平成2883日目
1996/11/29
この日のできごと(何の日)
【フィギュア・伊藤みどり選手】アマチュア引退を表明
フィギュアスケートの伊藤みどり(27)=プリンスホテル=が29日、アマチュア競技会からの引退を表明した。1998年長野冬季五輪への出場はできなくなり、世界が注目していた伊藤のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)が、五輪で復活する可能性はなくなった。伊藤は体調不良などをアマ引退の理由に挙げ、今後はプロスケーターとしての活動に専念する。
伊藤は同日午後、東京都内の日本スケート連盟を訪れ、競技者登録を取り消す文書を提出した後、記者会見し「長野五輪に出場できないのは残念。アマチュアの競技会は甘くないです」などと心境を語った。
伊藤は89年パリ世界選手権で、女子選手として史上初めて成功させたトリプルアクセルを武器にアジアからの初の女王となった。92年アルベールビル五輪で銀メダルを獲得した後、プロに転向した。
しかし95年に国際スケート連盟(ISU)からアマ競技会への復帰を承認され、長野五輪を目指していたが、ことしは体調不良が続き、予定していた11月のスケートカナダへの参加も取りやめていた。
伊藤みどり 体調が思うようにならない。長野五輪に出られないのは、とても残念です。五輪に出たい夢はあったが、現実的には無理。ハードルが高かった。アマに復帰し、挑戦したことに後悔はしていない。《共同通信》
昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。
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【プロ野球・日本ハム】落合選手獲得へ
巨人は29日、セ・リーグに提出していた保留選手名簿から落合博満内野手の名前を削除した。同内野手は12月2日にコミッショナー事務局から自由契約選手として公示され、いずれの球団とも契約が可能となる。退団決定から一夜明けたこの日は、日本ハムが獲得の意向を表明、ヤクルトが強い関心を示した。
日本ハムは持田三郎球団社長、上田利治監督らが東京・六本木の球団事務所で協議し、大社義規オーナーの了承も得て、獲得に乗り出すことを決定した。同社長は「日本ハムとして獲得のスタート台に立たせていただきます」と明言した。
交渉の窓口となる上田監督は「あしたにも連絡を取りたい」と意欲をのぞかせ「技術的にもそうだが、うちの選手に与える影響を考えても必要な選手。金銭的にも(フロントから)妥当な線ではバックアップしてもらえる」と手ごたえを口にした。
また前夜、野村克也監督から要望を受けたヤクルトの桑原潤オーナーは「前向きに検討している。結論は来週前半に出す」と話す方で「(その前に)落合君とは話を始めるんじゃないか」と、交渉の用意があることもほのめかしており、近日中にも何らかの形で動くものと思われる。《共同通信》
【橋本龍太郎首相】所信表明演説
第139臨時国会が29日召集され、橋本龍太郎首相は同日午後の衆院本会議で再選後、初めての所信表明演説を行った。首相は「変革と創造」を掲げ、行政、経済構造、金融システム、社会保障構造、財政構造の「5つの改革」を第2次内閣の最重要課題と位置付け「身を燃焼させ続けてもやりぬく」と不退転で実行に全力を尽くす決意を明らかにした。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・新進党の小沢一郎党首は29日の両院議員総会のあいさつで、自らが衆院本会議の代表質問に立たないことについて「(政策面での)全党の結論を出してからにしたい」と説明。さらに「今後は(政策論議を)オープンにしたい。『角が立つ』と丸くやってきたが、党は結成から2年が経過し選挙も経験した。通常国会に向けて議論はオープンに全員でやっていいのではないか」と自民党のキャッチフレーズでもある「オープン」を繰り返した。「独裁体制」との批判があることを気にしての発言のようだが、信念を曲げないことで知られるだけに、党内には「いつまで続く?」と冷めた声も。
○・・・この日の社民党代議士会で、30日に誕生日を迎える土井たか子党首は「(議席の)数の力は15だが、言ったことの実現のために誠意を持って努力する誠実さが大事だ」と気合を入れたあいさつ。その後、新人の辻元清美氏から「先頭に立って頑張ってもらいたいので…」と眼鏡ケースの誕生日プレゼントを贈られ「誕生日ということを忘れていて、今思い出した。ただし何回目かは言えません」と大喜び。総選挙の惨敗を受け「ゼロからの出発」を強調する土井氏だけに、数字のことは忘れたい?《共同通信》
【中印首脳会談】新たな共存模索
インドを公式訪問している中国の江沢民国家主席は29日、ゴウダ首相らと会談し、21世紀に向けた建設的協力関係樹立に努力することで合意するとともに、両国は「国境実効支配線地域の軍事的信頼確立に関する協定」など4協定に調印した。
国境の信頼確立協定は1993年に調印した国境平和維持協定を一歩進めたもので、インドのPTI通信によると国境部隊の兵力削減、実効支配地域に展開する戦車、ミサイルなどの軍備削減、同地域での演習禁止などを盛り込んだ。
1960年代の国境紛争以来、長年冷却していた両国関係は、中国のパキスタンへのミサイル輸出疑惑などの未解決の懸案を残しながら、新たな共存を模索する段階に入ったと言える。
国境協定のほか、調印したのは①返還後の香港のインド領事館継続協定②麻薬密売などの犯罪に対する取り締まり協力協定③直行の海運航路開設に関する協定−の3つ。
会談後に記者会見した沈国放・中国外務省報道局長によると、江主席は、インドとの長期的安定維持が中国の重要な外交政策と説明し、国境協定を「両国関係の成熟を世界に示すもの」と強調した。
ミサイル輸出疑惑については、ゴウダ首相が一般論として先進兵器の拡散に懸念を表明したが、江主席は、輸出問題には触れず「インドとパキスタンが建設的な近隣関係をつくるよう望む」と述べるにとどまった。《共同通信》
【北越急行ほくほく線】試運転公開
新潟県のJR信越線犀潟駅と上越線六日町駅を結び、来年3月に開業となる北越急行会社の「ほくほく線」=北越北線・59.5キロ=が29日公開され、直江津−越後湯沢間を9両編成の特急電車が時速約140キロの高速で走り抜けた。
JR西日本金沢支社はほくほく線を利用して金沢−越後湯沢間に一日約10往復のスーパー特急を運行する予定で、北陸から首都圏への所要時間は長岡駅乗り継ぎに比べて約20分間短縮される。
ほくほく線は昭和43年に着工した。財政難から一時工事が中断されたが、最高時速160キロの高規格線として工事が進められ、約1300億円を投じてほぼ完成した。全線の約7割がトンネルという単線区間で、沿線自治体などによる第三セクターの北越急行が運営する。《北國新聞》