平成5500日目

2004/01/29

この日のできごと(何の日)

【ソウル日本人学校園児襲撃事件】

29日午前10時ころ、ソウル市江南区にあるソウル日本人学校で、同校幼稚園部の男子園児1人がオノのような刃物で男に切りつけられ、頭に大けがをした。男はさらにもう1人の園児を襲おうとしたところ、学校の警備員に取り押さえられた。切りつけられた園児は病院に運ばれ治療を受けているが、命に別条はないという。

通学バスが校門から校内に入り、校舎脇の駐車場で園児が降りたところを男が切りつけた。男は保護者を装い、校内に入ったという。

日本大使館などによると、男は警察に引き渡された。警察当局によると、男は無職の韓国人(37)で「きのう、日本人とトラブルがあった。仕返しをした」などと供述している。だが、供述にあいまいな点があり、わけの分からないことも話しているため慎重に取り調べている。

ソウルの日本人学校は72年に設立された文科省認定の在外教育施設で、幼稚部、小学部、中学部からなる。商社や銀行、大使館勤務者などの子供を中心に約370人が在籍しており、児童・生徒の多くはスクールバスで通学している。学校敷地内には鉄筋コンクリート5階建て校舎2棟のほか体育館、プールなどがある。

学校当局は事件後、ただちに敷地内に外部の人が入らないよう対策を取る一方、同日午後、児童らを緊急下校させる。

事件が起きた日本人学校では、野辺宏久教頭が、緊張した様子で事件の概要を報道陣に説明した。

教頭によると、事件は保護者を装った韓国人の男の犯行だった。通常は児童の安全確保のために閉め切っている正門だが、児童の登校時間に合わせて半分を開けることになっている。保護者を装った男は、その間げきを縫うように学校の敷地内に侵入した。学校関係者はその男のことをまったく疑わなかったという。

事件はその直後に起きた。男は隠し持っていた携帯用の手オノで、Aちゃん(6)に襲いかかった。子供の悲鳴があがり、現場はパニックになった。

男はさらに、別の園児にも襲いかかろうとしたが、警備員に羽交い締めにされ、取り押さえられた。

Aちゃんは、頭にけがを負ったが、命に別条はないという。悪夢のような事件に襲われたが、きょうが6歳の誕生日だった。

学校側は正午から幼稚部の保護者会を開き、事件の概要を説明、再発防止策を協議する。また、児童に混乱が広がっているため、下校時は一斉下校させるという。

事件発生の連絡を受けた保護者が緊張した面持ちで次々と学校を訪れた。

バスを降りたところから校舎までは緩やかな坂を約30メートルほど上った校舎の目の前で事件は起きた。

幼稚園の子供を迎えにきた母親は「今までも脅迫電話などはかかってきたことがあるようだったが、本当にこんな事件が起きるなんて」と話しながら、子供を車に乗せて帰宅していった。《毎日新聞》

ソウル日本人学校の南出満校長は29日、ソウル市江南区の同校で会見し、韓国人の男(36)に襲われた同校教諭、Bさん(38)の長男A君(6つ)が、頭部を長さ約30センチの手おので2回殴打され、全治4週間の重傷だと発表した。

校長は「こんな事件が起きて非常に残念だ」と述べ、事件を防げなかったことを保護者らに謝罪した。日本の文部科学省は同日、校長に登下校時の十分な対応を検討するよう指示。同校は30日を臨時休校とし、今後は地元警察と協力、周辺で警官が常駐警備するなど安全対策を強化する。

一方、潘基文・韓国外交通商相は29日、訪問中のマニラで阿部正俊外務副大臣に遺憾の意を伝えた。

韓国警察当局は現行犯逮捕した無職の男を殺人未遂容疑で追及、詳しい動機を調べている。男は前日に日本人に殴られた腹いせにやったと供述したが、過去に入院歴があり、精神鑑定を行う方針。

校長によると、29日午前10時ごろ、スクールバスなどで園児が登校した際、半分閉じた正門から男が学校敷地内に侵入。持っていた手おのでA君の頭を殴り、別の女子園児(6つ)も襲おうとした。警備員2人が男を取り押さえたため、女子園児は無事だった。

A君は病院に運ばれし手術を受けたが、経過は良好。

同校では保護者に名札を配布、出入りの際には提示を求めていたが、園児の登校時間だったこともあり、チェックが徹底しなかったという。

同校では2002年末に複数の児童宅へ脅迫電話があったほか、昨年は周辺で児童の連れ去り未遂も起きていた。事件直後、警察当局は凶器が金づちのようなものとしていたが、同校の発表で最終的に手おのと判明した。《共同通信》

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【大相撲・武蔵丸親方】また大きなハワイの力士を

大相撲、元横綱武蔵丸の武蔵丸親方が29日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見し、自身の引退で途絶えたハワイ出身力士について「今はモンゴルにばかり勧誘に行く。(ハワイの)大きな力士と(モンゴルの)小さな力士が両方いた方が相撲も面白いのに」などと語った。

和やかな雰囲気の中、武蔵丸親方は持ち前のユーモアセンスのを存分に発揮。人気の横綱朝青龍と高見盛に関して「彼らのような力士がもっと必要。高見盛は数人ね。あまりたくさんいても困る」と答えるなど、外国人記者の笑いを誘った。日本人横綱の不在については「大きな問題。次の有力候補は栃東だが、まだ修業が必要」と話した。《共同通信》

【海自輸送艦・くにさき】揚陸訓練

同型艦のイラク方面への派遣が有力視される海上自衛隊呉基地(広島県)の大型輸送艦「くにさき」(8900トン)が29日、宮城県岩沼市沖から搭載のホーバークラフト型の揚陸艇2隻で、浄水セットなどを積んだトラックを海岸に上陸させる訓練を実施した。

陸上自衛隊東北方面総監部(仙台市宮城野区)が中心となって宮城県沖地震を想定して前日から行った救援訓練の一環。港湾が被害を受けて使用できない事態を想定し、約6キロ沖に停泊した同艦後部から一隻ずつ飛び出した揚陸艇(長さ26.8メートル)が、静かな波の上を水しぶきを上げて進み、爆音をとどろかせて砂浜へ上陸した。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・民主党の鳩山由紀夫前代表は29日、都内で開いた憲法改正をめぐる勉強会に中曽根康弘元首相を講師に招き「党内に中曽根さんにご指導いただきたいという声がある」と持ち上げた。さらに「『民主党から出馬の意思がないか聞いてほしい』と言われたので、回答いただけますか」と“悪乗り”すると、中曽根氏も「検討します」と応じ、場内は爆笑の渦に。筋金入りの改憲論者、中曽根氏の力を借りて、党内の改憲論議の主導権を引き寄せたかった?《共同通信》

【民主党】古賀潤一郎衆院議員を除名

民主党は29日午前、党本部で臨時常任幹事会を開き、古賀潤一郎衆院議員(福岡2区)の学歴問題への対応を協議、古賀氏が提出した離党届を受理せず、除籍(除名)処分とすることを決めた。

除籍は同党の倫理規範に違反した議員に対する八段階の措置、処分のうち最も重いもので、辞職勧告に近い意味合いを持つ。29日中に党倫理委員会に諮って正式な手続きをとり、古賀氏に処分を通告した。

常任幹事会では冒頭、岡田克也幹事長が、古賀氏について(1)米ペパーダイン大を卒業したという事実はなく経歴に誤りがあった(2)卒業を確認できなければ議員辞職する」と発言するなど対応の不手際により無用の混乱を起こし国民の政治不信を招いた−と指摘。「本人が深く反省していることは重く受け止めるが、除籍処分が妥当」と提案した。

出席者からは「離党届を受理するだけでいい」との同情論の一方、議員辞職を求めるべきだとの意見も出たが、最終的に全会一致で了承された。

岡田氏や菅直人代表は当初、古賀氏が所属していた旧自由党グループの意向にも配慮し離党を容認する意向だった。しかし、「離党決着」への批判が支持者に広がったのに加え、枝野幸男政調会長ら若手幹部や7月に選挙を控える参院幹部から「党としてけじめをつけるべきだ」と、断固とした対応を求める声が相次いだのを踏まえ、軌道修正したとみられる。

古賀氏は昨年11月の衆院選で「米ペパーダイン大卒」などの経歴調査表を報道機関に提出したが、卒業していないとの疑惑が今月17日に浮上した。《共同通信》

【小泉純一郎首相】衆院本会議で発言撤回

小泉純一郎首相は29日午後の衆院本会議で、自衛隊が活動するイラク南部サマワの治安が安定しているとの判断根拠として既に解散していた「サマワ市評議会」の存在を挙げた27日の本会議答弁を撤回した。

首相は28日の衆院予算委員会で答弁を撤回。しかし野党側は本会議で撤回しなければ、衆院イラク復興支援特別委員会での審議に応じられないと主張し、自衛隊派遣承認案件の実質審議入りの予定だった同特別委が開会不能となったことから事態収拾を迫られた。

小泉首相は27日、サマワについて「市評議会の存在などにより治安は安定」と答弁。野党は評議会が24日に解散したことを指摘、治安情勢の判断根拠が崩れたと攻勢を強めていた。《共同通信》

【イスラエル・パレスチナ情勢】

エルサレム市中心部の路線バス車内で29日、パレスチナ過激派による自爆テロがあり、イスラエル警察当局によると、イスラエル人10人が犠牲となった。自爆犯1人も死亡、50人以上が重軽傷を負った。

現場はシャロン首相の公邸からわずか50メートルだったが、首相は当時、公邸にいなかった。エルサレム市内での自爆テロは昨年9月以来で、過激派とイスラエル軍による暴力の連鎖が再び泥沼化する恐れがある。

イスラエル各紙(電子版)によると、パレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの武装組織「アルアクサ殉教者旅団」が犯行を認めた。犯人はヨルダン川西岸ベツレヘムに住むパレスチナ警官(24)。同組織は、28日にガザ地区でイスラエル軍が過激派メンバーらを殺害した報復だとしている。

28日にガザ地区ではイスラム原理主義組織イスラム聖戦のメンバーら9人が殺害された。

パレスチナ自治政府のクレイ首相は「今回のテロで新たなパレスチナ人の犠牲者が出る」とイスラエル軍の報復を危ぐし、即時停戦を求めた。

警察当局などによると、爆発は午前9時ごろ起きた。犯人は通勤、通学客で混雑していたバスのほぼ中央部で走行中に自爆、バスは大破した。《共同通信》

【この日の民主党】

古賀議員問題、離党届は受理せず除籍処分に

民主党の臨時常任幹事会が29日午前、党本部で開かれ、古賀潤一郎衆議院議員の学歴問題を協議した。

はじめに菅直人代表が「古賀問題でご心配をかけているが、大事な局面なのでしっかりとした、かつ敏速な対応が必要であり、民主党としてどういう態度をとるべきか議論していただき、ある方向が出れば一致してその方向で対処して欲しい」とあいさつ。

岡田克也幹事長から古賀議員の学歴問題について経緯が報告され、「古賀議員から提出されている離党届は受理せず、党倫理規約に基づき除籍処分とする」との幹事長案が提案され、議論の結果、最終的に全会一致で了承された。

[衆イラク特]参考人質疑で自衛隊人道支援の限界示される

衆議院イラク支援特別委員会で29日、自衛隊派遣の国会承認をめぐって参考人質疑が行われた。NPO・日本国際ボランティアセンター(JVC)の熊岡路矢氏ら4名が意見陳述した後、民主党から藤田幸久議員が質疑を行った。

JVCの熊岡氏は、24年間にわたってイラクを含む海外各国で人道支援活動に取り組んできた立場から発言した。熊岡氏はまず、自衛隊の派遣について、占領軍に協力する形で活動することは憲法違反である、イラクには非戦闘地域と言える所がないことからイラク特措法にも違反している、との基本認識を示した上で、自衛隊による人道支援活動についても問題点を提起。自己完結する組織による支援は地域社会のニーズをつかめず、雇用・経済効果も見込めないこと、軍から距離を置き、中立を保つことによって安全を確保している現地のNGOを危険な立場に立たせることになること、などを指摘した。

質疑に立った藤田議員は、派遣された自衛隊が予定している浄水・給水活動はすでにNGOなどによって行われており、むしろそこに数千億円規模の予算を直接援助した方が有効なのではないか、と問題提起。熊岡氏は、現在の各国NG0の活動規模は1億円程度であるとし、統治の主体が占領軍からより中立的な機構に移ること、およびイラク警察が力をつけることを前提とすれば、100億円レベルの事業を展開できるとの考えを示した。

[衆イラク特]防衛庁長官の虚偽答弁で審議中断

衆議院イラク復興支援活動等に関する特別委員会が、29日午後開かれ、民主党からは、横路孝弘副代表、生方幸夫議員、達増達也議員、首藤信彦議員、池田元久議員、木下厚議員、伴野豊議員、長島昭久議員が質問に立った。

■サマワの評議会の解散は政府として確認したか

横路副代表は首相と、石破防衛庁長官がその答弁を撤回したサマワの評議会について、「日本政府としてその解散を確認したのか」と質した。川口外相は「オランダ、CPAからの情報で確認」と答弁、政府として直接確認はしていないことが、明らかになった。横路副代表は、川口外相が予算の執行先、地方政府は評議会と予算委員会で答弁していることを取り上げ、予算委員会での補正予算審議をやり直すよう求めた。また、掃討作戦が行われている地域は「戦闘地域ではないか」と質したが、石破長官は従来の見解を繰り返した。

■国連は日本の安全に必要ではないのか

生方議員は首相の「国連は日本の安全を守ってくれない」との答弁を取り上げ「日本の外交は国連と安保の2本柱ではなかったのか。変更したのか」と日本の外交方針の重大な変更を質した。川口外相は「首相の答弁は日本外交方針を変更したものではない。首相の発言は国連を軽視したものではない」と開き直った。また、生方議員は559億円の積算根拠について、「相手も分かっていないのでは」と質した。川口外相は「現地のニーズは把握している。具体的な金額は相手とつめているので、言えない」とイラク支援のODA資金の積算根拠については、答えなかった。

■首相の答弁撤回は前代未聞、総辞職を

達増議員は、首相がサマワの評議会が存在している発言を撤回したことを取り上げ「前代未聞。あってはならないことだ」としたうえで、「26日の予算委員会で首藤議員がサマワの評議会が解散していると質問している、今日の理事会で配られた経過を示したペーパーにはその事実はない」とまた、事実を捻じ曲げるのかと追及。「その場で事務方に調査させれば、首相に虚偽の答弁をさせることはなかった。このような内閣は総辞職に値する」と総辞職を求めた。また、「この内閣での自衛隊派遣は危険」と断じた。さらに石破長官にマスコミへの取材に対する「お願い」の撤回を求めた。石破長官は「撤回しない」と強弁した。

■先遣隊は何を調査、だれと会ったのか

首藤議員は「20日、陸上自衛隊の先遣隊が現地でだれと会い、何を話したのか」を質した。石破長官は「よろしく、お願い申し上げる、とのあいさつ」と答弁。首藤議員は納得せず、「きちんと報告が上がってきているはず」とし、また、「最初にだれに会い、何を話すかは非常に重要。すべてはオランダ軍からの情報か」と鋭く政府を追及した。石破長官は「評議会の議長とは会った。氏名を個々に申し上げるのは難しい」答弁した。首藤議員は「評議会のだれに会ったのか、12人のうち9人が巡礼に出ている、との報道もある」として政府の統一見解を求めた。このため審議はしばらく中断した。石破長官は「何人いたか、お名前、役職すべて出せるかどうか、分かりません」と答えたため、理事会で協議することとなった。

■先遣隊の調査報告の信憑性が問われている

池田議員は首藤議員の質問を受け、石破長官にすべての氏名を明らかにするよう求めたが、石破長官は拒否した。また、池田議員は先遣隊が評議会に直接は行っていないことを取り上げ、「どうして行かないのか。その理由は」と質した。石破長官は「行ったとの報告は受けていない」とのみ答弁、理由については答えなかった。また、池田議員は予算の配布先の基準・要件の明示を求めたが、川口外相はODAの一般基準についてのみ、答えただけで、具体的には答えなかった。

■これでは自衛隊員に申し訳ない

木下議員は冒頭「あきれた答弁。これでは自衛隊の皆さんに申し訳ない」とし、本隊派遣の最大根拠となっている先遣隊の調査について「十分な調査ではない」と政府を追及した。川口外相は「評議会が解散したからと言って、治安が悪くなっているとの報告は受けていない」と答弁した。また、木下議員は予算の配布先は「だれが判断し、適切、実行能力がありと認めるのか」と質問。外相は「政府全体」と、無責任な答弁に終始した。

■驚いた、自衛隊員のご家族を思うと胸が痛む

伴野議員は「驚いた、自衛隊員のご家族を思うと胸が痛む」として、「すべての国民は自衛隊員が無事に帰ってくることを願っている。そのために知りたいことがある。真摯に答弁を」と前置きし、「復興にどれくらいの期間がかかるのか」と質問。石破長官は最初「3年から5年かかる、(先遣隊が)申し上げた可能性はある」と答弁。伴野議員が「政府の意向でいいのか」と畳み掛けると、石破長官はあっさり「そのような発言を行った事実はない」と前言を翻した。

■かなりずさんな調査に基づき、コンバット・ゾーンに送っている

長島議員は「かなりずさんな調査に基づき、米軍がコンバット・ゾーンと言っているところに、自衛隊を送っている。いつ、どんな情報に基づき、派遣を決定したのか」と質した。石破長官は「12月の時点、本隊に関しては1月」とだけ答え、判断の基となる情報については明らかにしなかった。長島議員は「その判断はかなり無理をしている。その無理を現地の自衛隊員が一身に負うのでは」との危惧を示した。また、長島議員は自衛隊の安全基準について「装備、権限、能力で安全を確保するとしているが、その任務の内容を加えるべきではないか」と質した。石破長官は「加えることはない」とこれも、現地の自衛隊員の安全を無視した無責任答弁。

委員会の終了間際に首藤議員が、先遣隊が会ったのはだれかについて、再度質したところ、石破長官は「本人に確認した所、議長代理だった」と答弁、「訂正します」としたため、先遣隊の報告そのもの信頼性、政府の情報伝達機能の不備が明らかになった。首藤議員は石破長官の罷免を要求した。《民主党ニュース》



1月29日 その日のできごと(何の日)