平成4948日目
2002/07/26
この日のできごと(何の日)
【衆院外務委員会】
衆院外務委員会は26日午前、中国・瀋陽の日本総領事館事件に関し、阿南惟茂駐中国大使を政府参考人として招致し質疑を行った。阿南大使は「責任の重大さを痛感し、職責を果たせなかったことを申し訳なく思う」と、総領事館に対し適切な助言を与えなかったことを陳謝した。自身の進退については「事件全体の総括の中で処分をいただいた。自分で軽々にどうこう言うべきではない」と述べ、辞職する考えはないことを強調した。
事件当時、中国公使が総領事館副領事に「無理はするな」と最終的に亡命希望者の連行を容認する指示を出したことについて、阿南大使は「公使のとっさの判断だった」と自らの関与を否定。岡崎清総領事に航空機事故対応のため大連に戻るよう指示したことについては「瀋陽事件の重大性を考えれば適切ではなかった」としながらも、大使がこの指示を隠ぺいしようとしたとの内部告発を否定した。
阿南大使は、同委出席のため休暇を取って私費で帰国。野党側委員から「大使招致を前例としたくない外務省のごまかしだ」との批判が相次いだが、川口順子外相は「夏に休暇を取るのは自然なことだ」と突っぱねた。《共同通信》
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【改正健保法】成立
来年4月からサラリーマンらの医養費の自己負担率を3割に引き上げることを柱とした改正建康保険法など医療制度改革関連法は26日午後の参院本会議で、与党3党の賛成で可決、成立した。民主、自由、共産、社民の野党4党は25日の参院厚生労働委員会での同法案の採決強行に抗議して欠席した。採決は自民党内からも病気療養中も含め9人が欠席、この中には日本医師会などをバックにした議員も含まれ「造反」とみられる。
野党4党は政府、与党の強行突破を激しく批判、週明けに小泉内閣不信任議案を提出す方針だ。しかし、与党側は「提出されればその日に否決する」(大島理森自民党国対委員長)としており、192日間に及ぶ通常国会は大きなヤマを越した。
小泉純一郎首相が重要法案と位置付けた4法案は、郵政関連法、改正健保法が成立、有事関連法案と個人情報保護法案は、継続審議となり、2勝2敗に終わった。《共同通信》
【経済財政諮問会議】
小泉純一郎首相は26日の経済財政諮問会議で、2003年度予算編成について、歳出削減を上回る規模の減税を検討するよう指示した。減税規模には言及していないが、竹中平蔵経済財政相は会議後の会見で、首相の指示は法人課税の減税を中心に1兆円を上回る規模を想定している、との見解を示した。
歳出削減以外の減税財源について首相は記者団に「(国債発行の増額を)含めて、大胆かつ柔軟にやる」と述べ、赤字国債の発行を視野に入れての検討を示唆。東京株式市場の平均株価が1万円を割り込み、経済の先行きに不透明感が広がる中で、財政規律重視から景気浮揚へ政策の重点を微妙に修正した形だ。
小泉首相は記者団に対し「単年度で税収を中立にするという考えではなくて、景気、経済全体を眺めないといけない」と指摘。減税による税収減については複数年度で穴埋めしていくことを認める考えを示した。また、「減税先行しても将来に財政健全化の方策がきちんとしていればいいのではないか」と述べ、法人減税など経済活性化を目的とした税制改正には当面柔軟に対応する姿勢を示した。《共同通信》
【MLB】
米大リーグ、ドジャースの野茂投手は26日、サンフランシスコでのジャイアンツ戦に先発し、7回を9安打5失点、5奪三振で、2年連続6度目の10勝(6敗)をマークした。
野茂は一回、ケントのソロ本塁打などで2点を失い、四、五回にも失点を重ねた。しかし、打線の援護に恵まれ、1日以来の勝利を手にした。試合はドジャースが11−6で勝った。
マリナーズのイチロー外野手はエンゼルス戦の第2打席で左前打するなど4打数1安打。打率3割6分2厘で1位を守り、連続試合安打を「11」に伸ばした。試合はエンゼルスが8−0で完勝し、マリナーズに代わってア・リーグ西地区の首位に立った。《共同通信》
【この日の民主党】
[衆院外務委]瀋陽事件について阿南中国大使を追及
衆議院外務委員会は26日、阿南惟茂中国大使を参考人招致し、在瀋陽総領事館事件に関する質疑を行った。民主党から中川正春、首藤信彦、前田雄吉、木下厚の各議員が質問に立った。
中川議員は、阿南大使に対し、瀋陽総領事館事件に関する処分で厳重訓戒を受けたことについて、「自らの処分をどう考えるか」と質した。阿南大使は、「職責を十分に果たせなかったことにつき、申し訳なく思っている」と反省の弁を述べたが、処分についての考えは示さなかった。
続いて中川議員は、事件への対応について非を認めた大使に対し、「どこをどうすべきだったのか。何を間違えたのか」と追及した。
阿南大使は、今回の事件への対応で瀋陽総領事館員に対する助言に不適切な点があったと答弁。その第1点として、「総領事館前での事態進行中、大使館公使から副領事に出した助言が十分適切でなかった」と述べた。第2点として、瀋陽での事件発生後に大使自らが岡崎総領事を大連での航空機事故への対応に向かわせたことを挙げ、「瀋陽総領事館事件の重大性を考えると、総領事は瀋陽で事態収拾にあたるべきだった」と述べた。
中川議員はさらに、今回の事件に対する外務省の対応を時系列で示し、大使の初動がかなり遅かったのではないかと批判した。「大使はなぜ現場に出向かなかったのか。(中国側との)事実のすり合わせ、情報交換を行わなかったのか」と不十分な対応を質した。しかし阿南大使は、「8日段階では、事件の全貌を把握できていなかった。本省からの“とにかく抗議しろ”との指示に従った」などと自らの責任を回避する見解を示した。
阿南大使は、今回の事件の責任について「岡崎総領事になすりつけるつもりはない」と述べながらも、「岡崎総領事に適切な対応を希望していた」などと総領事に責任を転嫁する答弁に終始した。
健保法改正案の差し戻し求め、参院本会議欠席へ
民主党は7月26日、国会内で参議院議員総会を開催し、同日の本会議への対応を協議した。
冒頭、角田義一議員会長は、「健保法改正案の与党単独委員会採決は、当然無効である」と述べ、法案を厚生労働委員会に差し戻すべきことを強調。野党の主張を踏みにじり、何が何でも本会議開催を強行しようとしている与党を厳しく非難した。
その上で角田会長は、「この際、一番大切なことは筋を通すことである。これから開催される本会議に民主党としては出席しない。このことをお決めいただきたい」と提案。これを全体の拍手で確認した。
健保法改正案など野党欠席のまま参院本会議で可決・成立
26日午後3時過ぎ、参議院本会議が野党4会派欠席のまま開かれ、健保法改正案など医療制度改革関連法案を賛成129、反対3で可決、法案は成立した。本会議では厚生労働委員長の報告のみが行われ、討論は省略された。
幹事長、野党共同での不信任案提出の意向表明
民主党の菅直人幹事長は26日の定例記者会見で、小泉首相自身が銀行の幹部を使って政治資金を集めていたという報道について言及し、「このような機関を使い、献金を集めるということは、やり方によっては政治資金規正法に違反する可能性もある。この点について首相は自らきちんと国民に説明すべきだ」と述べた。
また、住基ネットに関して国分寺市がその違憲性や国の準備不足を指摘し、事実上参加を拒否した問題について「われわれの提出した凍結法案の影響力もさることながら、今回のことは大きな反響を呼ぶものである。今国会が終わってもこの問題に全力をあげて取り組んでいきたい」と述べた。
さらに、健保法改正案など医療制度改革関連法案が野党欠席のまま参議院本会議で可決されようとしていることについて菅幹事長は、「衆議院の段階から大変問題が多く、廃案を目指していたものであり、昨日の委員会での強行採決は認められない。その観点から本会議での採決も認められるものではない」と主張した。
最後に菅幹事長は「今国会における小泉内閣へのわれわれの最終的な姿勢を改めて明確にしなければならない。その場合は他の野党とも相談することが望ましい。参議院においての健保法改正案の成り行きを見た上で、対応を考えていく」と述べ、4野党共同での内閣不信任案提出を目指す姿勢を強調した。
女性議員ネットワーク会議を開催
民主党男女共同参画委員会は、25日から2日間の日程で、京都市で女性議員ネットワーク会議を開き、全国から約50名の女性自治体議員と候補予定者が参加。本部からは鎌田さゆり男女共同参画委員長、松本剛明、中村哲治両男女共同参画副委員長が参加した。
会議では、2003年の統一自治体選挙を見据えて、第1日目には公文裕子山野美容芸術短期大学教授を講師に、イメージメイクアップ講座を開いた。「ポスター撮影用メイク」が披露され、参加者は公文さんを囲むようにして、真剣にプロのメイクアップ術に見入っていた。
第2日目には政策コンサルタントでNPO法人「フィフティ・ネット」代表理事の森屋裕子さんを招き、「2003めざせ統一自治体選挙」と題して研修。生活実感に即した政策を実現するためにもますます女性が政策決定の場に出ていかなければならないことを再確認した。また、党本部男女共同参画委員会と女性地方自治体議員で民主党女性議員ネットワーク会議を設立することを確認した。《民主党ニュース》