平成5484日目
2004/01/13
この日のできごと(何の日)
【民主党】定期大会
民主党の菅直人代表は13日午後、都内のホテルで開いた2004年度定期大会本会議のあいさつで、憲法改正の具体的な論点として(1)地方分権の推進(2)景観保護の必要性(3)会計検査院の在り方−などを提起した。
菅氏は「自治体ができることはまず自治体が一次的責任を持つ本格的な分権国家が望ましい。国民一人ひとりが実質的な主権者として行動できる憲法が必要だ」とし、国と地方の権限見直しや、国民・住民投票制度拡充の検討を求めた。
景観保護に関しては「『公共の福祉』の概念が不明確なため財産権が『絶対的所有権』と拡大解釈され、自分の土地ならどう使っても勝手と、景観が破壊されてきた」と指摘。「美しい景観を環境権の一つとして保護する規定が必要だ」と述べた。
会計検査院については「内閣を監督できる国会に付随させた方が効果的だ」と強調した。
この後の記者会見で菅氏は「憲法問題というと9条問題からスタートして終始するという議論が長く続いた。憲法9条だけでなく、もっと幅の広い議論をやろうということで具体的なテーマをいくつか提起した」と述べた。大会では、2004年度活動方針や参院選対策方針を採択した。
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小泉純一郎首相は13日夜、民主党の菅直人代表が憲法改正に向けた党内論議を本格化する考えを表明したことについて「(改正は)与党単独でやるべき問題ではない。(国会議員の)3分の2以上による発議が必要だ。民主党がそういう考えなら、十分これからも協力できるんじゃないか」と述べ、歓迎する考えを強調した。
首相は「私はもともと憲法改正するなら与党と野党第一党ぐらいは協力した方がいいという考えだ」と指摘した。首相の発言は改憲論議で党内の混乱が予想される民主党を揺さぶる狙いもあるとみられる。《共同通信》
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【大相撲】
大相撲初場所3日目(13日・両国国技館)前日に続いて横綱、大関がそろって勝った。横綱朝青龍は北勝力を速攻で寄り切り、土つかずの3連勝。横綱昇進が懸かる大関栃東は旭鷲山を慎重に寄り切って2勝目を挙げた。ほかの大関は千代大海が人気者の高見盛を押し出し、岩木山を寄り切った魁皇、小結若の里を押し出した武双山とともに3連勝。若の里は初黒星。関脇土佐ノ海は初日を出したが、新関脇玉乃島は白星なしの3連敗。小結栃乃洋は2勝1敗。幕内の全勝は朝青龍ら7人となった。《共同通信》
【防衛庁】幕僚長会見など廃止
防衛庁は13日、新聞、通信、放送各社が加盟する防衛記者会に対し、毎週定例で行っている陸上、海上、航空各自衛隊トップの幕僚長や副長官、官房長の記者会見を廃止すると一方的に伝えた。
北原巌男官房長は同日の定例会見で、廃止の理由を「他省庁と比べ定例の会見が多く整理したい。質問がない会見も多い」と説明。19日以降、毎週の定例会見は長官、事務次官、統合幕僚会議議長の3人にする方針を明らかにしたが、記者会側は「納得できる理由がない」として、受け入れを拒否した。
防衛庁では、自衛隊のイラク派遣をめぐり石破茂長官が9日、報道各社の編集責任者に現地取材や報道の自粛などを要請。今回の申し入れも、イラク派遣が本格化する前に、情報公開を制限したい思惑があるとみられる。背後に首相官邸の意向があるとの指摘もある。
各幕僚長の定例会見は、防衛記者会の主催。陸海空の制服トップが、部隊の動向から不祥事まで、自らの言葉で語る数少ない機会となっている。
北原官房長の会見は約3時間に及んだ。廃止の判断は、庁内で意見を集約し「客観的」データを基に決めたことなどを強調。「今後は臨時の会見、ブリーフィングで柔軟に対応したい」とした。《共同通信》
【西川きよし参院議員】政界引退を表明
西川きよし参院議員(57)=大阪選挙区、無所属=は13日、大阪府庁で記者会見し、今夏の参院選に出馬しない意向を表明した。後継指名はしない。知事選など他の選挙にも出ず、政界を引退。今後は福祉関係のボランティアを続けながらタレント活動に専念する。
西川氏は「多選はいけないと思い、1期目の途中から長くて3期と決めていた。入学(当選)するときもきれいだったので、きれいに卒業させてもらおうと思った」と述べた。
議員活動について「不安や寂しさはあったが(福祉関係で)国政でしかできないこともたくさんあった。後悔はない」と振り返った。大阪府知事選の直前の表明となったことについて「告示後で迷惑を掛けてはいけない」とした上で、知事選ではどの候補の応援もしないことを明言した。
西川氏は1986年に約102万票を獲得してトップで初当選。92年は約97万票、98年も105万票と3回連続でトップ当選を果たした。
大阪選挙区では公明、共産の現職と自民、民主の新人が立候補を予定している。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・麻生太郎総務相は13日の記者会見で、9日の閣議で韓国の「竹島切手」に対抗し、日本でも切手発行を検討するよう提案したことについて聞かれると「事実関係、閣議の内容は言わないことになっている」と素っ気ない返事。昨年5月に「創氏改名は朝鮮人の要望で始まった」との趣旨の発言が問題になったことも踏まえ、慎重姿勢になったようだが、別の質問にも「(記者の)口車に乗っては後でろくな話にならない」として答えず、あつものに懲りてなますを吹く状態。《共同通信》
【小泉純一郎首相】ビデオで訪日をPR
小泉純一郎首相が自ら出演して、外国人に向けて訪日観光を呼び掛けるビデオが完成し、13日から放映が始まった。国土交通省が中心になって本年度から推進している「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の一環で、首相が映像に出て訪日をPRするのは初めて。《共同通信》
【共産党】党大会
共産党は13日午後、静岡県熱海市の党施設で第23回党大会を続行、不破哲三議長が綱領改定案について報告した。
不破氏は、天皇制と自衛隊の事実上の容認を打ち出したことについて「(綱領で)天皇制は民主主義と人間の平等の原則と両立しないと明確にし、自衛隊は憲法9条違反という認識もはっきり書かれている」と指摘。その上で「現状をどのようにして変革するか方法を明示してこそ責任ある綱領になる。二つとも現在の国民の多数意見は存在を肯定する方向にある」と理解を求めた。
不破氏は「憲法9条の改悪を主目標に憲法改定をしようという企てに反対することが中心の課題であり、わが党は当面、部分的にせよ憲法改定を提起する方針を持たない」とも強調した。
志位和夫委員長は「自民党政治と同じ枠内での二大政党制では政治を変えたいという国民の願いには応えられない。参院選の争点は自民党か民主党かではなく、本当に自民党政治を打破する勢力である共産党が伸びるかどうかだ」と述べた。《共同通信》
【BSE問題】
カナダのスペラー農相は13日、農水省に亀井善之農相を訪ね、牛海綿状脳症(BSE)の発生で禁輸が続いているカナダ産牛肉の安全策について話し合った。カナダ側は、監視強化など新たな対策を説明し早期輸出再開に期待を示したが、亀井農相は「日本国民の理解を得るのは難しい」と拒否、会談は事実上、物別れに終わった。
今後は、両国の食品衛生分野の専門家で検討チームを構成し、対日輸出再開の条件を模索するが、「全頭検査と同等の措置」(亀井農相)を求める日本側との見解の差は大きく、禁輸が長期化する可能性が高まった。
会談でカナダ側は、年間5500頭(昨年)だったBSE検査態勢を、5年後に年間3万頭以上に拡充するなど新たな対策を説明、「(全頭検査と)同等の効果がある」と主張した。ただ、カナダの牛の処理数は年間345万頭(BSE発生前の2002年)で、拡充後でも対象数はごく一部にとどまる。
亀井農相は、日本では全頭を対象に検査し、脳や脊髄など特定危険部位の除去も全頭を対象とすることで、ようやく消費者の信頼が回復した経緯を説明。カナダの対応では不十分だとの考えを示した。さらに昨秋、相次いで2歳未満の若いBSE感染牛が見つかったことを指摘、全頭検査の有効性を強調した。《共同通信》
【石破茂防衛庁長官】米以外と兵器開発も
オランダ訪問中の石破茂防衛庁長官は13日夜、ハーグで同行記者団と懇談し、現在米国とだけ行っている兵器の共同開発を、第三国にも広げることを検討する考えを表明した。これに伴い、武器輸出3原則の抜本的な見直しを進めるべきだとの認識を示した。
同3原則は憲法の定める平和主義の下で「国是」とされてきただけに、通常国会でも大きな議論を呼びそうだ。
石破氏は「冷戦崩壊後、欧州では共同開発が常識だ。武器輸出3原則は冷戦期の発想に基づいている」と指摘。兵器開発費を抑制するとともに、兵器産業の国際競争力や技術力をつけるためにも、共同開発の対象拡大が必要との認識を強調した。
同3原則に関しては、既に米国と共同開発しているミサイル防衛(MD)の次世代迎撃ミサイル実用化の際に部品輸出を可能とするための検討に入っているが「それに限るべきか、政府としても検討することは必要だ」と指摘。米国への武器技術供与のみを認める3原則の見直しを進めるべきだとの考えを示した。
石破氏は、欧州の兵器共同開発に将来、ロシアが参加するとの見方を示し「日本だけが、そこから外れる」と懸念を示した。《共同通信》
【この日の民主党】
「政権交代へ大飛躍!」掲げ定期大会を実現
民主党の2004年度定期大会が、12日~13日都内で約1300人が参加して開かれ、「政権交代へ攻めの1年」(岡田克也幹事長)とする活動方針、参議院選挙対策方針などを了承した。
大会には、労働界を代表して連合会長の笹森清氏、ドトールコーヒー代表取締役社長の鳥羽博道氏が来賓として挨拶した。
大会本会議の冒頭挨拶に立った菅直人代表は憲法について「現憲法は06年に還暦となる。それまでに民主党としてあるべき憲法の姿を示す」として、憲法の3原則を基本としつつ、幅広い国民的議論を民主党がリードする積極的姿勢を表明した。
岡田克也幹事長は、活動方針、比例で2500万票、1人区で10人以上の当選を目標とする参議院選挙対策方針、2003年度決算、2004年度予算、党規約改正および党改革推進委員会の設置、代表選挙制度改革の5つの議案を提起。質疑の後、満場の拍手で承認された。
菅代表、国連待機部隊、憲法制定運動などを提唱
民主党の菅直人代表は13日、定期党大会本会議において次のように挨拶した(要旨)。
民主党は昨年の総選挙で2大政党の一方の柱としての認知を国民からいただいた。小泉政権は総選挙で約束したマニフェストに掲げた地方分権、年金、道路公団などの改革は全て中途半端におわった。小泉政権はもう終わりだ。民主党はいつ政権を担当しても本物の改革に取り組めるよう用意をすることが必要だ。
私たちは自らの手で健全な日本社会を取り戻す新たな目標を定めなくてはならない。その目標を模索する議論の中で、過去の日本の伝統的価値を見直そうという機運が強まっている。参考にすべきは、明治以来の近代化に合わせた大量生産、大量消費、大量廃棄の生活スタイルではなく、その前の江戸時代の地産地消の「スローライフ」の生活スタイルにあるように思う。
日本外交は戦後、アメリカ一辺倒の姿勢を取り続け、アジアの国々との信頼回復すらアメリカによる保護観察が前提とされてきた。アジア近隣諸国との信頼回復を再構築し、EUに並ぶAU(アジア連合)を構想すべきだ。
北朝鮮の脅威は核ミサイルを除けば日本自身の防衛努力で十分対応できる。拉致犯罪や不審船などに対して政府の十分な対応ができなかったのは、国としての危機管理意識が余りにも希薄で、縦割り官僚組織の無責任な事なかれ主義のためだ。核についてはアメリカの関与が欠かせないが、他の問題はアジアの関係国が協力すれば解決の道は開ける。平和的に北朝鮮問題が解決されれば東北アジアは経済発展の大きな可能性を持つ地域になる。
自爆テロを抑えるには軍事力も必要だが、テロの原因となる感情を解消するというソフトな対策が必要だ。小泉首相が自衛隊の海外派遣で国民の目を外に向け、行き詰まっている国内の改革から目をそらそうとしているとしたら問題だ。民主党はイラク特措法による枠組みでの自衛隊派遣は反対だ。統治機構は米英中心でなく、国連主導が望ましく、早い時期にイラク人による暫定政権をスタートさせるべきだ。
自衛隊をどういう場合に海外派遣することを認めるかの問題は避けて通れない課題だ。国際協力を目的に海外で活動する組織を自衛隊とは別に「国連待機部隊」といった形で設けることを検討したい。
現行憲法は2006年に還暦を迎えるが、市民革命によって市民が自ら創った憲法でなかったため、不磨の大典となってしまったのではないか。その背景には55年体制というイデオロギー対立と憲法解釈までも官僚任せにしてきたことがある。民主党が野党第1党になり不毛なイデオロギー論争に終止符を打つとともに、法案作成も自ら行うようになった。官僚主権から国民主権の国にするためには、市民革命に代わる幅広い憲法制定運動が必要だ。民主党は日本のあるべき姿を示す新たな憲法を創る「創憲」を主導し、2006年までに新たな憲法のあり方を国民に示したい。
昨年の自民党総裁選と総選挙で小泉政権は大きく変質した。抵抗勢力の代表、青木参院幹事長と手を握り、名実ともに改革政権でなくなったことと、公明党に首根っこを押さえられた政権になったことだ。日本の政治が公明党を通して創価学会という一宗教団体に支配されてはならない。このことをしっかり全国民に訴えれば必ず良識的な保守層は自民党を離れ民主党を支持してくれる。今夏の参院選も小泉政権に対する国民の審判であることは間違いない。1人区で10人以上の当選、比例で2500万票の支持を目標にしたい。
自民党政権が倒れればいつでも政権を担当するという責任ある姿勢で今年も全力で頑張りたい。党員の皆様のご奮闘と支持者の皆様のご支援を心からお願い申し上げる。
連合会長、ドトールコーヒー社長が来賓挨拶
民主党定期大会の本会議では、2人の来賓から挨拶があった。
まず、連合の笹森清会長が挨拶に立ち、昨年の総選挙の結果について「勝ちきれなくて惜しかった、議席が伸びたからよかった、などとお茶を濁していたら、とても政権を取れない。政権与党の方が政権への執着心があきれるほど強い」と厳しく指摘。その上で「自民党に過半数を与えないのは当たり前。連立与党に過半数を与えないことを民主党の方針とすべき」と語り、「政権交代に向け、大いなる飛躍を。国民の信託に応えうる民主党になるよう一層の奮起を」と檄を飛ばした。
続いて登壇した株式会社ドトールコーヒー代表取締役社長の鳥羽博道氏は、まず前回の総選挙で、創業以来初めて社内報や全体朝礼で「民主党を頼む」と社員に呼びかけたことを紹介、政権交代への期待を熱く語った。その上で、「私は無一文で東京に出てきて24歳で会社を設立して以来、一杯のコーヒーで安らぎと活力を提供したい、という思いでひたすら努力してきた。そして今年は、業界第一位・利益第一位を目指す。民主党も、世界の平和・国家の繁栄・国民の幸せ、この3つのためにがむしゃらに突き進めば、必ず第一党になれる」と述べ、民主党に力強いエールを送った。
活動方針めぐり建設的に議論
民主党定期党大会の13日の本会議で報告に立った岡田克也幹事長は、「党活動の強化、政策の進化、開かれた国民政党への党改革の3点が活動方針の重点。攻めの1年としたい。われわれだけが日本の改革をなし得る」として、2004年度活動方針ほか4議案を提起した。
質疑応答では、地方代議員から、「マニフェストでは農業だけでなく、林業、水産業も重点課題として取り上げてもらいたい」(岩手県連幹事長・伊藤勢至氏)、「『創憲』で9条を改正するのかどうか発信を。北朝鮮へは経済制裁ではなく、人道支援を行うべき」(千葉県連男女共同参画委員長・湯浅和子氏)、「マニフェストをより分かりやすいものに。また、マニフェストに沿った各種活動を」(大阪府連幹事長・冨田健治氏)、「地方組織の強化、地方議員の拡大について、次期衆院選までの目標を出すべき」(長崎県連副代表・萩原康雄氏)などの意見が出された。
答弁に立った枝野幸男政調会長は、「政策への質問が多いことを政策の党として喜ばしく思う。マニフェストは参院選用のものも作成する。できるだけ早く、計画を示すとともに、地方でも検討していただき、遅くない時期に討論する場を設ける。北朝鮮に関しては追加マニフェストで示したとおり、単独でも経済制裁ができる法整備が必要。拉致問題の解決が最大の課題だ」などと述べた。また菅直人代表は「創憲」に向けた議論について、「国連待機軍と9条との関係など、党内の憲法調査会もあるが、それを超えた議論をお願いしたい」と呼びかけた。
両院議員懇談会で方針めぐって議論
民主党定期大会2日目の13日、本会議に先立って両院議員懇談会が開かれ、議案書をめぐって議論が行われた。
冒頭、菅直人代表が「小泉政権では改革が進まないことを指摘するだけでは足りない。責任ある野党第一党として、日本の政治のあり方、世界の中での日本のあり方をしっかり示すのがわれわれの責任だ」と挨拶。続いて、岡田克也幹事長から、2004年度活動方針案、第20回参議院選挙通常選挙対策方針案、代表選挙制度改革について(骨子案)など、議案書の内容についてポイントが説明された。
討論では、活動方針案をめぐって、参院選に向けたマニフェストの深化や組織強化の具体策を求める多くの意見が出された。とりわけマニフェストについては、年金改革・景気回復策を明確にアピールすべき(田中慶秋衆議)、食糧・農業・森林政策の強化を(一川保夫衆議)、「平和」の文字が一つもないのはおかしい(牧野聖修衆議)、旧自由党の日本一新基本方針との練り合わせを(広野ただし参議)などの発言があった。答弁に立った枝野幸男政調会長は、そうした意見をさらに各部門で議論し、マニフェスト・フォローアップ委員会で集約していきたい、とした。
参議院選挙方針案をめぐっては、候補者擁立をもっと急ぐべき(直嶋正行参議)、比例票を拡大するためにさらなる取り組みの工夫を(福山哲郎参議)、一人区における社民党との協力強化を(村井宗明衆議)などの意見が出された。岡田幹事長は、2500万票の比例票獲得に向けて党本部も前回総選挙以上の活動を進めると表明。社民党との選挙協力については、社民党自身が厳しい状況にある中で全国的な調整を行うことは困難だとし、各都道府県連レベルでの協議を軸に進める考えを示した。
さらに、各級地方選挙への対応をめぐって、現職候補への与野党相乗りは避けるべき(松岡満寿男参議)、多選禁止原則の適用基準を明確に(増子輝彦参議)などの要望があった。岡田幹事長は、相乗り問題について「一般論としてはないようにしたい」とした上で、現職候補の推薦を決めた大阪府知事選挙については、もともと民主党が中心になって当選させた知事であることなどを考慮した結果だと説明。また、知事選および政令指定都市市長選の候補に対する党本部の推薦基準として、(1)3選を越えない、(2)70歳を越えないことを基本とする、の2点を示し、各地方組織がこれを準用することを期待する、とした。
「党大会で日本をどうするのかを示した」菅代表
民主党の菅直人代表は13日、2004年度定期大会の終了後に記者会見し、「今の政権のここがおかしいとの批判よりも、われわれが日本をどうするのかを示した大会であり、前向きな議論だった」と述べ、いつでも政権を担いうる責任ある政党として党が前進していることに、自信を示した。
また、大会挨拶で提起した創憲、国連待機部隊について「党として取り組まなければならない課題を、党内、国民の皆さんに提起した。今後の議論で一定の方向にまとまっていくと思う」と述べた。
とりわけ創憲の取り組みについては、従来の議論が「9条の問題に終始し、そこで終わっていた」として、あえてそれ以外の財産権、公共の福祉などについても提起したと説明。「国民主権の立場を最も基礎において、それを強める議論していきたい。また、憲法のすべてを変える可能性を含んだ議論をしていけば良い」と、条項にこだわらず議論を進める考えを示した。《民主党ニュース》