平成2820日目
1996/09/27
この日のできごと(何の日)
【小選挙区解散】
衆院は27日午後0時5分、第137臨時国会召集日の冒頭の本会議で解散された。政府は臨時閣議で第41回総選挙日程を「10月8日公示、20日投票」と決定。各党は1993年7月以来、約3年3カ月ぶりの選挙戦に実質的に入った。
中選挙区から小選挙区比例代表並立制の新制度に変わって初めての衆院選で、定数500(小選挙区300、11ブロック比例200)をめぐっての激戦が展開される。共同通信社調べで27日現在の立候補予定者は小選挙区と比例代表の重複候補を除き、約1300人に上っている。《共同通信》
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「憲法第7条により、衆議院を解散する」土井たか子衆院議長が解散詔書を読み上げると、議場のあちこちから「万歳」の声が沸き起こった。27日午後0時5分。これを合図に、各党は10月8日の公示を待たず一斉に選挙戦に突入した。
橋本龍太郎首相(自民党総裁)、小沢一郎新進党党首の因縁の「一・龍対決」の行方は。28日に産声を上げる民主党は「台風の目」になるのか。民主党への多数流出で屋台骨が揺らいだ社民党、新党さきがけの消長は。地方選で健闘著しい共産は議席を伸ばせるか、各党党首は生き残りをかけて陣頭指揮に走り出した。《共同通信》
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【民主党】複数代表制へ
「民主党」の党首選考は27日、同党設立委員会代表を務める菅直人厚相と鳩山由紀夫の両氏による「複数代表制」で決着する方向となった。菅厚相は衆院解散後に新党さきがけに正式に離党届を提出、記者団に「(総選挙後の)特別国会まで職務を全うしたい」と明言、厚相にとどまることが決まった。
鳩山氏は同日朝、記者団に対し「選挙を戦うに当たって党の代表が)複数でも面白い。菅氏とともに戦う姿を見せるのも今までにないざん新な党のイメージだと思う」と述べ、菅氏とともに代表に就任する意向を表明。菅氏も記者会見で「設立委の二人代表制で、やりにくいとか、物事が決まらないということはなかった。自然と(鳩山氏と)役割分担ができた」と前向きの姿勢を示した。午後の幹事会で合意が得られれば「複数代表制」が正式決定する。
ただ、政党としての自治省への届け出は、代表を鳩山氏にしており、形式上の党代表は鳩山氏になる見通し。《共同通信》
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民主党設立委員会は27日午後の幹事会で、党首問題について協議し「2人代表制」とすることを決定した。これで鳩山由紀夫、菅直人両氏の代表就任が確定、28日の結党大会で承認の上、「民主党」が正一式に発足する。
党首問題とともに懸案になっていた菅厚相の進退問題は、一任を受けていた菅氏が幹事会で「(総選挙後の)特別国会まで職務を全うしたい」との意向を表明、閣内にとどまることで決着した。菅氏はこれに先立ち、新党さきがけに離党届を提出した。
代表の担務については、鳩山氏が「党の代表権者として党大会、党組織に総括的責任を持つ代表」、菅氏が「幹事会運営に直接的責任を持つ代表」となり、幹事長ポストは菅氏が兼任する方向だ。ただ鳩山氏は記者団に「総選挙後に2回目の党大会を開き、党首を1人に絞り込む」と強調、党首を含む役員は総選挙までの暫定的なものになるとの認識を示した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・社民党の野坂浩賢副党首は27日午後、衆院解散後の両院議員総会で「超法規的だが、土井(たか子)議長を党首の座にお願いしたい」と、党の前途を「土井党首」で切り開きたい必死の思いを強調。ところが、佐藤観樹幹事長の離党問題では、一転して「極めて遺憾だ。大政党を担う幹事長の責任は重大である。しかし、あえて(党を)出るということなら追う必要はない」と厳しく批判した。土井氏の承諾はすんなり得られないうえ、幹事長まで逃げ出し離党者を食い止められない現状に歯がゆさがありあり。
○・・・新進党の中野寛成国対委員長は、この日の記者会見で、「われわれが解散に追い込んだ。内閣の逃げ込み、解散、閉塞打開選挙だ」と気勢を上げた。もっとも、8月の就任以来初めて迎えた国会が解散のための召集とあって、この後の議員総会では「(あいさつが)国対委員長として最初で最後の仕事です」と切り出し、笑いを誘った。最後は「政権を取って、できれば国対委員長ではないポストにつけていただきたい」と暗に閣僚就任を要請したが、選挙の景気づけにしても“猟官運動”は気が早過ぎるとの声が専ら。《共同通信》
【アフガニスタン】タリバンが首都制圧
カブールからの報道によると、アフガニスタンの反政府ゲリラ、タリバンは27日、カブール市に進攻。パキスタンに拠点を置くアフガニスタンの通信社AIPによると、タリバンが同日、暫定統治評議会を設置するとの声明を発表したと伝えた。ラバニ政権軍は既に首都を放棄しており、同政権は発足から4年足らずで崩壊した。
タリバンの民兵はまた、1992年の失脚以来、カブールの国連施設に身を隠していたナジブラ元大統領を連行、処刑した。《共同通信》
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アフガニスタンの首都カブールに入ったイスラム教原理主義ゲリラ、タリバンの最高指導者オマル師は27日、同派の拠点である南部カンダハルから声明を発表、暫定統治評議会の設置を明らかにし事実上、新政権の発足を宣言した。
評議会はムハマド・ラバニ師を議長とする6人のメンバーで構成、「完全かつ純粋なイスラム体制」の実現を目指すとしている。
アフガン紛争各派の中で、同派は際立った原理主義に立脚しており、タリバンの民兵は首都入城直後の26日夜、1992年の社会主義政権崩壊以降、市内の国連施設内で事実上の軟禁状態となっていたナジブラ元大統領を連れ出し絞首刑にした。
ナジブラ元大統領は、78年に成立した社会主義政権下で86年に人民民主党書記長に就任、87年11月から92年4月の同政権崩壊まで大統領を務めた。処刑に至ったいきさつは明らかでないが、同日ニューデリーで会見したカリリ駐インド・アフガニスタン大使も元大統領処刑の事実を確認した。
カリリ大使はまた、首都を追われたラバニ前大統領らが、前政権の閣僚を中心とする「最高国家評議会」の存続を明らかにした。ラバニ前大統領らはカブールの北約70キロのバグラム空港近くに拠点を構え、当面カブール奪還を最優先とする方針を固めたという。大使は、前政権指導部と大使館との通信は依然、確保されていると述べた。
その上で大使は、タリバンが今回極めて迅速な作戦ができた理由として、パキスタン軍部の強力な支援を指摘。外国の支援を受けた政権は受け入れられないと強い調子で非難した。さらに大使は「国連をはじめとする国際社会はほぼ(タリバンの)攻勢を黙認した」とも述べ、間接的ながら、国際社会がタリバンによるカブール制圧を容認したとの見方を示した。《共同通信》
【北陸鉄道・浅野川線】新車両搬入
北陸鉄道の浅野川線移設地下化に伴う新車両が27日、金沢市の同線七ツ屋駅構内に搬入され、銀色に輝くオールステンレス製の車体がお目見えした。
新車両は京王帝都電鉄・井の頭線を走っていた通勤型電車で、今回、北鉄は8両4編成を購入した。車両は、JR横須賀線逗子駅から電気機関車にけん引され、東海道本線、北陸本線を経由し25日にJR金沢貨物駅に到着。このうち2両が27日早朝、トレーラーで七ツ屋駅に運ばれた。
七ツ屋駅では25トンと45トンの2台の大型クレーンが、重量約20トンの車体をゆっくりとつり上げ、仮設線路上の台車に下ろした。午後は雪かき用の装置を新たに装着するなどの作業が行われる。
車両の搬入は30日まで順次行われ、新車両は試運転を経て、12月中旬から営業運転する。《北國新聞》