平成2927日目

1997/01/12

この日のできごと(何の日)

【在ペルー日本大使公邸占拠事件】

橋本外務報道官「厳しい状況変わらず」

橋本外務報道官は12日夕の記者会見で、日本大使公邸人質事件の今後の見通しについて、12日(現地時間)にもパレルモ教育相とトゥパク・アマル革命運動(MRTA)の直接交渉が再開されるとの見方を示しながらも「依然として70人余の人質が残っており、具体的にどういう動きになるかは話し合いの結果による。厳しい状況に変わりはない」と述べた。

テレビ朝日系列の記者が公邸内で取材したビデオテープについては「(日本政府が)東京まで運び、そこでテレビ朝日に手渡したい」と述べ、今週中に外務省からテレビ朝日側に渡すことを確認した。《共同通信》

テレ朝系記者が会見

ペルーの日本大使公邸に入って取材したことで治安当局に4日間身柄を拘束された後、釈放されたテレビ朝日系列広島ホームテレビの人見剛史記者(26)は12日、米ニューヨーク市内のホテルで記者会見し、ゲリラ側から、人質解放交渉や日本企業社員の身代金に関する手紙などは「一切受け取っていない」と否定した。

同記者は、邸内で極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)の指導者、ネストル・セルパ容疑者や人質の三井物産現地法人の小林正己社長にインタビューした。人見記者は「セルパ容疑者は、通訳を通さず、一方的にしゃべっていたので発言内容は分からない。解決するまで人質を解放するつもりはない、と言ったのは覚えている」と述べた。小林社長は、人質の家族らに向けて「みんな元気で頑張っているので安心してください」と語ったという。

人見記者は、公邸に入った7日は人質解放交渉がこう着状態にあり、入っても人質の生命を危険にさらすことはないと判断。公邸の玄関まで進んだ段階で「突発的に」決断したと述べた上で、「通常の取材の延長と考えているが、結果として人質のご家族や赤十字国際委員会などにご心配をかけたことを申し訳なく思っている」と語った。

会見には、テレビ朝日のリマの現地取材責任者、玉知夫ニューヨーク支局長と同社の根津正樹外報担当部長も同席。紺色のスーツ姿の人見記者は、4日間に及ぶ拘束の疲れもみせず、質問にはメモを取りながら冷静に答えていた。 《共同通信》

ゲリラ側、直接交渉を拒否

日本大使公邸人質事件で、12日に再開が期待されていたペルー政府と極左ゲリラ、トゥパク・アマル革命運動(MRTA)の直接交渉は、MRTAが服役中の仲間の釈放を政府が受け入れない限り応じないと、土壇場になって拒否、残る人質74人の解放、事件解決に向けた動きは再び暗礁に乗り上げた。

政府側交渉担当のパレルモ教育相が12日夕(日本時間13日朝)、記者会見での声明で明らかにした。教育相はまた、交渉再開に向け政府がMRTAに、3項目の提案を示したことを明らかにした。提案についてのMRTAの回答、反応について、同相は触れていない。

政府提案は①政府、MRTA双方の代表とローマ法王庁、赤十字国際委員会の代表からなる「保証委員会」の設置②双方とほかの委員が受け入れられ得る交渉場所の決定③協議項目は、これまでの接触で確認した点も含め、作業日程とともに検討する―の3点。教育相はローマ法王庁の代表として、これまでも事実上の仲介役を果たしてきたシプリアニ司教が参加することも明らかにした。

これまでの「保証委員会」設置提案は、MRTAが人質を解放し事件が解決した際、MRTAメンバーの安全な国外脱出などを保証するのが目的だった。今回はこれとは異なった性格で、直接交渉再開のために第三者を交えて調整を図る。《共同通信》



昭和64年1月1日〜このサイトをご覧頂いている日の一週間前まで、すべての日の「何らかの」できごとを記しています。

情報量が少ない日は随時加筆中です。

引用記事は名前、住所など一部修正の上、抜粋してあります。

外国の方のお名前、地名などは現時点で一般的に通じるものに書き換えています。(例・ロシアのプーチン氏はかつてプチン氏と表記されていました)

古い記事の多くは「書き写し」のため、誤字脱字が多数あります。見つけ次第修正しています。

このサイトについて

【大相撲初場所】初日

大相撲初場所初日(12日・両国国技館)横綱、大関がそろって勝つ安泰の土俵となった。休場明けの横綱貴乃花は豪快な右すくい投げで小城錦を下した。横綱曙は小結安芸乃島を押し出した。横綱昇進がかかる大関武蔵丸は右四つから肥後ノ海を寄り切り好スタートを切った。大関若乃花は右下手投げで北勝鬨を退け、大関貴ノ浪は危なげなく朝乃若を寄り切った。大関を目指す関脇魁皇は力強い相撲で栃乃和歌を押し出し。関脇琴錦は業師、旭鷲山の内無双に敗れた。《共同通信》

【スキーW杯回転】木村公宣選手、6位入賞

W杯スキー回転アルペンスキーのワールドカップ(W杯)男子回転第5戦は12日、フランスのシャモニーで行われ、木村公宣(ロシニョールジャパン)が1、2回の合計タイム1分58秒53で6位入賞を果たした。

木村の6位はW杯自己最高位で、日本男子選手の6位以内入賞は1991年1月に岡部哲也がキッツビューエル(オーストリア)で5位になって以来6シーズンぶり。木村は1回目、59秒28で11位につけ、2回目に59秒25をマークして順位を上げた。優勝はトーマス・シコラ(オーストリア)で1分56秒38。《共同通信》

【ナホトカ号重油流出事故】原発に接近

島根県沖の日本海で沈没したロシア船籍タンカー「ナホトカ」の重油流出事故で、12日午前、福井県の若狭湾に流入した重油の一部が高浜町の関西電力高浜原発の取水口周辺に迫った。関電は当面、発電に影響ないとしているが、付近に多数の油塊があり、八管本部は警戒を強めている。

一方、石川県内では同日、新たに美川町の海岸でも油粒が確認された。好天に恵まれ、重油が漂着した加賀市、根上町などの海岸では急ピッチで回収作業が進められたほか、県漁連は一斉に操業を休み200隻の漁船で洋上の油塊回収に当たった。

関西電力などによると、高浜原発は沖合約200メートルの範囲で四重にオイルフェンスを設置しており、最も外側のフェンス中央部に約5メートルにわたり重油が付着していた。高浜原発は冷却水の取水量を10-20%下げたが、冬場で水温が低く冷却効率が高いため、取水量を減らしても発電に影響はないとしている。

12日、関係機関の船舶や航空機から金沢海上保安部に入った連絡によると、石川県志賀町赤住の北陸電力志賀原発の西約10キロには大規模な油帯がある。この油帯は志賀町高浜沖から輪島市の西北西沖にかけ、南北56キロ、東西200メートルで広がり、13日には輪島市七ツ島南沖に達する見込み。

北電は同日、志賀原発の物揚げ場から海岸まで新たに140メートルのオイルフェンスを設置し、計5カ所に増強するとともに、船による近海の警戒を始めた。《共同通信》



1月12日 その日のできごと(何の日)