平成5871日目

2005/02/03

【この日の小泉総理】

対外経済協力関係閣僚会議

平成17年2月3日、総理大臣官邸で、対外経済協力関係閣僚会議(第17回)が開催されました。

この日の会議では、スマトラ沖大地震及びインド洋津波被害への支援、イラク復興支援、政府開発援助に関する新中期政策、対パキスタン国別援助計画についてそれぞれ報告・了承されました。スマトラ沖大地震による津波に際しては、5億ドルの無償資金協力、国際緊急援助隊発足以来の最大規模の派遣をしたことなどの報告がありました。また、イラクでの民主的な国づくりに向けたイラク自身の取組を支援していく必要があること、さらに、ODA大綱の下に位置づけられる政府開発援助に関する新中期政策が了承されました。

会議の締めくくりに小泉総理は、「スマトラ沖大地震と津波に際しては、資金面のみならず、人的貢献、知見の3点で支援ができ、被災国から評価されている。今後、中長期的な復興支援に向けて、アジアの一員として、指導力を発揮し中心的な役割を果たすべきである。」と述べました。 《首相官邸》

偽造カード「被害者補償の法整備を」

小泉純一郎首相は3日の衆院予算委員会で、偽造キャッシュカードの被害に遭った預金者保護について「新しい巧妙な犯罪なので対策を講じなくてはいけない。銀行や被害者の状態を把握し、被害をどう救済するか、真剣に検討する」と述べ、被害者補償の法整備を含め、対策を検討する考えを表明した。《共同通信》




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【MLB・ドジャース】中村紀洋内野手とマイナー契約

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米大リーグのロサンゼルス・ドジャースは3日、ドジャースタジアムで中村紀洋内野手(31)と1年間のマイナー契約を結んだ。背番号は「66」。フロリダ州ベロビーチでのキャンプには招待選手として参加する。入団記者会見に臨んだ中村は「最高の球団に入れたことに誇りを持って、チームに貢献したい。自分の力で世界一になれるように頑張りたい」と抱負を語った。

中村は米大リーグ入りを希望し、統合球団オリックスからポスティングシステム(入札制度)を利用して移籍を実現した。日本人選手の同制度での移籍は、イチロー外野手(マリナーズ)、石井一久投手(ドジャース)、大塚晶則投手(パドレス)に次いで4人目。《共同通信》

【この日の民主党】

[衆院予算委]横路・石田・中塚議員、雇用・経済問題など質す

衆議院予算委員会は3日、昨日に引き続いて基本的質疑を行い、民主党・無所属クラブからは午前中、横路孝弘『次の内閣』ネクスト厚生労働大臣、石田勝之常任幹事、中塚一宏衆議院議員が質問に立った。

最初に質問に立った横路議員は、小泉首相の施政方針演説において、国民が様々な不安を持っているのかどうか、日本の社会の状況が安定しているのかどうかなどに触れていないのではないかとして、「国民の生活に関心がないのか、知らないふりをしているのではないか」と質した。小泉首相は「総花的と批判されるくらい色々な問題に触れている」などとして、直接答えなかった。

次に横路議員は、長時間労働・サービス残業などの実態を次々に明らかにして、先進国でも断然トップの時間外労働に対し「思い切って大幅に制限を」と、抜本的な対策をとるよう迫った。首相は労働者の待遇改善について、「今後とも真剣に考えていきたい」などと答弁。横路議員は、少子化問題など社会全体の問題への影響にも言及し、「人の働き方自体を変えていかないと、なかなか解決しない」と指摘した。

また、パート労働の問題にも触れた横路議員は、「同じ仕事をしているのだから同じ扱いをすべきというのは世界の流れ」だとして、首相に対して「積極的に是正する道をお考えいただきたい」と強く要請した。また、先の生活設計を立てる意味でも、長期的で安定している雇用の確保の重要性を横路議員は強調。増えている低所得者層への対策が急務であることも鋭く指摘した。

横路議員は最後に、わが国が「所得格差が大きい国」になり、労働時間が非常に長い一方で、租税・社会保障負担は低いと指摘。しかし、国際競争力ランキング上位の国はこの逆で、こうした国が「人に投資」をしているとし、小泉首相に対して「国民の生活の状況にもっと目を向けて関心をもって、その是正のためにご努力いただきたい」と改めて要請して質問を締めくくった。

続いて質問に立った石田議員は、最初に、小泉首相が画期的と自画自賛する道路公団改革に関して、道路公団からのファミリー企業への天下り、ファミリー企業の剰余金、公団職員住宅の実態を示し、改革の内実が伴っていないことを追及した。

石田議員は、「総理は声高に改革を叫ぶだけで、国民に痛みを増しているだけ」として、道路公団からのファミリー企業へ天下りを「社長の数は確かに減ったが、代表取締役副社長、代表取締役常務、代表取締役相談役として同じ人が横滑りでなっているのは何故か」と質した。近藤日本道路公団総裁は「平成15年以降、公団からの天下りした人間はいない。役員の就任は株主総会、あるいは取締役会の権限。株主権限を行使する立場にない」として、質問には直接答えなかった。また、ファミリー企業の剰余金額の質問に近藤総裁は、「77社平均で14.5億円」と答えた。これを石田議員は「公団の赤字の上に築かれたもので、返還を求めるべき」と迫った。総裁は「利用者への還元と言うことで、さらに要請をお願いしている」と回答した。石田議員は、職員住宅に関しても職員数8300人に対して、保有住宅が5426戸、借上げが1583戸は余りに多過ぎるとして、さらなる削減、合理化努力を求めた。

続いて、改革の優先順位について石田議員は、「郵政改革よりも、深刻な状況にある教育改革が優先されるべき」として、首相に見解を質した。首相は「教育は最重要だが、郵政は私が総理でないと取り組めない」と持論を展開した。石田議員は、義務教育費の国庫負担削減についても「教育は国の責任」として、中山文部科学相、麻生総務相にそれぞれ見解を質した。中山大臣は「義務教育費の国庫負担制度は、国の根幹、堅持していきたい」と答弁。麻生大臣は「中教審の答申は尊重されるべきと思う」と答弁した。

石田議員はこのほか、少子化対策として、民主党の子育て支援策・児童相談所の機能充実策を示し、見解を求めた。

石田議員に続いて質問に立った中塚一宏議員は、景気・経済問題を中心に質した。

中塚議員は「なぜ景気の回復が実感できないのか」として、景気は上向きだとする政府の見方に反して国民にその実感が薄い背景について、「企業の経常利益は凄まじい勢いで回復しているが、雇用者の総収入は減りつづけている。それが景気回復を実感できない原因」と指摘。どう見るかの認識を質したのに対し小泉首相は、「業績を上げた企業は、できればもっと雇用者に配慮して、もっと給料も上げて欲しい」などと、国政を預かる首相の自覚を全く感じさせない答弁。中塚議員はそうした首相の答弁姿勢に苦言を呈し、「自立的な景気回復軌道とは違う」と断じた上で、輸出リード型の景気回復が内需に結びついていない実態を問題視し、「景気は失速している」「輸出が揺らいだだけで消費まで揺らぐというのが日本経済の実態だ」と指摘した。福井日銀総裁は経済の認識について、「日本経済の底力は次第に整ってきているが、本当に持続的な回復パスに乗るまで、デフレ脱却に確信が持てるまで、もう少し距離を残している」と述べた。

昨年10月の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で日銀が2005年度CPIの政策委員の大勢見通しの中央値をプラス0・1%とした点について中塚議員は、「量的緩和解除の条件が整いつつあるのではないか」と指摘したのに対し総裁は、「まだ、かなり厳しく見ている。非常に厳密に見ている」と答弁。総裁はまた、「量的緩和政策の枠組みを堅持しながら、景気がより持続的な回復パスにしっかりと乗ること、同時に物価の面でデフレ脱却の確信が持てるよう見届けたい」とし、緩和継続の姿勢を示した。

中塚議員はそうした状況下にあっては年金保険料や介護保険料の引き上げ等、国民負担が増える政策を強行する政府に対し、「これは今行うべき政策ではない」と指摘し、税の使い道の見直し、政治とカネの問題の解明こそが先行課題だとした。

最後に中塚議員は、偽造キャッシュカードの問題を取り上げ、本来の被害者である預金者が守られると同時に、銀行の責任を問えるようにするなど、早急な法改正を政府に求めた。

[衆院予算委]政治とカネの問題など追及 佐々木・辻・生方・原口議員

衆議院予算委員会では3日午後も、午前に引き続き基本的質疑が行われ、民主党・無所属クラブからは、佐々木秀典、辻惠、生方幸夫、原口一博各衆院議員が質問に立った。

佐々木議員は質問の冒頭、私学助成に関して小泉首相が憲法89条を改正すべきだともとれる答弁をしたことを取り上げ、真意を質した。首相は「学者の中でも、私学助成は違憲だとする人がいる。憲法9条でも未だに自衛隊は違憲とする学者もいる。誰が読んでも素直に違憲ではないように読まれた方がいいから、改正した方がいいと私は思っている」と答え、私学助成に関しては「政府としては違憲とは考えていない」と答えた。さらに、公務員制度改革に関しても組合とよく話し合うよう求めた。また佐々木議員は、豪雪に関して、自衛隊の除排雪への出動を求めた。

政治とカネの問題に関して佐々木議員は、まず橋本元首相、青木議員、野中元議員を不起訴処分としたのは不当とした東京検察審査会の議決について「私は裁判を傍聴した。言い分が食い違っている。関係者の証人喚問、参考人招致が予算委員会の場で必要だ。集中審議を」と要求した。さらに、杉浦官房副長官が収支報告書を2度訂正したことを取り上げ、「何故か」を質した。杉浦副長官は「勘違いをしたので訂正した。反省している」と答弁。佐々木議員は納得せず、「訂正によって繰越金が1000万円減っている。どこに行ったのか」と追及。副長官は明確には答えず、「実態に即して訂正した」とだけ答えた。

佐々木議員は更に、杉浦副長官が自民党から受けたとされる政策活動費の領収書のコピーを8枚示し、「署名は本物かどうか」と追及。副長官は「自筆」と認めた。佐々木議員はこの領収書に、なぜ但し書きと日付がないのかを追及。副長官は「サインをした時に書いて欲しいと言われなかったので書かなかった。今後は日付を入れたい」と国民からの信頼回復には程遠い答弁。佐々木議員は質問の最後にも政治とカネの問題で集中審議を求めた。

続いて質問に立った辻議員は、不起訴不当とした東京第二検察審査会の議決通知書を示し、不起訴は「国民の間に通用しない、納得しない」とし、この問題での首相のリーダーシップの発揮を求めた。首相は「検察に出されている。検察がどう判断するかの問題」とし、国民の政治不信を解消する意思の全くないことを露にした。辻議員はさらに東京新聞の1月28日の朝刊に久間自民党総務会長が、検察審査会の決定は「法律を知った人と知らない人の違いではないか」と発言したとの記事が報道されていることを取り上げ、「政治とカネの問題、事実解明に水を浴びせるような発言」だとし、首相に見解を質した。首相は「久間総務会長が本当に言ったかどうかは別にして、個人がどう言うかは自由」とこれまた、事件解明への総裁としてリーダーシップ、解明への意欲の欠片も感じられない答弁に終始した。

日本歯科医師連盟からの1億円事件に関して辻議員は、歯科診療の初診料、かかりつけ医師の要件緩和の政策が、献金によって歪められたのではないかとし、「この時期、4億4000万円の献金がなされている。この結果、初診料収入だけで280億円も増えている。こうしたシステムをどう解決するかの問題」と指摘し、迂回献金の禁止を強く求めた。首相は「迂回献金はないとの報告を受けている」と答えるともに、政治資金規正法改正をどうするかは、与野党の協議で、とのいつもの答弁を繰り返した。

続いて生方議員が、主として政治とカネの問題に関して質問を行った。生方議員は、「国会が開会するたびに政治とカネの問題が論じられ、国民の政治への信頼が低くなる。これでは改革などできるはずがない」と述べ、「徹底的な論議を通じて政治不信を晴らそう」と訴えた。日歯連事件については「国会で問題を明らかにすべき」と証人喚問を要求し、「総理からも、前向きに両党で協議をして欲しいという発言をいただきたい」と求めた。小泉首相は「証人喚問の要求合戦にならないよう協議していただきたい」と答弁した。

杉浦官房副長官が行った政治資金収支報告書への訂正問題を例に挙げて、頻繁な訂正によって報告書自体が信ぴょう性を失うことを危惧した生方議員は、信頼を高める方法として政治資金規正法改正を訴え、先の臨時国会で提出された民主党案に言及。同案が、150万円を超える寄付を行い過失により訂正した場合は、重過失として罰則を設けているとし、改正への見解を小泉首相に質した。首相は「政争の具にせず、よく話し合っていただきたい」と述べるにとどめた。

また、生方議員は 首相が会長を務めていた森派の政治資金収支報告書の一つを例にとり、多額の飲食代が「組織活動費」として計上されている事実を指摘。「使途制限がなく、組織を固めるため」活動費を使用する感覚は、一般国民の常識とかけ離れているとした。

生方議員はこのほか、首相の政策秘書の使用している車と運転手の給与を、民間会社が提供している問題を取り上げ、長期にわたり肩代わりさせ政治活動に使えば寄付にあたるとし、政治資金収支報告書の訂正を求めた。首相は、「政策秘書といえども個人の活動がある」と政治活動との関わりを否定し、法律に則っているとあくまで主張した。生方議員は、日本振興銀行の免許申請の経緯と社長との雑誌対談について伊藤金融担当相、竹中民営化担当相(前金融担当相)に答弁を求め質問を終えた。

続いて原口議員が質問に立ち、外交問題、不良債権処理問題、社会保障・医療行政問題、郵政民営化問題について幅広く鋭い質問を行った。

原口議員はまず、ブッシュ米大統領の一般教書の中の外交演説の基調が従来よりも柔軟であることを指摘し、北朝鮮の核廃棄に向け国際協調の枠組みが必要であることについて質したが、小泉首相は一般論で答えるにとどまり、新たな状況への対応は見られなかった。また、原口議員は、拉致被害者の曽我さんが、以前は拉致被害者として認定されていなかったことの責任を誰も取っていないことを厳しく指摘した。

続いて、原口議員は金融機関の不良債権処理問題に触れ、国民負担を最小化しかつ回収の現場が裏切られることのないよう、回収の時期を明示すべきだと迫ったが、金融担当相は従来の答弁を繰り返した。また原口議員は、朝鮮信用組合への1兆1千億円を超える資金贈与が、預金者保護というより野放図な人々を救っているのではないかと鋭く指摘した。

続いて、原口議員は年金の株式による運用の惨憺たる実績を指摘して、政府の責任を追及し、さらに血液製剤によるC型肝炎の感染について政府の監督責任を追及した。更に、原口議員は郵政民営化問題に触れ、郵便局の果たす金融窓口としての機能などを指摘し、政府の株式保有割合などのあり方を質し、コミュニケーションのインフラを維持すべきことの重要性を訴えた。

最後に、原口議員は首相に指定献金があるかどうかを問い質したが、首相は鈴木宗男元議員の証言などにもかかわらず、指定献金はないと強弁した。《民主党ニュース》



2月3日 その日のできごと(何の日)