非常に大切だと指摘。福田官房長官も「同感だ」と答えた。また、アフガン復興に向けた具体的なスキームとして、かつて日本が国連で提唱したアフガン和平復興会合の実現に取り組むよう要請し、田中外相も「努力する」と述べた。

自らの責任をはっきり示すのが政治家だ~岡田克也政調会長

衆院テロ対策特別委員会の最後の審議となった16日、与野党協議の最前線で法案修正の折衝にあたった民主党の岡田克也政調会長は、前日の党首会談で合意できなかった理由を最初に小泉首相に質した。

「総理は民主党の協力を得てといわれたのにもかかわらず。最終的にこれを受け入れられなかった理由は何か」との問いに答えて、小泉首相は「突き詰めていれば、政府を信頼するかしないかだ」と開きなおった。岡田議員は「それなら議会はいらない。政府が間違いをするという前提に立って議会があるのが民主主義の基本だ」と強く反論した。

また、政府側が何度も繰り返した「法案自体がアメリカのテロ事件に関するものなので、法案を通すこと自体が国会承認の意味を持っている」との説明に対し、岡田議員は「基本計画の中身は何も決まっていない。何を聞いても具体的な答えはない。そういう状況の中で、法案を通すこと自体が基本計画を認めることと同じという理屈は通らない」と迫った。

福田官房長官は「法案の目的ははっきりしているし、そんなに長期間にわたっていろいろやるものでもない。極めて限定された目的をもち、同時に活動範囲も限定されている」と言い放ったが、岡田議員は「テロ攻撃による脅威の除去に努めることは具体的に書いてあると百歩譲るとしても、もうひとつの人道支援はアメリカのテロではなくテロ一般に対する協力の話。全然特定されていない」と反論、議論は平行線をたどった。

岡田議員はさらに、ウサマ・ビンラディンとアルカイダがテロ事件に関与しているとの証拠資料について、小泉首相に「本当にアメリカ政府から一般に公開できないような資料を見せられて、納得したのか」と迫ったが、首相は正面からなかなか答えようとせず、「常にアメリカと情報交換をし、総合的に判断して国会に報告した。責任があるし、自信があるから説明した」などとはぐらかし続け、最後には「何回も言っている」といらつきはじめたが、岡田議員は納得せず「資料をみたのかどうかイエス・ノーで答えてほしい」と詰めより、小泉首相はようやく「じかに意見交換をし、証拠を見て、自信を持って、責任を持って説明している」と答弁。初めて公表されていない資料を見たことを明らかにした。

さらに岡田議員が田中外相にも同様の質問をぶつけたが、外相は「総理が今まで答弁したとおりで、例えば10月1日の在米大使館員からの電報がある」とまたまた見当はずれの答弁を始めた。岡田議員は「一本の電報で納得されるとは驚きだ」とあきれ、「皆さんには見せられないけれど、その資料に自分は確信を持った。それが間違いだったら自分は責任をとる–こう言うのが政治家だ」と厳しく諭した。

★衆院補欠選挙スタート★「税の無駄使い許さない」宮城4区・山条たかし候補が第一声

28日投票の2つの衆議院補欠選挙が16日からスタート、民主党の2人の若き公認候補が元気に第一声を上げた。

衆議院宮城県4区補欠選挙で、税理士で民主党公認の山条たかし候補(38)は塩竈仲卸市場で力強く第一声を行った。

同区の補欠選挙は伊藤宗一郎議員(自民)の死去にともなって行われるもので、選挙区は塩竈・古川・多賀城の3市、宮城・黒川・加賀・志田の4郡。

この日の第一声には宮城県選出の櫻井充参議院議員、今野東・鎌田さゆり両衆議院議員が応援にかけつけた。岡崎トミ子民主党宮城県連代表は「納税者の立場で政治をチェックし、政官財の利権構造を打破することが構造改革のために絶対必要。税の専門家である山条たかしさんに期待する」とあいさつ。

また、東京から駆けつけた羽田孜民主党特別代表は「テロ対策特別措置法で国会の事前承認が必要だという民主党の主張を自民は蹴った。自衛隊を外に出すことを国会チェックなし、シビリアンコントロールなしに行おうとしている。これは日本の道を誤らせるもので、断じて許さない」と訴えた。

山条たかし候補は「税理士の仕事を通して税の不公平を痛感してきた。有権者の皆さんに三つの約束をしたい。生活者の視点で税制改革すること、中小企業・商店街の元気で日本を元気にすること、食の安全・食の元気を確立することだ」と力強く第一声、有権者に「税金の山条」を強くアピールした。

★衆院補欠選挙スタート★「滋賀から日本を変える」滋賀2区・田島一成候補が第一声

28日投票の2つの衆議院補欠選挙が16日からスタート、民主党の2人の若き公認候補が元気に第一声を上げた。

滋賀県2区では前県議の民主党公認の田島一成候補(39)が元気いっぱいに選挙戦をスタートした。同区の補選は小西哲議員(自民)の死去にともなうもの。

JR彦根駅前で行われた田島候補の出発式「いっせい・スタート」には支持者が300人集まった。

田島候補は「28歳から地方議員をやってきたが、中央の政治が障害となってできないことがたくさんある。だからこそ、国政に立ち上がる決意をした。例えば、国は雇用対策にお金をばらまいているが、いったいどれだけ雇用が増えたでしょうか?その効果をチェックしているでしょうか?」と強く訴え、支持者から拍手がまきおこった。

また、応援に駆けつけた江田五月民主党参議院副会長は、「テロには毅然として取り組まなければならない。しかし、世界がテロと武力報復による暴力の連鎖に陥ろうとしている。本当にこの政府の対応でいいのか?」と小泉内閣の対応に疑問を投げかけた。

田島候補は市会議員時代から自転車にのって、トライアスロンで鍛えた健康さをアピールする選挙戦をしてきた。今回も、自転車で選挙区内を走り回る予定。田島一成候補を先頭とする自転車隊は、彦根市の多くの支持者たちから「いっせい」コールと握手に見送られて会場を出発、12日間の選挙戦をスタートさせた。

滋賀県2区は彦根・長浜・近江八幡・八日市の4市、蒲生・神崎・愛知・犬上・坂田・遠浅井・伊香の7郡。《民主党ニュース》



10月16日 その日のできごと(何の日)