平成5241日目
2003/05/15
この日のできごと(何の日)
【有事関連法案】衆院通過
他国から武力攻撃を受けた場合の自衛隊の対処方針を定めた有事関連法案の与党、民主党修正案が15日午後の衆院本会議で与党3党、民主、自由両党の賛成多数で可決、参院に送付された。与党は19日の参院本会議での審議入りを目指しており、6月上旬にも成立する見通し。
有事法制は1977年に当時の福田赳夫首相の下で研究に着手。有事関連法案の壁で半世紀を経て有事法制が実現、安全保障論議は新局面に入った。
個人情報保護法案も月内成立のめどが立ちつつあり、政局の焦点は会期延長問題に移る。小泉純一郎首相は15日夜、自民党幹部らと会談。出席者によると、6月18日までの会期を延長しない考えを表明した。自民党内にも、延長せずに内閣改造・党人事を断行すべきだとの声がある。
一方で、イラク復興支援で自衛隊派遣を可能とする新法を成立させるために大幅延長が必要との見方も強く、最終調整が必要となりそうだ。
有事関連法案は武力攻撃を受けた際の意思決定の在り方を定める武力攻撃事態法案と安全保障会議設置法改正案、自衛隊の活動を円滑化する自衛隊法改正案の3法案。
与党、民主党の修正案は武力攻撃事態法案に憲法の基本的人権保障規定を最大限尊重する趣旨を追加する一方、首相の地方自治体に対する指示権限などを定めた15条など、国民保護法制関連の3個条を同法制整備まで凍結。「危機管理庁」を念頭に緊急事態に迅速に対応する「組織の在り方について検討を行う」ことを付則に明記した。《共同通信》
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【大相撲】
大相撲夏場所5日目(15日・両国国技館)全勝の横綱朝青龍が平幕貴ノ浪を危なげなく押し出し、単独トップに立った。関脇出島は玉乃島にはたき込まれ初黒星。大関千代大海は小結土佐ノ海を押し倒して1敗を堅持した。大関魁皇は小結旭天鵬を力強く寄り切り、3連勝で3勝目を挙げた。かど番大関の2人は明暗を分け、栃東は高見盛を左上手投げで退け白星を先行させたが、武双山は栃乃洋の寄りに屈して黒星が先行した。関脇若の里は琴光喜の休場により不戦勝。全勝の朝青龍を、1敗で千代大海ら7人が追っている。《共同通信》
【青森県・木村守男知事】辞表提出
青森県の木村守男知事(65)は15日夜、辞意を固め、県議会議長に辞職願を提出、受理された。知事の女性問題をめぐり16日の県議会で、与野党各会派が提出予定の不信任決議案が可決される見通しが強く、不信任案の提出、採決前に、自らの進退を決断した。
知事は議長に「県政を停滞させたくない。女性問題は裁判で決着をつける」と述べた。16日の本会議で同意を得て、正式に辞職が決まる。知事選は辞職から50日以内に行われる。
知事は辞職願提出後、県庁内で記者会見し「私のことで心配をかけてきたことをあらためておわびしなければならない」と県民に謝罪した。《共同通信》
【小泉純一郎首相】北朝鮮問題解決に意欲
小泉純一郎首相は15日午後、民放ラジオ「ニッポン放送」の政府広報番組の収録で、23日の日米首脳会談について「拉致問題を含む北朝鮮問題でじっくり話をしたい。世界各国の理解と支持を得て解決に向けた大きな流れをつくっていきたい」と述べ、北朝鮮問題の包括的解決に向け意欲を示した。《共同通信》
【新型肺炎】世界の死者600人超
中国衛生省の15日の発表によると、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)による中国の死者は4人増えて271人、香港の死者は7人増の234人となり、中国と香港を合わせた死者は505人に上った。台湾衛生当局も同日、台湾の死者が前日比3人増の34人になったと発表。中国、香港、台湾の新たな死者数を世界保健機関(WHO)が4日発表した死者数に加えると、世界の死者は601人となり、600人の大台を突破した。
中国の感染者は52人増の5163人。このうち感染が最も深刻な北京市は27人増の2388人。中国政府が過少申告を認めた4月20日以来、増加数は最低で、感染拡大の鈍化傾向が続いている。北京市以外では、山西省が7人増、河北省が6人増、内モンゴル自治区が4人増となっており、農村部でのざん増傾向がうかがえる。
香港の感染者は5人増の1702人で、新規感染者は12日連続で一けた台。台湾では、感染者が26人増の264人となった。《共同通信》
【MLB】
大リーグ、ヤンキースの松井秀喜外野手は15日、ニューヨークのエンゼルス戦に「5番・左翼」で先発し、5打数1安打。四回に左前打して好機を広げ、得点も記録した。打率は2割7分3厘。ヤンキースが10−4で勝ち、連敗は3でストップ。
マリナーズのイチロー外野手はインディアンス戦に「1番・右翼」で出場し、一回に内野安打して7試合連続安打をマーク。この日は4打数1安打1四球で、打率2割9分6厘。長谷川投手は救援で1回無失点。マリナーズが9−1で大勝。
メッツの新庄外野手はジャイアンツ戦に「7番・中堅」で先発したが、4打数無安打。18打席安打がなく、打率は1割7分9厘に下がった。メッツは3−11で大敗した。《共同通信》
【この日の民主党】
[衆院本会議]有事関連3法案を圧倒的賛成多数で可決
衆議院本会議が15日午後開かれ、武力攻撃事態対処法関連3法案(有事法制3法案)が、共産、社民両党の反対のみの、圧倒的賛成多数で可決された。
民主党から賛成討論に立った大島敦議員は「基本的人権の尊重、国会の議決による対処措置の終了、国民への情報提供、国民保護法制整備までの一部措置施行凍結、事態の認定となった事実の明記など、政府・与党案の不備であった諸点について、民主党の主張を反映させる大幅な修正が行われた」と賛成の理由を明確に述べた。また、「民主党は、国民の生命と財産に最もかかわる事項の合意を着実に実施するとともに、我が国の緊急事態に際して、我が国が適切かつ効果的に対処できるよう、今後も必要な法制・体制の整備などに全力で取り組んでいく」ことを表明して討論を締めくくった。
[衆院青少年特]インターネット異性紹介事業規制法案を可決
衆議院青少年問題に関する特別委員会で15日、内閣提出の「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律案」に関する質疑・討論および採決が行われた。民主党は、同法案が意図する規制は有効性・透明性・明快性を兼ね備えて初めて意味を持ち得るにもかかわらず、政府提出法案はこの点で難点があり、弊害の方が多いとして反対したが、同法案は与党3党などの賛成多数で可決した。また、政府に児童の利益の保護などを求める附帯決議も全会一致で採択された。
同法案はインターネット異性紹介事業、いわゆる“出会い系サイト”を利用し、18歳に満たない児童を性交等の相手となるように誘引するのを禁止するとともに、児童の出会い系サイトの利用防止措置を定めることで児童買春や他の犯罪から児童を保護するという趣旨のもの。
質問に立った民主党の水島広子議員は「法案成立後、実際には子どもたちがどのように扱われるか検証しておく必要がある」として、第6条に違反した児童への対応について質問。谷垣国家公安委員長は専門的知見を有する家庭裁判所が当該児童の状況に応じた適切な保護処遇をとるなどと答弁した。水島議員は「子どもの問題行動の裏には生育関係の問題だけでなく、精神障害などの可能性も考えなければならない」とする考えを示し、現行の家庭裁判所では専門知識をもった適切な対応ができないのではないかと疑問を呈し、十分な検証の必要性を指摘した。同時に罪を犯した児童への対応機関として家庭裁判所を位置づけるのではなく、子どもの権利を守るセンターとしての根本的な活用を考えるべき点を水島議員は提議した。
また水島議員は、第6条で誘引行為をしてはならないと明確に禁止しているからには、第16条の罰則規定において児童を適用除外とすべきだと主張。「ストックホルム宣言の精神を生かして、個々のケースによって現状にあった多様な対応をするには、むしろ第16条を児童に対して適用除外とし、第6条に違反行為をした児童について関係行政機関の連携下での適切な指導等を行うとした方がいい」と水島議員は提案。同時に、児童への教育を徹底するため、法務省・文部科学省等、関係省庁の連携の必要性等を提示した。
質疑後、民主党の石毛えい子議院が反対討論を行った。石毛議員は「出会い系サイトを媒介にしたものを含め、異性交際に係る犯罪を防ぐには、売買春を行う者、その斡旋や管理を行う者、誘引や勧誘の媒体を提供する者等への規制強化が必要。また、児童保護の観点からも、子ども達に対して社会的規範が存在し、行った行為に対して一定の措置がありうることを示すことが必要」との認識を示しながら、政府案はむしろ弊害の方が多いと断じた。
政府案に反対する理由の第一として石毛議員は、警察がインターネット異性紹介事業者等を規制するスキームが曖昧・不透明である点を指摘。「事実上警察の裁量に大きく任され、その結果、事業者に対して警察が恣意的かつ過剰に介入したり、逆に警察と業界の馴れ合いで運用が決まったりする懸念が拭えない」と指弾した。
反対理由の第二は、本来必要であるべきインターネット異性紹介事業者等に対する規制が、実効性の乏しいものになっている点。悪質なサイトを排除したり、子どもの利用を防止したりすることに対して事業者に努力義務規定を課すにとどまっていること、「児童でないことの確認」方法が甘いこと、IT技術の高度利用を念頭に置いて規制する観点が弱いことなどを、石毛議員は列挙した。
石毛議員は反対理由の第三として、児童買春・児童ポルノ法案の改正という抜本的な対策を怠っている点を指摘。骨太の対策には手をつけず、出会い系サイトのみに対象を絞った本法案のような中途半端な規制案の導入では効果は少なく、弊害が大きいとした。
反対理由の第四として石毛議員は、児童が受けるおそれのある心身の被害に対する配慮やケアが不足しており、児童の保護育成や教育という観点が極めて弱い点を指摘。さらに第五に、政府の準備不足と無責任な姿勢を指摘し、同法案への反対を表明して討論を締め括った。
なお、採決後、民主党・無所属クラブは他の6会派と共同で附帯決議を提案し、全会一致で可決された。決議は、政府に対して、児童の生育環境・発達の状況を十分に考慮すること、児童の権利に関する条約に基づいて児童の最善の利益が図られるよう努めること、第六条に違反した児童に対する相談・指導等の体制の充実・強化を図ること、などを求めるもの。
[参院個人情報特]内藤議員、首相に個別法制定の期限明示迫る
参議院の個人情報の保護に関する特別委員会で15日、小泉首相に対する質疑が行われ、民主党・新緑風会から内藤正光議員が質問に立った。
内藤議員は、政府の個人情報保護法案が事業横断的な包括法案であるにもかかわらず、事業横断的な第三者機関でなく、事業所管大臣別の主務大臣制を採用したことの論理的無理を指摘するとともに、医療、金融・信用など特に個人のセンシティブな情報を扱う事業分野についての個別法などの制定について2年後の法律全面施行時までに結論を出すなど、検討期限を明確にするよう小泉首相に迫った。
これに対し小泉首相は、第三者機関については「今後法が施行されて現実的に問題が起こってきたら、見直せばよい。初めての法案なのでこうなったが、そこはそんなに争う問題ではない」と将来的な見直しの余地を認めた。個別法の検討期限については、「早くできるところと時間のかかるところがあるが、できるだけ早くと言っている。できるだけ速やかに対応していきたい」と表明した。
内藤議員はまた、昨年、政府案が廃案となるきっかけとなった防衛庁リスト事件をとりあげ、「この不祥事の教訓は何か」と質した。小泉首相は、「まさに人。法律の趣旨をいかに正確に把握して運用するかが重要という教訓を得た」と抽象論で返したが、内藤議員は、法律の実効性を高める方策として行政機関での職員教育、部内責任者の配置、定期的な監査、違反行為への懲戒処分の統一的な基準による厳格な運用などの具体策を指摘。小泉首相も「内藤議員の指摘の点も踏まえ、しっかり対応していく」と答えた。
この日、首相に対する質疑に先立つ法案審議では、大塚耕平議員が質問に立った。
「修正案可決は国民にとっての成果」菅代表
民主党の菅直人代表は15日、民主党および与党3党の合意に基づいて修正された有事法制関連3法案が衆議院本会議で可決されたことを受けて、「民主党の主張が相当盛り込まれた修正案が可決され、大変いい結果だと思う」と記者団に感想を語った。
菅代表は、今回の修正案可決の意義について「重大課題について党内できっちり議論し、一致した行動がとれたというだけでなく、有事法制の問題について中身に踏み込み、国民の皆さんにも理解していただける形で議論を展開できたという意味で、われわれにとっての成果であるばかりでなく、国民にとっての成果でもあると思う」と述べた。
同時に菅代表は、「この法律はもともと武力攻撃事態になってしまった時にどう対応するかということだが、本来はそういう状況にならないためにどうするかが大切だ」とも述べ、外交努力による平和構築の重要性をあらためて強調した。
緊急事態関連法案の衆議院通過を受けて(談話)
民主党 政策調査会長
枝野幸男本日、衆議院において、民主党が与党3党と共同提案した「武力攻撃事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律案」に対する修正案、及び関連2法案が可決、成立した。
民主党は、今国会で、政府・与党案への対案としての「緊急事態・未然防止基本法案」及び「武力事態対処法案」への修正案を提出した。政府・与党案で不備のあった諸点について?民の立場に立った主張を国会審議で明確にしてきたが、我が国の安全保障の根幹にかかわる極めて重要な法案に対して、与野党が一致して対処すべきであると判断し、与党との修正協議に誠実かつ真摯に臨んだ。その結果、基本的人権、民主的統制、国民保護法制の整備などについて、大きな前進を見ることができた。
今後、参議院においては、修正項目の実効性の担保を図るとともに、残された問題について徹底的に審議し、真に国民の生命・身体・財産を護り、我が国の安全保障体制の確立に資する法体制とさせるべく、全力をあげて取り組んでいく決意である。
民主党提出の「国立大学法人法案修正案」について
政府提出の「国立大学法人法案」は、国立大学のあり方について、「自律的な環境のもとで国立大学をより活性化し、すぐれた教育や特色ある研究に積極的に取り組む個性豊かな魅力ある国立大学を育てる」と謳っているが、その実際の内容は、これまで以上に国の関与を深め、各大学の主体的な発展を阻害し、ひいては日本の高等教育の将来を危うい方向へ導く恐れがあることから、「国立大学改悪法案」との批判が高まっている。
民主党は、現在国の組織の一部と位置づけられている国立大学について、従来通りの形態を維持し続けるべきとは到底考えておらず、国の組織から切り離して各大学のひとつひとつに法人格を与えるという基本的スキームは評価する立場だが、具体的な法人化の手法については政府案とは異なるものであるべきとの判断から、下記の修正案を提出することとした。
[修正案のポイント]
(1)法案の目的規定中の「我が国の高等教育及び学術研究の水準の向上と均衡ある発展を図るため」を、各大学の個性を重視し、その主体的な努力による発展を期待する観点から、「~自立的な発展を図るため」に改める。
(2)文部科学大臣が財務大臣と協議し定める「中期目標」を、国立大学法人等が作成し文部科学大臣に届け出るものに改める。
(3)国立大学法人等の評価について、様々な立場からの多元的な視点が導入されるべきとの観点から、評価の事務を掌る評価委員会は「大学評価・学位授与機構」以外の機関にも必要な調査を委託することができ、評価委員会の会議録は公表されること、この評価を総務省の「政策評価・独立行政法人評価委員会」による国立大学法人の評価から遮断すること、第3者評価の多元性確保のために国が必要な資金を確保することなど規定。
(4)その他、学長や役員の任命、経営協議会と教育研究評議会の構成や審議事項、国立大学法人が行う業務の範囲等について、政府案よりも各大学の自主性を尊重し、各々の発意と工夫を十分に活かせるよう改める。《民主党ニュース》