平成1353日目
1992/09/21
この日のできごと(何の日)
【東京地検】金丸氏聴取へ最終通告
自民党の金丸信・前副総裁(78)が東京佐川急便の渡辺広康・元社長(58)から5億円の献金を受けた問題で、東京地検特捜部は21日午後、金丸氏の弁護士を呼び、同氏本人の出頭を強く要請、24日をめどに、事情聴取に応じるかどうか回答するよう迫った。これは、膠着状態となっていた金丸氏の聴取問題に対する特捜部側の最終通告といえるもの。金丸氏側も重く受け止めており、佐川事件「中央政界ルート」は週内にも新局面を迎える見通しとなった。
この日、金丸氏の弁護士は、午後4時過ぎに東京・霞が関の同地検を訪れ、特捜部幹部と面会した。
特捜部側は、22日の渡辺元社長らの初公判で明らかになる冒頭陳述をみた上で、早い時期に回答するよう求めたという。この冒頭陳述で検察側は、政治家と暴力団とのかかわりに言及するとみられている。
特捜部が金丸氏の弁護士と面会したのは、今月10日に続き二回目。また、17日には、地元事務所の秘書を務める二男を呼び、金丸氏本人の出題を改めて促していた。
一方、金丸氏側は、本人の聴取を回避したい意向で、上申書提出で済ませ、本人の刑事責任追及も免れる方向を模索していた。しかし、金丸氏本人にも政治資金規正法違反の嫌疑が認められるとして、立件の方針を固めている特捜部は、適正な刑事処分を下すには、同氏からの聴取は不可欠と判断している模様。上申書の場合は、同氏自身が容疑を全面的に認める内容で、同時に略式起訴に応じ、る旨の応諾書も添えるような対応でない限り検討の余地はない、としている。
特捜部は、金丸氏側との折衝と並行して、同氏本人の聴取を混乱なく実現させるため、どのような方法が適当か、部内で具体的な検討にも着手した、とされる。金丸氏側も今回、特捜部から通告を受けたことで、検察当局の強い姿勢を認識したとみられ、新たな対応を迫られることになった。《読売新聞》
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【近鉄・野茂英雄投手】3年連続200奪三振達成
近鉄3−0オリックス◇21日◇神戸
近鉄の野茂英雄投手(24)は21日、オリックス23回戦で13三振を奪い、今季の奪三振数を201個とし、プロ野球史上5人目の入団から3年連続200奪三振をマークした。《共同通信》
【大相撲秋場所】9日目
大相撲秋場所9日目(21日・両国国技館)1敗の貴花田は、うるさい寺尾を組み止めて完勝、単独トップを守った。琴錦は立ち合いに注文をつけた旭道山に敗れ、若翔洋とともに3敗となった。2敗は大翔鳳1人。
大関カド番の曙は武蔵丸に完敗し5連敗、霧島も水戸泉に敗れて4敗。アルゼンチン出身の東幕下筆頭、星安出寿は勝ち越しを決め、来場所の十両昇進を決定的とした。《読売新聞》
【宇都宮大】剣道部で“影武者”
学生の剣道団体日本一の予選も兼ねた関東学生剣道選手権で、国立大学の剣道部が替え玉を使っていたことが試合中に発覚、退場させられていたことが21日、明らかになった。関東学生剣道連盟は近く評議委員会を開き、対外試合の禁止など厳しい処分を行う方針だ。
替え玉が問題になったのは宇都宮大学。20日、日本武道館で開かれた第41回関東学生剣道選手権の一回戦で横浜国大と対戦、5−0で勝ったが、この直後、相手チームから「登録名簿に載っていない選手がいる」とクレームがついた。
当初、否定していたが、審判長が学生の大会実行委員長らを通じて問い詰めたところ、出場選手として登録していない部員を替え玉にしたことを認めた。このため、主催者側は同大を退場処分とし、試合は横浜国大の不戦勝とした。
大会関係者によると、各チームとも先月下旬までに9人を登録、このうち7人が当日の試合に出ることになっていた。いったん登録したあとは変更できないが、宇都宮大は、試合直前になって調子が良くなった登録外の選手を別の選手の名前で出場させていた。
替え玉となった選手は横浜出身で、対戦相手の横浜国大チームの何人かがたまたま顔を知っていたため、替え玉が発覚したという。同大では23日に開かれる女子の大会への出場停止を申し出た。《読売新聞》
【茨城県立波崎高校】避妊具配布に「待った」
茨城県波崎町の県立波崎高校(高野剛寿校長、生徒1033人)で21日、全校生徒を対象にエイズについての講演会が開かれ、終了後、講師の産婦人科医が男女生徒全員に避妊具(コンドーム)を配布しようとしたところ、学校側から待ったがかかった。講師は「配布は不可欠」と反発したが、「教育的配慮」を求める学校側の妥協案にひとまず折れた形に。米国内ではエイズ予防に避妊具を配る高校があり、わが国でも感染者の低年齢化が心配されているだけに、学校現場での「予防教育の限界」をめぐって論議を呼びそうだ。
講師は、同町の波崎済生病院産婦人科部長で筑波大学非常勤講師の山内宏医師(38)。講演は同県の「すこやか青春対策事業」の一環として同県潮来保健所が協力、「性をめぐる諸問題」と題して同校体育館で行われた。
山内医師は講演の中で、同県内のエイズ感染者数に触れ、「これまで84人と公式に発表され、数では東京都に次いで二番目。人口比では全国一ではないか」などと現状を説明。終了間際に黒板を使って避妊具の装着方法を図解し、「わが身、子孫を守るためにも性行為時にはコンドームが絶対に必要。もう正しい知識を持たなければならない時期に来ている」と訴え、メーカーから日本家族計画協会に寄付された試供品を配ろうとした。
しかし、生徒がざわついたため、教室で配布することになり、その場は解散。校長室での協議で、高野校長は「(事前に)聞いておらず、高校生への配布は社会的な合意も得られていない。趣旨は理解するが、父母の反応などを考えると、現時点では時期尚早」と反対した。しかし、山内医師は「十代の性は大人が考えるより相当進んでおり、正しい使い方を知る上でも配布は不可欠」と反論。同保健所の職員も交え、配布は性行為を容認することになる、ならないなど、議論は30分ほど続いた。
結局、学校側から「卒業を控えた生徒に、もう一度性教育をしてから配布を検討する」との妥協案が提示され、山内医師は不満ながらも了承した。
配布をめぐる是非論は県庁内でも波紋を広げ、教育庁保健体育課では「微妙な問題を含んでいるので、コメントはできない」と慎重。しかし、エイズ予防対策を推進している衛生部保健予防課では「配ることが性行為を容認したと解釈するのは短絡過ぎる。エイズ予防教育の一つの方法として、かまわないのではないか」と話している。《読売新聞》
【中国・呉学謙副首相】開放政策を堅持
中国の呉学謙副首相が21日午後、中国共産党有効代表団の団長として社会党の招きで来日した。
同夜、都内のホテルで開かれた歓迎レセプションで呉副首相は「中国が1978年から取り始めた改革・開放政策は大きな成果を収めている。この政策を堅持し、経済発展を加速させなくてはならないと自覚している」と述べるともに、「21世紀に向けた、新しい中日友好関係」の重要性を強調した。
呉副首相は、22日に札幌市を訪れて横路孝弘北海道知事と会談。24日には田辺社会党委員長、宮澤首相、竹下元首相、25日は山岸連合会長、自民党三役らと会談する予定。《読売新聞》
【宮澤喜一首相】豪・キーティング首相と会談
宮澤首相は21日午後、首相官邸で来日中のオーストラリアのキーティング首相と首脳会談を行った。
この中でキーティング首相は自らが提唱しているアジア太平洋経済協力閣僚会議(APEC)を基礎とした首脳会議の開催構想に触れ「1984年にジャカルタで開かれるAPEC総会に代えて第1回首脳会議を発足させてはどうか」と具体的に提案した。
これに対し、宮澤首相は「首脳会議構想は大変有意義だ」と評価したものの「94年開催」については言及を避けた。《共同通信》
【渡辺美智雄外相】米国務長官代行と会談
国連総会出席のため、ニューヨーク滞在中の渡辺美智雄外相は21日午後(日本時間22日未明)、米国のローレンス・イーグルバーガー国務長官代行と、滞在先のホテルで45分間会談した。イーグルバーガー長官代行は、北方領土問題について、「米国は、領土問題の解決がない限り、(ロシアへの本格的な)二国間援助は出来ないという日本の主張を支持する」と言明した。
エリツィン・ロシア大統領の来日延期後、米政府高官が、北方領土問題について日本支持を公式会談の席で表明したのは、今回が初めて。
会談の中で渡辺外相は、「ロシアでは、エリツィン大統領に(宮澤政権が倒れそうだと伝わるなど)正確な情報が上がっていないのではないか。ロシアは最近、日米間に一種のくさびを打とうとしており、警戒が必要だ」などと述べ、ロシアに対する不信感を表明した。これに対して、イーグルバーガー長官代行は、「エリツィン大統領の部下が誤った情報を大統領に上げるという事態は、米国も何度も経験している」と前置きしたうえで、「ロシアが日米間にくさびを打ち込もうと試みても、決して成功しない」と強調した。
ただ、長官代行は、「エリツィン大統領は国内で経済的、政治的困難に直面し、特に今年の冬は難しい時期を迎えよう。エリツィン政権が倒壊すれば、一層難しい状況が出てくる」とも指摘、10月末に東京で開催される旧ソ連(NIS)支援会議を成功させなければならないと付け加えた。《読売新聞》
【米政府】台湾にヘリも売却
米ホワイトハウスは21日、議会に対し、潜水艦攻撃用ヘリコプター「SH-2F」12機と交換エンジンを台湾に売却するとの計画を通告した。米国防総省が同日明らかにしたもの。計画の総額は1億6100万ドル(約200億円)にのぼり、米議会は、今後30日以内に承認手続きを行うことになる。
台湾への兵器売却をめぐっては、米国が今月、F16戦闘機150機とミサイルを台湾に売却する計画を発表、中国側が「米側の計画は、台湾への武器売却を行わない旨定めた1982年の米中合意に反する」と強く反発したいきさつがあり、今回の計画も、中国側を刺激するのは必至だ。
ブッシュ政権は、「台湾への戦闘機売却は、老朽化した兵器の交換のために行われるもので、東アジアでの軍事バランスに基本的な一変化を与えるものではない」としており、今回の売却についても国防総省は同趣旨のコメントを発表した。《読売新聞》