2024 令和6年12月8日(日) シリア・アサド政権崩壊
令和2049日目
2024/12/08
この日のできごと(何の日)
【シリア・アサド政権】崩壊
シリア反体制派は8日、首都ダマスカスを掌握、アサド政権が崩壊した。ロシア外務省はアサド大統領は内戦の当事者らと交渉した結果、辞任を決断し、国外に去ったと発表した。アサド氏の行き先は不明。シリア内戦は膠着状態となっていたが、反体制派が11月下旬以来、電撃的な攻勢をかけ、アサド氏の父の代から50年以上続いた強権体制の幕を閉じた。
過激派が主導する反体制派の統治能力は未知数で、中東混迷に拍車がかかる。ロシア外務省によると、アサド氏は平和的な手段による権力移譲を実行するよう指示を残した。シリアのジャラリ首相は中東メディアに対し、政権移譲に協力する考えを示し、選挙が実施されるべきだと述べた。
米ニュースサイト、アクシオスの記者はアサド氏が7日夜、ロシア入りを目指し航空機でダマスカスを離れたと報じた。
アサド政権はイランやロシアの軍事支援を受けていたが、防衛に失敗した。シリア北東部には反体制派と距離を置くクルド人勢力の支配地域もある。主導権争いが活発化する可能性もある。《共同通信》
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イスラエルのネタニヤフ首相は8日、シリアの政権崩壊を「歴史的な日」だと評価し、シリアの後ろ盾だったイランとレバノンの民兵組織ヒズボラにイスラエルが与えた打撃の成果だと誇示した。
ネタニヤフ氏は同日、カッツ国防相と共に占領地ゴラン高原を訪れ、イスラエル軍にシリアとの緩衝地帯や隣接地域に部隊を配置するよう指示したと明らかにした。
これに先立ちイスラエル軍は、国境地帯への部隊配置を発表。ゴラン高原の安全を確保するためだと主張し「シリアの内政への干渉ではない」と強調した。
イスラエルメディアは、同国軍がシリア南部や首都ダマスカス近郊の空港周辺にある武器庫を空爆したと報じた。
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タス通信は8日、ロシア大統領府筋の情報として、シリアのアサド大統領と家族が首都モスクワに到着したと報じた。人道的観点から亡命を認めたとした。
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バイデン米大統領は8日、シリアのアサド政権崩壊について「長期にわたり抑圧されてきた人々にとって歴史的なチャンスだ」と述べ、情勢安定化に向けて支援する考えを示した。首都ダマスカスを掌握した反体制派の一部が「残忍なテロの記録」を有しているとし、政権移行を巡る動向を注視すると強調した。ホワイトハウスで記者団に語った。
バイデン氏は、米軍が今後もシリアで駐留を続け、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を続ける方針を表明。内戦で荒廃したシリアの復興のため人道支援を実施する意向も示し、数日以内に中東地域の首脳らと協議すると説明した。
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イランのアラグチ外相は8日、シリア内戦で支援したアサド政権が急速に崩壊したことについて「シリア軍はやる気がなかった」と不満をぶちまけた。「アサド大統領は正確に軍の能力を把握していなかった。アサド氏自身は軍の状況に動揺していた」とも付け加えた。国営イラン放送のインタビューで語った。
アラグチ氏は1日に訪問先のシリアの首都ダマスカスでアサド氏と会談している。
イラン外務省は8日、シリア社会のあらゆるグループが参加する国民対話を開始し、全シリア国民を代表する包括的な政府を樹立することが必要だとの声明を発表。シリアの将来に関する意思決定への他国の介入にも反対を表明した。《共同通信》
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イスラエルメディアは8日、イスラエル軍が首都ダマスカスを含むシリア各地を空爆したと報じた。化学兵器の製造が疑われる研究所や武器庫などが標的だったという。イスラエルのサール外相は9日、記者会見で空爆を認め「残存する化学兵器や長距離ミサイルが過激派に渡らないよう攻撃した」と説明した。
米紙ニューヨーク・タイムズは8日、イスラエル軍が占領地ゴラン高原の非武装地帯を越えてシリア側に進軍し、ヘルモン山の山頂や周辺を制圧したと報じた。イスラエル軍のシリアでの展開は1973年の第4次中東戦争以来という。ロイター通信によると、サール氏は会見で「限定的で一時的」な動きだと主張した。《共同通信》
【J1】
明治安田J1最終節(8日・ノエビアスタジアム神戸ほか=10試合)神戸が3―0で湘南に快勝し、勝ち点72で2連覇を果たした。リーグ連覇は6クラブ目。前半に宮代、武藤が得点して主導権を握り、最終節まで3チームに優勝の可能性があった混戦を制した。神戸は天皇杯全日本選手権との2冠。
広島はG大阪に1―3で敗れ、同68で2位。J1初参戦の町田は鹿島に1―3で敗れ、同66で3位だった。磐田は鳥栖に0―3で敗れ、18位で1シーズンでのJ2降格となった。
FC東京は3―0でC大阪に快勝し、名古屋は2―0で横浜Mを破った。川崎は福岡を3―1で下し、札幌は柏に1―0で競り勝った。浦和―新潟、京都―東京Vは無得点で引き分けた。
横浜Mのアンデルソンロペスが24ゴールで得点王。最優秀選手は10日の年間表彰式で決まる。《共同通信》
【将棋】
日本将棋連盟と阪神甲子園球場は8日、共に創立100周年を迎えたことを記念し、兵庫県西宮市の甲子園球場の貴賓室で、藤井聡太七冠(22)と連盟会長の羽生善治九段(54)が記念対局を行った。結果は羽生九段が勝利した。
球場では大盤解説会も開催され、スタンドの観客は大型ビジョンで熱戦を見守った。終局後、攻め合いを制した羽生九段は「甲子園球場で指せたことはいい記念。藤井さんからもお祝いをもらった気がした」。藤井七冠は「100周年のご縁で素晴らしい機会を得て、うれしく思う。対局は羽生九段にうまく切り替えされてしまった」とそれぞれ話した。このほか、小学生が参加した将棋大会も開かれた。《共同通信》
【ゴルフ】
国内プロゴルフの男子、女子、シニア各ツアーの代表による6人制の団体対抗戦、日立3ツアーズ選手権は8日、千葉県京葉CCの9ホール(男子3730ヤード、シニア3502ヤード、女子3252ヤード)で行われ、年間女王の竹田麗央に小祝さくら、古江彩佳、桑木志帆、河本結、佐久間朱莉を擁した女子が2大会連続8度目の優勝で賞金3千万円を獲得した。最優秀選手は佐久間が選ばれた。
今平周吾、岩田寛らの男子が2位。藤田寛之、片山晋呉らのシニアが3位だった。《共同通信》
【首相動静】
石破茂首相は8日、韓国で尹錫悦大統領に対する弾劾訴追案が廃案となったことを巡り「韓国はわが国にとって貴重で大切な隣国だ。今後とも緊密な連携を図っていくことに変わりない」と述べた。自民党本部で記者団の取材に応じた。
同時に「特段かつ重大な関心を持って事態を注視していく」と強調。韓国に滞在する日本人の安全確保に努める考えも示した。《共同通信》
【韓国情勢】
韓国与党「国民の力」の韓東勲代表は8日、国民向け談話を発表し、「非常戒厳」宣言に伴う混乱の責任を取り任期を党に一任した尹錫悦大統領について、辞任までの間「外交を含む国政に関与しない」と述べた。韓悳洙首相も並んで談話を発表し「韓米同盟を堅固に維持し、韓米日協力を強く維持することが重要な課題だ」と強調した。
尹氏の弾劾訴追案は与党のボイコットで廃案となった。韓代表は韓首相と共同発表し、尹氏の排除をアピールすることで、反発する世論の収拾を図る狙いとみられるが、法的な裏付けや効果は不透明だ。
一方、韓国検察は8日、尹氏に「非常戒厳」宣言を進言したとされる金龍顕前国防相を拘束した。聯合ニュースが伝えた。金氏は内乱罪などで告発されており、8日未明にソウル中央地検に自ら出頭し、取り調べを受けていた。
韓代表と韓首相の談話では、いずれも具体的な辞任時期には触れておらず、最大野党「共に民主党」は与党側を批判。主導権争いが激しくなっている。《共同通信》
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韓国の尹錫悦大統領による「非常戒厳」宣言を巡り、特別捜査本部長を務めるソウル高検の朴世鉉検事長は8日、内乱と職権乱用の疑いで尹氏を捜査していると明らかにした。検察は同日、戒厳令を進言したとされる金龍顕前国防相を拘束した。聯合ニュースが伝えた。
朴氏は尹氏について、野党などの告発を受け「手続きに沿って捜査中だ」と報道陣に述べた。容疑の内容は「公務員が職権を乱用し、憲法秩序を乱す目的で暴動を起こした」疑いだとした。内乱罪は韓国大統領の不訴追特権の例外に当たる。
金氏も同容疑などで告発されており、8日未明、ソウル中央地検に自ら出頭、取り調べを受けていた。警察は同日、ソウルにある金氏の自宅や国防相執務室を家宅捜索した。
韓国メディアによると金氏は最近、秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」のアカウントを削除後、再登録したことが判明。検察は、戒厳令を巡り関係者と口裏を合わせるなど証拠隠滅の恐れがあると判断したという。
警察も捜査を本格化し、戒厳宣言時の金氏の通話記録を確認した。《共同通信》
【ウクライナ情勢】
ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ロシアが2022年2月に全面侵攻を始めて以降、ウクライナ兵4万3千人が戦闘で死亡したと主張した。X(旧ツイッター)に投稿した。ウクライナ国民は平和を望んでいるとし、平和の実現には「実効性のある保証」が必要だとの考えを示した。
ゼレンスキー氏によると、ウクライナ兵が負傷して手当てを受けたケースは37万件に上る。負傷した兵士のおよそ半分は治療後に戦場に戻ったという。ロシア軍は19万8千人が死亡し、55万人以上が負傷したと主張。今年9月以降、ロシア軍はウクライナ軍の5〜6倍の兵士を失っているとした。《共同通信》
【F1】
自動車のF1シリーズ最終第24戦、アブダビ・グランプリ(GP)は8日、アブダビで決勝が行われ、11番手からスタートしたRBの角田裕毅は12位だった。角田はドライバー部門総合12位でシーズンを終えた。
ポールポジションから出たマクラーレンのランド・ノリス(英国)が今季、通算ともに4勝目を挙げた。マクラーレンは製造者部門で26年ぶりとなる総合優勝を決めた。
2位にはカルロス・サインツ(スペイン)、3位にはシャルル・ルクレール(モナコ)とフェラーリ勢が続いた。《共同通信》
