平成6054日目
2005/08/05
【郵政民営化法案】小泉首相、否決なら即日解散
小泉首相は5日、郵政民営化関連法案が8日の参院本会議で否決された場合、同日中に衆院解散を断行する意向を固め、政府・自民党幹部に伝えた。同党執行部や賛成派の派閥幹部らは説得工作を続けているが、反対派は勢いを増しつつある。与党執行部内では「法案の成立は厳しくなった」との危機感が強まっている。
首相は5日夕、首相官邸で自民党の武部幹事長と会談し、法案成立に向けて反対派の説得に全力を挙げるよう指示した。武部氏との会談後、首相は記者団に「成立、否決の可能性、五分五分だと言っている。最後まで頑張らないといけない」と語った。さらに、首相は同日夕、首相官邸で麻生総務相と会談し、麻生氏が「解散すれば法案も廃案になる。成立させる方法を探るべきだ」と進言したのに対し、「可決されれば解散はない。否決されれば解散する」と強調した。
首相は、法案不成立は小泉内閣の不信任と同じだとの考えを重ねて示しており、法案否決直後に解散することで、郵政民営化を衆院選の争点として明確にしたいとの思惑があるものとみられる。
また、同法案が参院で否決された場合、〈1〉衆参の両院協議会で成案の取りまとめを目指す〈2〉衆院本会議で3分の2以上の多数による再議決を目指す――の選択肢もあるが、首相は、自民党内の反対派や野党の協力が得られる見込みがないと判断している。
これに関連し、衆院議院運営委員会は5日、川崎二郎委員長(自民)の職権で8日午後の衆院本会議を設定した。首相が解散を決めた場合、この衆院本会議で河野衆院議長が解散詔書を読み上げ、解散する段取りを想定したものだ。政府・自民党内では、8日解散の場合、衆院選日程を「23日公示、9月4日投票」「30日公示、9月11日投票」とする案が検討されている。
こうした党内情勢について、自民党の森前首相ら森派幹部は5日、派閥事務所で協議し、「参院亀井派会長の中曽根弘文・元文相が法案反対を表明したことで、否決の方向が明確になった」との認識で一致した。公明党の東順治国会対策委員長は記者団に対し、「解散が現実のものとして大きく目前に広がってきた」と述べた。/p>
ただ、森氏と、山崎拓前副総裁、高村正彦・元外相、小里貞利・元総務庁長官は5日、都内のホテルで会談し、解散回避に向けて努力していくことで一致した。森氏は党本部で、武部幹事長と会談し、〈1〉法案可決に向け、執行部が反対派説得に全力を挙げる〈2〉法案否決の場合でも、解散しないよう首相に働きかける――ことなどを求めた。《読売新聞》
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【メッツ・石井一久投手】初のマイナー降格
米大リーグ、メッツの石井一久投手がマイナー(3Aノーフォーク)に降格することが5日、明らかになった。同日の試合後、ランドルフ監督が明らかにした。
同監督は試合前に「援護に恵まれなかったとはいえ、成績がよくなかった」などと語り、先発ローテーションから外すことを明らかにしていた。ミナヤ・ゼネラルマネジャーも「期待に応えていなかったし、チームには何か変化が必要だった」と試合前に話していた。しかし、石井投手は一貫して、先発希望を明言していた。石井投手は今季16試合で3勝9敗、防御率5.04と低迷していた。《共同通信》
【自殺サイト殺人事件】36歳男を逮捕
大阪府河内長野市で2月、同府豊中市の無職A子さん=当時(25)=の遺体が埋められているのが見つかった事件で、河内長野署捜査本部は5日、殺人と死体遺棄容疑で、同府堺市鴨谷台、人材派遣会社勤務M容疑者(36)を逮捕した。M容疑者は容疑を認めているという。
2人はインターネットの自殺サイトで知り合ってメールをやりとりし、A子さんが失跡する直前に初めて会う約束をしていたという。調べでは、M容疑者は2月19日午後10時ごろ、河内長野市加賀田の路上に止めた車の中で、A子さんの鼻と口を両手で押さえて窒息死させ、近くの加賀田川の河原に埋めた疑い。《共同通信》
【柏村武昭防衛政務官】辞意表明
柏村武昭防衛政務官(自民党参院亀井派)は5日午前、防衛庁で記者団に対し、郵政民営化関連法案に反対し政務官を辞任する意向を表明した。同氏は辞表を持参したが、大野功統防衛庁長官は不在で受理されなかった。
柏村氏は記者団に「首相が解散を盾に『白票(賛成票)を入れろ』『成立させてくれ』と言っちゃいけない。民主主義の危機だ。内閣の一員としてついていけない」と強調。辞表が不受理となったことについては「大野長官には辞意を伝えた。受け取ってくれないのならどうぞ罷免してください」と述べた。《共同通信》
【郵政民営化法案】参院特別委で可決
参院郵政民営化特別委員会は5日夕、郵政民営化関連法案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。民主、共産、社民の野党3党は反対した。また、2007年の民営化後の郵便局網維持や、持ち株会社などによる株式持ち合いを明記した付帯決議を自民、公明両党の賛成多数で採択した。
委員会での可決を受けて、同法案は8日午後1時からの参院本会議で記名投票で採決される。小泉首相は法案が否決されれば衆院を解散する意向だが、法案の成立は微妙な情勢だ。《読売新聞》
【郵政民営化法案】成立厳しい情勢
郵政民営化関連法案をめぐり、自民党執行部内で5日、成立は困難との悲観的な見方が広がった。自民党内で動向が注目されていた参院亀井派会長の中曽根弘文元文相が5日に反対票を投じる考えを表明するなど、8日の本会議採決で造反が「否決ライン」の18票を上回る可能性が次第に強まってきたためだ。青木幹雄参院幹事長は与党幹部に「現状では否決だ」との認識を示した。
小泉純一郎首相は否決ならば衆院解散に踏み切る考えを繰り返しており、与野党は候補者調整やマニフェスト(政権公約)の検討など選挙準備を加速させた。法案は5日夕の参院郵政民営化特別委員会で与党の賛成多数で可決された。
首相は同日夜、記者団に「成立は五分五分だ。最後まで頑張らなければいけない」と強調。武部勤自民党幹事長に法案成立へ多数派工作を強めるよう指示した。執行部は支持団体の協力も求め、反対派の説得に当たる方針だ。《共同通信》
【この日の民主党】
鉢呂委員長、法案賛否の脅しに解散を使う小泉内閣を批判
鉢呂吉雄国会対策委員長は5日午前、郵政民営化関連法案への対応などについて、国会内で野党国対委員長会談を開いて意見交換し、会談後に会見した。
鉢呂国対委員長によれば、会談では「解散を脅しの道具に使う小泉内閣の姿勢を厳しく批判する」点で三党が一致。また、与党が今国会で成立させる方針を示した障害者自立支援法案についても「参議院での審議を尽くさず、短期間での強行採決はあってはならない」として、廃案を目指すことを確認した。
鉢呂国対委員長は、参議院郵政民営化に関する特別委員会について、5日午前に一般質疑、午後に小泉首相が出席して締めくくり総括質疑となり、最終的には採決との見通しを示し、「民主党は郵政民営化関連6法案に反対で臨みたい」と表明。
鉢呂国対委員長はまた、否決の場合の解散という強硬姿勢を崩さない小泉首相に対し、自民党内に解散回避の動きを探る論調が出ていることについて「法案賛否の脅しに解散を使う小泉内閣は強く非難されてしかるべき」と改めて指摘。「国民の政治に対する信頼を、著しくおとしめることになる」と警告した。
郵政法案、否決廃案めざし最後までがんばる 川端幹事長
川端達夫幹事長は5日午後、党本部で定例の記者会見を開き、郵政民営化関連法案の審議日程について「最終局面、最大の山場だという認識で、否決、廃案になるように最後まで全力でがんばってゆきたい」と決意表明した。
続いて川端幹事長は、記者からの質問に答え、参議院本会議における採決の見通しについては、「心証としては否決されると思う」と述べた。
自民党内の採決をめぐる動向については、この局面で、議員には「法案に反対か賛成か」「解散と引き換えの賛成は許されるか」の2つの判断が、求められていると指摘し、「小泉総裁の自民党はほぼ機能不全に陥っているのではないか」と見解を述べた。
川端幹事長は「国民の関心が薄い郵政法案を最大の政治課題だといって、国会や自民党を大混乱に陥れている」と、小泉政権を改めて批判。「もっと大事なことがある」との訴えによって、政権の選択を求めたいとの認識を示した。
[衆院国交委]橋梁事件は組織的賄賂 菅ネクスト大臣が追及
衆議院国土交通委員会が5日午前開かれ、内田副総裁が逮捕された道路公団の橋梁工事事件に関して、菅直人ネクスト国土交通大臣が、事件の本質は組織的、構造的な天下りを見返りとする賄賂ではないかとして厳しく追及した。
菅議員は「大きな構図として、天下りによる後払い賄賂の授受となっている。大臣はどう認識しているか」と質問。北側国土交通大臣は「国民から天下りが温床との疑惑をもたれている。もたれないようにしていく」と答え、賄賂との認識は示さなかった。
次に菅議員は先日質問した後の天下り人数を明らかにするよう求めた。北側大臣が「7月23日以降で人事交流11人、再就職9人の計20人」と答えたため、菅議員は、全然規制にはなっていない、天下りを見直すと言っているが信用できないとさらに追及した。
また、菅議員は近藤道路公団総裁に、逮捕された内田副総裁を任命した責任を明らかにするよう求めた。近藤総裁は「痛恨の極み。責任を痛感している」としたが、民間化された公団の会長職の去就には触れなかった。
最後に菅議員は、「公共調達で国・地方合わせ40兆円に上る。聞くところに拠れば、25%ぐらい高いのではとのこと。これをやめさせれば、10兆円は削除される。国・地方のサービス削除ではない。サラリーマン増税10兆円は必要ない。官製談合をやめさせればいい。天下りは構造的・組織的賄賂であるとの認識がないまま、最高責任者を務めているのは間違っている」と指弾。これに対して北側大臣が「長年やってきたこと」と答えたため、菅議員は「だから構造的・組織的と言っている」として、今度は「もっと前向きに議論しよう」と結んだ。
次に関連質問に立った中川治衆院議員は、国土交通省の直接発注の工事が平成15年度で約2兆円、2万件、この資料を要求しているが出てこないことを示し、大臣に提出するよう求めた。北側大臣は「出します」と答えた。これは、企業名、入札回数、入札価格、落札価格を見れば、談合があったかなかった明らかになるため、中川議員が求めていたもの。また、中川議員は官僚の早期退職の救済措置として天下りを是認する傾向があるが、その実態は救済の域を超えて高給を食んでいるのは問題だとして、天下り以後の給与を明らかにするよう求めた。
更に、道路公団の民間会社の社長内定者に今後の方針を質した。
[参院郵政特]リスクや資産の問題点を追及 大塚・峰崎両議員
参議院郵政特別委員会で5日午前、民主党・新緑風会の大塚耕平、峰崎直樹議員が質問に立ち、郵便貯金・簡易保険資産のリスク管理や民営会社への承継資産の評価方法、追加責任準備金などについて、法案の不備を鋭く追及した。
まず大塚議員は、4日の大久保勉議員の議論を引き継ぎ、郵貯・簡保資産は市場リスクに対応するためにどのようなALM(資産負債管理)を行っているのかと質問した。これに対して郵政公社の担当理事は、特に簡保については資産・負債のミスマッチを考えた運用が必要であるとの一般論を述べつつ、リスクついては金利感応度で把握していると答弁した。大塚議員は、かつて竹中民営化担当相が一万本の方程式を使ってシミュレーションをしていると答弁していることを踏まえ、340兆円の資産を持ち、複雑な予測をしている金融機関が、デルタ値(数量化された損失リスク)すらも把握していないのは信じられないと郵政資産の管理レベルの低さを指摘した。
さらに、「民営化システム研究会報告書」において不安要因として指摘されている点への対応状況に対する質問に対しては、公社の担当理事より例えば税務面についてはまだ手がついていないとの答弁があった。
大塚議員はこれらの答弁を元に、多くの未解決の問題点を抱えながらも何故次の通常国会まで待たずに拙速に民営化法案を提出したのかを追及した。これに対して、担当相はできると思っていたとの答弁に終始し、生田郵政公社総裁はシステム全体について暫定対応によるに至った経緯を述べつつ、要件確定時期のずれについてはテストランの期間短縮で対応するとの苦しい答弁をした。
大塚議員は、民営会社への資産承継の際の評価について、評価委員会の役割を質しつつ、担当相より民間会社と同じ会計基準で行うとの答弁を得た。また、民営銀行への移行にともなって通常貯金については預金保険料負担が発生することにより権利義務関係に異同が生じることを指摘した。
最後に大塚議員は、これまでの質疑を通じて、「これだけの問題点が明らかになったのに、出直しを決められないような参議院では無用論が出てしまう」と参議院議員としての決意を表明した。
続いて質問に立った峰崎議員は、4日に行われた水岡俊一議員の質疑を踏まえ、郵政民営化法案をめぐり「労使関係上ゆゆしき問題が残っている」と指摘。郵政株式会社の経営委員会が成立するまでの間、労働組合との交渉相手が政府なのか郵政公社なのか不明確である点を問題視し、交渉当事者を明確にするよう竹中担当相に求めた。竹中担当相は「交渉の当事者である準備企画会社を前倒しして早くつくり、空白(期間)が生じないようにする」などと説明し、キックオフは政府が、その後は郵政公社が担うとした。しかし、そうした点は法律上、何の担保もされていないことを峰崎議員は明らかにし、「この法案は欠陥がある」と批判し、極めて問題だとした。
峰崎議員はまた、将来の保険金支払いに備える「追加責任準備金」の問題に言及。無税で積み上げてきた簡保の8兆4000億円にのぼる追加責任準備金は、民営化後、新会社に移行する際には一度国庫に編入すべきとの考えを改めて表明。さらに、10年の移行期間を経て完全に民営化会社となるとする政府の考えに準じた場合も、追加責任準備金は毎年取り崩されても10年後にまだ半分は残っている点を峰崎議員は指摘。その状況は10年後にはイコールフッティングとなるとする竹中担当相の見方と矛盾することを問題提起した。峰崎議員は、「その時点で、責任準備金のうち税金で準備していた分は国庫に返すという修正案を作成しない限り、完全なイコールフッティングはなしえない」とする考えを強調した。
[参院郵政特]高橋・平野議員、法案出し直しを要求 法案は可決
参議院の郵政民営化に関する特別委員会で5日午後、締めくくり総括質疑が行われ、民主党・新緑風会から高橋千秋・平野達夫両参院議員が質問に立ち、法案の持つ本質的な欠陥を改めて指摘。法案の撤回・出し直しを求めた。法案は賛成及び反対討論の後、与党の賛成多数で可決された。民主党からは、山根隆治参院議員が反対討論に立った。
高橋千秋参院議員はまず、「誰のための法改正か分からなくなっている。衆議院での投票は国民のための投票ではない。解散回避のための投票」だったとして、「民営化は何のため、誰のためにするのか。日本の社会をどう描いているのか」の根本を小泉首相に改めて質問した。首相は、「民営化は国民の全体の利益になるから、金融社会主義といわれる部分の改革になる。郵便局が税を払えば財政にも寄与する。総理・総裁としての責務だと思う」と従来からの持論を展開したが、何らの説得力を持つものではなかった。
次に高橋議員は、郵政法案によって他の重要案件が滞っているとして「他に優先しなければならないことがある」と指摘した。また、「4年間の小泉政権はしわ寄せが弱い人のところいっている。この法案によってサービスが向上するとしているが、法律に担保されていない。法律の書き込むべき」と詰問した。竹中担当相は、「実効性を担保している」としたが、法案への書き込みは拒否した。高橋議員は阪田内閣法制局長官に大臣答弁の法的拘束力の有無を確認。阪田長官はないと答えた。その上で改めて、法的拘束力が大臣答弁にない以上、金融のユニバーサルサービスの維持などを法律に書き込むべきだと再度追及した。最後に高橋議員は「国営の大会社を作るだけの法案が、なぜ国民のためになるのか」と結んで質問を終えた。
続いて質問に立った平野達男参院議員は、委員会での議論は本当にいいものがあったとした上で「委員会の外では別のことで法案が左右されている。解散という言葉を使うのは言論を封殺するもの」と小泉首相の手法を議会制民主主義を壊すものであると厳しく批判した。更に大臣答弁に法的拘束力がないとするのでは、国会で議論の意味はなくなる、たとえ法律の解釈としては拘束力がないとしても、国会での大臣答弁は重いものではないかと質した。小泉首相は、「国会での大臣答弁は重いと思う」と答えたものの「次の内閣で法律を変えるのは当然」と開き直った。
更に平野議員は、今までの議論を総括し、郵便局会社の収支・金利変動にどれくらい耐えられるか、システム統合が間に合うのか、リスク管理ができるのかなどの問題で認識ギャップは埋まっていないとして、最も大きな問題である郵便局の全国網が維持と国債管理について質問。細田官房長官は、「郵便局が維持できなくて何が政治か」と法案とは関係なく、圧力によって郵便局網を維持すること表明した。小泉首相も、国債管理に関しては全く答えず、思い込みの民営化メリットを強調するのみで、理解していないことを露呈した。平野議員はこうした答弁に対し、「総理の気持ちがつんのめっていて、周りも法も付いて来ていない。もう一回出し直せ」と質問を結んだ。
質疑の後、反対討論に立った山根隆治参院議員は、「日本は島国であり、400を数える島に人々は生活を営んでいる。郵政民営化によってリストラが進めば、身近な郵便局やポストの数が減るのではないか、との国民が持つ心配に対し、安心の持てる根拠を、法案審議を通じて、結局明らかにしてもらえなかった」として、「本法案は『民営化』という『魔法の言葉』で国民を欺く一方、郵貯・簡保の巨大な資金量や特殊法人などへの無駄な金の流れにメスを入れることもしなければ、現実的なビジネスモデルの提示さえ行えず、国民生活を不安に陥れるだけのものだ。絶対に反対であり、廃案にすべき」であると訴えた。《民主党ニュース》