2024 令和6年12月7日(土) 韓国・大統領の弾劾「不成立」
令和2048日目
2024/12/07
この日のできごと(何の日)
【韓国】大統領の弾劾「不成立」
韓国の尹錫悦大統領は7日、テレビで国民向け談話を発表し、「非常戒厳」宣言で国民を不安にさせたとし「心からおわびする」と述べた。自身の「任期を含む今後の政局安定策」については、与党「国民の力」に「一任する」と述べ、任期短縮も受け入れる考えを示唆したが、辞任には直接言及しなかった。
韓国国会(定数300)は7日午後5時(日本時間同)から本会議を開き、戒厳令は憲法違反だとして野党側が提出した弾劾訴追案を採決する。国民の力から8人以上の造反者が出るかどうかが焦点だ。
与党は7日午前から議員総会を開き、反対方針を巡り最終調整を続ける見通し。韓東勲代表は6日、尹氏が戒厳令の際に主要な政治家を逮捕しようとしたと批判し「大統領の速やかな職務執行停止が必要だ」と述べた。だが同日開かれた与党議員総会は反対方針を維持。与党内で意見が割れている。
与党の報道官は6日、記者団に、党幹部らが尹氏と面会して議員総会で出た意見を伝えたと説明。尹氏は傾聴した上で「考えてみる」と述べたという。《共同通信》
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韓国国会(定数300)は7日午後(日本時間同)、尹錫悦大統領が3日夜に「非常戒厳」を宣言したのは憲法違反だとして、野党側が提出した弾劾訴追案を採決する本会議を開いた。可決には保守系与党「国民の力」から8人以上の賛成が必要だったが、尹氏の国民への謝罪談話を受け、与党はほぼ全員が退席。ボイコットにより投票の成立要件を満たさず、廃案となった。尹氏は職務を継続する。ただ、戒厳令に対する世論の反発は強く、政権運営が一層困難になるのは確実だ。
最大野党「共に民主党」の李在明代表は廃案後、尹氏を「必ず弾劾する」と述べ、弾劾訴追案の提出を続ける考えを示した。与党は政権維持に向け、残り2年半の大統領任期短縮などを模索するもようだ。
韓国大統領の弾劾訴追案採決は、2016年の朴槿恵元大統領以来で3人目。聯合ニュースによると、尹氏弾劾を求める国会前の集会には、警察の推算で約15万人が集まった。弾劾訴追案は国会の在籍議員のうち3分の2以上が賛成すれば可決される。野党と無所属の議員は計192人で、与党の8人以上の造反が必要だった。《共同通信》
【J2】
J1昇格プレーオフは7日、岡山市のシティライトスタジアムで決勝が行われ、今季J2で5位の岡山が同6位の仙台を2―0で下し、2009年のJ2参戦から、初めてのJ1昇格を決めた。
岡山は前半に末吉がループシュートで先制点を挙げ、後半にも本山が加点。強度の高いプレスで終始主導権を握った。仙台は21年以来4季ぶりのJ1復帰を逃した。J2ではほかに、優勝した清水、2位の横浜FCのJ1昇格が決まっている。《共同通信》
【フィギュアスケート】
フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ上位6人、6組で争うファイナル最終日は7日、フランスのグルノーブルで行われ、女子は初出場で19歳の千葉百音(木下アカデミー)がショートプログラム(SP)に続いてフリーも2位の合計208.85点で2位に入った。
25歳のアンバー・グレン(米国)がSP、フリーともに1位の合計212.07点で初出場優勝。昨年初制覇した坂本花織(シスメックス)はSP4位、フリー3位の201.13点で3位。7年ぶり出場の樋口新葉(ノエビア)はSPから二つ上げて4位だった。
昨年3位の吉田陽菜(木下アカデミー)はSPから二つ下げて5位、初進出の松生理乃(中京大)は一つ下げて6位。日本女子は史上最多5人が出場した。《共同通信》
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フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ上位6人、6組で争うファイナル最終日は7日、フランスのグルノーブルで行われ、男子はショートプログラム(SP)2位の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)がフリー1位の合計281.78点で自己最高の2位に入った。
SP4位の佐藤駿(エームサービス・明大)はフリー3位の合計270.82点で初表彰台の3位。世界王者でSP首位のイリア・マリニン(米国)がフリーは2位となり、292.12点で2連覇した。《共同通信》
【島根原発2号機】再稼働
中国電力は7日午後、島根原発2号機(松江市、82万キロワット)の原子炉を起動し、再稼働した。島根原発は全国で唯一、県庁所在地に立地。30キロ圏には全国3番目となる約45万人を抱え、避難の実効性が課題となる。2号機は過酷事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型。同タイプとしては東北電力女川原発2号機(宮城県)が10月に再稼働し、島根2号機は2基目となる。
中国電は7日午後3時、制御棒を引き抜く作業を始め、原子炉を起動した。同日午後4時50分に核分裂反応が安定的に続く「臨界」に到達した。12月下旬に発送電を開始し、翌1月上旬の営業運転再開を目指す。
中国電の中川賢剛社長は「重要な節目を迎えた。安全確保を第一に、再稼働工程に万全を期す」とコメントした。
島根2号機は1989年に営業運転を開始。定期検査のため2012年1月に停止した。中国電は13年12月、再稼働の前提となる審査を原子力規制委員会に申請し、21年9月に合格。安全対策工事を完了させ、24年11月に核燃料装填を終えた。《共同通信》
【仏・ノートルダム大聖堂】再開記念式典
2019年4月に火災に見舞われたフランス・パリのノートルダム大聖堂の修復がほぼ終わり、再開記念式典が7日開かれた。各国首脳ら約40人を含む約1500人が参列。マクロン大統領は演説でフランス国民を代表し謝意を述べた。8日には惨事から5年超を経て一般公開が始まる。パリ観光の目玉の一つで世界遺産の大聖堂は以前より多くの観光客が予想される。
マクロン氏は「偉大な国家がなし得ること、すなわち不可能を可能にするということを改めて成し遂げた」と訴えた。
7日の式典にはトランプ次期米大統領やウクライナのゼレンスキー大統領らが出席。宗教儀式が執り行われ、重厚なオルガンが鳴り響き荘厳な雰囲気に包まれた。米実業家イーロン・マスク氏も出席した。
8日午前には再開後初のミサが開かれ、同日夕の2回目のミサは一般に公開される。
修復費は約7億ユーロ(約1110億円)で、約150カ国から集まった寄付金で賄われた。地元メディアによると、再開後は年1400万〜1500万人の観光客が見込まれるという。《共同通信》
【ウクライナ情勢】
トランプ次期米大統領は7日、訪問先のフランス・パリでマクロン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と3者で会談した。ゼレンスキー氏によると、ロシアの侵攻を受けるウクライナの戦況を協議し、早期の戦争終結に向けて取り組むことで一致した。トランプ氏が11月の大統領選で勝利した後、ゼレンスキー氏と対面で会談したのは初めて。
エリゼ宮(フランス大統領府)での会談冒頭、ゼレンスキー氏はトランプ氏に歩み寄って握手を交わした。会談後、ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)に「われわれ全員が、この戦争をできるだけ早く、公正な形で終わらせたいと望んでいる」と投稿。協議継続で合意したとして、トランプ氏が掲げる「力による平和」は可能だと強調した。「建設的な良い会談だった」と振り返った。
来年1月に就任するトランプ氏は交渉による早期終戦を主張している。3者会談に先立ちトランプ氏はマクロン氏と個別会談し「世の中は少しおかしくなっている」と述べ、ウクライナを含む国際情勢に懸念を示した。《共同通信》
【シリア・アサド政権】崩壊危機
シリア反体制派は7日、首都ダマスカスにつながる重要都市、中部ホムスの掌握を狙い近郊でアサド政権軍と交戦した。地元メディアなどが伝えた。掌握すれば南進し、政権打倒に向け首都を目指す構え。各地で政権は劣勢に陥り、シリア内戦は一層緊迫している。国連人道問題調整室(OCHA)によると、戦闘激化で少なくとも37万人が避難した。
政権の後ろ盾、ロシアとイランの動向が焦点となる。ロシアはウクライナ侵攻で足を取られ、政権を支援する親イラン民兵組織ヒズボラは、イスラエルとの交戦で弱体化している。
反体制派を主導する過激派「シリア解放機構」のジャウラニ指導者は米CNNテレビが6日報じたインタビューで、攻勢の目標は政権の打倒だと訴えた。ロイター通信によると、政権と距離を置くクルド勢力主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」が東部デリゾールを事実上掌握。反体制派が南部ダルアーとスワイダを掌握したとの情報もある。《共同通信》
【中東情勢】
パレスチナ通信は7日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとの戦闘を続けるイスラエル軍が北部ガザ市北方で避難者が滞在する民家を攻撃し、女性4人が死亡したと報じた。ガザ保健当局によると、昨年10月の戦闘開始後のガザ側死者は4万4600人以上。
イスラエル軍は7日、レバノン南部でも親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘員を攻撃したと発表した。軍は11月27日の停戦発効後も、ヒズボラの戦闘員や拠点を標的にした攻撃を続けている。 《共同通信》
