平成3557日目
1998/10/04
この日のできごと(何の日)
【和歌山保険金疑惑】夫婦逮捕
和歌山市の毒物カレー事件前に、知り合いの無職男性(35)に多額の保険を掛けて致死量に相当するヒ素を摂取させ保険金をだまし取ったとして、和歌山東署捜査本部は4日、殺人未遂と詐欺などの疑いで同市園部、元保険外交員の主婦、林真須美容疑者(37)を逮捕。虚偽の報告で保険金を詐取したなどとして詐欺と詐欺未遂の疑いで元シロアリ駆除業者で夫のB容疑者(53)を逮捕した。両容疑者は、容疑事実については「知らない」と全面否認しているという。
これまでの調べで、ヒ素が混入されたカレー事件当日、真須美容疑者が一人でカレーの調理なべの見張りをしていた時間帯があったことや、両容疑者が約3年半前までヒ素化合物の亜ヒ酸を大量に保管していたことが判明。捜査本部は関連を徹底捜査するとしている。
捜査本部は4日朝から、夫婦の自宅や、B容疑者から譲り受けた亜ヒ酸を捜査本部に任意提出した和歌山県内の自営業者宅など4カ所を家宅捜索。5日以降も自宅などの捜索を続行し、ヒ素の発見に全力を挙げる。
4日午後、両容疑者に接見した弁護士によると、B容疑者は「体がだるい」と不調を訴え、2人とも子どもの心配をしていたという。
調べによると、真須美容疑者は、休眠状態の不動産会社などを受取人にして男性に7社計約1億2900万円の生命保険を掛け、男性を殺害して保険金をだまし取ろうと計画。
昨年9月22日、自宅でヒ素を混入したレトルト食品の牛どんを食べさせたが、男性は吐き出したため死亡せず、急性ヒ素中毒で入院。同年12月、2社から支払われた約70日分の入院給付金約162万円をだまし取った疑い。
男性は一時同容疑者宅に住み込んでおり、平成8年7月から今年4月にかけて4回の入退院を繰り返していた。
また両容疑者は、8年2月13日、真須美容疑者がやけどで入院した際、損害保険会社に「自転車で転んだ際、たき火にかけてあった湯をかぶった」などと原因を偽って報告、交通傷害保険の入院保険金など約328万円をだまし取った疑い。
同年8月と9月には同容疑者が軽度のやけどだったのに「両足の機能全廃」と偽って報告、後遺障害保険金など約4900万円をだまし取ろうとした疑い。保険会社は不審な点があるとして支払いを拒否していた。
両容疑者の周辺では、判明しただけで本人を含め11人に総額約12億7000万円の保険が掛けられ、支払われた約3億3000万円の保険金のほとんどが両容疑者に渡ったとされる。逮捕容疑以外にも生保など5社、損保1社から被害届が出されており捜査本部は保険金疑惑の全容解明を急ぐ。《共同通信》
◇
飛び交うヘリコプターの爆音、ひしめき合う報道陣や住民。秋晴れの4日日曜の早朝、頂点に達した騒ぎの中、疑惑の夫婦は素直に連行に応じた。「ようやく一段落」「まだ平穏は戻らない」。
4人が死亡した夏祭りから2カ月余り、緊張と戸惑いの日々が続いた和歌山市園部地区の住民の表情には、安どと不安が混じる。主婦はやり手の元保険外交員で、不審な保険契約は13億円近い。派手な暮らしっぷりや激しい性格から地域では浮いた存在だったという。
「私たちは犯人じゃない」と主張してきた容疑者夫婦だが、カレー事件と同じ「ヒ素」に疑念は深まる。全国で模倣犯が相次いだ“毒物連鎖”の原点、カレー事件も「徹底捜査する」と捜査本部。住民はかたずをのんで行方を見守っている。《共同通信》
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【プロ野球・巨人】原辰徳氏が総合コーチに
巨人の来季スタッフとしてOBの原辰徳氏(40)と水野雄仁氏(33)=ともに野球評論家=の入団が4日、決まった。
2人は同日、東京ドーム内で山室寛之球団代表とそれぞれ話し合い、原氏は一軍野手総合コーチ、水野氏は一軍投手コーチへの就任要請を受諾した。契約年数については原氏が当人の希望で1年、水野氏は3年となる見込みで、ともに11月始めごろから秋季キャンプに合流して、指導を始める予定になっている。
打撃、守備などを総合的に担当することになった原氏は「監督、コーチ、選手のパイプ役として、活気があり明るさのある戦う集団をつくっていきたい」と抱負を語った。ブルペンを担当する水野氏は「辞めて2年とまだ若いので、勉強させてもらう感じになるでしょう」と話した。《共同通信》
【近鉄・佐々木恭介監督】留任決定
近鉄の佐々木監督(48)の留任が、4日決まった。9月5日に球団から留任を要請された佐々木監督は、これまで返事を保留していたが「優勝を逃した悔しさから、受けさせてもらうと言った。4年目については球団の温情もある。(今季)Bクラスなら辞任と言ったが(社長に)来年勝負しろと言われた」と、経緯を説明した。
藤井球団社長は、この日、大阪市中央区の球団事務所で会見し「佐々木監督で確定した。優勝争いに絡んだ手腕を評価した。彼には“熱パ”を演出した手柄がある」と話した。佐々木監督の契約は1年。コーチ陣はチームの日程終了以降に発表される。《共同通信》
【ブラジル大統領選挙】カルドゾ氏が再選
南米ブラジルで実施された大統領選挙の投票が4日夕(日本時間5日朝)締め切られ、即日開票作業に入った。同夜の公式中間集計で、中道左派政党、ブラジル社会民主党のフェルナンド・エンリケ・カルドゾ大統領(67)の得票率が50%を超え、再選確実となった。
地元グロボテレビと調査機関ダータフォリャも同夕、それぞれ個別の全国規模の出口調査結果などから、カルドゾ大統領の得票率が56%に達し、決選投票を待たずに再選を果たすと伝えた。
8月以降、ロシアの経済危機が飛び火する形でブラジルの金融・株式市場にも混乱が生じたが、国民は経済や政治の安定を求め、カルドゾ政権の継続を選択した。
1989、94年の大統領選に続いて3度目の挑戦となった労働党党首のルイスイナシオ・ルラ・ダシルバ候補(52)の得票率は出口調査では29−30%となっている。《共同通信》