平成2783日目
1996/08/21
この日のできごと(何の日)
【薬害エイズ事件】ミドリ十字を強制捜査
肝臓病の治療で使われた非加熱血液製剤でエイズウイルス(HIV)に感染し、死亡した近畿地方の男性の遺族が、製剤を出荷した製薬会社「ミドリ十字」の元社長(75)を殺人罪で告訴した事件で、大阪地検は21日、業務上過失致死容疑で大阪市の同社本社など関係個所を一斉に家宅捜索した。
薬害エイズ問題での強制捜査は初めて。22日には東京、横浜、京都、神戸などの支店を家宅捜索する方針。東京地検も血友病患者らの告訴で、元厚生省エイズ研究班長の安部英・前帝京大副学長(80)の事情聴取に踏み切っており、400人以上が死亡した戦後最大規模の薬害の捜査は東西でヤマ場を迎えた。
一方、大阪HIV訴訟の被害者弁護団は同日、安全な加熱製剤が承認された後も、危険な非加熱製剤の回収命令を出さなかった厚生省の責任を追及するため、新たな告訴、告発を検討していることを明らかにした。薬務行政の責任も、捜査の大きな焦点に浮上する可能性が強まった。
元社長を告訴しているのは肝臓病で近畿地方の病院に入院してHIVに感染し、昨年12月に40歳代で死亡した男性の遺族。
告訴状によると、元社長は、輸入非加熱製剤がHIVに汚染されている危険性が高く、患者の死亡を予見できたのに、加熱製剤の製造、販売が承認された後の昭和60年12月から61年2月にかけ、非加熱製剤164本を病院などに出荷。このうち3本が86年4月、男性に投与されたとしている。
大阪地検は殺人罪を適用した場合に必要な「殺意」の立証は難しいと判断し、業務上過失致死容疑での強制捜査に着手した。《共同通信》
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【トヨタ・ウィンダム】フルモデルチェンジ
【第78回全国高校野球選手権大会】松山商(愛媛)27年ぶり5回目の優勝
松山商、古豪対決を制し27年ぶりの全国制覇―。第78回全国高校野球選手権大会最終日は21日、4万8000人の観衆で埋まった甲子園球場で決勝を行い、延長十一回の熱戦の末、松山商(愛媛)が6−3で熊本工(熊本)を破り、第51回大会以来、27年ぶり5度目の優勝をした。決勝戦の延長は第71回大会以来、11度目。愛媛県勢の優勝は6度目。《共同通信》
【Jリーグカップ】第14日
Jリーグカップ第14日(21日・等々力陸上競技場ほか=8試合)B組はホームアンドアウエーの2回戦総当たりリーグ戦を終了。ジェフ市原に4−0で大勝して勝ち点を6に伸ばした1位の清水エスパルスと、2位のヴェルディ川崎が準決勝(9月4日)に進出した。
A組はベルマーレ平塚が柏レイソルを2−1で下し、勝ち点13で首位に立って2位以上を確保し、準決勝進出を決定。2位は広島だが、3位柏が未消化の京都サンガ第2戦(24日)で勝ち点を挙げるとトップで準決勝に進むことになる。《共同通信》
【観測船・みらい】進水式
廃船になった旧原子力船「むつ」を改造した大型海洋観測研究船「みらい」の命名式と進水式が21日午前10時45分、中川秀直科学技術庁長官らが出席して、東京都江東区の石川島播磨重工業の東京第一工場で行われた。
「むつ」は昨年5月、青森県むつ市の関根浜港で、船体を中央部で輪切りにされ原子炉を撤去。その後、同工場などで行われていた前部と後部をつなげる工事が終了、世界最大級の大型海洋観測船として生まれ変わった。改造工事費は、約200億円。就航は来年秋の予定だ。
「みらい」は長さ約130メートル、約8600トンと海洋観測船としては世界最大級で、日本では最大。気象条件の厳しい海でも長期間の観測ができる。
式典では、くす玉とシャンパンのボトルが割られ、前部と後部の色の違いがはっきり分かる「みらい」がタグボートに引かれドック内を約110メートルほどゆっくりと進んだ。《共同通信》
【韓国・金泳三大統領】延世大デモを非難
韓国の金泳三大統領は21日、青瓦台(大統領官邸)に全国の大学の総長、学長計約300人を昼食に招いた席で、韓国大学総学生会連合(韓総連)による9日間にわたるソウルの延世大学でのデモを朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に追従した行動と強く非難した。
大統領は「彼らの集団行動はもはや純粋な学生の運動ではなく、北を支持する反体制暴力革命運動で都市ゲリラだ」と批判した。
大統領の極めて強い調子での非難は、デモ鎮圧を機に国民の間に学生への同情論が高まることを防ぎ、政府の対応を非難して北朝鮮の主張に容認的な風潮が広まることを防止する狙いがある。
北朝鮮はデモを「義挙」と評価する一方、韓国政府の鎮圧を「ファッショ」などと非難しており、冷え切っている南北関係打開の糸口は今回のデモ事件でさらに遠のいたとの見方も出ている。《共同通信》
【台湾・連戦副総統】ウクライナ大統領と非公式会談
台湾の夕刊各紙によると、ウクライナ訪問中の連戦・副総統兼行政院長(首相)は21日、クチマ大統領と非公式に会談し、相互の事務所設置など交流拡大で基本的に合意、中国が反対する中で昨年6月の李登輝総統の訪米以来の外交的成果を挙げた。
中国と友好関係にあった旧ソ連圏では、ロシアが10月にも、ベラルーシが年内にも台北に事務所を開設する見通しで、台湾の北方外交の進展が顕著となっている。今回ウクライナが副総統を受け入れたのは、「台湾カード」を握って対中関係を有利にする思惑があるとみられている。
一方、中国は李鉄映・国務委員(国家経済体制改革委員会主任)を団長とする代表団が21日から26日までウクライナを訪問する予定だが、キエフ発のロイター通信は、中国外交官の話として、中国側が代表団のウクライナ訪問を中止したと報じた。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】メキシコ大統領と会談
橋本龍太郎首相は21日午後、メキシコのセディジョ大統領とメキシコ市内の大統領府で会談し、邦人社長誘拐事件での人質解放に向けたメキシコ側の協力に謝意を示すとともに、「民間(進出)企業の安全確保のため治安に尽力してほしい」と要請した。
首相は、途上国が他の途上国を援助する「南・南協力」をめぐり、開発援助戦略アドバイザーのメキシコ派遣や日本の経費負担による中米、カリブ海諸国へのメキシコの技術専門家派遣などを検討するとし、南・南協力を積極的に支援する方針を表明するとともに、同大統領の来年前半の来日を招請した。《共同通信》