2024 令和6年10月11日(金) 被団協にノーベル平和賞

令和1991日目

2024/10/11

この日のできごと(何の日)

【被団協】ノーベル平和賞受賞

ノルウェーのノーベル賞委員会は11日、2024年のノーベル平和賞を日本全国の被爆者らでつくる日本原水爆被害者団体協議会(被団協、東京)に授与すると発表した。「核兵器のない世界の実現に向けた努力」を評価した。今年で結成68年を迎え、被爆の実相を世界に訴え続け、核廃絶の運動を長年リードしてきた。日本の個人や団体への平和賞は、非核三原則の表明で1974年に受賞した佐藤栄作元首相以来で50年ぶり2例目。

ノーベル賞委員会は被団協について「核兵器が二度と使用されてはならないことを証言を通じて示した。並外れた努力は核のタブーの確立に大きく貢献した」とたたえた。国連や平和会議に代表団を派遣し続け「核軍縮の差し迫った必要性を世界に訴えてきた」と指摘。「肉体的苦しみやつらい記憶を、平和への希望を育むことに生かした全ての被爆者に敬意を表したい」とした。

今回の授与はロシアのウクライナ侵攻や北朝鮮の核・ミサイル開発で核の脅威が増す中、核なき世界に向けた機運を高める狙いがある。《共同通信》

石破茂首相は11日、訪問先のラオスでの会見で、被団協へのノーベル平和賞授与決定について「長年、核兵器廃絶に向けて取り組んできた同団体への授与は極めて意義深い」と述べた。

首相は先の総裁選で、米国の核兵器を日本で運用する「核共有」について「非核三原則に触れるものではない」と述べ、議論の必要性を訴えた経緯がある。

岸田文雄前首相は「長年の努力に対する評価だ」と自身のXに投稿した。

林芳正官房長官は「心よりお祝い申し上げる」と官邸で語った。

自民党の森山裕幹事長は「さまざまな立場の国の橋渡しをしていく」とコメントした。公明党の石井啓一代表は「核兵器が二度と使用されてはならないと実証したことが評価された」と述べた。

立憲民主党の野田佳彦代表は祝意を示した上で、首相が就任前に「核共有」に言及したことを「被団協の取り組みと逆行する」と指摘した。

共産党の小池晃書記局長は「日本政府は核兵器禁止条約に今こそ参加すべきだ」と強調。社民党の福島瑞穂党首は「日本に核禁条約批准を求めるメッセージだ」と評価した。《共同通信》


【愛子内親王殿下】佐賀県訪問

天皇、皇后両陛下の長女愛子さまは11日、第78回国民スポーツ大会の競技観戦などのため、羽田発の民間機で佐賀県を訪問された。愛子さまが単独で地方公務に臨むのは初めて。

1泊2日の日程で、11日午後から佐賀市のSAGAサンライズパーク陸上競技場で、男子やり投げ決勝などを観戦する。その後、県立佐賀城本丸歴史館を視察する。

12日は大会の柔道を観戦するほか、県赤十字血液センターで災害対応の取り組みについて説明を聞く。手すき和紙の工房も見学する。夜に帰京する予定。

国民スポーツ大会(旧国民体育大会)は例年、開会式に両陛下が出席し、期間中は皇族が訪れ、競技を観戦する。《共同通信》

【競馬】

日本中央競馬会(JRA)は11日、女性騎手としてJRA最多の166勝を挙げた藤田菜七子騎手(27)の現役引退を発表した。同日付で騎手免許を取り消した。競馬開催前に入室を義務付けられる調整ルーム居室内でのスマートフォンの不適切な使用事実が判明して騎乗停止処分を受け、引退届を出していた。

2016年3月にデビューした同騎手は、16年ぶりのJRA女性騎手となった。19年にはカペラステークス(G3)で日本人女性騎手で初のJRA重賞制覇を成し遂げるなど、自己最多の年間43勝を挙げた。通算で3897戦に騎乗した。

調整ルームでは外部と接触できないよう、通信機器の持ち込みを禁止されている。《共同通信》

【プロ野球・11日】

プロ野球楽天は11日、今季就任した今江敏晃監督(41)との契約を解除し、後任として2020年に1軍監督を務めた三木肇2軍監督(47)が就任すると発表した。

今江監督は、退任した石井一久前監督(現球団シニアディレクター)の後を受け、打撃コーチから昇格して2年契約で就任。交流戦で球団初優勝を果たしたが、選手から起用法の偏りや作戦面などに対して不満の声が出ていた。チームは終盤に失速して4位となり、3年連続でクライマックスシリーズ進出を逃した。

三木氏は20年に4位だった後は2軍監督を務め、22年にファーム日本一に導くなど手腕を発揮した。若手を中心に選手からの人望も厚い。《共同通信》

オリックスの新監督に決まった岸田護投手コーチが11日、大阪市内の球団施設で就任記者会見に臨み「全員が勝つということに向かって、ファンに喜んでもらえることを一番に考えるチームになっていけたら」と抱負を語った。

昨季までパ・リーグ3連覇に導き、6日に退任を表明した中嶋聡監督の後任。今年は5位と低迷したが、新監督は「実力のある選手はすごく多い。もう一度、一丸となって同じ方向を向いて戦っていきたい」と立て直しを期した。選手時代からオリックス一筋で、福良淳一ゼネラルマネジャーは「選手のことを一番よく分かっている」と選任の理由を説明した。《共同通信》

【東京株式市場】

11日の東京株式市場は、日経平均株価(225種)が続伸した。好決算を発表した銘柄に買い注文が集まり、相場をけん引した。

終値は前日比224円91銭高の3万9605円80銭。東証株価指数(TOPIX)は6.47ポイント安の2706.20。出来高は約15億7950万株だった。《共同通信》

【首相動静】

石破茂首相は11日(日本時間同)、初外遊となったラオスでの日程を終え、記者会見を開いた。一連の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議で「一方的な現状変更は認められないと明確に発信した」と強調。中国の李強首相との会談では「戦略的互恵関係」推進を確認する一方、軍事活動などの懸案に言及し、けん制したと説明した。法の支配の重要性を前面に掲げた岸田文雄前首相の路線を踏襲した形となった。

首相は会見で、ASEAN会議に関し「安全保障環境が激変する中にあって、国際情勢を率直に議論する重要な機会だった」と評価。「北朝鮮や東・南シナ海情勢について、わが国の立場を明確に伝達した」と述べた。

10日の李氏との会談に関し「首脳間を含め重層的に意思疎通を重ねていくと確認した」と言明。中国・深センの男児刺殺事件などを挙げ「両国関係は必ずしも順調ではないが、解決の糸口はつかめた」との認識を示した。11月の国際会議の際に想定される習近平国家主席との会談については「実現のため努力する」と語った。《共同通信》

【北朝鮮】「韓国が領空侵犯」と発表

北朝鮮外務省は11日、重大声明を発表し、韓国から飛来した無人機が首都平壌の上空で北朝鮮の体制批判ビラを散布する「領空侵犯」が起きたとして対抗措置を警告した。「あらゆる攻撃手段を任意の時刻にとる態勢を備える」と強調。挑発行為への「最後通告」としている。朝鮮中央通信が伝えた。

これまでも北朝鮮は韓国の脱北者団体が大型風船を使ってビラを散布してきたことに繰り返し反発。韓国にごみをぶら下げた風船を飛ばして対抗してきた。無人機の飛来を受け、さらに踏み込んだ軍事措置を示唆しており、南北関係は一段と緊迫した状況にある。

声明によると、既に国防省や軍、総参謀部が対応に必要な準備に着手した。無人機は今月3日、9日、10日の深夜に平壌の中心部まで飛来したという。

声明は、無人機は軍事的な攻撃手段にも用いられるとし、首都への飛来は北朝鮮の主権を侵害する「重大な犯罪行為」で「自衛権行使の明確な対象になる」と主張。次に飛来した際は警告なく「即時に行動に移る」と威嚇した。《共同通信》

【MLB】

米大リーグのプレーオフは11日、ロサンゼルスでナショナル・リーグの地区シリーズ第5戦(5回戦制)が行われ、大谷翔平のドジャースがパドレスを2―0で下して3勝2敗とし、3年ぶりにリーグ優勝決定シリーズに進んだ。「1番・指名打者」で出場した大谷は4打数無安打と振るわなかったが、先発した山本由伸が5回無失点の快投で勝利投手になった。

大谷は「厳しいシリーズだったが、勝てて良かった。由伸が素晴らしいピッチングをしてくれた」と喜びを語った。

メジャーのポストシーズンで日本人投手が先発で初めて投げ合う試合となり、パドレスのダルビッシュ有も七回途中2失点と好投したが、実らなかった。

ドジャースは13日(日本時間14日)からのリーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)で千賀滉大の所属するメッツと対戦。優勝チームがワールドシリーズに進出する。《共同通信》

ドジャースが1勝2敗と追い込まれた第3戦後、大谷は「2連勝すればいい」と前だけを見つめた。その強気の言葉を体現し、2連勝で地区シリーズ突破。九回最後の打者がアウトになると、真っ先にベンチから飛び出し、抑えのトライネンと熱く抱擁した。「誰が出てもチームプレーで後ろにつなぐ。みんなでものにした試合だった」と仲間に感謝した。

ダルビッシュの投球術で、第2戦に続いて無安打に封じられた。大谷を慕う2人のヘルナンデスが山本を援護し、二回にエンリケ、七回にテオスカーがソロを放った。投手戦を制した山本を「圧倒的な投球だった」とたたえ、シャンパンファイトでは泡まみれになって喜びを分かち合った。《共同通信》

【ウクライナ侵攻】

ロシアの侵攻を受けるウクライナのゼレンスキー大統領は11日、ドイツのショルツ首相とベルリンで会談し、対ロシア戦争の「勝利計画」を説明した。会談前に記者会見し、戦争を終結させるための勝利計画が「2025年には実現することが望ましい」と述べ、欧米に支援継続を求めた。

ドイツでは12日にウクライナ防衛支援に関する首脳級会合が予定されていたが、バイデン米大統領が米国のハリケーン対応を優先したため延期となり、ゼレンスキー氏は自ら欧州を歴訪。ドイツに先立ち10、11両日に英国とフランス、イタリアで各首脳と会談した。

ゼレンスキー氏は会見で「ウクライナは世界のどの国よりも、この戦争を公正に終結させたいと望んでいる」と強調。戦闘拡大を防ぎ、人命を救うため、ドイツや同盟国の支援が来年も続くことが重要だと訴えた。

ショルツ氏は、年末までにベルギーやデンマークなど他の同盟国と共に防空システムやゲパルト対空戦車などを含む14億ユーロ(約2280億円)相当の軍事支援をすると表明した。《共同通信》

【中東情勢】

イスラエル軍は11日、パレスチナ自治区ガザ北部ジャバリヤの人口密集地を空爆し、パレスチナ通信によると、子どもを含む22人が死亡、30人以上が負傷した。軍は6日以降、イスラム組織ハマスの再編阻止を目指し、ジャバリヤに再び地上部隊を展開。空爆も多数実施している。12日にはガザ北部の退避要求地域を拡大し、攻撃の激化が懸念されている。

一方、イスラエル軍は11日、レバノン南部に駐留する国連レバノン暫定軍(UNIFIL)施設を2日連続で攻撃し、各国から批判が相次いだ。軍は、親イラン民兵組織ヒズボラが「意図的にUNIFILの拠点近くから攻撃している」と主張した。《共同通信》

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