平成4989日目

2002/09/05

この日のできごと(何の日)

【長野県・田中康夫知事】再選後初登庁

「県民が議会の不信任を“不信任”した」。知事選で再選され5日初登庁した田中康夫知事は、82万票余の得票を背景に自身の改革路線に強い自信をみせ、職員にも「身を削って改革に取り組んでほしい」と求めた。その2期目は、ダム問題をはじめ課題が山積する一方で、この日花岡勝明出納長が「区切りを付けたい」として辞職願を提出するなど、県職員内に激動の余波も残る中でのスタート。一期目の課題だった「職員との理念の共有」は「民意」の後押しで大きく進むのかどうかも、県政の行方を左右する。

「じゃあ、握手を…」。午前10時、再選後初の部局長会議に臨んだ田中知事。笑みを浮かべながら、だ円形のテーブルを回り、部局長一人ずつと握手して回った。

1年10カ月前。1期目の初登庁で見られたような、県政運営の理念をめぐる部局長との激しいやりとりや「名刺折り」のような事件はなく、会議は淡々と終わった。

1期目の田中県政は、県職員との「摩擦」がしばしば表面化した。人事をめぐり総務部長(当時)が知事を批判し、ダム問題をめぐり土木部長(同)が県会で知事と異なる見解を述べ、紛糾する場面もあった。

ただ、自身の「県政改革」への信任を訴えた選挙で田中知事は、対立候補に大差を付け再選、新たに4年間の任期を得た。「知事の庁内での求心力は一気に高まるのではないか」。課長の一人は民意には従わざるを得ない、との立場を話す。

そうした見方を自覚するように、知事もこの日、職員に対するあいさつで「どんなに高性能の飛行機でも、離陸時には体に力がかかる」と述べ、さまざまな改革を進めるために一定の混乱や「痛み」は避けられないとの考えを強調した。

この日午後4時すぎ。知事に辞職願を提出した花岡勝明出納長は「二期目のスタートは盤石な体制。改革にまい進してほしい」と淡々と話した。吉村元知事時代に総務部長など主要幹部を務めた花岡氏は、田中知事の初当選後、職員の取りまとめ役的な役割も担い、特別職の出納長に就任。ただ、庁内では、知事の県政運営には一定の距離を置いてきたとされる。

知事が2期目の公約として掲げた「こわす」から「創る」の実現には、県庁組織や個々の職員の力を最大限発揮させることが不可欠だ。民意の追い風を、どう職員との対話や意識改革、緊張感につなげていけるか―。後任の出納長人事も含め、知事の手腕が問われる。《信濃毎日新聞》

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【経団連・奥田碩会長】ペイオフ全面解禁延期を

日本経済団体連合会の奥田碩会長は5日、札幌市で記者会見し、株価下落など経済情勢の悪化に配慮してペイオフの全面解禁を延期し、来年4月以降も普通預金の全額保題を継続すべきだとの考えを、初めて公式に表明した。

政府は個人や企業が決済に使う新型預金を創設し、ペイオフの例外とする方針だが、奥田会長は、「個人も企業もいくら運転資金が必要か、算定が難しい。そんなことをするより今のままでいい」と述べ、新型預金導入に反対した。

日本経団連は10月をめどに、ペイオフ解禁に対する見解を取りまとめる予定だが、奥田会長の解禁延期の意向が反映するのは必至。中小企業を会員とする日本商工会議所も全面解禁反対を表明している。政府は強まる経済界の反対論で厳しい対応を迫られそうだ。

奥田会長は「景気が回復軌道に乗っていることなどが(全面解禁の)条件だが、株がこれだけ下がり、地方では資金の移動も起こっている。こういう状況では現行通り(の保護)でいい」と説明した。

最近の株価下落については「このままでは金融システムが崩壊したり、機能しない面が出てくる」と強い懸念を示し、証券税制の簡素化を求めた。《共同通信》

【衆院予算委員会】鈴木宗男議員を告発

衆院予算委員会(津島雄二委員長)は5日午後、鈴木宗男衆院議員(54)=受託収賄罪で起訴=を議院証言法に基づき、偽証容疑で告発することを全会一致で議決した。同日午後、津島委員長名で最高検に告発状を提出し受理された。《共同通信》

【政界談話室】

○・・・社民党の福島瑞穂幹事長は5日、東京・JR渋谷駅前で開いた「世直しキャンペーン」の出陣式であいさつした。「自民党政治は憲法、国民生活を壊している。『小泉純一郎首相が就任してやったことは息子を俳優にしたことだけ』と言う人もいる」と、小泉政権をばっさり。返す刀で、民主党を「代表選 おれもおれもで まとまらず」と自作の川柳で皮肉った。日朝首脳会談や民主党代表選などの話題の陰に隠れがちな社民党。存在感を発揮するための材料探しに苦労している様子。《共同通信》

【民主党代表選】公開質問会

民主党代表選に立候補する鳩山由紀夫代表、菅直人事長、横路孝弘前副代表、野田佳彦氏の4人は5日夜、都内で開かれた市民団体主催の「市民が質す公開質問会」にそろって出席し、経済問題などに関する所信を表明した。この中で、小泉内閣の構造改革について「やれることをやらないのが小泉改革」(菅氏)、「いつも現在進行形にしておいて、改革ができるかもしれないという幻想を振りまいている」(野田氏)などと批判が相次いだ。

憲法改正問題では、鳩山、野田両氏が「政権を取ったら憲法改正の議論を発議して大いに議論していきたい」(鳩山氏)などと積極的な姿勢を示したのに対し、横路氏は「憲法に問題があるのではなく、憲法が目標として掲げていることを具体化する努力を怠ってきたことに問題がある」と慎重な姿勢を示した。《共同通信》

【アフガニスタン大統領暗殺未遂事件】

AP通信によると、アフガニスタン南部のカンダハルで5日、カルザイ大統領がカンダハル州のグルアガ知事の公邸を車で出発したところ、護衛1人が発砲した。大統領は無事だったが、知事が負傷、大統領を警護する米国人の警備要員が反撃、3人が死亡した。3人の身元は不明。

知事の弟によると、知事は首にけがを負い米軍の治療を受けている。CNNは知事を狙った犯行の可能性もあると伝えた。大統領は弟の結婚式出席のためカンダハルを訪れていた。

これとは別に、首都カブール中心部で同日午後、大きな爆発があった。警察当局者によると、子供を含む10人以上が死亡、50人以上が負傷した。ロイター通信によると、死者は少なくとも22人との情報がある。

昨年12月にカルザイ暫定政権が発足して以来、カブールでの爆弾テロ事件としては最悪の惨事。目撃者によると、道路に駐車中のタクシーが爆発した。治安当局者は、「アルカイダなどのテロ組織による犯行だ」と述べた。

現場は情報・文化省の近くで、ホテルや小規模の商店が密集した地域。付近に駐車していた車が爆発で横転し、建物の窓ガラスは軒並み割れた。

目撃者によると、まずタクシーの近くで小さな爆発があった。けが人などはなかったが、約5分後、やじ馬が集まってきたところでタクシーが爆発した。治安当局は2つの爆発とも計画的なものとみている。

現場は当時、買い物客や勤務先から帰宅する人々でにぎわっており、逃げ惑う人々で一時、騒然となった。

カブール周辺では、8月から国連職員の宿泊施設などで小規模の爆発が頻発。9月1日にもカプール北方のバグラム空軍基地前や旧ソ連大使館前で爆弾や地雷が相次いで爆発し、計5人が死亡した。治安当局はアルカイダのほか、カルザイ政権批判を強めているヘクマティアル元首相派による犯行の可能性もあるとみている。《共同通信》

アフガニスタンのアブドラ外相は5日、記者団に対し、カンダハルで起きたカルザイ大統領暗殺未遂事件は、テロ組織アルカイダの仕業である可能性があると述べた。

同外相は「アルカイダか、その分子が背後にいる可能性がある」と語った。また、カブールで発生した爆弾テロについても、アルカイダが実行したと指摘。この日の大統領暗殺未遂と爆弾テロは、アルカイダのようなテロリストのネットワークが今も活動している証拠だと述べた。《時事通信》

【この日の民主党】

イラク問題で首相官邸に申し入れ

5日夕、民主党の岡田克也政策調査会長および伊藤英成ネクストキャビネット(NC)外務・安全保障相は首相官邸を訪ね、イラク問題に関して小泉首相へ申し入れを行った。官邸側は福田内閣官房長官が対応した。

申し入れは、ブッシュ政権がイラクに対し、大量破壊兵器の開発・貯蔵疑惑、テロ組織アルカイダとの協力関係等を理由に武力攻撃の実施を示唆する発言を繰り返していることに対して、日米首脳会談で自制を求め、武力攻撃に際しては新たな国連安保理決議が必要であることを主張するよう首相に要請するもの。

申し入れ書を受け取った福田官房長官は、「先日、アーミテージ国務副長官が来日した折りも、アメリカは、まだ最終的な対応を決めていないという説明だった。民主党の主張はもっともであるが、現時点で立場を表明することは避けたい。総理には、民主党の意見の趣旨を伝える」などと釈明し、「アメリカへの意見の表明は任せてほしい」と続けた。

これに対し、岡田政調会長から「核査察を求める手段としても、脅しのようなやり方はどうか。法律の適用等、日本の関与のあり方も慎重にすべきだ」との意見が出され、伊藤NC外務・安保相も「アメリカ政府関係者との会合で、万一アメリカによる武力行使という事態となる場合でも、現状では、日本として軍事力による協力が困難なことを伝えた。中東のイスラエル・パレスチナ情勢も考慮すべき」と指摘した。福田官房長官は、イラクの査察受け入れの重要性を指摘しつつ、アーミテージ国務副長官の説明や、アメリカ議会等の状況を紹介することに終始し、民主党の主張の正当性を暗に認めるかたちとなった。

[衆院予算委]鈴木宗男議員の偽証告発を全会一致で議決

5日、衆議院予算委員会は、鈴木宗男議員を議院証言法に基づき、偽証容疑で告発することを全会一致で議決した。これを受けて、同日中に予算委員長名で最高検察庁に告発状を提出する予定。

今回の告発については、3月に行われた同予算委員会での鈴木議員の証言のうち、
1.島田建設からの資金提供
2.同社からの秘書給与肩代わり
3.モザンビークへの緊急援助隊の派遣の延期
の3点について、偽証の疑いが極めて強いと見られたため決議に至った。

現職の国会議員が偽証で起訴されるのは、1995年の山口敏夫・元労相以来、2人目となる。《民主党ニュース》



9月5日 その日のできごと(何の日)