平成8385日目

2011/12/23

【政府】八ッ場ダム建設再開を正式決定

政府、民主党は23日、野田佳彦首相らによる政府・民主三役会議で、八ツ場ダム(群馬県)の建設再開を正式決定した。24日に閣議決定する来年度予算案にダム本体工事費を計上する。前原誠司政調会長はあらためて反対を主張したが、最終的に民主党側は「党は工事費の予算計上に反対するが、最終決定は政府に委ねる」として、政府側の決定を容認した。

子ども手当や高速道路無料化などの見直しに続き、民主党が2009年衆院選のマニフェスト(政権公約)に掲げた八ツ場ダム中止も撤回されることになった。《共同通信》

野田佳彦首相は23日、首相公邸で政府・民主三役会議を開き、政権交代後に建設を凍結していた八ツ場ダム(群馬県)の建設再開を正式決定した。

平成24年度予算案に本体工事事業費として7億円を計上する。同ダム建設中止は民主党の平成21年の衆院選マニフェスト(政権公約)の柱の一つ。子ども手当(月額2万6千円)や高速道路無料化などとともに主要公約は総崩れとなりつつある。

会議で、藤村修官房長官がダム本体工事の予算を計上する方針を表明。輿石東幹事長は、党内に反対論が根強いことを説明した上で「反対するが、最終判断は政府に委ねる」と事実上容認する考えを示した。建設再開に強硬に反対していた前原誠司政調会長も受け入れた。首相はほとんど発言しなかったという。《産経新聞》

民主党は23日の政府・民主三役会議で、八ツ場ダム(群馬県長野原町)の建設再開を事実上容認した。前原誠司政調会長は「党として2012年度予算案への本体工事費計上に反対する」と伝える一方で、最終的な判断を政府側にゆだねた。09年衆院選マニフェスト(政権公約)の方針転換にあたって、野田佳彦首相や輿石東幹事長らが乗り出す場面はなく、調整力不足が露呈した。

政府・民主三役会議は1時間20分の議論のほとんどを八ツ場問題にあてた。前原氏に加え、輿石氏も「反対は党としての意思だ」と表明。予算執行については(1)利根川水系の河川整備計画を作成する(2)ダム建設予定地域の生活再建を支援する法案の次期通常国会提出を目指す――などとする「官房長官裁定」を踏まえることを確認した。

今回の政府・民主三役会議の確認について、国土交通省は「法案の成立は条件になっていない」として、来年度中に本体工事に着手できるとみている。河川整備計画も早期にまとめる考えだ。

前原氏は記者団に「政府の考え方を変えるには至らなかった」と指摘。「政権交代の理念が骨抜きになった。責任を感じる」とも語った。党内には「責任をとって政調会長を辞めるべきだ」との声もあがっているが「キャッチャーとして政権を支えることには変わりはない」と辞任を否定した。

前原氏が八ツ場ダム問題にこだわったのは、自身が政権交代直後の09年に国交相に就任した際、公約実現に向けて建設中止を表明したため。公約の最大の柱だった「政治主導」が「官僚主導」に変質しつつあるという危機感もあったようだ。

民主党では国土交通部門会議の八ツ場問題分科会と部門会議が数回にわたって会合を開き、ダム建設の根拠となる利根川の最大流量の算出根拠が明確でないなどの見解をまとめ、政調役員会で政府との調整を前原氏と松崎哲久部門会議座長に一任した。前原氏は21日、藤村修官房長官に「党が指摘した疑問点が明確にならない限り、本体工事の着工は認められない」と申し入れた。

だが地元自治体はこぞって建設再開を求めた。国交省の有識者会議の検証を経た結果を覆す前原氏の主張に、執行部内からも積極的な賛同は得られなかった。

輿石氏は23日の政府・民主三役会議で「政調会長だけの責任にしてはいけない」と、前原氏をかばってみせたが、それまでは静観し続けた。就任時に、重要な政策決定について「政調会長の了承を原則とする」と表明した首相も、国交省と対立した前原氏を後押しすることはなかった。《日経新聞》



【プロ野球】

巨人は23日、ソフトバンクから国内FA宣言した杉内俊哉投手の入団を発表した。総額20億円(推定)の4年契約で、背番号は2006年に桑田が退団して以降、空いていたエースナンバーの18。東京都内のホテルで原辰徳監督と記者会見した杉内は「不安も期待も半々あるのが正直な気持ち。早くユニホームを着て野球がしたい」と晴れ晴れとした表情で話した。

18番を背負うことに「重たい背番号だと理解している。誰かに渡す時にもっと重たいものにしたい」と力を込め、05年の自己最多の18勝を来季の目標に設定した。原監督は「巨人軍で暴れてもらいたい」と笑顔を広げた。《共同通信》

西武から国内FA宣言してソフトバンク入りを決めた帆足和幸投手(32)が23日、福岡市内のホテルで入団会見に臨み「素直にうれしい。また一からの気持ちでやっていきたい」と抱負を語った。契約は年俸変動制の4年契約で総額は最大で10億円。背番号は11。

ソフトバンクは先発陣の大幅な戦力低下が懸念される。福岡県出身で通算75勝の左腕は「といかく1年間ローテーションを守ることがすごく大事」と話した。《共同通信》

ロッテは23日、巨人からフリーエージェント(FA)宣言した大村三郎外野手(35)と契約に合意したと発表した。出来高払いを含め総額4億円の3年契約。千葉市内で会見した大村は「巨人にいるときもロッテの試合を毎日気にして、自分はロッテの人間だなと思った」と、今季途中のトレードから復帰する心境を話した。登録名を「サブロー」に戻し、背番号は3。

大村はプロ17年間で通算1139安打を放ち、勝負強い打撃で2005年、昨年とロッテの2度の日本一に貢献した。ことしの6月末に移籍した巨人では48試合で打率2割4分3厘、1本塁打だった。(金額は推定)

【 】

大相撲の横綱審議委員会(横審)による初場所(来年1月8日初日)の稽古総見が23日、東京・両国国技館で行われ、大関昇進後初参加となった稀勢の里と琴奨菊が活気をもたらせた。

一般に無料公開され、約2800人が見守った総見で最も大きな歓声を集めたのは新大関稀勢の里。日馬富士を除く3大関と関脇鶴竜を相手に8勝5敗だった。本場所で6連敗中の琴奨菊には4戦全勝と仕上がりの違いが際立つ。「もっと切れ味を増して速い相撲を取りたい」と気合十分。横審の鶴田卓彦委員長も「今までになく意欲的。綱を意識していると思う」と目を細めた。《共同通信》

【荒尾競馬】83年の歴史に幕

現存する地方競馬では最も古い荒尾競馬(熊本県荒尾市)で23日、最終レースがあり、83年の歴史に幕を下ろした。競馬場のスタンドには競馬ファンら約8千人が詰め掛け、馬や騎手に最後の声援を送った。

午後3時10分すぎの最終レースで12頭の競走馬が通過すると、満員のスタンドから大きな拍手が起きた。1着は牧野孝光騎手(47)が騎乗した「サマービーチ」だった。レース終了後、岩永千明騎手(29)は涙ぐみながら「荒尾競馬が大好きです。応援ありがとうございました」とあいさつ。観客から「頑張れ」などと歓声が上がった。

長野県飯田市から訪れた男性(61)は「最終日と聞いて残念だったが、思い出に残すために来た。海が見えるきれいな競馬場だと思う」と話した。《共同通信》

【ボクシング】

世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチ12回戦は23日、バンコクで行われ、同級15位の向井寛史(六島)がチャンピオンのポンサクレック・ウォンジョンカム(タイ)に挑んだが、1回47秒、偶然のバッティングによる負傷引き分けでタイトルを奪えなかった。ポンサクレックは6度目の防衛。

世界初挑戦の向井は開始早々から積極的に責めたが、頭同士が当たった際に右目上を切り、レフェリーが試合を止めた。WBCミニマム級王者の井岡一翔(井岡)に並ぶ日本選手最短のプロ7戦目での世界王座奪取は成らず、戦績は7戦5勝1敗1分けとなった。

国内ジムに籍を置く日本男子選手の世界挑戦は34戦連続で失敗。日本のジムに所属する男子の現役世界王者は史上最多8人のまま。《共同通信》

【レスリング】

レスリングのロンドン五輪代表選考会を兼ねた全日本選手権最終日は23日、東京・代々木第二体育館で7階級を行い、女子55キロ級で29歳の吉田沙保里が10連覇、同63キロ級で27歳の伊調馨(以上ALSOK)が3年連続9度目の優勝を果たし、ともに3連覇がかかる五輪の代表に決まった。9月の世界選手権で吉田は9連覇、伊調は7度目の制覇を成し遂げ、日本協会の選考基準を満たした。

男子フリースタイル60キロ級で世界選手権3位の湯元健一(ALSOK)は初戦で敗退し、五輪代表を決められなかった。前田翔吾(ニューギン)が2度目の優勝を飾り、来春に代表選考会を行う。

日本が五輪出場枠を確保できていない階級で、女子72キロ級は浜口京子(ジャパンビバレッジ)が男女を通じて最多の15度目の優勝。男子のグレコローマンスタイル66キロ級の藤村義(自衛隊)が2度目、同84キロ級の天野雅之(中大職)と男子フリー74キロ級の高谷惣亮(拓大)が初めての日本一。

レスリングの2007年世界選手権男子グレコローマンスタイル60キロ級で銀メダルを獲得し、五輪3大会代表の笹本睦(34)=ALSOKが23日、全日本選手権グレコ66キロ級で2回戦敗退後に「今までやってきたことに悔いはない。今後は指導に回る」と話し、現役を引退する意向を明らかにした。《共同通信》

【天皇陛下】78歳の誕生日

天皇陛下は23日、78歳の誕生日を迎えられた。この1年の感想を文書で公表。東日本大震災や、紀伊半島などで発生した豪雨被害に触れ「災害に明け暮れた心の重い年でした。しかし、被災地の人々が厳しい避難生活の中で我慢強く耐え、多くの人々がボランティアとして被災者を支援したことは本当に心強いことでした」と振り返った。

厳しい冬を迎えた震災の被災地を「住環境が十分でない所に住む被災者、殊に高齢者の健康が心配です」と気遣った。「日本人全体がこの震災に向き合い、被災者のために何かの役に立とうとしていることを感じています」と記した。《共同通信》

78歳になった天皇陛下をお祝いするさまざまな儀式や食事会が23日、皇居であった。皇族方や野田佳彦首相ら三権の長、閣僚、各界代表者との祝宴、在京外国大使らとの懇談などが終日続いた。

宮殿の東庭を開放する一般参賀と記帳には2万4789人が集まった。天皇陛下は長和殿ベランダに立ち「春には東日本大震災が起こり、秋には台風などによる大雨で多くの人命が失われました。私どもは被災者のことを忘れることなく、国民皆の幸せを願って過ごしていきたいと思っています」とあいさつ、手を振って祝賀に応えられた。ベランダには皇后さま、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻が一緒に並んだ。10月に成年した秋篠宮ご夫妻の長女眞子さまも初めて同席した。

宮内庁は天皇陛下の体調を考慮し、今年は1日の行事全体を30分短縮。従来のスケジュールを組み換え、昼の祝宴後にいったん住まいの御所で休憩する時間を確保した。《共同通信》

【大阪市】橋下流事業仕分け着手

大阪市の橋下徹市長は23日、市の最高意思決定機関「市戦略会議」を開き橋下流事業仕分けに着手、府内の水道事業統合や市営地下鉄の民営化、雇用対策などは大阪府と市で新設する「府市統合本部」が担当する方針を確認するなど、市の事業を3分類した。

「大阪都」構想を先取りし、広域行政の一元化を狙う。市は保有する未利用地の売却や学校の統廃合などを担当。市内24区は住民に身近な一部の防災計画や区ごとの教育計画を作る。

市長は記者団に、市消防局の救急車は「軽症者の利用が増えている。有料化の課題を整理して教えてほしい」と述べ、救急車利用の抑制策を検討する考えを表明した。《共同通信》

【東日本大震災】

東日本大震災で、死亡・行方不明になった岩手、宮城、福島3県の公立小・中学生342人のうち、3分の1以上の120人は地震発生後に保護者が引き取った後で犠牲になったことが23日、共同通信の集計で分かった。校舎を出た後で津波に遭ったとみられる。

被災地では在校中の児童生徒は全員無事だった学校が多く、引き渡しや学校不在時の対応が新たな課題に。震災後、津波警報などの発令中は引き渡しを原則禁止とする動きが出てきた。

文部科学省の有識者会議も、津波では保護者も学校にとどまることなどを提言している。

宮城県石巻市立釜小学校は地震後、ラジオで津波の警報を知るまで、続々とやってきた保護者に子どもを渡し、22人の児童が犠牲になった。

自然災害や不審者侵入では引き渡すことになっており、「方針が裏目に出た。津波が来ると早くから分かっていれば渡さなかったのに」と津田浩校長は悔やむ。

学校にいた小中学生約3000人全員が無事で「釜石の奇跡」と呼ばれた岩手県釜石市。ただ、学校にいなかった5人が犠牲になり、うち1人は引き渡し後だった。川崎一弘教育長は 「犠牲者が出た以上、成果とはいえない」と肩を落とす。

一般に学校は比較的高い建物が多く、教職員らによる的確な指示があれば「かたまって行動することで効率的な避難がしやすい」(片田敏孝群馬大教授)とされる。《共同通信》

【野田佳彦首相】国民新・亀井静香代表と会談

野田佳彦首相(民主党代表)は23日、国民新党の亀井静香代表と首相公邸で会談した。亀井氏は首相が年内の素案取りまとめを目指す消費増税について「土砂降りのときに天気になったら運動会をやる準備をするようなことをやってはいけない」と反対した。

「歴代の首相が間接税でずっと失敗していることを考えれば、今やることは雨着を用意することだ」と景気対策の優先を訴えた。亀井氏は「我々は小さな党だが、首相がもっと大胆な政治ができる状況をつくる努力を今後もしていく」と約束した。《日経新聞》



12月23日 その日のできごと(何の日)