平成2302日目
1995/04/28
この日のできごと(何の日)
【韓国・大邱市】地下鉄工事現場で爆発
28日午前7時50分ごろ、韓国南東部の大邱市郊外の地下鉄工事現場で大規模なガス爆発事故が起き、通勤バスなど約30台が陥没した現場に転落した。通勤、通学時間にあたったため、通産省の事故対策本部によると、同日午後9時現在、死者は103人、負傷者は183人に上った。ソウルの日本大使館によると、日本人の負傷者は確認されていない。
掘削作業中に直径20センチのガス管を破損、漏れたガスに引火したとみられ、警察は安全管理に手落ちがあった人災との見方を強め、工事関係者から詳しく事情を聞いている。
昨年10月ソウルで起きた聖水大橋崩落事故(32人死亡)を上回る惨事で、警察、消防隊が出動して救助活動を続けているが、時間が経過するにつれて死傷者数はさらに増加する見通しだ。
金泳三大統領は同日夕、大邱市の現場を視察してソウルに戻った李洪九首相から事故について報告を受け「機会があるごとに安全を最優先するように指示してきたが、再び大型事故が起き、国民に申し訳ない」と謝罪した。
一方、野党民主党の李基沢総裁らも同日、大邱市の現場を訪れ、「この事故は政権の国家管理能力の不在が招いた人災だ」と金泳三政権を批判した。《共同通信》
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【オウム真理教東京総本部襲撃事件】信者の自衛官逮捕
今年3月にオウム真理教東京総本部ビル(東京・南青山)に火炎瓶が投げ込まれた事件で、警視庁は28日午後、火炎瓶処罰法違反の疑いで信者の陸上自衛隊三曹、S容疑者(25)=千葉県船橋市=を逮捕した。S容疑者は陸上自衛隊第一空てい団(千葉県習志野市)所属で、同日付で懲戒免職処分となった。
火炎瓶事件は、盗聴や秘密工作活動など非合法部門を支える「諜報省」の事実上の大臣、井上嘉浩容疑者(25)=指名手配=が指揮していたとみられ、警視庁は井上容疑者の行方追及に全力を挙げる。
教団はサリンや自動小銃の製造を目指し「武装化」を進めていたことが明らかになっているが、現職自衛官が教団の謀略工作や内部情報の漏えいにかかわっていたことで、防衛庁の管理責任が問われそうだ。
調べに対し、S容疑者は「(犯行は)他の信者数人とやった」などと供述。「別の隊員(26)とヨガ道場を通じて昭和63年ごろ、オウム教に入信。井上容疑者は軍事評論家を装って近づいてきた」と述べている。内部情報については「2人で四月上旬に井上容疑者」に会って話をした」と述べ、教団側に陸自情報を漏らしたことを認めたという。
捜査当局は、地下鉄サリン事件へ教団が関与したとの疑いを強めており、火炎瓶事件は地下鉄事件を前に、被害者を装うことで捜査のかく乱を目的に起こした可能性が高いとみている。
調べによると、S容疑者は3月19日午後8時50分ごろ、教団の東京総本部がある「マハーポーシャ」ビル=港区南青山=1階に火炎瓶を投げ込んだ疑い。けが人はなかった。《共同通信》
【村山富市首相】オウム事件「真相究明はヤマ場」
村山首相は28日午後、首相官邸で緊急記者会見し、地下鉄サリン事件やオウム真理教事件などの捜査状況について「相当、最終的な局面に入れる段階に来ている」と述べ、捜査当局の真相究明がヤマ場に入っている」との認識を示した。
その上で「警察の全力を上げた取り組みが、事件解決につながると確信する。国民も政府を信頼してほしい」と解決に自信を示すとともに、国民の協力を呼び掛けた。また29日からの大型連休中、警察官を6万人増強するなど警戒に万全を期し、再発防止に全力を挙げる考えを強調した。
この種の社会的事件で首相が緊急記者会見するのは極めて異例だ。《共同通信》
【政界談話室】
○…村山首相は28日、ゴールデンウイーク入りの感想を記者団から聞かれ「国民が家族連れで行楽に出掛けるいい季節になった」と和やかな表情を見せた。もっとも首相自身は「仕事一筋じゃ」という言葉通り、5月2日から5日間の中国訪問やその準備で、休みなしの状態。しかも、地下鉄サリン事件など未解決の凶悪事件を抱えたままの外遊とあって、「国民の中に警戒ムードはあるだろう。警察官は休日返上で警戒に当たる。内閣も一体で取り組む」と表情を引き締め、あらためて再発防止と徹底捜査の決意を固めている様子。
○…日ロ友好議員連盟会長の桜内義雄元衆院議長はこの日、来日中のルイプキン・ロシア国家会議議長一行との昼食会に出席。桜内氏が先の東京都知事選で青島幸男氏が当選するなど無党派候補が進出したことを紹介し「12月に国家会議議員選があるそうだが、こういう番狂わせがないことを祈る」。政党不信は日ロ共通の悩みらしく、議長も「われわれも選挙のことは心配している」。しかし「モスクワ市議会と市長の関係も(東京都と)同じらしいが」と桜内氏が続けると、議長は「2年前は意見の食い違いはあり得たが、今は全会一致で決めてます」と、アドバイス。《共同通信》
【北朝鮮】プロレスなどを生中継
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のアジア太平洋平和委員会(金容淳委員長)と新日本プロレス(会長・猪木寛至参院議員)が共催する「平和のための平壌国際スポーツ文化祭典」が28日夜、平壌の5.1競技場で始まった。開会式には北朝鮮の朴成哲副主席、黄長燁朝鮮労働党書記ら党、政府幹部らも姿を見せた。
祭典では28、29の両日、日本、米国などの女子選手を含む人気レスラー26人が試合をするほか、日米の芸能人も参加。祭典の様子は北朝鮮国内でもテレビで生中継される。
祭典に合わせて日米などからこれまでで最大規模の観光客と報道陣が訪朝しており、金正日書記指導下での開放路線を印象づけるのが狙いだが、女子プロレスなど西側流の興行が北朝鮮の人々にどう受け止められるかも興味深いところだ。
開会式では参加選手の名前や顔、得意技などを、約2万2000人の観衆による人文字で披露。自らもリングに立つ猪木議員らがあいさつした後、北朝鮮と日米の芸能人による公演が行われ、プロレスの試合がスタート。
北朝鮮の人々にとってはプロレスそのものが初体験のため、試合前にルールの説明も。祭典行事の一環として、30日を「朝鮮の日」とし、平壌市内で観光客向けに民俗行事やマスゲームなども行われる。《共同通信》