平成5167日目
2003/03/02
この日のできごと(何の日)
【小泉純一郎首相】キューバ・カストロ議長と会談
小泉純一郎首相は2日午後、都内の外務省飯倉公館で、来日中のキューバのカストロ国家評議会議長と会談し、北朝鮮の核、拉致問題で友好関係にあるキューバの影響力行使を求めた。
カストロ議長は「できることがあれば、できる範囲でやる用意がある」と強調。イラク問題では、ミサイル廃棄の動きを踏まえ「解決の可能性が出てきた」との見方を示した
カストロ議長の訪日は8年ぶりで、マレーシアで開かれた非同盟諸国首脳会議後に立ち寄った。
首相は北朝鮮問題について「困難はあるが粘り強く交渉しないといけない。(問題解決が)日本、北朝鮮、地域全体にとっても大事だ」と指摘。議長は「北朝鮮は孤立しているのではないか。仮に核を持っていても日本を攻撃するのは全く意味がない」とした上で「日本、中国、ロシア、韓国などが協力して影響力を行使するのは可能で、政治的努力で解決に結び付けるのは可能だ」と述べた。
同時に、北朝鮮との関係については「故金日成主席は冷静で親切だったが、その死後は指導者と直接、接触がない」と強調した。
イラク問題で首相は「国際協調と日米同盟関係の重要性を両立させることに全力を挙げている。イラクには国連決議の順守を、米国には国際協調体制をつくるようはっきり言っている」と説明。議長はイラクが「アッサムード2」ミサイル廃棄に着手したのを受け「イラクが決議を守り戦争を避ける可能性がある。解決の道が出てくれば、北朝鮮にも良い影響を与える。(非同盟諸国としても)小さな努力だが、できるだけのことはやっていきたい」と述べた。《共同通信》
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【マラソン】
世界選手権(8月・パリ)の国内男子代表最終選考を兼ねたびわ湖毎日マラソンは2日、大津市皇子山陸上競技場発着で行われ、ジャフェット・コスゲイ(ケニア)が2時間7分39秒で優勝した。日本勢は藤原正和(中大)が大健闘を見せ、2時間8分12秒の初マラソン日本最高記録で3位に入ったのが最高だった。2位はアントニオ・ペーニャ(スペイン)で2時間7分59秒。昨年の釜山アジア大会2位の清水康次(NTT西日本)が2時間8分28秒で4位、佐藤敦之(中国電力)は2時間8分50秒で5位だった。《共同通信》
【JR西日本】居眠り運転の運転士はSASの可能性
山陽新幹線の居眠り運転事故で、JR西日本は2日、居眠りをした運転士(33)が、就寝中に呼吸が止まって熟睡できない「睡眠時無呼吸症候群」(SAS)の疑いが強いことを明らかにした。睡眠が分断され、昼間に強い眠気を催すのが特徴とされる。運転士は同日、大阪市内の病院に転院し、精密検査を始めた。JR西日本はほかの運転士にも診察を実施する方向で検討を始めた。
運転士は2月26日午後3時過ぎ、広島発東京行き「ひかり126号」を運転中に居眠り。同21分、列車が岡山駅手前で自動停車し、車掌に揺り起こされるまで眠り込んでいた。
JR西日本によると、運転士は同28日から広島市内の病院で検査を受け、医師に対し、「5、6年前から寝ている最中に何回も目が覚める」「家族らに、いびきをかいている時に息が止まっているようだと指摘されたことがある」と話したという。運転士は体重が約100キロあり、睡眠中のいびきも大きかった。病院側はSASの疑いが強いと判断。大阪で専門医の診断を受けさせる。《朝日新聞》
【生島治郎さん】死去
生島治郎氏(作家)2日午後、東京都内の病院で死去、70歳。中国・上海生まれ。
早稲田大卒。早川書房の雑誌「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」の編集長を務め、作家結城昌治氏らを育てた。直木賞を受賞した「追いつめる」は「国産ハードボイルドの名作」と評された。韓国人女性との恋愛を描き、映画化された自伝的小説「片翼だけの天使」などでも人気を集めた。《共同通信》
【この日の民主党】
菅代表が石川県輪島市で第2回の車座対話集会
民主党の菅直人代表は2日、能登半島の先端に近い石川県輪島市を訪れて車座対話集会を開き、同市周辺で林業、漁業、まちづくり、漆器商工業の振興に熱心に取り組む各界のリーダーなどと意見交換を深めた。山形県米沢市に続く同代表の全国対話行脚の一環で、地元の桑原豊議員、東京の加藤公一党役員室次長も参加し議論に加わった。
会場は数年前に廃線となった、のと鉄道(旧JR穴水-輪島線)輪島駅を改築した「ふらっと訪夢」。地元産の良質な木材である能登アテをふんだんに使い昨年、輪島の新たな観光拠点をめざして輪島市が完成させたもの。交流スペースとして設けられた2階の畳敷きの間に丸く座布団を並べ、文字通りの車座集会だ。
林業や漁業に携わる参加者は、担い手不足、安価な輸入木材や原発の温排水の影響などの問題を指摘する一方、今後の地球環境や食品安全などの面での第一次産業の役割の重要性を強調。「国は砂防ダムを次から次へと作っているが、その一つを作る経費を林業対策に回してくれれば、もっと根本的な対策ができる」という提案もあった。菅代表は、「都会ではシックハウスが問題になっている。安さの競争ではなく、いいものを提供すれば、必ず売れる潜在的な需要は高まっているのではないか」と国産木材に期待を表明した。
商店街などでまちづくりに取り組んでいる女性の参加者は、「輪島は長い間比較的落ち着いた商圏だったが、大型店の出店計画も出ている。この『ふらっと訪夢』を中心に、漆器や朝市などを生かしたまちづくりを進めている」「観光客に『また来たい』と思ってもらえるために、住民自身がそう思えるまちをつくりたい」。漆器商工業団体の理事長は、「大量生産・大量消費で失われた『生活の質の高さ』を取り戻すべきだ。高価なものではなく、生活芸術品をめざしたい」と抱負を述べた。菅代表も、「日本は果たして豊かになったのか貧しくなったのか、本当に問われている」とうなずいた。
地元の青年会議所の理事長からは、菅代表の国会質問についての質問も。菅代表は、「小泉首相と4回やりあったが、小泉首相は私の一言一言にヤジを飛ばしてくる。委員長から注意はされたが、とてもいいタイミングだ。わが家の夫婦げんかと同じ」と笑った。
2部構成合わせて3時間ほどの対話集会を終え、何人かの参加者から感想を聞いた。表穣さん(製材業・66歳)「民主党の党首に身近に話を聞いていただいたことは、プラスになった。何かに生かしてもらえると期待している」。中室勝郎さん(輪島漆器商工業協同組合理事長・58歳)「今の政治についての民主党の考え方を聞かせていただき、大いに期待できる。話を聞いていただけたことも大変うれしい」。細畑竜幸さん(輪島青年会議所理事長・38歳)「孤島と言われる輪島に菅代表がきてくれたことに感動している。テレビで見る菅さんと違い、とても人間味あふれる方だと思った。民主党への見方が変わった」。白藤妙子さん(輪島市鳳至上町)「ふだんお目にかかれない菅さんの生の声を聞けてよかった。政治のことを分かりやすく説明していただけた」。《民主党ニュース》