平成4888日目
2002/05/27
この日のできごと(何の日)
【参院予算委員会】
参院予算委員会は27日午後、中国・瀋陽の亡命者連行事件や政治倫理に関する集中審議を行った。小泉純一郎首相は政府の難民、亡命者政策に関して「いま直ちにどんどん受け入れろという状況にはない」と述べ、受け入れの拡大には慎重姿勢を示した。森山真弓法相も「最近の国際水準は一般的に厳しくする傾向だ」と述べた。
首相は「(難民らとは)言葉、文化、宗教、慣習が違う。まして失業者が出ると自国民と外国人との職場の問題もあり、そういう点も含め考えないといけない」と問題点を指摘した。ただ「難民への対応に改善すべき点がないかどうか識者の意見を踏まえながら、改める点は改める」と述べ、見直しの検討そのものは行う考えを示した。
川口順子外相は、亡命者連行事件の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)住民が中国を出国する際、中国外務省から21日夜、北京の日本大使館に事前連絡があったとした上で「内容は関係者5人を22日中に第三国に出国させることと、その手配が韓国政府によって行われることの2点だった」と答弁した。
また、首相は鈴木宗男衆院議員の進退問題に関連して「比例議員の在り方については問題が指摘されているから、離党した場合、政党がなくなった場合を含め議論していく必要がある」と述べ、比例代表選出議員が離党した場合の扱いを与党内で協議していく意向を表明した。ただ、鈴木氏の進退には、本人が決めるべきだとの考えを重ねて示すにとどまった。《共同通信》
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【武部勤農相】都内のスーパーなどを視察
武部勤農相は27日、BSE(牛海綿状脳症、狂牛病)の発生や食品の虚偽表示問題で消費者の不安が高まっていることを受け、都内の市場やスーパーを視察した。
江東区のスーパー「ジャスコ南砂店」では、古谷寛・イオン副社長の案内で食料品売り場を一巡り。売られている国内産牛肉の生産履歴を、消費者が売り場に設置されたモニターで確認できるシステムなどの説明を受けた。《共同通信》
【野党】4党首が街頭演説
民主、自由、共産、社民の野党4党の党首は27日昼、東京・有楽町で合同の街頭演説会を行い、それぞれ小泉政権を批判するとともに政府、与党が模索する今国会の会期延長の動きを非難した。
民主党の鳩山由紀夫代表は「改革と言いながら、抵抗勢力と妥協した無駄な一年間だった」と、小泉政権の交代の必要性を強調。また「会期中は国会が承認しないと(議員は)逮捕されない。会期延長を一番喜ぶのは鈴木宗男衆院議員だ。こんなバカな延長はない」と述べ、会期延長に反対する考えを表明した。
自由党の小沢一郎党首は「政権を代えることで、改革の第一歩が始まる。皆さんの一票以外に政治を変えることはできない」と次期衆院選での政権交代を呼び掛けた。
共産党の志位和夫委員長は「悪い法案を無理やり通すための延長には絶対に反対だ」と強調。社民党の土井たか子党首も「決められた150日で徹底審議を尽くすのが大事だ。4野党結束してことに臨む。(有事関連法案の)強行採決は認めない。白紙撤回し、出直すべきだ」と訴えた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・民主党の鳩山由紀夫代表は27日、東京・有楽町での野党党首そろっての街頭演説で、小泉政権批判を繰り広げながら「私も最初は、小泉(純一郎首相)さんが民主党の言う構造改革を本気でするならいいじゃないかとエールを送った。『何を言っているんだ』と怒られたが、時の宰相が国民にとって正しい政治を行うならいいじゃないか」と苦しい言い訳。その上で「一つ一つ改革と言いながら、中身はみんな抵抗勢力と妥協している。そんなものは改革じゃない」と、ばっさり切って捨てたものの迫力はいま一つ。《共同通信》
【パキスタン・ムシャラフ大統領】「戦争の恐れ去らず」
パキスタンのムシャラフ大統領は27日、国営テレビとラジオを通じて演説し、カシミール問題をめぐるインドとの緊張が「最も高い状態にある」「戦争の恐れは去っていない」との認識を示し、インドが戦争を仕掛けてくれば「全力」で対応し「国家を防衛する用意があり、最後の血の一滴まで戦う」と強調した。
一方で「パキスタンは戦争を望んでいないし、戦争を仕掛けない」としてインドに関係正常化と緊張緩和を要請。国際社会に対しては、インドがパキスタンとの対話に応じるよう説得してほしいと呼び掛けた。
ムシャラフ大統領は30分弱の演説で、25日からの一連のミサイル発射実験については直接言及しなかった。また10月7日から11日に総選挙を実施すると言明した。具体的な日程を提示したのは初めて。
ムシャラフ大統領は、インドと対峙する実効支配線を越えたイスラム過激派らによる攻撃は「現在行われていない」と説明、インドに理解を求めた。さらにパキスタンのいかなる場所からも「テロが輸出されることを許さない」として今後も米主導のテロ包囲網に協力する姿勢を示した。
一方、国際社会は核を保有するインドとパキスタンの対立が偶発的な核戦争に発展することを懸念。今週から本格的な仲介外交に着手する。《共同通信》
【この日の民主党】
高嶋議員、民間大使登用めぐる疑惑を追及
民主党の高嶋良充参議院議員は27日の予算委員会集中審議で、外務省改革の柱の1つとなっている民間大使の登用問題を取り上げた。
高嶋議員は、浅井和子ガーナ新大使が中谷防衛庁長官と親戚関係にあることを取り上げ、「縁故採用ではないか」と質した。川口外相は「適材適所の人を信頼のおける方にご推薦いただき、登用している」と答弁。さらに、一部の週刊誌が浅井大使について疑惑を報道している件を質した。川口外相は「本人を含めて話を聞いたが、そのような事実はない」と答えた。浅井大使の疑惑は、仕手戦をしかける会社の監査役だったというもの。
さらに高嶋議員は、チリ大使に元代議士で宮澤元首相の親戚にあたる人物が登用されることについて質したが、川口外相が否定も肯定もしなかったため、委員会としての調査を求め、理事会で協議することとなった。
続いて高嶋議員は井上前参議院議長の秘書が逮捕された事件に関連して、坂口厚労相に国立病院建設工事の入札の白紙撤回を確認。さらに、関連企業の排除を求めた。坂口厚労相は「いままでのようなことが起こらないようにする」と答えた。
最後に高嶋議員は、天下り規制、禁止のために公務員制度改革大綱の見直しを求めたが、小泉首相は大綱を読み上げ、これで天下り規制ができるとしたため、高嶋議員は「大綱は天下り規制緩和だとマスコミ、知識人から批判されている」と指摘し、首相の認識不足を批判した。
斎藤議員、鈴木議員問題で首相に指導力発揮求める
民主党の斎藤勁議員は、27日の参議院予算委員会で質問に立ち、鈴木宗男議員問題、瀋陽総領事館問題、従軍慰安婦問題などをめぐって、政府の姿勢を質した。
斎藤議員はまず、23日に公設秘書の政治資金規正法違反容疑で鈴木宗男議員の議員会館事務所などに家宅捜索が入ったことを取り上げ、「与党は2度にわたって鈴木議員への辞職勧告決議案上程を否決したが、家宅捜索で新しい局面に入ったのではないか。総理は鈴木議員の出処進退について“本人の問題だ”と繰り返しているが、決議案を速やかに本会議上程すべきだと思わないか」と質問。首相は、「本人自身がきめるべきだ。諸般の事情を見極められないような人が国会議員になっているとは思いたくない」などと、この問題について自らリーダーシップをとる意志がないことを改めて示した。
斎藤議員は、「自民党の比例区で選出された鈴木議員の問題は、離党したからそれでいいとはならない」と、さらに追及。ところが首相は、「私はもともと比例代表制に賛成していなかった」などと珍答弁を繰り出しながら、あくまで鈴木議員に引導を渡すことを回避した。斎藤議員は、首相の地元でもある神奈川の県議会で第一党の自民党から提出された鈴木議員辞職要求決議が採択されたことを紹介し、首相が指導力を発揮することを求めた。
次に斎藤議員は、瀋陽総領事館事件における外務省の対応の問題を追及。総領事館の副領事が、中国側に連行された亡命希望者から英文の手紙を渡されながら、読めずに返却していた問題を取り上げ、中国課長がこの問題を上司に伝えず握りつぶした件の調査状況を質した。川口外相は、「隠す意図はなかったが、上司に報告しなかったのは遺憾だった」などと担当課長を弁護するにとどまった。
また、「英語を読めない人、話せない人は大使館にいないはずではないか」と質したのに対して、外務省の田中アジア大洋州局長は、「(副領事は)中国語の研修は受けたが、全体として英語が十分に理解できなかった」などと意味不明な答弁でごまかした。
民主党調査団に対して「自虐的だ」と発言した問題については、斎藤議員が「あらためるのが当然」と指摘したのに対し、首相は「政治家の言論の自由だ。撤回するつもりはまったくない」などと述べ、首相としての発言の重みをいっさい省みない無責任な態度を変えなかった。
続いて斎藤議員は、戦時性的強制被害者問題について、アジア女性基金の取り組みが被害者たちに必ずしも受け入れられていないことを指摘し、政府として直接被害者の声を聞くべきではないか、と質した。福田官房長官は「アジア女性基金の取り組みはおおむね着実に進んでいる」などと反論したが、斎藤議員は、「国として責任を認めて謝罪し、解決に向けて踏み出すべきだ」と強く主張した。
斎藤議員は最後に、徳島県の社会福祉法人「健祥会」が鈴木宗男議員との緊密な関係をバックに、国・県から突出した補助金を受けているとされる問題で、政府に調査を要求。首相は「調査する」と確約した。
有事法案の審議時間確保を確認、1週間ぶりに国会正常化
与党3党が有事関連3法案の採決の前提条件となる公聴会等の日程を強行採決したために国会日程協議が全面的にストップしていた問題で、与野党国会対策委員長が27日午後、国会内で会談した。
与野党は、この会談で、(1)公聴会等の日程については改めて特別委員会理事レベルで協議することとし、地方・中央公聴会は最低3日間を確保する、(2)十分な法案審議時間をとり、自由党案も議題とする、(3)防衛庁の練習機購入をめぐる公文書偽造問題、秋山前防衛事務次官への台湾秘密工作資金供与問題、瓦特別委員長の秘書給与肩代わり問題など野党側が審議を求めている懸案事項の取り扱いについては特別委員会理事レベルで協議すること──を確認し、今後の国会日程協議を再開することで合意した。衆議院本会議、各委員会なども1週間ぶりに正常化する。
「比例区選出議員は離党なら議席失うべき」羽田特別代表
羽田孜特別代表は27日の定例記者会見で、鈴木宗男衆院議員(自民離党)の政治資金が『ムネムネ会員』に裏金として分配されたとする疑惑が浮上している件に関連して、鈴木議員問題に「国会議員の進退は本人が自ら判断すべき」という態度を守ってきた小泉首相を批判。また、比例代表で当選後、所属政党を離党した衆院議員の身分について、「離党したら議席を失うべき」との見方を示し、現行の衆院選挙制度の見直しを検討する必要性を指摘した。
他方、有事法制関連3法案の取り扱いについて、首相が与党と民主党との修正協議の進展に期待感を表明したことに対し、羽田特別代表は「このままでは国民の理解を得られないという現実にやっと気付いた表れではないか」と言及。ただ、テロ対策特措法審議の折にも、鳩山由紀夫代表との党首会談まで開きながら民主党の提案を結果として反故にした小泉首相の手法を改めて指摘し、法案を通すためのパフォーマンスかどうかの見極めが必要だとした。
「小泉内閣は即刻退陣を」野党4党首が緊急合同演説会
民主党・鳩山由紀夫代表、自由党・小沢一郎党首、日本共産党・志位和夫委員長、社会民主党・土井たか子党首の野党4党首が27日昼、東京・有楽町マリオン前で小泉内閣の即刻退陣を求める緊急合同演説会を開いた。
正午、4党首名の大きな垂れ幕が掲げられた民主党の街頭宣伝車の上で、司会を務める民主党の鎌田さゆり衆議院議員が元気よく開会を宣言。4党首がつないだ手を高く掲げると、聴衆から大きな拍手が沸き起こった。通りがかりの買い物客らも足をとめ、マリオン前に大きな人だかりができる。3000枚用意したビラはほどなく底をついた。
最初にマイクを握った土井党首は、「与党だけが暴走している今のような審議で有事関連法制が決められることには反対という国民が圧倒的多数だ。答弁も支離滅裂、メロメロじゃありませんか」と与党の暴挙を訴えた。二番目の志位委員長は、「会期延長は、相撲で負けそうになったら土俵を変えるのと同じ。鈴木宗男議員辞職勧告決議、あっせん利得罪強化法案にしっかりケリをつけるのが残された会期にやるべきことだ」と、いつものように明快に演説。小沢党首は、「今の政治ではだめなら、政権を変えることから本当の改革の第一歩が始まる。ブツブツ文句を言っていても代わらない。皆さん自身が投票所に行って自民党以外の政党に投票することが必要」と聴衆に呼びかけた。
最後に演説に立った民主党の鳩山代表は、「政治が漂流し、司令塔なきまま、どこへ行くのか。こんな状態が続いていいはずがない。このままでは、いくら会期を延ばしても同じことだ。会期延長で一番喜ぶのは誰か。鈴木宗男議員だ。会期中は不逮捕特権があるからだ」と切り出すと、聴衆の間から「なるほどねー」とため息まじりの声が漏れる。鳩山代表は、「小泉首相の正体が見えてしまった。改革だと言いながら、中身はすべて抵抗勢力との妥協だ。政治が後退した1年間だったと総括せざるを得ない」と小泉首相を厳しく批判。「嘘いつわりで糊塗する小泉内閣には政権交代を求めなければならない。そのために4党の結束を打ち固めている」「政権交代で、皆さんが主役になる政治をつくり出そうではありませんか」と力強く訴え、演説会を締めくくった。《民主党ニュース》