平成5058日目

2002/11/13

この日のできごと(何の日)

【イラク】国連決議を受け入れ

イラク政府は13日、イラクに対して大量破壊兵器の無条件、無制限査察廃棄を求めた国連安保理決議1441を受け入れ、ドウリ国連大使がアナン国連事務総長に受け入れの書簡を提出した。

同大使は「戦争の脅威からイラクと地域を守るためだ」と受け入れ理由を記者団に説明、無条件で決議を受け入れると表明した。

イラクが回答期限の15日までに受諾を表明したことで、米国などによる対イラク攻撃は当面回避されることになった。

決議はイラクに対し12月8日までに大量破壊兵器開発計画の申告を求めており、申告内容が当面の焦点となりそうだ。

国連安保理の議長国・中国の張義山国連次席大使は「今後はすべて決議に従った活動が行われる」と述べた。

受諾拒否ならば武力行使も辞さないとする米国の圧力に加え、アラブ諸国も決議の誠実な履行を迫る国際的孤立の中、イラクのフセイン大統領は、政権維持のため決議受諾の政治判断を下したとみられる。

国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)の査察団先遣隊は18日にバグダッド入りする予定で、4年ぶりの査察活動再開に向けた作業が本格化する。《共同通信》

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【東京株式市場】

13日の東京株式市場は11月の月例経済報告が景気判断を下方修正したことなどを背景に景気先行きに不安感が広がり、日経平均株価(225種)は反落。終値は前日比26円25銭安の8438円52銭と10月10日に付けた終値でのバブル崩壊後の最安値(8439円62銭)を約1カ月ぶりに更新した。

企業業績懸念やイラク情勢緊迫化を受けた売り圧力が強く、前日に続き当面の節目とされる8400円を割り込む場面もあった。

東証株価指数(TOPIX)も反落、3.19ポイント安の836.43とバブル後最安値(835.61)に迫った。出来高は約6億2600万株。

総合建設(ゼネコン)株で株価が一けたまで下落する銘柄が出るなど今年の最安値を更新する銘柄が続出。大手銀行も軒並み売られ、不良債権処理の本格化に伴う企業整理への思惑も顕在化、一時は小康状態を保ってきた株式市場はここへきて再び視界不良になってきている。《共同通信》

【日本カー・オブ・ザ・イヤー】

自動車専門誌などが運営する日本カー・オブ・ザ・イヤー実行委員会は13日、今年のカー・オブ・ザ・イヤーにホンダの乗用車「アコード」と「アコードワゴン」を選んだ。高速道路で前方の車との車間を自動的に保ったり、車線を維持する新開発のシステムを搭載するなど、安全性を高めたことが高く評価された。ホンダは2000年の「シビック」、01年の「フィット」に続き、3年連続の受賞。《共同通信》

【プロ野球】FA交渉解禁

プロ野球でフリーエージェント(FA)宣言した選手が国内外の球団と交渉可能になった13日、大リーグ挑戦を宣言している松井秀喜外野手は、日米野球出場のため滞在していた大阪市内で会見。「じっくり考えて結論を出したい」と語るにとどまった。

金本知憲外野手は広島市内のホテルで阪神との交渉に臨み、入団に前向きな姿勢を示した。15日には星野監督も同席して阪神の秋季キャンプの宿舎となっている岡山市内のホテルで再度交渉するが、早ければその場で阪神入りを伝えるものとみられる。

阪神から4年12億円の提示を受けた金本は「結論はまだ出ていませんけども、前向きに考えていきたい。星野監督の情熱で決まるかもしれない」と語った。

中村紀洋内野手は大阪市内のホテルで近鉄の足高圭亮球団取締役との交渉に臨み、6年総額30億円以上の条件提示を受けた。今後、他の球団からも交渉を続けるとみられ、結論は出さなかった。

約2時間の交渉を終えた中村は「球団の誠意は伝わってきた。満足のいく数字。今まで日本にないような数字の提示を受けたと思っている」と言い、他の球団との交渉については「楽しみであり、不安です。簡単には結果は出ない」と話した。(金額は推定)《共同通信》

【大相撲】

大相撲九州場所4日目(13日・福岡国際センター)全勝は横綱武蔵丸と大関朝青龍の2人になった。武蔵丸は北勝力を危なげなく押し出し、朝青龍は小結隆乃若を寄り切った。残る大関は千代大海が関脇琴光喜を、武双山は土佐ノ海をそれぞれ寄り切り1敗を堅持した。隆乃若と琴光喜は2勝2敗。かど番の栃東は貴ノ浪の右小手投げに屈して3敗目を喫した。魁皇は右上腕のけがでこの日から休場。不戦勝の小結旭天鵬は2勝目。《共同通信》

【衆院外務委員会】

安倍晋三官房副長官は13日の衆院外務委員会で、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による日本人拉致事件に関連し、帰国した被害者5人や家族の永住帰国のための政府、関係自治体などによる「総合支援策」を今週中にも取りまとめる方針を示した。《共同通信》

【小泉純一郎首相】抵抗勢力に自信

小泉純一郎首相は13日夜、都内のホテルで自民党の中川秀直氏ら与党3党国対委員長と会談し、今後の政権運営に関連して「私は政策をよく知っていると思われがちだが、政局が得意なんだ。政局で一歩も引いたことはない。必ず戦ってきた」と述べ、抵抗勢力との対決に自信を示した。自らの「公約」が与党内の抵抗でつぶされた場合には衆院解散・総選挙も辞さない決意をにじませたとの受け止め方も出ている。

首相は「国会には大きな無駄がある」として、衆院と参院でそれぞれ行われる首相の所信表明演説や国会図書館長の高額な給与などを具体的に挙げ、国会改革を要請した。3党国対委員長も所信表明の一本化などを検討する考えを示した。《共同通信》

【北朝鮮】生物兵器保有を明言

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の姜錫柱第一外務次官がケリー米国務次官補(東アジア・太平洋担当)との米朝高官協議で、生物兵器の所有を明言していたことが明らかになった。政府関係者が13日夜明らかにした。

北朝鮮は炭疽菌、天然痘ウイルスや有機化学剤を使った兵器を保有していると指摘されていたが、政権中枢の高官が所有を公言したのは初めて。

北朝鮮は既に高濃度の濃縮ウランを用いた核兵器開発を進めていることが判明しているが、新たに生物兵器の存在が明らかになったことで、政府は日朝間で合意した「安全保障協議」で、保有状況の説明や廃棄、査察の受け入れなどを強く求める方針だ。《共同通信》

【アフガニスタン】タリバン撤退1年で式典

イスラム原理主義勢力タリバンが首都カブールから撤退して13日で1年を迎えたアフガニスタンでは、各地で記念式典が開かれた。

カブールでの式典では、イスラム教シーア派であることを理由にタリバンから差別を受けたハザラ人のハリリ副大統領が「米軍の空爆だけではタリバンを打ち負かすことはできなかった。われわれアフガン人が戦ったからこそ放逐できた」と強調。ファヒム副大統領は「タリバン撤退はテロに対する歴史的勝利だ。今後は国内で平和と和解を目指そう」と呼び掛けた。

一方、北部ジョージャン州シェベルガーン近郊では同日、ウズベク人指導者ドスタム将軍が、タリバンが北部を支配した1998−2001年に殺害され、集団墓地などに葬られていたウズベク人兵士らの遺体約200体を掘り起こし、あらためて埋葬するセレモニーを実施した。《共同通信》

【MLB】

米大リーグの優秀な守備選手を対象にしたア・リーグの「ゴールドグラブ賞」が13日発表され、外野手部門でイチロー外野手(マリナーズ)が選出された。イチローは日本人選手で初の受賞だった昨年に続き、2年連続となった。

米大リーグ、レンジャーズの伊良部秀輝投手(33)が13日、自由契約となった。レンジャーズが公式ホームページ(HP)で明らかにした。HPによると、球団側は伊良部側が自由に移籍先を探すのを可能にする手続きを取っている。

伊良部は今季途中、先発からリリーフ役に転向。チーム最多の16セーブ(3勝8敗)をマークしたが、7月中旬に遠征先で胸の痛みを訴えて緊急入院。肺付近の動脈に血栓(血の塊)ができていたことが明らかになり、治療のため以降、登板できなかった。《共同通信》

【この日の民主党】

「天下りと談合を今こそなくす時」鳩山代表

民主党の鳩山由紀夫代表は13日の定例記者会見で、公正取引委員会が日本道路公団OBの天下り先になっているファミリー企業4社に独占禁止法違反で排除勧告を行ったことに触れ、「小泉首相は天下りや談合の問題に何も手を下していないが、これらこそ日本の景気の足を引っ張っている遠因だ」と改めて指摘した。

12日の排除勧告は、4社が道路公団が発注する道路保全土木工事の入札で談合を繰り返していたことに対するもの。公取委は、その他のファミリー企業27社に対しても、談合を繰り返していた疑いがあるとして警告している。

鳩山代表は、「(今回の勧告は)繰り返される官製談合の存在を公取委がようやく初めて認めたもの。まさに、亡くなった石井紘基議員の執拗な追及が実を結んだものでもある。彼が言っていた“日本のベルリンの壁”を撤去していかなければならないという思いを新たにした」と感想を述べるとともに、天下りと談合こそ景気の足を引っ張っている遠因でもあり、日本からなくさなければならない、と強調した。

会見では、1年振りに基調判断を下方修正した政府の月例経済報告についても言及。「半年前に“景気は底入れした”などと宣言したのがまったくのウソだったことが証明された。小泉政権の経済失政がまさに浮き彫りになった」として、国会で厳しく論戦を挑む意向を示した。さらに北朝鮮拉致問題で、被害者の松木薫さんの遺骨が鑑定によってほぼ別人の物であると判明したことについて、「政府は北朝鮮に対して激しく抗議し、全容解明のために努力するよう求めるべきだ」と述べた。

また鳩山代表は、人権擁護法案への対応をめぐる記者の質問に答えて、4野党の協力で政府提出3法案(武力攻撃事態法案、個人情報保護法案、人権擁護法案)の成立を阻止する方針を明らかにした。

谷議員、ひとり親家庭への実効ある支援求める

13日、参議院本会議で内閣提出の「母子及び寡婦福祉法等の一部を改正する法律案」に関する質疑が行われ、民主党・新緑風会の谷博之議員が坂口厚労相はじめ関係大臣への質問を行った。

谷議員はまず、母子家庭の平均年収はわずか194万円と一般世帯の36%足らずであり、生活保護基準以下の年収しかない母子家庭が約半数に達するにもかかわらず、実際に保護を受けているのはそのうちの8.5%にすぎないという深刻な現状を改めて確認。自力で生活したいという女性たちに、就業の機会を提供し、あわせて育児面でサポートする「自立支援」を行うことこそ、母子家庭への支援の基本だと提起した。

その上で谷議員は、支援のあり方については当事者の意見を尊重することが不可欠だとし、法案の基になっている厚労省の『母子家庭等自立支援対策大綱』の策定過程で当事者の意見聴取を充分行ったかを坂口厚労相に質問。また、支援の直接の担当者である自治体との意見交換がなされないまま法改正が行われようとしていることを批判した。

坂口厚労相は、各地の福祉団体や母子家庭の団体からヒアリングを行ったことを紹介したが、自治体との連係については「今後、密にしていきたい」と述べるにとどまった。

また谷議員は、与党3党が主張している児童扶養手当の削減をめぐって「一言で言えば財政難だから手当の額を削減するという話であり、この方針を踏まえて出された児童扶養手当法改正案第13条の2は財政面からの予算削減措置に他ならない」と指弾。しかも、支給開始5年後の削減措置は議論が不十分で問題点も多いとし、「ただちに撤回し、法案から削除するべきだ」と要求した。

さらに谷議員は、ひとり親家庭への子育て支援に欠かせない保育サービス実施の停滞、父子家庭対策の遅れなども指摘し、「手当の削減よりも先に、まずは実効性のある就労支援と育児支援を行うべきだ」と強く訴えて質問を終えた。

40歳未満のC型肝炎検診実施へ、厚労相が表明

坂口厚生労働相は12日、民主党が中心になって要求してきた40歳未満のC型肝炎検診について、「全国の保健所を利用して実施できる体制をつくっていきたい」と表明した。

40歳未満のC型肝炎検診については、老人健康診断でのC型肝炎検査が40歳以上の人だけを対象に行われているにすぎない現状は問題だとして、民主党の家西悟衆議院議員らが繰り返し厚労省に実施を要求してきた。家西議員は、1日に行われた衆院厚生労働委員会の質疑でも、「非加熱のフィブリノゲン製剤の最終使用期限を考えると13歳、加熱製剤に界面活性の不活化処理を導入した時期で考えると8歳、輸血においてNAT検査が導入された時期を考えれば3歳の人たちが(検査の)対象となるはず」と追及。これに対して厚労相は、「専門家の意見を聞いて検討していきたい」と答弁していた。

新たに実施される検診では、患者の費用負担など詳細はまだ未定だが、厚労省では老人保健検診なみの検査を検討している模様。家西議員は今回の厚労相の実施表明について「厚労省が腰を上げてくれたことは一歩前進。しかし、患者に対する医療体制はいまだ不十分であり、治療環境の整備は手つかずの状態だ。肝炎感染患者の福祉と医療の向上に向けて、さらに努力したい」と語っている。《民主党ニュース》



11月13日 その日のできごと(何の日)