1998 平成10年1月28日(水)　栃木女性教師刺殺事件

平成3308日目

1998/01/28

この日のできごと(何の日)

【栃木女性教師刺殺事件】

28日午後1時40分ごろ、栃木県黒磯市埼玉の同市立黒磯北中学校の廊下で同中1年の男子生徒(13)が英語教諭のA子さん(26)の胸や背中など7ヶ所をナイフで刺し、A子さんは収容先の病院で死亡した。

男子生徒は事件前まで保健室にいたが、授業に遅れたのをA子さんに注意されたため「腹が立ち、驚かそうと思ってナイフを出し見せたが、先生があまり怖がらなかったのでカッとなり刺した」などと言っているという。同県警少年課と黒磯署は生徒を補導、詳しく事情を聴き動機などを調べている。《共同通信》

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栃木県黒磯市の同市立黒磯北中学校(塩山元久校長)で28日午前、英語教論のA子さん(26)が1年の男子生徒(13)にナイフで刺され死亡した事件で、この生徒は同県警少年課黒磯署の調べに、授業に遅れたのをA子さんに注意されたため「腹が立ち、脅かしてやろうと思ってナイフを出して見せたが、先生があまり怖がらなかったのでカッとなり、刺した」などと述べた。

ナイフは2、3週間前に黒磯市内で買い、かっこがよかったのでいつも持ち歩いていたという。

同県警は生徒が14歳未満で刑法上の責任年齢に達していないため、児童福祉法に基づき同県北児童相談所に通告。宇都宮家裁は同日夜、観護措置を決定し、身柄を宇都宮少年鑑別所に送った。

調べによると、生徒は2時間目の授業後の休み時間に「気分が悪い」と担任の男性教諭に訴え、校舎1階の保健室で休んだ。3時間目の授業に出る途中、トイレに寄って教室に戻った際、A子さんに「トイレにはそんなに時間はかからないでしょう」と注意された。授業終了後、廊下に呼ばれ再び注意を受けているうち、学生服のポケットから、柄を振ると刃が飛び出すバタフライナイフ(刃渡り約10センチ)を出し、刺したという。解剖の結果、死因は失血死と分かった。

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「ごく普通の生徒だった。こんなことをしたとは信じられない」。学校関係者は「なぜ」「分からない」と口をそろえる。死亡したA教諭が担任していたクラスの男子生徒は「優しい先生だったのに…」と涙を浮かべ押し黙った。

A子教諭は平成7年4月、英語教諭として同校に赴任。出産で一年間休んだ後、昨年4月から教壇に戻った。

刺した生徒と同じ学年のある生徒は「テニス部に入っていたが、おとなしく目立たなかった。まさかこんなことをするなんて」と校舎内の出来事に信じられない様子。学校には悲報を聞き卒業生も駆け付けた。A子教諭の教え子だった男子(17)は「先生は明るくて、いつもはっきりものを言う人。人気があった」。別の男子卒業生(17)は「ストレートなしかり方をするので、逆にカチンときたという生徒もいた」とも話していた。

塩山元久校長(60)は記者会見し「信じられないという気持ちだが、ごく普通の生徒が、自分でやったと話した。それが事実です」と、沈痛な面持ちで述べた。

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「うちの子がそんなことを…。きっと何か理由があったのでは」。女性教諭を刺して死亡させたとして補導された栃木県黒磯市の男子生徒の自宅では28日夜、留守番の祖母が動揺しながら「私も真相が知りたい」と顔をこわばらせた。《共同通信》

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【長野五輪】日本選手団入村式

いよいよ臨戦態勢―。長野冬季五輪の日本選手団の選手村入村式が参加全選手団のトップを切って、28日午後1時半から、選手村広場で行われた。入村式には八木祐四郎選手団団長(日本オリンピック委員会JOC専務理事)、スピードスケート、アイスホッケー女子ら選手、役員約60人が出席。

選手団に対し、笹原正三選手村村長(JOC副会長)が歓迎のあいさつ。「一校一国運動」で日本を応援する長野市立後町小学校の子供たちが演奏する「君が代」に合わせて、選手団旗の「日の丸」をポールに掲揚。31日にアゼルバイジャン、ロシアなどの入村式が行われる。

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長野冬季五輪に出席する国際オリンピック委員会(IOC)のサマランチ会長が28日午前、成田着のスイス航空機で来日した。同日正午すぎ、長野市入りした。

空港には同五輪組織委員会の小林実事務総長らが出迎え、サマランチ会長は「またお会いできて、うれしいと述べた。

80年にIOC会長職に就いたサマランチ氏は、2001年のIOC総会を最後に会長職を退くことを表明しており、長野大会が最後の冬季五輪となる。同会長は30日から始まるIOC理事会や2月2日が開会式となるIOC総会に出席。2月7日の五輪開会式では天皇陛下の開会宣言に先立ってあいさつをする。《共同通信》

【大蔵省・小村武事務次官】辞意表明

大蔵省の小村武事務次官と武藤敏郎官房長は28日夜、首相公邸に橋本龍太郎首相を訪ね、現職の金融検査官が逮捕されるなど同省の現・元職員が絡んだ大蔵省金融検査お食事件の監督責任をとって任期途中で辞任する意向を表明した。首相は「一晩考えてみる。君たちも考えてみろ」と答えたという。

職員の不祥事に対する国民の痛烈な批判が渦巻く中で、金融安定2法案など重要法案の国会審議が空転。自民党は加藤紘一幹事長が同日の記者会見で「事務方の責任は大きい。蔵相の辞任ですべて決着ということにはならない」と強調。鈴木宗男北海道、沖縄開発庁長官も同様の見解を示した。

野党も同省患部の責任追及の方針を決めており、事務方トップとしての責任の明確化を示したとみられる。《共同通信》

【政界談話室】

○･･･橋本龍太郎首相は28日朝、三塚博前蔵相の後任について記者団から突っ込まれると、当面は蔵相兼務となったのを逆手に「私だ」「私だと言ったら私だ。それ以上の答えはない」を連発。別の質問にも「今は大蔵大臣だから…。(質問は)総理に戻ってからにして」とはぐらかし戦術にも応用、即答を避けた。衆院大蔵委員会で出席者から「蔵相が似合っているよ」と声が掛かるとまんざらでもない表情を見せるあたり、経済問題から外交まで難問山積の首相より、蔵相の方が気楽というのが本音?

○･･･民友連は代議士会を開催。この日の各党党首の持ち回りあいさつは、新党友愛の中野寛成代表の番。中野氏は「お待たせしました。真打ちの登場です」と切り出し、「財政破たんの一里塚。経済破たんの一里塚。橋本内閣崩壊の一里塚。三つまとめて、三塚と言ってきたが、ついに蔵相辞任となった」と得意の「中野節」を披露してやんやの喝さいを浴びた。この後、真顔で「共助も大事だ」と友愛精神を訴えたが、爆笑の中でどこまで思いが通じたか。《共同通信》

【石ノ森章太郎さん】死去

「仮面ライダー」「サイボーグ009」などで知られる人気漫画家の石ノ森章太郎氏が28日午前2時33分、リンパ腫による心不全のため、東京都文京区の順天堂大学医学部付属順天堂病院で死去していたことが30日、分かった。

中学時代から文通で手塚治虫さんに師事し、宮城県立佐沼高校時代にプロデビュー。卒業後に上京、手塚さんを慕って赤塚不二夫さんや藤子不二雄さんら漫画家の卵が集まった「トキワ荘」に住んで、本格的にかき始めた。

当初は少女漫画を中心に量産したが、1964(昭和39年)から少年雑誌に連載した「サイボーグ009」で独自の作風を確立した。《共同通信》

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