平成6053日目
2005/08/04
【この日の小泉総理】
スペースシャトル「ディスカバリー」の野口宇宙飛行士との交信
平成17年8月4日、小泉総理は総理大臣官邸で、中山文部科学大臣、毛利宇宙飛行士や宇宙飛行士の野口聡一さんの地元の中学生7名らと一緒に国際宇宙ステーションに滞在中の野口さん、コリンズ船長と交信を行いました。
小泉総理は、コリンズ船長に「才能、勇気、忍耐力、使命感など全てにおいて感心している。まさにスーパーウーマンですね。」と挨拶しました。
その後、野口さんに「時速2万8千キロで宇宙を回っているというのは想像出来ませんが、スピードを感じませんか?」と質問し、それに対して野口さんは「地球をゆっくり眺めながら自分が星になって回っているような感覚で、あまりスピードは感じませんでした。」と応じました。
更に日本宇宙少年団の向井崇恭さんの「宇宙飛行士になるのに努力したと思いますが、報われたと感じた時はいつですか?」との質問に対し、野口さんは「スペースシャトルから見た丸い地球の姿が見れた時です。夢に向かってがんばることは絶対に無駄にならない。その夢が叶った時の喜びは大きいと思いますので、自分がやりたいことに向かってがんばって下さい。」と激励しました。
ものづくり日本大賞内閣総理大臣表彰
平成17年8月4日、小泉総理は総理大臣官邸で、第1回「ものづくり日本大賞」内閣総理大臣表彰を行いました。
ものづくり日本大賞は、我が国産業・文化を支えてきた「ものづくり」を承継・発展させるため、ものづくりを支える人材の意欲を高め、存在を広く社会に知らせるために創設されたものです。ものづくりの中核を担う中堅人材、伝統の技を支える熟練人材、将来を担う若手人材をバランスよく表彰するもので、チームワークが我が国の強みであることを踏まえ、個人のみならず、グループも受賞の対象としています。今後は2年に一度の表彰を予定しています。
本年1月に公募を開始し、全国9ブロックに設置する選考分科会による1次審査、選考有識者会議による2次審査を経て受賞者を選定したもので、25件59名が受賞しました。
小泉総理は、「日本はものづくりに優れた国民性を持っています。日本の文化と伝統、そして技。皆さんは常に創意と工夫を怠らないで常にものづくりに精進されておられる。改めてお祝いと敬意を表したいと思います。今後とも皆さんの技と心意気を後に続く人たちにも伝えていただきたい。日本にのみではなく、ものづくりの大切さを世界に発信していただきたい。」とお祝いの言葉を述べました。《首相官邸》
郵政法案「否決なら即解散」
小泉純一郎首相は4日、自民党森派の福田康夫前官房長官、中川秀直国対委員長と官邸で個別に会い、郵政民営化関連法案が否決されれば即日、衆院解散に踏み切る決意を伝えた。福田、中川両氏は、党内で解散回避論が高まっている状況を説明。総選挙で自民党が敗北する可能性もあるとも指摘し、法案の継続審議も含め解散を思いとどまるよう強く求めたが、首相は応じなかった。これを受け自民党は選挙準備に入った。《共同通信》
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【北側一雄国交相】成田暫定滑走路の北への延伸を指示
北側国土交通相は4日、成田空港暫定平行滑走路(2180メートル)を本来計画とは逆の北に延伸して2500メートル化するよう、成田国際空港会社の黒野匡彦社長に正式に指示した。延伸により平行滑走路はジャンボ機などの大型長距離機が利用可能となり、4000メートル滑走路と合わせて空港全体の発着枠は現行の年間20万回から22万回に拡大する。
同社は、騒音などの環境影響調査を行った後、航空法に基づく工事実施計画の変更認可を国交相に申請し、国交省の公聴会を経て着工する。大型機が通れるように誘導路の改修・増設も行う。2009年度の供用開始をめざす。総事業費は約330億円。成田空港には37か国が新規乗り入れを求めているほか増便などの要求もあり、完成すればこれらの航空需要に応えられるようになる。
一方、滑走路北側の住民が騒音被害拡大などを理由に延伸に反対し、県などの地元自治体も増便による騒音被害拡大を懸念しており、空港会社による助成・補償などの対策が今後の課題となる。
空港建設の基本計画に盛り込まれた3本の滑走路のうち横風用(3200メートル)は事実上「白紙化」されており、今回の延伸で成田空港は、未買収地を残したまま基本計画上は完成したことになる。
空港会社の黒野社長は「大切なのは住民の理解。騒音対策について前向きに検討したい。未買収地の地権者とは今後も対話を続けていきたい」と述べた。《共同通信》
【 iTunes Music Store】国内配信開始
インターネットによる音楽配信サービス世界最大手の米アップルコンピュータは4日、日本国内での配信サービスを開始したと発表した。エイベックスやコロムビアミュージックエンタテインメントなど日本の主要音楽会社15社から楽曲の提供を受けて、スタート時に邦楽、洋楽合わせて約100万曲を提供する。《共同通信》
【この日の民主党】
鳩山ネクスト外相、中国遺棄化学兵器問題をめぐり被害者らと面会
4日午前、鳩山由紀夫『次の内閣』ネクスト外務大臣は、2003年8月、旧日本軍が遺棄した毒ガス兵器イペリオットにより、中国黒竜江省チチハルの子どもら43名が傷害を負い、うち1名が死亡した事件の被害の早期救済を求めて来日している「チチハル毒ガス被害補償請求人団」やその代理人、弁護団と面会し、事件の経緯や被害の状況などについて被害者たちから話を聞いた。
被害者のお一人は、両足に負った傷を見せて、「自分は27歳で若いが、足、太もも、気管支系や目を傷めており、痛みに苛まされて、夜中目が覚めることもしばしばである。妻や娘との関係も心配であり、6人の家族を本来なら支える立場だが、それもうまく出来ず不安だ。」と、切実な心情を語った。12歳の少女は、「被害を受けた後、苦痛が絶えず、体力も落ち、風邪を引きやすくなっている。毒ガスの被害者ということで、学校で周りの皆から嫌がられている気がして、行くのが苦痛だ。」と、訴えた。
鳩山ネクスト外相は、「日本が過去に行った行為により発生した事件・事故に対しては、日本政府として当然のことながら対処していかないといけない。」と、政府の同事件に対する誠意の欠如した対応を批判した上で、最大野党として同問題の解決に取り組んでいくと、述べた。更に、「毒ガスによる被害に対して、治療は可能か。」など、具体的な質問に対し、「現在まだ治る治療方法がない。HIVも不治の病とされていたが、医学の発展で現在は治療もできるようになっているので、今後、治療方法が研究されることを期待する。毒ガス兵器イペリオットを製造していたのが、広島の工場であった関係から、広島大学に元日本兵などのケアができる医者もいると聞いているが、主に呼吸器系だと承知している」などの返答が、日本の弁護団側からあった。また、中国政府は、更なる被害の防止の観点から危険な地域を特定して、被害防止に努めたいとの立場だが、日本政府はきちんと対応していないとの指摘もあった。
なお、この面会に同席したのは、武正公一ネクスト外務総括副大臣、大谷信盛ネクスト外務総括副大臣、首藤信彦衆議院外務委員会理事、金田誠一衆議院議員。
郵政法案は「採決、そして否決を目指す」 岡田代表、記者団に
岡田克也代表は4日午後、国会内で、郵政民営化関連法案への対応などについて、記者団からの質問に答えた。
参議院の郵政民営化に関する特別委員会が、5日に郵政民営化関連法案の締めくくり総括質疑を行うと合意した件について、岡田代表は「法案についての可否を、きちんと国民の皆さん自身が判断できるだけの状態まで、審議が必要」との見解を表明。「われわれはあくまでも、否決にとって何が一番望ましいかという視点で全てを組み立てている」として、有効なあらゆる手段を検討していると説明した。
法案への対応について、岡田代表は「国民はしっかり見ている」と指摘し、法案反対派は、自らの信念で国民の視点に立って反対すべきとの認識を示した。また「総理が今の段階で何を言おうと、ほとんどあてにならない。国民の観点からすると、日本国総理大臣がそういう存在であることは残念だが、真に受ける必要は無い」と指摘。「総理自身が冷静に考えれば、解散回避に動くこともありうることだと思う」と断った上、「我々としては採決、そして否決を目指す」と改めて民主党の態度を表明した。
「『小泉政権の郵政民営化法案』廃案を目指す国民集会」を開催
民主党は4日夕、国会内で「『小泉政権の郵政民営化法案』廃案を目指す国民集会」を開催。岡田克也代表はじめ衆参の国会議員が多数出席し、郵政民営化関連法案の廃案を目指して一致団結した。
中山義活国民運動委員長の司会で進められた集会の冒頭、川端達夫幹事長は「あらゆる知恵、手段、体力のすべてを使い、4月27日に国会提出された法案には、短い命を終えてもらう」と述べ、「決意を新たに最後のたたかいに臨むためにがんばろう」と団結を呼びかけた。
次に、輿石東参議院幹事長が、審議の経過について、参議院は、法案の中身を精査し、いかに廃案にするかという一点に集中してきたなどと報告。「審議をつくしたとはいえないが、それなりの結果を出したい」と、改めて協力を要請した。
参院郵政民営化特別委員会で理事を務める山下八洲夫参議院議員は「明日が最大の山場と考えている」と表明。「民主党の大きな力があるから、廃案に持ち込む力がある。中心は我々だ」などと、否決を目指してたたかう堅い決意を示した。
続いて岡田代表が挨拶を行い、「今日までの長丁場を一歩一歩団結しながら、来るべき決戦の場に駒を進め、押し迫ってきた」と郵政法案の廃案を目指すこれまでの取り組みを評した。岡田代表はその上で「いかなる結果を招こうともウェルカム」だと表明。衆議院が解散総選挙となった場合について触れた岡田代表は「選挙を勝ち抜き、民主党政権を作り、国民の期待に応えたい」と、一致結束して残された日々を戦うように求め、参加者は満場の拍手をもってこれを迎えた。
最後に、樽床伸二団体交流委員長・大畠章宏組織委員長が登壇し、大畠委員長の音頭によるガンバロー三唱をもって、集会は締めくくられた。
[参院郵政特]藤本・若林・大久保・水岡各議員が矛盾点を追及
参議院郵政民営化に関する特別委員会で4日、民主党・新緑風会の藤本祐司・若林秀樹・大久保勉・水岡俊一各議員が質問に立ち、竹中郵政民営化担当大臣をはじめ関係大臣を質した。
最初の質問に立った藤本祐司参院議員は、政府の民営化推進室の行った実行可能性調査の問題点を具体的に指摘し、民営化の効果が誇大広告である可能性を裏付けた。
藤本議員はまず、先回の質問において答弁が不十分であるとして留保した民営郵便会社の国際物流への進出に関する採算調査を取り上げ、収入と支出の計算にそれぞれ異なったタイプの既存業者の平均値を用いていることを問題とし、その理由を問い質した。竹中民営化担当相は、それぞれ構造の類似した業者の数値を用いたと答弁したが、議員は採算予測においては収入および支出は同一タイプの業者の数値を用いるのが常識だと反論。非常識な方法に基づき民営化についてバラ色の誇大広告をしている恐れがあると指摘した。
次に藤本議員は、公社が国際物流などに進出する場合の問題点に関して質問した。これに対して担当相は公社の性質からして一般的な制約があると答弁するのみで、民営化でなければ業務拡大が不可能となる根拠は明示しなかった。
更に藤本議員は、民営化の説明として2万4700の郵便局がコンビニになると読めるような表現を用いながら、実際の経営試算では1300局しか採算が取れない結果となっていることを取り上げし、ここでも国民を誤信させる誇大宣伝が行われていることを指摘したが、担当相は広報は分かりやすく書いているとの答弁を行うのみであった。
続いて質問に立った若林秀樹参院議員はまず、随意契約によってつくられたことが問題視されている政府広報において民営化後の郵便局について「コンビニのように機能する」としている点に言及。「誇大広告だ」と指摘し、竹中担当相に謝罪・撤回を求めた。竹中担当相は「不十分な点があった」などとしたが、撤回の姿勢は示さなかった。若林議員は小売商などと隣接する郵便局が多数存在する現状にあっては、民営化後コンビニ化するなどありえない事情をかかえた郵便局が多数あることを指摘した上で、「民業圧迫であり、机上の空論にすぎない」として、郵政民営化法案のあいまいさを改めて浮き彫りにした。
同時に、アンケート結果に基づき、国会審議が進めば進むほど、郵政民営化賛成の意思表示をする国民が減少している状況を指摘。求められる改革とはいえない実態を指摘した。
若林議員はまた「この問題を取り上げるのは3回目だが、やはり立法府に携わるものとして見過ごせない」などとして、「民営化はしない」とすることを定めた中央省庁等改革基本法第33条第一項の問題を取り上げ、今回、郵政民営化法案の成立を目指すのであれば、改正が先であることに改めて言及した。
続いて質問に立った大久保参院議員は、今回の法案がいい加減な計算に基づいていることを取り上げ、失敗の危険性、郵貯の名寄せが完了しない場合の対応などを質した。
大久保議員は、「民営化が失敗する可能性は全くないと考えるのか」と質問。竹中担当相は、「リスク回避のためのさまざまな手段を盛り込んでいる」と答え、具体的にはなにも答えなかった。次に「名寄せの現状は」と質問、生田郵政公社総裁は「限度額オーバーは381万人から、198万人に減った」と答えたものの、郵便貯金の口座数が1億2500万である現状、これを追跡調査して名寄せが民営化までに完了するかどうかに公社は明確に答えなかったため、大久保議員は「民営化できないのでは」と追及した。担当相は「公社においてしっかり対応して下さっていると思う」と無責任に答えた。
更に大久保議員は、政府がGDPが名目で4%台での成長、実質で1%台成長と予測していることを根拠に、そうであればインフレ率が3%台であり、金利も2%上昇することが予想されるとの見解を示し「2%の金利上昇で15.4兆円の損失が生じる。資産・債務の資料はいつ出せるのか」と迫った。担当相は「公社に聞いて」とこれまた無責任な答弁。公社も「今後検討していく」と無責任な答弁。さらに大久保議員は金利が2%上昇した場合、160兆円の巨額な定額貯金が解約される恐れがあるとして「債務超過となる」ことを指摘、「誤った情報に基づく法案は絶対に通すべきでない」として質問を終えた。
続いて質問に立った水岡俊一参院議員は、これまで郵便局が担っていた災害時での活動、職員の労働条件の交渉相手に関して質問、政府を追及した。まず、水岡議員は阪神・淡路大震災、新潟中越地震での郵便職員の活動を紹介、「業務の域を超え、勇気・希望を届けた」とした。その上で、今回の法改正により、災害対策基本法の指定公共機関から郵政公社が削除されていることを取り上げ、郵便局時代と同等の活動が保証されるのかを質した。担当相は「郵便事業会社は指定公共機関に指定されることになると考える」と答弁。これに対して水岡議員は法律で担保され、3事業一体で展開してきたからこそ、今まで災害時に活躍できたのであり、国民のこの部分での不安はぬぐいきれないと批判した。
次に水岡議員は、職員・労働組合との対話・交渉について質問。この法案が成立した場合、郵政株式会社ができるまで期間最大で6カ月間、雇用・労働条件の交渉相手が不在となるのではないかと質問。生田総裁は「必要な役割分担は、権限の範囲で誠意を尽くしていきたい」と答えものの、法律的には空白となることは竹中担当相も認めた。
水岡議員は、雇用・身分にかかわることであり、誠意をもって組合と十分話し合うよう求め、質問を終えた。
官製談合構造打破に向け、道路公団等天下り規制法案を参院に提出
民主党は4日、「特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限に関する法律案」(通称:道路公団等天下り規制法案)を参議院に提出。仙谷由人政策調査会長と法案発議者の松井孝治・鈴木寛・蓮舫各参議院議員が、提出後に国会内で記者会見した。
仙谷政調会長は、「道路公団など特殊法人の役職員が受発注する営利企業へ天下りすることを基本的に禁止する法律を急遽つくった」と語り、官製談合構造を打ち破ることなくして税金の無駄遣いや腐敗の根絶はなし得ないと主張した。希望が持てる社会の確立のためにも、官製談合、天下り、ヤミ献金、迂回献金等の根絶・一掃の必要性を強調した。
その上で仙谷政調会長は、現行法による天下り規制について「事実上、しり抜け、野放しにされている。ここを規制しなければならないことが、今回の官製談合事件などでも明らかになった」と指摘。早急に法案を成立させ、天下り規制を強化していく考えを示した。
現行法では国土交通省など国の機関からゼネコンなどの営利企業への直接の天下りは、離職後2年間は禁止しているが、国の機関からいったん道路公団などの特殊法人に2年間在職すれば、その後の営利企業への天下りは可能としている。また、道路公団などの特殊法人から営利企業への天下りは何ら規制がない。
そうした点の是正が必要との観点で今回の道理公団等天下り規制法案では、国の機関や道路公団・道路関係公益法人に離職前の5年間在籍した場合、天下り規制対象としている。
日本の近現代史調査会、高橋財政と井上財政の異同について学ぶ
4日午後、国会内において、民主党「日本の近現代史調査会」第7回会合が開かれ、「政党政治における財政金融指導者」のテーマの下に、東大名誉教授の三谷太一郎氏より高橋是清と井上準之助の財政思想・政策の共通点と相違点などについての講演を受けた。
冒頭、細川律夫事務局長の司会の下、藤井裕久調査会長(代表代行)が挨拶に立ち、国会情勢は緊迫しているが、戊辰戦争の中で福沢諭吉が学問を続けたように勉強してもらいたいと語った。
三谷教授は、政党政治における財政・金融政策の二つの原型を作ったのが高橋是清と井上準之助であるとした上で、両者の共通点について(1)ニューヨークの有力投資銀行と強い関係を持っていた(2)原政友会内閣を支えた財政家である(3)対欧関係中心の外交政策を対米協調路線に転換した(4)テロに倒れた、と指摘した。また、両者の相違点について(1)高橋はドイツ・ユダヤ系の投資銀行であるクーン・レーブ商会と、井上はアングロサクソン系の投資銀行であるJ.P.モルガン商会と深い関係を持っていた(2)高橋は一国資本主義的な思想を持って積極財政政策を取り、井上は国際資本主義的な思想を持って緊縮財政政策を取った、と指摘した。
そして教授は、高橋は日露戦争の戦費に充てるための外債の引き受けで力を発揮したこと、井上は第一次大戦後に登場してきたことなどから説き起こし、両者の活動と政策思想形成を概説した。
講演終了後の質疑において教授より、全予算の50パーセントという軍事予算の重圧を和らげるために原内閣はワシントン軍縮交渉を歓迎して積極的に取り組んだこと、第一次大戦後のジェノバ会議で金本位制が国際合意になっていたこと、1930年から31年にかけてのように動かないように見えた歴史が急速に動くことがあること、日本の場合に戦争は経済的対立によって起こるというよりも国外に長期間駐留する部隊が原因となって起こると言えること、などが示された。
郵政法案を廃案に持ち込む決意を改めて表明 鉢呂国対委員長
鉢呂吉雄国会対策委員長は4日、国会内で定例の記者会見を開き、参議院で審議が続く郵政民営化関連法案の取り扱いについて「さらに審議を十分に尽くし、廃案に持ち込むという対応をしたい」と表明した。
冒頭、鉢呂国対委員長は、昨日来の与党側との協議について報告。4日の委員会採決、5日の本会議採決を求められたが、民主党は、開催合意のある集中審議と中央公聴会の日程が残っており、審議不十分だと強く反対したことを明らかにした。今後の審議日程についても、郵政民営化に関する特別委員会の理事会では、4日の集中審議のみが決定されたと指摘し、明日以降の日程については「参議院の郵政特理事会等で今後決められるべき問題だ」とコメントした。
郵政民営化関連法案への対応について鉢呂国対委員長は、「民主党参議院議員は一致結束して反対する。全く問題はない」と述べるとともに、自民党反対派と目される議員に対し、「政治信条を曲げず、国会議員の良心で初心を貫いて反対していただきたい」などと述べた。
鉢呂国対委員長は、今国会で成立しない場合は内閣不信任などと当初から述べてきた小泉首相について、衆議院段階での修正案提出によって、首相としての責任のなさや発言の軽さが露呈したと指摘。「政治への信用失墜が再び繰り返されてはならない」と述べ、否決や継続審議と決した場合は、当然内閣に対する不信任であるとして、総辞職または衆議院解散を回避すれば、国民に大きな政治不信をもたらすとの見解を示した。《民主党ニュース》