平成5027日目

2002/10/13

この日のできごと(何の日)

【北朝鮮による日本人拉致事件】

安倍晋三官房副長官「生存者の自由意思で永住も」

安倍晋三官房副長官は13日朝の民放テレビ番組で、15日に迫った北朝鮮による拉致事件の生存者帰国に関連し「(生存者の)家族が帰ってきて自由な意思が表明できる状況になった上で、本人の意思に沿って(日朝間を)行き来できる。こちらにずっといることが決まっていく」と言明。生存者家族の帰国を早期に実現させ、本人の自由な意思表示が担保される状況をつくり、永住希望などに応じていく考えを示した。

また「今回は一時帰国だが、本人たちは日本人で日本は自由な国だ。(本人が希望すれば)『あなたたち(北朝鮮に)帰りなさい』とは政府として言えない」と指摘。生存者5人が今回の帰国で滞在延長などを求めた場合は、政府として柔軟に対応していく考えを示した。

米朝高官協議の不調により、具体的な進展に懸念の声も出ている核、ミサイルなどの安全保障上の問題では「国際的な圧力を高めて交渉の場で迫っていく」と強調。日米間でさらなる緊密な連携を取りながら、日朝安全保障協議だけでなく国交正常化交渉の場でも問題提起していく考えを示した。《産経新聞》

家族が上京

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致された被害者5人の一時帰国を出迎えようと家族たちが13日、上京。期待や不安が入り交じった心境を語った。

新潟県柏崎市で拉致された蓮池薫さん(45)の父秀量さん(75)は13日朝、自宅の庭でテニスコートのラインをひいてきた。「早く一緒にテニスがしたい」という一方で「顔を見るのも怖い気がする」と思いは複雑。

一緒に拉致された奥土祐木子さんの父一男さん(75)は収穫したコシヒカリの新米を精米して待っている。「怖い思いもしただろうし、24年間、本人にしか分からない苦労をしただろう。ねぎらってやりたい」と切々と語った。

結婚した2人の間にいる21歳と18歳の子供の話になると「向こうでつき合っている人もいるかもしれないし(連れ帰るのは)大変だな」と親同士で顔を見合わせた。

「何も考えずにゆっくり休めと言いたい」と言うのは福井県小浜市から拉致された地村保志さん(47)の父保さん(75)。「おう、帰ったか。ご苦労やったな、病気せなんだか」となるべく軽い気持ちで迎えるつもりだ。

一緒に拉致された浜本富貴恵さん(47)の兄雄幸さん(73)は「会った瞬間にわたしの気持ちがどうなるのか、今は分からない」と再会の時に思いをはせた。

新潟県佐渡島から連れ去られた曽我ひとみさん(43)の妹金子富美子さん(37)は「早く会って、お帰りなさいと言いたいです」と待ち切れない思いを語った。

死亡したとされる被害者の家族も当日は一緒に出迎える予定だ。有本恵子さん=失跡当時(23)=の母嘉代子さん(76)は「生存者5人に娘の写真を見せ消息を尋ねたいが、そっとしておいてあげたいとも思う」と話した。《共同通信》

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に拉致され生存が確認された5人が15日午後、羽田着のチャーター機で一時帰国し、家族と約24年ぶりに再会する。5人は都内のホテルで家族と過ごした後、17日にそれぞれの故郷へ向かう予定。帰国受け入れチームの斎木昭隆外務省アジア大洋州局参事官が13日午後、首相官邸で記者会見し、帰国後の日程を発表した、日本政府は2週間程度の滞在にしたいとしている。

一時帰国するのは1978年に本県小浜市で拉致された地村保志さん(47)と浜本富貴恵さん(47)、新潟県で事件に遭った蓮池薫さん(45)、奥土祐木子さん(46)の4人と、新たに拉致被害者と判明した佐渡島出身の曽我ひとみさん(43)の5人。

小浜市の2人を出迎えるため保志さんの父、保さん(75)と兄の広さん(49)、富貴恵さんの兄、雄幸さん(73)と七郎さん(50)は13日昼前、JRで東京駅に到着した。午後に都内で開かれた家族連絡会の会合に出席、帰国時の日程などを確認した。《福井新聞》

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【F1】

自動車のF1シリーズ最終戦、日本グランプリ(GP)は13日、三重県鈴鹿サーキット(1周5.821キロ)で53周の決勝を行い、佐藤琢磨(ジョーダン・ホンダ)が1時間28分22秒392(平均時速200.328キロ)で自己最高の5位に入り、初の入賞を果たした。日本ドライバーの入賞は1997年のハンガリーGPで6位に入った中野信治以来。

ミヒャエル・シューマッハー(ドイツ、フェラーリ)が1時間26分59秒698(平均時速212.644キロ)で今季11勝目。通算64勝目を飾った。M・シューマッハーは史上初のシーズン全戦表彰台に立つ偉業を達成した。2位はルーベンス・バリチェロ(ブラジル、フェラーリ)が入った。

国内初レースのトヨタはミカ・サロ(フィンランド)が8位に入ったのが最高。完走は11台。《共同通信》

【海上自衛隊】国際観艦式

米国、ロシアなど海外11カ国の海軍が参加した海上自衛隊主催の国際観艦式が13日、東京湾で行われ、小泉純一郎首相が観閲した。首相は「昨年9月の米中枢同時テロにより、国際テロの脅威が現実のものとなった。海上自衛隊は遠くインド洋においてテロ根絶に向けた活動に積極的に貢献している」と補給艦の給油など自衛隊による米英軍への支援活動を評価した。

また、昨年12月に東シナ海に沈没した朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の工作船事件や今年6月に黄海で起きた南北朝鮮の銃撃戦に触れ「東アジア情勢は依然として予断を許さない」と指摘した。

国際観艦式は海上自衛隊創設50周年の記念行事で自衛隊艦船48隻、ロシアの潜水艦、チリの帆船など海外17隻の艦艇が東京湾・羽田沖に集結した。《共同通信》

【衆参統一補選】与党3党首の訴え「ちぐはぐ」

衆参統一補欠選挙のファーストサンデーとなった13日、小泉純一郎首相ら与党3党首は大阪府高槻市でそろい踏みした。首相、公明党の神崎武法代表、保守党の野田毅党首の3人は街頭演説で与党の結束を強調。

しかし、神崎、野田両氏が補正予算編成など大胆な経済政策の必要性を訴えたのに対し、首相は「国会で3兆、4兆の補正を組めとの声が出ているが、税金を使わないで民間の力を最大限発揮させるのが政府の役割だ」と難色を示し、経済政策でちぐはぐさが目立つ結果になった。

株価急落の経済情勢をめぐり、神崎氏は「補正を含め柔軟かつ大胆な経済対策をとらなければならない。小泉首相も必ずそういう対応をしていただけると確信している」、野田氏も「不良債権処理と同時にしっかりしたデフレ対策を講じるべきだ。連立の力を発揮できるようにしないと苦境は乗り越えられない」とそれぞれ注文。

だがこれを受けた小泉首相は「今までのやり方は通じない」と素っ気ない「返事」に終始した。《共同通信》



10月13日 その日のできごと(何の日)