平成5064日目
2002/11/19
この日のできごと(何の日)
【北朝鮮による日本人拉致事件】
早大で対話集会
北朝鮮による日本人拉致事件をめぐり、早大生らが19日、拉致被害者の家族らとの対話集会を開き、横田めぐみさん=失跡当時(13)=の両親の滋さん(70)と早紀江さん(66)らが「わたしたちと同じ心で闘ってください」と真相解明を訴えた。
会場となった大隈講堂には学生ら1000人以上が集まり、一人一人に被害者全員の救出を願うブルーリボンが配られた。
講演した滋さんは、救出活動を始めてから世論が盛り上がるまでに時間がかかったことに触れた上で「世の中で何が正しいのか、皆さんに理解してもらう助けになればと思い、ここに来ました」と話した。
早紀江さんは「大切な人のために本気で闘える人になってください。わたしたちと同じ心になって全員救出まで力を貸してください」と訴えた。
増元るみ子さん=同(24)=の弟照明(47)さんは「拉致事件をきっかけに、これまで政府がしてきた対応の是非をよく考えてほしい」と話した。
会場から「この問題のために何ができるか考えたい」との意見が出されると、滋さんは「最後まで関心をもって見守ってほしい」と答えた。《共同通信》
永住帰国へ滞在援助金
政府が今国会での制定を目指し、与党側に提示した「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された被害者等の支援法案」(仮称)と、現行法での対応も網羅した「総合的支援策」の全容が19日明らかになった。経済支援は二段階とし、家族が北朝鮮に残っている事情から被害者が永住帰国の意思決定が困難な間は滞在援助金を支給。永住帰国した場合は拉致被害者給付金を5年を限度に世帯ごとに支給し、いずれも無税扱いとしている。
法案は「北朝鮮に拉致され著しく長期間日本に帰国できなかった日本国民と、その配偶者、子、孫で帰国した者」が対象。経済支援のほか、住宅の供給促進、雇用や教育の機会確保など包括的な支援策を盛り込んだ。野党側にも提示し、議員立法で来週中の成立を目指し、来年の1月1日に施行する。
法案は国の責務で拉致被害者の生活安定と自立促進に必要な諸施策を講じることを明記。ただ、自民党側は「安否確認されていない被害者の発見、帰国などのため国が最大限努力する」ことも明示するよう求めているほか、法案では横田めぐみさん=失跡当時(13)=の娘のキム・ヘギョンさんについては帰国まで支援が保留されるためなお調整している。《共同通信》
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【プロ野球・巨人】ペタジーニ内野手の入団を発表
プロ野球巨人は19日、前ヤクルトのロベルト・ペタジーニ内野手(31)との入団交渉が合意に達したと発表した。2年契約で年俸600万ドル(約7億3200万円)プラス契約金、出来高を合わせると総額約20億円の大型契約になる。背番号は「13」で、原辰徳監督は「5番・右翼手」での起用を明言した。
ペタジーニ選手は「来季、ジャイアンツのユニホームを着られると思うと、こんなにうれしいことはない。優勝し続けるために全力を尽くしたい」と球団を通じてコメントを発表した。
今季まで巨人の4番を打っていた松井秀喜外野手がフリーエージェント(FA)の権利を行使して米大リーグ挑戦を表明。このため、巨人は4年連続30本塁打以上を放っている前ヤクルトの主砲獲得に向け中日、阪神、横浜と争っていた。《共同通信》
【JR西日本・683系電車】公開
金沢−米原間を結ぶ特急「加越」と富山・和倉温泉−名古屋間の特急「しらさぎ」の新型車両683系が19日、金沢市乙丸町のJR西日本金沢支社金沢総合車両所で公開された。JR西日本管内の在来線で運行される列車では、初めて各車両にパソコン用のテーブルとコンセントを備えたのが特長の一つで、来年3月のダイヤ改正でお目見えする。
車体は鋼製からアルミ合金製に変え、軽量化を図った。最高運転速度は130キロで、車内の騒音や振動を抑えた。外観は新型サンダーバードとほぼ同じで、白を基調に青とオレンジ色の側線が入っている。パソコン用設備はグリーン車が一両6席、普通車で同8席あり、グリーン車には喫煙コーナーを設けた。
同支社は来年秋までに順次新型に切り替える予定で、現行約120キロの運転速度のアップも検討する。《北國新聞》
【大相撲】
大相撲九州場所10日目(19日・福岡国際センター)単独トップの大関朝青龍は、取り直しの末に霜鳥を左上手出し投げで退け、初日からの連勝を10に伸ばした。大関武双山は五城楼を送り出して7勝3敗とした。かど番大関の栃東は高見盛を寄り倒し、5連勝で6勝目を挙げた。関脇若の里は旭鷲山を押し出し、関脇琴光喜は小結旭天鵬を寄り切った。琴光喜は5勝目で、若の里と旭天鵬は4勝6敗。小結隆乃若は貴ノ浪を寄り切り7勝3敗。貴ノ浪は3敗に後退した。全勝の朝青龍を追う1敗力士はなく、2敗が平幕安芸乃島1人。3敗は武双山ら5人。《共同通信》
【政府税制調査会】所得控除の廃止、縮減などを答申
政府税制調査会は19日、2003年度税制改正に関する答申を小泉純一郎首相に提出した。女性の社会進出など社会構造の変化への対応と、経財の持続的な活性化を念頭に置いた改正が必要と強調。
企業向けの政策減税を提言する一方、配偶者特別など所得控除の廃止・縮減や、消費税の中小事業者特例の縮小を求めており、増税色が濃い内容となった。《共同通信》
【イラク】「申告期限守る」
イラクに対する大量破壊兵器開発疑惑の査察のため、国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)などの査察団先遣隊としてバグダッド入りした国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は19日、イラクが12月8日に設定された大量破壊兵器開発の申告期限を守ることを約束したと述べた。APテレビなどに語った。事務局長によると、イラク側は18日夜、査察団先遣隊との会談で約束した。
査察団先遣隊は19日、27日からの査察実施に向け、通信施設の構築などの準備作業に着手した。UNMOVICのブキャナン報道官は19日の記者会見で、査察団本体の第一陣が25日にもバグダッド入りするとの見通しを示し、査察が「信頼できるものになるには、抜き打ち査察が主体となるべきだ」と述べた。《共同通信》
【マイケル・ジャクソンさん】息子落とすしぐさ
米国のポップ歌手、マイケル・ジャクソンさんが19日、ドイツの首都ベルリンで、頭からタオルをかぶせた自分の3人目の子供、プリンス・マイケル二世君をホテル3階のバルコニーから地面に落とすようなしぐさをみせ、ファンを驚かせた。
児童虐待に反対する市民団体からは非難の声も上がっており、ジャクソンさんは「ひどい過ちを犯した。もうわざと子供の命を危険にさらすことはしません」と平謝り。
関係者によると、ジャクソンさんは授賞式に出席のため、ベルリンを訪問。ホテルに集まった大勢のファンに赤ん坊を見せてとせがまれ、悪乗りしてしまったという。《共同通信》
【この日の民主党】
筒井議員、農水相の疑惑究明放棄を糾弾
衆議院農水委員会における19日の質疑で、民主党の筒井信隆議員が質問に立ち、前政務秘書官の口利き疑惑などをめぐって大島農水相を厳しく質した。
筒井議員はまず、JA職員が無登録農薬の販売容疑で逮捕された問題について、「販売業者・輸入業者・生産者団体が総合的に関っている」と指摘。「その実態を見ると、農薬取締法を改正し、(取締りを)強化しようとしても、チェック機能は働かない。法改正以前に、政官業の癒着構造を断ち切ることこそが必要だ」との考えを示した。また、筒井議員は武部前農相が「無登録農薬は流通は規制されているが、使用が規制されていなかったことは不可思議な現象」と述べたことに言及し、「不可思議な現象」が起こった原因について農水相に質問。「従って、使用を禁止する改正案をつくっているところだ」などと答弁した農水相に対し、その不誠実な対応を厳しく指弾した。
筒井議員は「食の安全についてはBSE検討委員会がその答えも同時に出している」として、政官業の癒着構造を解体しなければ問題解決に至らないと記されている点を明らかにした。また、政官業の癒着構造のなかで政治の混乱を招き、引責辞任した井上裕前参院議長・加藤紘一前衆院議員などの存在に改めて言及。それに対して、前政務秘書官の口利き疑惑をめぐって国民に対する説明責任を果たしていない農水相に対し、「そもそも大臣こそ辞職すべき。辞職すべき大臣のもとで審議ができるか疑問だ」と改めて厳しく批判した。
続いて筒井議員は、宮内前秘書官の口利き疑惑を取り上げ、前秘書官側に口利きの見返りとして現金を渡したとされるコンサルタント会社社長A氏から直接聴取した情報を改めて提示。A氏が宮内前秘書官に計15回、計5500万円を渡したとするA氏直筆の一覧表に関連して質問した。多くが手渡しされたなかで、別会社に振り込んだと記録された平成9年7月1日付けの500万円の送金について、「この別会社は宮内氏の友人の会社であり、その送金に関して返却が遅れるといった(その別会社社長からの)手紙もある。そうなると、実質的には宮内氏本人からの貸借ではないか」と質したが、大島農水相は前秘書官からの報告をただ繰り返すだけで、何ら明確な答弁をしなかった。筒井議員は「大臣は(前秘書官の)メッセンジャーボーイなのか」と語気を強めて批判し、証拠資料を故意に無視しようとする農水相を前に「これでは質問はできない」と抗議して質問を中断した。
こうした経過をふまえて同日午後、民主党は国会内で自民党との国対委員長会談を開き、首相・全閣僚出席のもとでの予算委員会における集中審議を、25日に参院で、12月2日に衆院でそれぞれ行うことで合意した。大島農水相の前政務秘書官による口利き疑惑ほか、経済問題や北朝鮮による拉致事件などが取り上げられる。
「統一補欠選総括、22日の両院議員総会でまとめる」岡田幹事長代理
民主党の岡田克也幹事長代理は19日の定例記者会見で、10月27日の統一補欠選挙の結果に対する党としての総括について、「だいぶ形になってきた」との見方を示し、22日に開かれる両院議員総会での議論を踏まえて仕上げる意向を示した。岡田幹事長代理は「今まではかなり丁寧に詰めてきたが、(両院議員総会で)大いに議論していただきたい」とし、12月14日に行われる全国幹事長・選対責任者会議での議論も経た上で、1月の定期党大会へ向けて党方針を明確にしていく考えを明らかにした。
また党大会をめぐっては、「形式的な党大会ではなく、実質的な議論の場を党大会で充分確保したい」として、第1日目には全国会議員による議論の場を設け、第2日目午前は地方代議員・特別代議員の会議を開く考えを表明。従来はブロック代表だけを対象に行っていた来年度予算の説明などについても、47都道府県の代表に向けて行うなど、「説明責任を果たす党であることを党大会で示していく」と語った。
なお、通常火曜日に国会内で行われていた岡田幹事長代理の定例記者会見は、来週から党本部内に会場を移し、従来のように野党記者クラブ加盟社だけに限らず、スポーツ紙や外国プレスなど幅広いメディアに向けて公開する形で行うことになった。
ペイオフ再延期法案等、政府案を可決
衆議院財務金融委員会において19日、内閣提出の「預金保険法及び金融機関等の更正手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案」(ペイオフ再延期法案)および「金融機関の組織再編成の促進に関する特別措置法案」の締めくくり総括質疑と採決が行われた。民主党は、ペイオフ再延期法案に対して修正案を提出し、金融機関再編促進法案にも反対したが、採決の結果、賛成多数で政府案が原案通り可決された。
質疑に先立って、ペイオフ再延期法案に対する修正案の趣旨説明に立った古川元久議員は、政府案について「政策転換の説明責任を果たすことなくペイオフ凍結の2年間延長を決めた、小泉経済失政の象徴というべき法案」と喝破。中小企業への貸し剥がしなどをただ2年間放置するにすぎないペイオフ再延期を1年に抑えて金融危機克服に有効な措置を実施すること、一般預金の預け替えによる金融機関の資金繰り悪化を生みかねない決済用預金創設措置を削除すること、の2点を盛り込んだ修正案への賛同を呼びかけた。
3案一括して行われた質疑では、民主党からまず海江田万里政調会長がペイオフ再延期法案について質問。2004年度以降も無期限に全額保護される決済用預金の設置について、「こんな制度は世界のどこにもない」と指摘し、ペイオフを解禁しても普通預金が決済用預金に流れていけば効果は大きく減退し意味がなくなる、として両案の提出者に見解を求めた。
竹中金融・経済財政担当相が「金利がつかないなど、モラルハザードが生じないような仕組みをつくる」などと答弁したのに対し、民主党案提出者の五十嵐文彦議員は、「決済性預金だけが優遇されれば、安定的な融資ができなくなる恐れがある。ペイオフはそもそも、金融機関の破綻を限定的なものにとどめることで健全な銀行の預金者を保護するのが目的なのに、それが崩れてしまう」と政府案を批判した。
さらに海江田政調会長は、ペイオフが解禁される2年後には金融システムが安定していることを前提としているのだから、そもそも決済用預金の創設など“無用の長物”ではないか、と追及。竹中金融・経済財政担当相の「安心して決済できる仕組みを政府として持っていることは意味がある」などという苦しい答弁に対して、「ペイオフの2年延期と決済用預金を守ることとは切り離して考えるべきだ」と一喝した。
続いて質疑に立った五十嵐議員は、政府の金融危機対策の問題点をめぐって質問。銀行の資産査定における繰り延べ税金資産の資産性認定や産業再生機構による銀行債権の買い取りに当たって、大手金融グループ寄りのスタンスに陥る懸念を具体的に指摘し、クギを刺した。また、金融機関再編促進法案で健全行同士の合併に公的資金の注入が可能とされていることについて、「健全」の判断基準があいまいで悪用の恐れがある、と指摘。金融庁の藤原総務企画局長は、経営基盤強化計画の認定を要件とするとしたが、その内容は明らかにできなかった。
次に一括討論に移り、永田寿康議員がペイオフ再延期法案に対する修正案への賛成討論を行ったが、採決では及ばなかった。《民主党ニュース》