平成5211日目

2003/04/15

この日のできごと(何の日)

【横浜事件】再審決定

「共産主義を宣伝した」などとして、太平洋戦争中に治安維持法違反容疑で雑誌編集者ら60人以上が逮捕され、戦時下最大の言論弾圧とされる「横浜事件」で、元被告5人の遺族が申し立てた第3次再審請求について、横浜地裁は15日、再審開始を決定した。

終戦直後の確定判決から57年余り。元被告は、最後の生存者で第3次請求人の1人だった旧電気庁技師、板井庄作さんが3月末に86歳で亡くなり、全員他界した。

請求人は雑誌「中央公論」編集部員だった故木村享さんら元被告5人の遺族。5人は昭和20年8月14日のポツダム宣言受諾後から同9月にかけ有罪判決を受けた。弁護団は「事件は拷問によるでっち上げ」として1次、2次の請求をしたが棄却され、3次請求は判決当時の法体系を争点に据えた。

地裁が鑑定を依頼した大石真・京大教授(憲法)は「治安維持法はポツダム宣言受諾で効力を失った」との鑑定意見書を提出。弁護団は「判決は無効で、無罪か免訴にすべきだった」と主張した。横浜地検は、治安維持法は20年10月公布の勅令で廃止されるまで有効だったと反論。その上で「法律問題は事実認定の誤りを是正する再審制度の対象外」としていた。《産経新聞》

昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

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【柔道・篠原信一選手】現役引退を表明

2000年シドニー五輪柔道男子100キロ超級銀メダリスト、篠原信一(30)=天理大教=が15日、奈良県天理市の天理大で記者会見し「追い込んだ練習をする自信がなくなった。もう体が続かない」と語り、2年ぶりに出場する全日本選手権(29日・日本武道館)後の現役引退を正式に表明した。《共同通信》

【北朝鮮による日本人拉致事件】

家族会、経済制裁を再度要請

北朝鮮拉致被害者の横田めぐみさん=失跡当時(13)=の父で家族連絡会代表の滋さん(70)らが15日、外務省に矢野哲朗副大臣らを訪れ、蓮池薫さん(45)ら被害者5人の帰国半年を機に、北朝鮮に経済制裁をするよう求めた。

これに対し、矢野副大臣は「北朝鮮の姿勢が変化してきており、話し合いを続けていく」として、あくまで外交努力による平和的解決を目指す考えを示した。

家族会は3月に川口順子外相と面会し制裁を要請。川口外相が「効果があるか疑問」と否定的な見解を示したことから、帰国丸半年の15日までに日朝間の協議に進展が見られない場合は経済制裁を検討するよう申し入れていた。

面会後の記者会見で、滋さんは「早く結果を出してほしい」とし、妻の早紀江さん(67)も「何とか交渉してくれと、何度も同じことを言った。もう何を言っていいか分からない」と話した。《共同通信》

【小泉純一郎首相】米院内総務と会談

小泉純一郎首相は首相官邸で15日、米共和党のビル・フリスト上院院内総務ら議員団8人と会談し、イラク戦争や北朝鮮問題などについて意見交換し、日米同盟の重要性を確認した。フリスト氏は福田康夫官房長官、川口順子外相とも個別に会談した。

会談で首相は「日米関係の重要性は過去も現在も将来も変わらない。日本の安全と繁栄の基礎だ」と強調。フリスト氏は「日本に対する攻撃は米国に対する攻撃と見なす」と応じた。

イラク戦争については、フリスト氏が「早い時期の支持表明に感謝する。ブッシュ大統領と小泉首相のリーダーシップを高く評価している」と述べたのに対し、首相は「世界と協調して戦後復興に取り組んでいけるよう努力したい」と、日本政府の姿勢を説明した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・坂口力厚生労働相は15日の会見で、特別養護老人ホームへの株式会社参入を認める構造改革特区に自治体から申請がなかったと指摘されると「必要性がなかったんでしょう」とぶっきらぼうな答え。小泉純一郎首相が推進する特区構想にはかねて得心のいかない部分が多いようで「(特区で)地域活性化が起こるかといえば、あまり変わりがないという判断が働いたのではないか」とチクリ。小泉内閣の古参閣僚も特区の話では「抵抗勢力」に変身。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、ヤンキースの松井秀喜選手は15日、ブルージェイズ戦に「5番・左翼」で出場し、4打数1安打で打率は3割2厘となった。守りでは八回に悪送球で初失策。ヤンキースは5−0で勝ち、13試合終了時点で11勝2敗は球団史上最高の成績。

ドジャースの野茂投手は、大リーグ通算100勝を狙ってパドレス戦に先発し、5回2/3を投げ9安打、6四球、3失点で負け投手(今季1勝3敗)。2−3で敗れたドジャースは4連敗。

マリナーズのイチロー外野手は「1番・右翼」でアスレチックス戦に出場し、4打数1安打で7試合連続安打をマーク。佐々木投手は5−3の九回を三者凡退に仕留めて、3セーブ目。マリナーズは4連勝。

メッツの新庄外野手はパイレーツ戦で八回から左翼の守備固めに入ったが、打席はなし。チームは3−1で勝ち、連敗を6で止めた。《共同通信》

【この日の民主党】

枝野議員、政府案の不備を次々と指摘

枝野委員は、政府案の適用除外規定に盛られた「報道」や「宗教団体」「政治団体」の範囲、各種の「業」ごとの主務大臣などを質すとともに、防衛庁で昨年発覚した情報公開請求者の思想・所属リスト作成事件のようなケースに政府案では有効に対応できないのではないかと疑問を表明した。

報道の定義について枝野委員は、「中川秀直元官房長官や山崎拓自民党幹事長と女性との写真掲載も『報道』にあたるのか」と質問。細田博之担当相は、「結果的に誤報であるか否かを問わず、報道に含まれる」と答弁。「政治団体」の範囲を政治資金規正法上の届け出団体に限ることとしていることについては、政治活動を個人で行う場合に適用除外とならない理由を繰り返し質したが、細田担当相は「細かい指摘。特に問題があるとは考えていない」などと正面からの答弁を避けた。

各業ごとの主務大臣については、社団法人のゴルフ場やインターネット・オークションなどについて「サービス業」であることを理由に経済産業相が主務大臣であるとする答弁に対して、枝野委員は、社団法人のゴルフ場は文科相が認可していること、インターネット・オークションについては、古物営業法を所管する国家公安委員長との共管になる可能性を指摘。細田担当相も「ケースバイケースの場合もあるかもしれない」と恣意的運用の可能性を排除できないことを暗に認めた。枝野委員はまた、新たなビジネスが次々と出てくる中で、それぞれの主務大臣がバラバラに分掌することとしている政府案の不効率さを指摘し、野党案のように独立した一つの行政委員会に担当させるべきではないかと主張。細田担当相は「独立行政委員会も一つの考え方だとは思うが、新しい産業への対応は各省で適切に行われており、新規に一つの役所である委員会を作るよりも効率的」と苦しい反論を試みた。

防衛庁のリスト事件への対応について枝野委員は、「担当者が隠れて勝手に個人情報を収集していたようなケースについては、野党案ではペナルティを設けたが、政府案ではどういうペナルティがあるのか」と質した。片山総務相は、「不心得者がいればどうにもならいが、抑止力にはなる。あとは末端まで徹底することだ」とあいまい答弁を繰り返した。

「与党は下らない意地悪するな」野田国対委員長

民主党の野田佳彦国会対策委員長は15日の定例記者会見で、14日の衆院個人情報特別委員会で与党単独の法案審議入りとなったことについて、有事関連法案との関係での「場所取り・人質取りで攪乱戦法」との一部報道を明確に否定した。

野田委員長は、「有事関連法案との関係よりも、個人情報保護法案そのものが重要法案。前国会で審議してきた内閣委員会から特別委員会に移すという苦渋の判断をするに際し、『堂々と議論できる場』『必要な閣僚の出席』を与野党で合意した。その前提条件が(第1委員室でなく第16委員室での開催、官房長官の欠席により)入り口から崩れるようなことについては、入り口で正しておかねばならない」と野党側欠席の理由を説明。「与党は、こんなことで下らない意地悪をするな」。

15日の同特別委員会の審議は、野党側の主張通り、第一委員室で開かれることとなった。

[東京6区補選]「日本を政治を変えるために必ず勝利を」菅代表

衆参の4補欠選挙のうち東京6区、茨城7区、山梨3区の3つの衆院補選が15日告示された。民主党の故・石井紘基議員が刺殺された事件に伴う衆院東京6区の補選には、参院議員から転じた民主党新人の女性候補者が故・石井議員の遺志を受け継ごうと立候補。遺族の応援を受けて選挙戦をスタートした。この日の第一声には、民主党の菅直人代表をはじめ、羽田孜最高顧問、岡田克也幹事長、鳩山由紀夫前代表、さらに笹森清連合会長らも応援に駆けつけた。

菅代表は演説の冒頭、「石井議員に敬意を表して黙祷を捧げたい」として弁士はじめ聴衆に呼びかけ、祈りを捧げた。演説では小泉内閣の経済無策ぶりを問題視し、「小泉政権は何一つ手を打っていない。経済政策については能天気というよりは脳死状態と申し上げても過言ではない」と指弾した。その上で、民主党予算案を聴衆に提示し、日本の経済危機打開に向け、積極的な雇用拡大・内需拡大につながる予算案である点を明らかにした。菅代表は「小泉政策と民主党の政策とどちらが必要か、この選挙でぜひとも世田谷の皆さんに的確にご判断いただき、小泉政権の失政を正すためにも民主党候補者を当選させていただきたい」と訴えた。

同時に菅代表は、14日から緊急事態対処基本法案をめぐる党内議論をスタートさせたことを報告。「イラク情勢、北朝鮮情勢など、不安定な国際情勢のなかで、民主党は逃げることなく、ひるむことなく真正面から取り組み、国民のみなさんが安心できる内容の緊急事態法制を提案し、早期実現に向けて積極果敢に組む」と約束した。

またこの日の午後から訪中し、中国共産党中央委員会総書記に選ばれた胡錦濤氏と会談する予定であることを報告。「21世紀になり、新しい日中関係を、新しいアジアの未来を展望しなければならない。EUにも匹敵するようなアジア共同体を50年後の将来を見通して展望しくことが必要」との考えを示し、過去から未来への日中関係のあり方を中国首脳と意見交換したいと抱負を述べた。

続いてマイクを握った羽田最高顧問は、「これまでも何度もここに立った。税金の使い道を改めようという訴えもこの街宣車から10数年前から行ってきた」として、故・石井議員との街頭演説をふり返り、「紘基君が残した、国の運営のあり方、日本の現状を追及する姿勢を大切にしながら、民主党は努力していきたい」と述べた。また、今回立候補した女性候補者は「正義を貫く姿勢は石井議員に負けない」として、日本の国を、明日を開くことにつながるこの選挙の必勝を目指し、熱い戦いを展開したいと力強く訴えた。

[衆院本会議]雇用保険法改正案採決で民主党の対案を否決

衆院本会議で15日、内閣提出の雇用保険法等一部改正案と民主党提出の「雇用保険の財政の安定化及び求職者等に対する能力開発支援のための緊急措置に関する法律案」の採決が行われ、政府案を与党の賛成多数で可決した。

民主党は、政府案について「改正の目的が、失業者の生活の安定をサポートし、再就職を支援するというセーフティネット本来のあるべき方向に目が向いておらず、政府自らの見通しの甘さと政策判断の誤りを顧みることなく、財政的な観点からのつじつま合わせに終始している」(衆院厚生労働委員会・大島敦委員)として政府案に反対。民主党提出の対案は4野党と無所属議員の賛成少数で否決された。

菅代表が訪中、胡錦濤中国共産党総書記と会談へ

民主党の菅直人代表を団長とする民主党訪中代表団が15日、成田空港から北京へ向け出発した。代表団は17日まで滞在し、胡錦濤中国共産党中央委員会総書記をはじめ中国の新執行部幹部らと会見、北朝鮮問題の平和的解決に向けた日中間の連携などについて意見交換を行う予定。代表団は、菅代表のほか、伊藤英成副代表・『次の内閣』外務ネクスト大臣、荒井聰役員室長、ツルネンマルテイ国際局長、直嶋正行参議院議員会幹事長の5人で構成。《民主党ニュース》



4月15日 その日のできごと(何の日)