平成2706日目
1996/06/05
この日のできごと(何の日)
【警視庁】「KKC」一斉捜査
「買えば買うだけもうかる」との触れ込みで会員を集め、金製品などの購入を持ちかけていた団体「経済革命倶楽部」(KKC、山本一郎会長)が、高配当を売り物に許可なく巨額の預かり金を集めていた疑いが強まり、警視庁と神奈川県警の合同捜査本部は5日午前、出資法違反(預かり金の禁止)の疑いで東京都港区のKKC総本部や地方の本部、支部など全国85カ所の一斉家宅捜索に着手した。
KKCはセミナーなどを通じて全国2万人以上の会員から100億円を超える資金を集めていたとされ「マルチ商法まがい」とも指摘されており、捜査本部はKKC商法の被害拡大防止と全容解明を目指す。
調べによると、山本会長らは「100万円預けると、登録から100日目で215万円を配当する」とセミナーで説明、昨年8月以降7回にわたり千葉県内の自営業者(33)ら6人から申込金として計1100万円を預かった疑い。捜査本部はこの金集めが許可なく行われていたため出資法違反に当たると判断した。
KKCは入会金と取引申込金を出資して会員となり「平成小判」という同社の金製品や健康食品などを購入して会員間で転売。転売差益が会員の利益となる仕組み。商品購入の際、新会員を1人紹介しなければならないという。
会員は申込金や取引する商品によって「ベーシック」「ゴールド」など複数のコースに分かれている。KKCはこのシステムを「未常識経済」と名付けて各地で説明、主婦や自営業者を中心に資金を集めていたとされる。
実際には商品の売買は行われないことが多いことや商品購入の際には別の会員を紹介するなどのシステムから「マルチ商法まがい」と指摘されたが、山本会長は「マルチ商法や悪徳詐欺商法とは一切無縁」と説明してきた。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
情報量が少ない日は随時加筆中です。
引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。
外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)
古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。
【安室奈美恵さん】シングル「You’re my sunshine」発売
【Jリーグカップ】第2日
Jリーグカップ第2日(5日・三ツ沢球技場ほか=8試合)ホームアンドアウエーによる予選リーグの第2戦を行い、リーグ戦前半首位の横浜フリューゲルスはB組で名古屋グランパスと1−1で、開幕戦に続いて引き分け、ともに勝ち点1となった。このほか柏レイソルがエジウソンのゴールなどで浦和レッズを2−0で下し、勝ち点3を挙げた。京都サンガを下したベルマーレ平塚のほか、ヴェルディ川崎、清水エスパルス、ジェフ市原、ガンバ大阪が勝ち点を3とした。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】米軍機撃墜事故「極めて遺憾」
橋本龍太郎首相は5日午前の参院本会議で、環太平洋合同演習中の海上自衛隊護衛艦による米軍機撃墜事故について「訓練中に発生した事故で極めて遺憾だ。(米軍機の)搭乗員は海上自衛隊が救助し幸い軽傷だが、大変申し訳なく思う。事故原因を徹底究明し、再発防止に万全を期す」と謝罪した。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・社民党の池端清一院内総務会長は5日の記者会見で、首都機能移転を目指す国会等移転法改正の議論が進んでいないことについて「自民党内で(東京都連などが反対し)意見調整が図られていないというが、21世紀に向けて取り組むべき重要な課題だ」と強い口調で早期の調整を要望。反対を表明している青島幸男東京都知事に対しても返す刀で「(首都機能移転に賛成していた)参院議員時代の初心に戻って見直していただきたい」。国土庁長官経験者としての憂慮からのようだが、東京には社民党の国会議員が一人もいないためか、終始歯切れのいい発言。
○・・・橋本龍太郎首相はこの日、国会内で記者団から「女性のためのアジア平和国民基金」で検討された医療・福祉事業について聞かれると「申し訳ないが、まだ聞いていない。今までは別の方(元従軍慰安婦への首相の『おわびの手紙』)が問題になっていただろう」と、突然の質問に戸惑った様子。その後、国家公務員の定年制について聞かれると、持論を展開した後「みなさんは、(記事を)書いたその日で終わりだから…」と皮肉を付け加えた。自他ともに認める政策通の首相だが、手を替え品を替えての質問攻めにはうんざり?《共同通信》
【韓国】奥野発言に反発
「女性のためのアジア平和国民基金」が元慰安婦の人々に「200万円を下らない一時金」を支給することを決めたが、韓国では5日、奥野誠亮元文相の「(従軍慰安婦は)募集されて参加した商行為」という発言などが各マスコミで一斉に「妄言」と批判されるなど、金額などを論議する以前の問題との反発が強まっている。
韓国の主要紙は5日付朝刊で「『慰安婦自ら参加』とまた妄言」(朝鮮日報)、「日本『慰安婦は商行為』とまた妄言」(韓国日報)などと大きく報道し、奥野発言を批判した。
さらに聯合通信は5日、先月「未成年の女性を強制的に慰安婦として働かせたのは歴史的事実ではない」と発言した板垣正参院議員が4日午後、この発言に抗議するために面会を求めた元従軍慰安婦の金相喜さん(74)に対して、逆に「金を受け取ったのか」と責め立てるなど妄言を吐いたと批判した。
韓国挺身隊問題対策協議会の李效再共同代表は「既に日本が出している報告書でも、日本政府が関与や強制性を認めており、論評の価値もない妄言」と批判した。さらに同協議会は「金額がいくらであれ、国際法に基づく謝罪と補償でなければ、基金の金は受け取れない」と、受け取り拒否の姿勢を明確にした。
◇
韓国挺身隊問題対策協議会のメンバーや元従軍慰安婦ら約20人は5日、ソウルの日本大使館前の定例デモで、従軍慰安婦は「募集されて参加した商行為」とする奥野誠亮元文相の発言を糾弾した。 同協議会は声明を発表、「奥野議員の妄言は、従軍慰安婦たちの人権を踏みにじる反人類的発言」と批判した。《共同通信》
【台湾】行政院長に連戦氏
台湾の李登輝総統は5日の国民党中央常務委員会で、政局の安定を重視し、連戦・副総統を行政院長(首相)に再任する、と発表した。総統府の呉伯雄秘書長は記者会見で「総統は連戦院長の卓越した能力を評価、政局の安定と団結の必要から決定した」と述べた。連戦院長は数日以内に組閣を行う。
李総統は3月23日に実施された初の総統・副総統直接選挙に当たって、副総統と行政院長は兼任させない方針を表明していたが、立法院(国会)が与野党伯仲状況であることなどから、安定を図るための人事となった。
連戦氏は1993年、本省人(第二次世界大戦前からの台湾居住者)として初めて行政院長に起用された。行政院長人事は総統が指名、立法院の承認が必要となっている。連戦「内閣」は昨年末の選挙で当選した新立法委員の任期が始まった2月に承認され、3月の総統選前に総辞職を申し出たが、李総統は連戦院長については辞職を認めていなかった。このため、国民党は立法院での承認は必要ないとしているが、野党からは反対の声が出ている。
行政院長と副総統の兼任は過去に2回例がある。今後は組閣人事が焦点となり、無党派や、独立を掲げる最大野党民主進歩党からの起用があるかどうかが注目される。《共同通信》
【緒方貞子さん】ユネスコ平和賞受賞
国際平和の維持、探求に優れた貢献をした人や組織に贈られる国連教育科学文化機関(ユネスコ)の1995年ウフエボワニ平和賞に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と緒方貞子・高等弁務官が選ばれ、5日、パリのユネスコ本部で授賞式が行われた。
同平和賞は故ウフェボワーニ・コートジボワール共和国大統領が提供した基金をもとに1991年に創設。前回の94年はカーター元米大統領とカルロス・スペイン国王が受賞した。今回はUNHCRの難民救済活動ならびにその長としての緒方・高等弁務官の指導力が評価された。日本人の受賞は初めて。
緒方さんは授賞式のあいさつで、(賞金を)アフリカの難民の子どもの教育のための基金に充てたいと述べた。《共同通信》