2024 令和6年10月10日(木) 辺野古ダンプ事故・事故映像明らかに

令和1990日目

2024/10/10

この日のできごと(何の日)

【辺野古ダンプ事故】事故映像明らかに

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設に抗議していた女性を制止した警備員が6月、ダンプカーに巻き込まれて死亡した事故で、現場付近に設置されたカメラに事故に至る状況が映っていることが10日、明らかになった。産経新聞が関係者からカメラ映像を入手し、確認した。県議会は11日、土木環境委員会で委員がこの映像を閲覧する方針。

事故は6月28日、辺野古移設工事に使う土砂を搬出する名護市安和(あわ)の桟橋前の路上で起きた。桟橋から左折して国道に出ようとしたダンプカーが、同市の男性警備員=当時(47)=と抗議活動中の70代の女性に衝突。警備員は死亡し、女性は重傷を負った。

映像や関係者らによると、死亡した警備員は当初、重傷を負った女性とは別の抗議者に対し、路上で対応していた。警備員は、この抗議者を歩道に誘導したが、歩道後方から足早に近づいてきた女性が警備員と抗議者の間をすり抜け、徐行しながら国道に向かうダンプカーの前に出る様子が映像に残されていた。

警備員は女性を制止しようと、ダンプカーと女性の間に割って入る形となり、そのままダンプカーの左前面に衝突。10秒ほどの出来事だった。

関係者は「明らかに女性は警備員の制止を無視して飛び出している。警備員は女性をかばうような形でダンプカーに巻き込まれた」と証言した。

県警はカメラ映像の解析を進め、詳しい事故原因を調べている。

一方、事故現場で牛歩による抗議活動をしてきた市民団体のメンバーによると、重傷を負った女性は「あえて飛び出したわけではない」と説明。この市民団体と連携する「オール沖縄会議」は7月、2人がダンプカーに巻き込まれたのは「車両乗入部」と呼ばれる歩道部分で、「あくまでも歩行者の通行が優先される場所」だったと主張する資料を公表していた。

事故現場となった辺野古移設工事に使う土砂の搬出港周辺では、移設に反対する市民団体のメンバーらがダンプカーの前をゆっくりと横断して抗議する「牛歩戦術」が続けられてきた。

今回明らかになった映像によって、抗議者の女性がダンプカーの前に飛び出した可能性が高まった。これまで抗議者側は、女性は飛び出したわけではないとの姿勢を崩さず、「安全に配慮した抗議運動」を尊重すべきだとも主張していた。

また、骨を折る重傷を負った女性が「骨は折れても心は折れない」との言葉を残し、「市民」らが勇気づけられたとする地元報道もある。こうした状況に、警備員の遺族は「今までで一番憤りを感じる記事だった。本当に本当に許せないし、とてもつらい」と心を痛めていたとされる。

今月4日の県議会の一般質問で、遺族の「思い」を読み上げた自民党の島袋大県議によると、警備員の妻は「報道やSNS(交流サイト)では被害者(の女性)に非はなく、非があるのは強引な警備などではないかとの誹謗中傷がほとんど」と振り返り、「妨害行為が問題ないことにされ、家族の死がなかったことのように扱われた。精神的につらく、心を痛めていた」と伝えてきたという。

映像には、徐行するダンプカーに近づく女性と、女性をかばうように制止しようとする警備員の姿が映っており、抗議者側の「主張」は崩れつつある。《産経新聞》


【プロ野球】

プロ野球中日は10日、来季監督に井上一樹2軍監督(53)の昇格を発表した。

チームは3年連続最下位に沈み、2011年を最後にセ・リーグ優勝から遠ざかる。引責辞任した立浪和義前監督の後任として、低迷脱却に向けたかじ取りを任された。

鹿児島県出身で、鹿児島商高からプロ入り。現役時代は中日一筋で20年間プレーし、引退後は中日や阪神で指導者を務めた。11年ぶりにチームに復帰した今季は2軍を指揮した。《共同通信》

【首相動静】

石破茂首相は10日(日本時間同)、ラオスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)と日中韓3カ国の首脳会議に臨んだ。核・ミサイル開発を加速させる北朝鮮への対応を巡って議論。中国の威圧的行動が続く南シナ海情勢も議題になる可能性がある。

会議には、中国の李強首相、韓国の尹錫悦大統領も参加。石破首相は、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持する重要性を強調する見通しだ。北朝鮮による日本人拉致問題の解決に協力を呼びかける。

金融危機時に米ドルなどの資金を融通し合う金融協力や、感染症対策、防災などの実務的な協力についても話し合うとみられる。

これに先立ち、石破首相は日本とASEANの首脳会議に出席。中国を念頭に「東シナ海での日本の主権を侵害する活動や、挑発的な軍事活動に強く反対する」と述べ、南シナ海での軍事化や威圧的活動にも深刻な懸念を示した。ASEANと海洋安全保障やサプライチェーン(供給網)、サイバーセキュリティー分野での協力を強化すると強調した。《共同通信》

石破茂首相は10日(日本時間同)、中国の李強首相とラオスの首都ビエンチャンで、就任後初めて会談した。両氏は日中の共通利益を拡大させる「戦略的互恵関係」を推進し、建設的で安定的な関係を構築すると確認。双方の事務当局に具体的成果を出すよう検討を指示する方針で一致した。石破首相は東京電力福島第1原発の処理水海洋放出で中国が停止した日本産水産物の輸入を早期に再開するよう要請した。

会談で石破首相は戦略的互恵関係を巡り「日中両国が包括的に推進するとの大きな方向性を共有している」と強調。李氏は「中国は高く評価する」と表明し「両国関係の健全で安定した発展を保つようさらに努力しなければならない。それは両国と地域、世界に重要な意義がある」と指摘した。

石破首相は中国広東省深センで日本人学校に通う男児が刺殺された事件で在留邦人の不安が高まっているとして、事実解明と説明、邦人の安全確保を要求。中国で拘束されている邦人の早期釈放も求めた。《共同通信》

【東京株式市場】

10日の東京株式市場の日経平均株価(225種)は続伸した。外国為替相場での円安ドル高の進行を背景に、自動車などの輸出関連株を中心に買われた。

終値は前日比102円93銭高の3万9380円89銭。東証株価指数(TOPIX)は5.43ポイント高の2712.67。出来高は約15億675万株だった。《共同通信》

【自民党】衆院選公約を発表

自民党は10日、衆院選公約を発表した。派閥裏金事件を受け、信頼回復に向け国民目線で改革を進めると強調。党幹部に支給され使途公開不要の政策活動費に関し「将来的な廃止も念頭に透明性を確保する」と明記した。「調査研究広報滞在費」(旧文書通信交通滞在費)の使途公開と残金の国庫返納も盛り込んだ。

公約は(1)ルールを守る(2)暮らしを守る(3)国を守り、国民を守る(4)未来を守る(5)地方を守る(6)新たな時代を切り拓く―の6本柱。

政治改革について、新設した総裁直属の「政治改革本部」を中心に検討を進めると言及。政策活動費に関しては世論の反発を踏まえ、原案になかった「将来的な廃止」の表現を追加した。政治資金を監査する第三者機関の設置も記載したが、時期は示さなかった。

経済政策を巡っては、岸田政権が掲げた「成長と分配の好循環」を踏襲。デフレ脱却最優先の経済・財政運営を行うと訴えた。電気・ガス料金や燃料費の高騰対策に加え、物価高対策として低所得者世帯への給付金支援を打ち出した。《共同通信》

【共産党】衆院選公約を発表

共産党は10日、衆院選公約を発表した。物価高対策で最も効果があるのは消費税減税だとして、廃止を目指し当面5%に引き下げると明記。最低賃金の時給1500円以上への引き上げや、法定労働時間を「1日7時間、週35時間」に短縮するなど「暮らし優先の経済」を掲げた。自民党派閥裏金事件を受け「腐敗政治の根を絶つ」と宣言し、政治資金パーティー券の購入も含め企業・団体献金を禁止するとした。

最低賃金は全国一律とし、同一労働同一賃金を徹底。労働時間の短縮をジェンダー平等実現の柱と位置付けた。中小企業の賃上げ支援のため、大企業の内部留保に時限的に課税し、財源を確保。インボイス(適格請求書)制度も廃止する。

安全保障分野では、集団的自衛権行使を容認した安全保障関連法を廃止すると主張。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)は即時撤去し、名護市辺野古移設を中止する。

在沖縄米兵による相次ぐ暴行事件を受け、日米地位協定の抜本改定を訴えた。憲法9条を守り、対話に基づく外交努力での平和維持を提唱した。《共同通信》

【サッカー】

サッカーの2026年ワールドカップ(W杯)アジア最終予選は10日、サウジアラビアのジッダでC組第3戦が行われ、8大会連続の出場を狙う日本はサウジアラビアに2―0で勝ち、3戦全勝の勝ち点9で首位を守った。日本がW杯最終予選の初戦から3連勝するのは初めて。

日本は前半に鎌田(クリスタルパレス)が先制点を挙げ、後半には小川(NECナイメヘン)が右CKを頭で合わせた。サウジアラビアは1勝1分け1敗で勝ち点4。

最終予選は18チームが3組に分かれて各組2位までが出場権を獲得し、3、4位はプレーオフに回る。日本は15日にオーストラリア代表と対戦する。《共同通信》

【テニス】

男子テニス元世界ランキング1位で、四大大会のシングルス通算22勝のラファエル・ナダル(スペイン)が10日、自身の交流サイト(SNS)に動画を投稿し、今季限りの現役引退を正式表明した。

38歳の元王者は近年、股関節などの故障に苦しみ「人生の中ではどんなことにも始まりと終わりがある。ここ数年は難しい年が続いた」と語った。引退を示唆しつつ臨んだ今シーズンはパリ五輪に出場し、シングルスは2回戦敗退。四大大会最終戦の全米オープンは棄権した。11月に母国で行われる国別対抗戦デビス杯決勝大会が最後の舞台になるという。

2001年にプロデビュー。四大大会は全仏オープンを得意とし、史上最多14度の優勝を果たして「赤土の王者」の異名を取った。全豪オープンとウィンブルドン選手権は各2度、全米オープンは4度制した。08年北京五輪はシングルスで金メダル。ツアーのシングルスは優勝92度を数えた。

現役のノバク・ジョコビッチ(セルビア)らとともに「ビッグ4」と称され、スター選手として長年活躍した。《共同通信》

【ノーベル賞】

スウェーデン・アカデミーは10日、2024年のノーベル文学賞を韓国の女性作家、ハン・ガン(韓江)さん(53)に授与すると発表した。韓国人の同賞受賞は初めてで、ノーベル賞全体では00年に平和賞を受賞した金大中氏(当時大統領)以来2人目。女性の文学賞受賞は通算18人目で、アジア人女性としては初となる。

授賞理由として「歴史的トラウマに立ち向かい、人間の命のはかなさをあらわにした強烈な詩的散文」を挙げた。

韓国で1987年の民主化後の文壇をリードする「次世代の旗手」。代表作「菜食主義者」は日本や欧米でも翻訳され、世界的な支持を集めた。

93年発表の詩をきっかけに文壇デビュー。94年に短編小説で韓国の文学賞を受賞し、作家として本格的な活動を始めた。2005年に韓国で最も権威がある李箱文学賞(日本の芥川賞に相当)を受賞した。日本で知名度が高い韓国人作家の一人。

ノーベル文学賞の賞金は1100万クローナ(約1億5千万円)。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれる。《共同通信》

【台湾・頼清徳総統】「主権を維持」

台湾の頼清徳総統は10日、「中華民国建国113年」を記念する双十節(建国記念日)祝賀式典で演説した。中国の統一圧力を念頭に「国家主権を堅持し、侵犯を許さない」と訴えた。民主進歩党(民進党)が少数与党である現状を踏まえ、台湾内部の「団結」も呼びかけた。

5月の就任演説と同様に、中華民国と中華人民共和国は「互いに隷属しない」と述べ、中台を不可分の領土とする「一つの中国」原則を認めない立場を強調。その上で「台湾海峡の平和と安定の現状」を維持する努力は変わらないと主張した。

中国とは「平和的共栄」を追求したいと表明し、対話と交流を展開したいと述べた。

台湾は1912年に南京で建国された「中華民国」を正式名称としており、この年を独自の暦の元年としている。

頼氏は5日の双十節の関連行事で、中華人民共和国よりも中華民国の方が歴史が長いとして「中華人民共和国は中華民国の人々の祖国にはなり得ない」と訴えた。

これに対し、中国国務院(政府)台湾事務弁公室報道官は8日、反発する談話を発表した。《共同通信》

【中東情勢】

イスラエル軍は10日、レバノンの首都ベイルート中心部を空爆し、同国保健省は22人が死亡、110人以上が負傷したと発表した。イスラエルメディアによると空爆の標的は親イラン民兵組織ヒズボラ高官だった可能性がある。軍はヒズボラ攻撃を理由に人口密集地への空爆を続け、民間人にも被害が出ており、国際社会の批判が高まりそうだ。

一方、国連児童基金(ユニセフ)のラッセル事務局長は10日の声明で、パレスチナ自治区ガザで2回目のポリオ予防接種が14日に始まると表明した。対象は10歳未満の約59万人で、1回目と同様、地域を限定して戦闘を休止。範囲と時間を決めてワクチン接種を進めるとみられる。

レバノン国営通信によると10日はベイルート中心部のビル2棟が空爆され、うち1棟が全壊した。軍は連日、ヒズボラの影響力が強いベイルート南部などを空爆するほか、ガザ各地への攻撃も継続。ガザ北部ジャバリヤでイスラム組織ハマス戦闘員ら12人を殺害し、ガザ北部の戦闘で兵士3人が死亡したと発表した。《共同通信》

【ウクライナ侵攻】

欧州歴訪中のウクライナのゼレンスキー大統領は10日、英ロンドンでスターマー首相と会談した。大統領府によると、対ロシア戦争の「勝利計画」を説明し、米欧供与の長射程兵器によるロシア領攻撃を容認するよう要求。ウクライナを北大西洋条約機構(NATO)の加盟交渉に招待することの重要性を訴えた。NATOのルッテ事務総長も交えた3者会談も行った。

ゼレンスキー氏は10日、フランス・パリでマクロン大統領とも会談する。

ゼレンスキー氏は9日、訪問先のクロアチアで記者会見し、NATO加盟を巡り「もしウクライナを強くして戦争に勝たせたいと真剣に考えているならば、(ウクライナを加盟交渉に招待する)案を支持するだろう」と述べ、NATO加盟の手続きを急ぐよう訴えた。

勝利計画には、NATO加盟交渉に招待するよう求める項目が盛り込まれている。ゼレンスキー氏は会見で、ロシアと交戦中に加盟を実現するのは困難だとの見方に理解を示した上で、「最初の一歩が必要だ。それが招待だ」と強調した。《共同通信》

フランスのマクロン大統領は10日、パリのエリゼ宮(大統領府)でウクライナのゼレンスキー大統領と会談した。会談後、ロシアの侵攻を受けるウクライナの「防衛のための装備や訓練などの支援を継続する」と約束した。ゼレンスキー氏は対ロシア戦争の「勝利計画」をマクロン氏に説明した。

ウクライナ大統領府によると、会談では戦況のほか、両国による兵器の共同生産を議論した。ウクライナ側が兵器の生産で協力拡大を提案した。

ウクライナは東部戦線でロシアに徐々に押し込まれており、前線への兵器供給を急いでいる。米欧に兵器供与の加速を要請すると共に、支援国との共同生産にも力を入れている。

一方、イタリア紙コリエレ・デラ・セラは9日、ゼレンスキー氏が、ウクライナの安全保障を西側諸国が約束するのと引き換えに、現在のロシア軍との間の境界線に沿って停戦に応じる構えだと報じた。情報源は明らかにしなかった。《共同通信》

【MLB】

米大リーグのプレーオフは10日、各地でア・リーグの地区シリーズ(5回戦制)第4戦が行われ、ヤンキースはロイヤルズを3―1で下し、3勝1敗として2年ぶりにリーグ優勝決定シリーズに進んだ。前田のタイガースはデトロイトでガーディアンズに4―5で敗れ、2勝2敗となった。前田は出場選手登録を外れている。

ナ・リーグは11日(日本時間12日)の地区シリーズ第5戦に向け、ドジャースの大谷や先発するパドレスのダルビッシュが調整した。《共同通信》

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