平成5346日目
2003/08/28
この日のできごと(何の日)
【附属池田小事件】被告に死刑判決
大阪教育大附属池田小学校(大阪府池田市)で児童8人が死亡、教師2人を含む15人が重軽傷を負った2001年6月の校内児童殺傷事件で、殺人、殺人未遂などの罪に問われた無職宅間守破告(39)の判決公判が28日大阪地裁で開かれ、川合昌幸裁判長は求刑通り死刑を言い渡した。
判決理由で川合裁判長は「犯罪史上例をみない重大事件で、遺族の悲しみや怒りは深く重い。死刑以外あり得ない」と述べた。宅間被告は入廷直後「最後に言わせろや。どうせ死刑なんやから」と発言し、退廷を命じられ、被告不在のまま冒頭で極刑が言い渡された。
唯一の争点だった被告の責任能力について川合裁判長は、捜査段階と公判段階の二度の精神鑑定を「信用性が高い」と判断。「自己中心的な著しく偏った人格傾向だが精神疾患の影響はなく、犯行時刑事責任を問うのに十分な責任能力を備えていた」と認定。さらに「事件の違法性や重大性を十分認識していた」と指摘した。
判決の最後に「二度とこのような悲しい出来事が起きないよう再発防止のための真剣な取り組みが、社会全体でなされることを願ってやまない」と異例の所感を述べた。
犯行動機について判決は「公務員の職を失ったことや三番目の元妻との離婚で経済的にも社会的にも行き詰まり、怒りの矛先を社会一般に向けた」と述べ、池田小を選んだ理由は「名門小学校を襲った方が反響が大きいと考えた」と指摘した。
弁護団は控訴の方針だが、宅間被告は「控訴しても取り下げる」と弁護人に話しており、死刑が確定する可能性もある。
被告は起訴事実を認め、弁護側は公判で責任能力を争っていた。二度の精神鑑定のうち、捜査段階では「非社会性人格障害や妄想性人格障害など」、公判段階では「情性欠如で、特異な心理的発達障害があった」と鑑定されたが、いずれも被告の完全責任能力を認定。
一方、弁護側は「被告は単なる人格障害ではなく、被害妄想などを伴う複合的な精神障害。犯行時は善悪を判断して行動を制御する能力のない心神喪失か、著しく低下した心神耗弱の状態だった」と述べ、無罪か刑の減軽を求めていた。
公判では遺族への配慮が徹底され、モニターを使った別室での判決傍聴が許可された。《共同通信》
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【北朝鮮】拉致被害者家族の帰国を拒否
北京で開かれている6カ国協議の場で28日、日本と北朝鮮の2国間協議が行われた。日本側は永住帰国した拉致被害者5人の家族全員を早期に帰国させるよう求めたが、北朝鮮側は永住帰国を「約束違反」と従来の主張を繰り返して家族の帰国を拒否。拉致問題の真相解明要求にも明確な回答はなく、協議は物別れに終わった。
公式な場での日朝政府間交渉は昨年10月末の日朝国交正常化交渉以来、約10カ月ぶりだが、日本が交渉再開の条件とする家族帰国への展望を開けなかったことで、こう着はさらに長期化する見通しとなった。
小泉純一郎首相は同日夕、首相官邸で「まだ終わっていない。明日もある」と再協議を模索する考えを示した。《共同通信》
【小泉純一郎首相】トム・クルーズさんと面談
小泉純一郎首相は28日午後、首相官邸で、俳優のトム・クルーズさんと面談した。一緒に並んだ写真撮影に、首相は「選挙に出るみたいだね」と顔を紅潮させて大はしゃぎ。自民党総裁選を控え、統一候補が「まとめようとしてもまとまらない」(首相)反小泉勢力とは対照的に、余裕しゃくしゃくの表情。
クルーズさんは、明治初期の日本を舞台にした映画「ラスト・サムライ」のアルバムや本を首相にプレゼント。「(首相は)とてもカリスマがあって知的で、いいリーダーだと思う。ユーモアのセンスもある。首相のファンになった」と絶賛し、首相にとって頼もしい援軍となった。《共同通信》
【米・ペンシルベニア州】首輪爆弾をつけられた男性、銀行強盗後に爆死
米ペンシルベニア州イーリーで、銀行強盗の現行犯で逮捕されたピザ配達の男性が、「自分の意思ではない。首に爆弾をはめられ、銀行強盗をするよう脅された」と警察官に訴えた。
実際に首輪に爆薬のようなものが固定され、時計の音も聞こえたため、警察は爆弾処理班の出動を要請。だが到着前、大勢が遠巻きにする中で爆発し、男性は即死した。米連邦捜査局(FBI)は殺人事件として捜査を進めているが、動機や背景は謎のままだ。
事件は28日に起きた。ブライアン・ウェルズさん(46)は午後2時ごろピザの配達に出かけたが店には戻らず、1時間後に首に爆弾をはめた姿で銀行に現れた。窓口から金を要求するメモを差し入れ、奪って逃げたが、通報で駆けつけた警察官に近くの駐車場で取り押さえられた。
手錠をかけられ道路に座らされたウェルズさんは、「チクタクいっているんだ」「もう時間がない」「なぜはずしてくれない」などと悲痛な声で叫んだ。その姿をテレビが中継する中で爆発が起きた。警察官らは離れていてけがはなかった。《朝日新聞》
【MLB】
米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手は28日、シアトルのデビルレイズ戦で4打数無安打。打率を3割2分5厘に下げ、ミューラー(レッドソックス)とは2厘差の2位に後退し、約1カ月ぶりにリーグ首位の座を明け渡した。長谷川投手は2−2の九回に登板し、決勝点となるソロ本塁打を浴びて今季初黒星(1勝13セーブ)を喫した。マリナーズは首位アスレチックスに2ゲーム差をつけられた。
ヤンキースの松井秀喜外野手はホワイトソックス戦で3試合ぶりに先発出場し、4打数無安打、打率は2割8分8厘へ下がった。ヤンキースは7−5で勝った。
カージナルスの田口外野手はカブス戦に途中出場し、1打数無安打。《共同通信》
【この日の民主党】
菅代表と小沢党首、広島で民主導の政権実現に向け熱い訴え
民主党の菅直人代表と自由党の小沢一郎党首は28日、広島市中心街で合同遊説を行い、両党が合併後に目指すもの、政権交代の重要性などを語った。時より雨が降るあいにくの天候にもかかわらず、500人の聴衆が足をとめた。
小沢党首は「合併は一度白紙に戻ったように、異なる政党がひとつになるのは大変なこと。そうしたなか、私と菅代表の行き着くところは、本当に国民生活は守れるのか、日本は大丈夫なのかという思い。それぞれ問題はあるが、それを克服し、国民のための新しい政党として、国民のための政治をすることがわれわれの役割、使命ではないかとの思いで合併に至った」と語った。「自民党的手法ではみなさんのためになる、国民本位の政治は行えない」と指摘し、野党が本当に力を合わせ、国民のみなさまのための体制をつくっていくと力強く表明した。
菅代表は「小泉首相は自民党をぶっこわすと言うが、本当に自民党をぶっこわしたのはこの小沢党首。自民党のど真ん中から飛び出し、2大政党実現に向けて走り出し、生まれたのが細川政権だった」と語り、民主党と自由党とが組むことで、もう一度自民党に代わる受け皿となり得る政党をつくると宣言した。
また、国民が納めた税金を、本来の目的ではなく、官僚の天下り先確保のためや自民党政治家の私的流用、役所の利権等のために使い続けてきた結果、日本経済・財政は破綻してしまったと断じ、民主党政権樹立後は官僚主導の政治には終止符を打つと表明。「みなさんの一票でその政治が実現できる」として、居並んだ若い候補者への支持を聴衆に訴えた。《民主党ニュース》