平成5037日目

2002/10/23

この日のできごと(何の日)

【モスクワ劇場占拠事件】

モスクワ中心部の劇場「国営ベアリング工場文化宮殿」に23日午後9時ごろ、ロシアからのチェチェン共和国独立を求めるイスラム武装勢力とみられる約40人が押し入り、ミュージカルの観客や団員ら約700人以上を人質に立てこもった。

犯人は外国人や子供など40人から百数十人を順次解放。タス通信は24日早朝の段階で、人質500人以上が残っていると報じたが、情報は混乱している。モスクワ市警察当局は人質は全員無事と述べた。

犯人らは武装勢力系サイトでチェチェンでのロシア軍の作戦停止とともに、1週間以内の撤退を要求する犯行声明を出し、受け入れられなければ劇場を爆破すると警告。全員が死ぬ覚悟で、攻撃を受けた場合も爆破すると主張した。

劇場周辺で散発的に銃声が響いているが、周囲との治安部隊との間で銃撃戦は起きていない。

チェチェン系のアスラハノフ下院議員やハズブラートフ元ソリア最高会議議長が電話などで犯人との交渉を試みている。しかし、交渉は難航しているもよう。犯人側がロシア政府任命のチェチェン系の人物で、チェチェン共和国行政政府代表を務めるカディロフ氏と引き換えに、人質のうち50人を解放すると主張したとの情報もある。

交渉に関与しているグトゴフ下院安全保障委員会副委員長は「人質が殺害されなければ、劇場を攻撃はしない。解決まで数日を要する可能性がある」と述べたが、展開次第では多数の犠牲者が出る恐れもある。

モスクワの日本大使館によると、観客に日本人がいたとの情報はない。

チェチェン武装勢力は、テロ組織アルカイダとの関係も指摘されている。

解放された人質によると、覆面をした犯人が舞台で銃を上に向けて発射。劇場の廊下が血に染まっているとの情報もあるが、犯人は観客の携帯電話を没収しており、内部の詳しい状況は不明。劇場の柱には爆発物がくくりつけられているという。

プーチン・ロシア大統領は事態を重視し、24日からのドイツ、ポルトガル訪問を中止。カシヤノフ首相のほか治安関係閣僚を招集した緊急対策会議を開いた。《共同通信》

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【J1】

Jリーグ1部(J1)第2ステージ第10節第1日(23日・カシマスタジアムほか=7試合)前節まで1位の浦和が鹿島に敗れ、同2位の磐田が広島に勝ったため首位が交代した。第1ステージ優勝に次ぐ初の両ステージ制覇を目指す磐田は中山が決勝ゴールを奪い1−0で広島を下し、勝ち点22で再び首位に躍り出た。磐田はリーグ通算200勝を達成。浦和は1−2で鹿島に敗れて第2ステージ初黒星を喫し、勝ち点21のままで2位に後退した。G大阪は3−0で東京Vに快勝して3連勝し、首位から勝ち点2差の3位に浮上。敗れれば2部(J2)降格が決まる札幌は1−0で市原を下して今ステージ初勝利を挙げ、今節は踏みとどまった。《共同通信》

【ボクシング・辰吉丈一郎選手】12月に復帰戦

前世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級チャンピオンの辰吉丈一郎(32)=大阪帝拳=は23日、大阪市都島区の同ジムで会見し、12月15日に大阪府立体育会館で元世界ボクシング協会(WBA)フライ級王者のセーン・ソー・プルンチット(タイ)と10回戦を行うことを発表した。

辰吉にとっては1999年8月29日以来、約3年4カ月ぶりの復帰戦。その後、3度目の世界王座返り咲きを目指すことになる。

辰吉は左目網膜剥離(はくり)を患いながら、97年11月に2度目の王座復帰。98年12月にウィラポン・ナコンルアンプロモーション(タイ)にKO負けして王座から落ち、99年8月に同選手に挑戦したが、TKO負けして引退を表明していた。辰吉の戦績は24戦17勝(12KO)6敗1分け。《共同通信》

【北朝鮮による日本人拉致事件】

地村さん、浜本さん、婚姻届提出

北朝鮮から郷里の小浜市に帰郷中の地村保志さん、浜本富貴恵さん=ともに(47)=が23日、同市役所に婚姻届と3人の子供の出生届を提出した。書類は法務省の審査を経て即日受理され、同日夜に一家5人の新しい戸籍が出来上がった。地村さんと富貴恵さんは北朝鮮に拉致された翌年の1979年に再会して結婚。現在一女二男の子供がいる。

小浜市などによると、新しい戸籍住所は地村さんの自宅がある同市飯盛で、3人の子供はいずれも日本名で登録された。出生証明書のない出生届が即日で受理されるのは異例。

地村さんはこの後開かれた記者会見で「日本の家族、親類の同意と祝福の下に、法的にも夫婦として認められた。主人としての役割を果たしていかなければ、という責任感で胸がいっぱい」と語った。《福井新聞》

拉致被害者5人の滞在延長を北朝鮮と調整へ

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による拉致被害者の家族でつくる「家族連絡会」(横田滋代表)は23日午前、都内のホテルで安倍晋三官房副長官、中山恭子内閣官房参与らと相次いで会い、一時帰国している新潟県柏崎市の蓮池薫さん(45)ら5人を北朝鮮に戻さないよう求めるとともに、5人の日本滞在中に子どもら家族全員の帰国を求める申し入れ書を提出した。

これを受け、政府は5人の滞在期間を延長するとともに、子どもら家族全員の帰国実現に向け、北朝鮮との調整作業に着手した。小泉純一郎首相は「ご家族の意向をどうやって実現するか、努力していく」との決意を表明。近く中山参与らが本人に滞在延長の意思を確認する。《共同通信》

【参院本会議】

小泉純一郎首相は23日午後の参院代表質問で、不良債権処理加速策の中間報告案公表を先送りしたことについて「過程でいろいろな議論があるが混乱しているとは思っていない。予定通り処理を加速させる。今月中に総合的な対策をまとめる」と述べ、不良債権処理を急ぐ方針に変わりはないことを強調した。

竹中平蔵全融・経財相は「政府内の議論や与党との意見交換で、関連するセーフティーネット(安全網)などの政策と一体化して公表する方が市場、国民へのメッセージとしてはよいのではないかと判断した」と述べた。

首相は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化交渉について「核開発計画を破棄することが必要だ」と述べ、交渉で計画破棄を北朝鮮に強く働き掛けていく考えを示した。

二大政党制を前提とした政界再編を行うべきだとの指摘に大使、首相は「小選挙区制度で二大政党制につながらない場合もある。制度だけでなく、国民の意識に大きく左右される」と述べ、国民の選択に委ねる考えを強調した。

道州制については「地方分権に絡んで大いに議論されるべきだ。関心を持っている」と述べた。《共同通信》

【山本夏彦さん】死去

辛口のコラムニストとして知られる山本夏彦氏が23日午前、胃がんのため東京都中央区の病院で死去した。87歳。東京都出身。

1951年、出版社「工作社」を設立し、55年にインテリア雑誌「木工界」(のち「室内」と改題)を創刊、長く編集兼発行人を務めた。また、作家安部譲二氏らを発掘した。

週刊新潮の「夏彦の写真コラム」など雑誌、新聞に軽妙、辛らつなコラムを執筆。84年「現代希少のコラムニスト」として菊池寛賞を受賞した。主な著書に「私の岩波物語」「戦前という時代」「無想庵物語」(読売文学賞)など。《共同通信》

【この日の民主党】

「安心できる社会保障を」朝日議員が代表質問

民主党の朝日俊弘参議院議員は23日、参議院本会議で小泉首相の所信表明演説に対する代表質問に立ち、「社会連帯の絆としての社会保障」の基本認識を質した。

朝日議員は質問の冒頭、昨日予定されていた不良債権処理の加速策の中間報告が中止されたことについて、「昨日の混乱が株価にもはね返っている。どのように対処するのか」と首相、竹中金融担当相に質した。首相は「混乱しているとは思っていない。今月中に不良債権処理の加速策を含めて総合対策をまとめる」と強弁し、竹中金融担当相も「できれば中間報告をということ。とりまとめは今月中に最終報告として公表する」と答弁。昨日の混乱が国民と市場からの信頼を失わせ、ますます政治不信を拡大させたことには、何ら言及することもなく、無責任ぶりを改めて示した。

続いて朝日議員は首相の基本姿勢について「掛け声・アジテーションを繰り返しているが、無策ぶりをごまかそうとするものだ」と厳しく批判した。首相はこれに対して「掛け声とおり改革は進んでいる」と開き直った。

朝日議員は「1995年に公表された社会保障制度審議会の勧告『安心して暮らせる21世紀の社会を目指して』を思い起こす必要がある」と述べながら、社会保障制度に対する首相の基本認識を質した。首相は「サービスの裏には負担がある。国民的議論のうえに持続可能な制度を」と抽象論を述べるに留まり、国民の不安に応えようとはしなかった。

朝日議員は、医療、介護、年金、雇用についても質問したが、首相は抽象論に終始。坂口厚労相も「医療の質の向上、ニーズに合った介護サービスに努める。年金については今年内にいくつかの案を示して、議論していただく。雇用保険は就労の多様化に対応できるよう11月中に最終結論を出す」と答えるに留まり、担当大臣として、安心して暮らせる社会をつくるとの意欲を感じさせない答弁だった。《民主党ニュース》



10月23日 その日のできごと(何の日)