平成4889日目
2002/05/28
この日のできごと(何の日)
【日本経団連】発足
経団連と日経連が統合した新団体の「日本経済団体連合会(略称・日本経団連)」が28日、設立総会を東京・大手町の経団連会館で開いた。初代会長には日経連の奥田碩会長(トヨタ自動車会長)が就任した。
新団体は「財界総本山」として産業界の利益を代表してきた経団連と、「財界労務部」と呼ばれた日経連の機能を継承。日本を代表する総合経済団体として活動し、発言力強化を狙う。中央財界は経済同友会、日本商工会議所を加えた「3団体体制」となる。
奥田会長は就任あいさつで「活力と魅力あふれる日本を目指し、個人や企業が力を発揮できる環境を整備していく」と表明。塩川正十郎財務相は、「経済界がまとまり、司令塔ができた」と統合を歓迎した。
総会では(1)国際競争力強化のため、企業の経営改革を推進(2)新たな事業・雇用機会を創造(3)新多角的貿易交渉、地域・二国間の自由貿易協定(FTA)に向け政府と連携−などの決議を採択。副会長に浜田広リコー会長ら15人の就任も承認した。
経団連が存続団体となるため、日本経団連の設立総会に先立ち、日経連は総会を開いて解散を決めた。《共同通信》
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【田中真紀子前外相】資料提出拒否
田中真紀子前外相は28日、週刊誌が報じた公設秘書給与流用問題で、自民党執行部が求めた資料提出を拒否する書面を秘書を通じて執行部側に提出した。書面では「既に説明義務は果たした」と強調、これまで党政治倫理審査会の林義郎会長らに口頭で行った説明で十分との考えを示した。
執行部側は田中氏の非協力的な姿勢が党紀違反にあたるとみて、29日にも山崎拓幹事長、町村信孝幹事長代理らが協議し、党紀委員会(葉梨信行委員長)による処分の手続きに入る。公然と反旗を翻した田中氏に執行部はメンツをつぶされた格好で、「抗争」は泥沼化してきた。
党紀委員会の処分は、除名、離党勧告、党員資格の停止、党の役職停止、戒告など8段階。田中氏は、昨年の参院選での遊説が「選挙妨害」になったと戒告処分を受けている。日ごろの執行部批判もあわせ、厳しい処分を求める声が党内には強い。田中氏は28日、記者団が「資料は提出するのか」と再三質問したのに対し、「(党)幹部にお聞きください」と答えるだけだった。《共同通信》
【テレビ朝日】自民党におわび
テレビ朝日の広瀬道貞社長は28日の定例会見で、今月15日に放送したワイドショー番組「スーパーモーニング」の内容に関して自民党から抗議を受け、同党に対して「事実取材を怠っていた」などとして、おわびと遺憾の意を伝えていたことを明らかにした。
テレ朝は与野党に対し、番組スタッフを対象に開いている勉強会への講師派遣を申し入れた。広瀬社長は「注意不足による誤りは極力避け、見つけたら早めに訂正する」と語った。
テレ朝によると、14日の衆院議院運営委員会で、鈴木宗男議員への辞職勧告決議案の本会議上程を求める動議を野党が出した際、自民党が議運委メンバーを差し替えたことに言及した部分で誤認があった。
「賛成しかねない委員を差し替えた」との番組での発言について、自民党は「公務出張などが理由で事実誤認」。また、「動議に反対した与党議員に一票を入れるのは、宗男さんの議員辞職に反対している人に一票入れるようなもの」との趣旨の発言についても「公選法に抵触する恐れがある」と抗議していた。《共同通信》
【小泉純一郎首相】あやめ娘に上機嫌
「いずれがアヤメかカキツバタ。花もいいけどお嬢さんもいいね」。小泉純一郎首相は28日午前、首相官邸で茨城県潮来市の吉川美香さんら「あやめ娘」5人から白いアヤメのプレゼントを受けた。
首相はアヤメと浴衣姿の5人を見比べながら「いいね。きれいだね」と上機嫌。歌手橋幸夫さんの「潮来笠」の一節も披露し、「浴衣に囲まれて温泉でくつろぎたいな」と最後まで滑らかな口ぶりだった。《共同通信》
【パキスタン】3度目のミサイル発射実験強行
パキスタン軍は28日、新型の短距離ミサイル「ハトフ2」(別名アブダリ、射程約180キロ)の発射実験を実施、成功したと発表した。核弾頭搭載可能とみられる。
米国、ロシアなど主要各国は、隣接する核保有国インドとの戦闘激化を懸念し自制を求めていたが、パキスタンは25日以降、3度目となる発射実験を強行。カシミールの実効支配線(停戦ライン)を挟んで対峙するインドとの軍事的緊張がさらに高まるのは必至。ストロー英外相がイスラマバード入りした直後の発射実験で、国際社会の批判を集めそうだ。
パキスタン軍当局によると、一連のミサイル発射実験はすべて終了した。インド全域を射程内とする中距離ミサイル「シャヒーン2」の発射実験が見込まれていたが、結局実施されなかった。
28日は、パキスタンがインドや米国などに事前通告していたミサイル発射実験期間の最終日。また1998年の最初の核実験から4年の記念日に当たり、ムシャラフ大統領は、核実験で「隣国(インド)によって崩された戦略均衡を回復した」とするメッセージを発表した。《共同通信》
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福田康夫官房長官は28日午後の記者会見で、パキスタンが新型短距離ミサイルなどの発射実験を連続して強行したことについて「極めて好ましくないことだ」と述べ、パキスタン政府を強く批判した。《共同通信》
【英・ストロー外相】パキスタン・ムシャラフ大統領と会談
核保有国であるインドとパキスタンの軍事衝突の回避に向けて、ストロー英外相が28日、イスラマバード入りし、パキスタンのムシャラフ大統領、サッタル外相と会談、カシミール問題の解決に向けて、インドとの対話の必要性で一致した。しかし、インドとの緊張緩和に向けた自制などについての説得は不調に終わったもようだ。両国とも国際社会の今後の仲介努力を見守る意向を示しており、ただちに大規模な軍事衝突が起きる可能性は小さいとみられる。
ムシャラフ大統領との会談後、記者会見したストロー外相は、カシミールをめぐる対立は「二国間の問題。国際社会がすべてを解決できるわけではない」と述べ、パキスタン側に自制と緊張緩和を要請したものの、前向きな回答を得られなかったことを示唆した。
英外相訪問で欧米、ロシア、日本などの仲介外交が本格化したが、今後の国際社会の仲介作業が不調に終われば、局地的な軍事衝突の可能性も含め、先行きは楽観できない。
一方、インドのシン外相は記者会見で同日、前日のムシャラフ大統領の演説について「失望した」と指摘したものの、一連のミサイル発射実験に挑発されず、早急な軍事行動については抑制した対応を見せた。《共同通信》
【小泉純一郎首相】パキスタン・ムシャラブ大統領と電話会談
小泉純一郎首相は28日夜首相官邸でパキスタンのムシャラブ大統領と電話会談し、カシミール問題をめぐり緊迫するインドとの関係について紛争に発展しないよう自制を持って対応するよう求めた。
大統領は「われわれはインドとの対話を求めている。戦争を欲していないし、緊張緩和を望んでいる」と応じ、インドとの軍事紛争を回避したい考えを強調した。《共同通信》
【MLB】
米大リーグ、ドジャースの石井投手は28日、ロサンゼルスでのブルワーズ戦に先発。6回2/3を投げ、6安打4失点(自責3)で8勝目(1敗)を挙げた。石井は三回に四球と4安打などで4点の先行を許したが、味方打線が六回までに試合を逆転。1点リードの七回二死後、ヒットを許したところで降板した。試合はドジャースが8−4で勝った。
マリナーズのイチロー外野手は、デビルレイズ戦で4打数1安打1得点。打率は3割6分1厘でトップを保った。試合はマリナーズが敗れた。
ジャイアンツの新庄外野手はダイヤモンドバックス戦に「8番・中堅」で先発し、3打数無安打だった。3試合連続ヒットがなく、打率は2割3分5厘。試合はジャイアンツが延長戦をサヨナラ勝ちした。エクスポズの吉井投手はブレーブス戦に2番手で登板、1回を3失点で、2敗目(2勝)。《共同通信》
【この日の民主党】
中村議員、精神障害者差別の法案に警鐘鳴らす
内閣提出の「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案」と民主党が提出している裁判所法改正案、検察庁法改正案、精神保健・精神障害者福祉法改正案の趣旨説明および質疑が28日の衆議院本会議において行われた。民主党案の趣旨説明は、提出者を代表して水島広子議員が行い、両案に対する代表質問には中村哲治議員が立った。
3法案の趣旨説明に立った水島広子議員は、昨年6月の大阪・池田小学校における児童殺傷事件を精神障害によるものと誤って決めつけ、それに基づいて今回の法案を策定した政府の対応を「精神障害者への様々な攻撃と偏見をもたらし、社会のノーマライゼーションの方向をぶち壊しかねない」と厳しく批判し、政府案を「差別を助長する有害な法案」と切り捨てた。
その上で水島議員は、(1)最高裁判所、最高検察庁への精神鑑定センターの設置、(2)都道府県ごとの判定委員会の設置、(3)精神保健福祉調査員の設置、(4)精神科集中治療センターの指定、(5)社会復帰支援体制の強化、などの現行制度改善策を盛り込んだ3法案の概要を説明した。
続いて、初の代表質問に立った中村議員は、冒頭、国民の心の健康を取り戻し、21世紀をこころの世紀にしなければならないと訴え、そうした認識の下で真剣に議論することを議場に呼びかけた。
その上で中村議員は、まず政府案が大阪・池田小学校事件をきっかけとしたものか否か、またその内容で事件の再発が防げるのかについて質問。同時に、池田小学校事件の被告人が起訴前の本鑑定で心神喪失も心神耗弱も認められなかったこと、また過去の犯罪歴において政府案が対象とする重大な犯罪行為は行っていなかったことを指摘し、政府案では同様の事件の再発防止にはならない、との考えを述べた。
また、政府案がいう「再犯のおそれ」の予測可能性、判断基準などについても質問。あいまいな要件に基づく判定で長期の入院を余儀なくされる危険を指摘した。
さらに中村議員は、精神医療・精神福祉の現状、精神鑑定制度の問題点についても質し、最後に「近代立憲国家の第一の使命は、人権を守ること」と訴えて、質問を締めくくった。
答弁に立った森山法相は、政府案が池田小学校事件に対する「適切な施策を求める意見の高まり」を受けたものであるとし、同様の事件の再発防止に効果があるとしたが、その根拠は明らかにしなかった。また、「再犯のおそれ」の予測は可能とし、その有無の判断基準についても、障害の類型、病状、過去の病歴、他害行為の内容などに基づいて、最終的には裁判所が判断するとしたが、具体的な基準内容には触れなかった。
答弁に立った水島議員は、地域福祉の確保、措置入院制度の整備などを進める精神保健・精神障害者福祉法改正案の意義を提起。また民主党案提出者の一人である平岡秀夫議員も答弁し、裁判官任せになっている精神鑑定制度の問題点を指摘、裁判所法、検察庁法の改正の必要性を述べた。
国会等移転問題をめぐり、全議員政策懇談会を開催
民主党は28日、国会内において国会移転問題をめぐる全議員政策懇談会を行った。
岡田克也政調会長の趣旨説明に次いで、樽床伸二ネクストキャビネット(NC)国土交通相が国会等移転プロジェクトチームでの議論をはじめ、党内での議論経過を報告。NCでは、(1)財政事情も移転決議の時とは様変わりしていることから、移転決定は国民に説明がつかない、(2)国会の責務としていずれかの移転先で結論を下すべき、(3)議論を10年間凍結し、その後改めて移転の是非・移転先を議論する、などの意見が出されていた。
こうした経過をふまえて、19名の議員からそれぞれの視点に立った意見が出された。主な意見としては、
「東京から移転する根拠をまず話し合うべき。論理立て自体が理解できない」
「分権の問題と一体化させて考えるべき」
「こうした論議そのものがムダ。東京の首都機能を高めた方が合理的」
「首都機能は一箇所である必要はない。分都論の足がかりに」
「地理上で日本のほぼ中心に位置する愛知・岐阜こそ移転先に最適」
「東京の主都機能強化の100分の1の費用で移転できる。小さな国会にする大きなチャンス」
「金丸信の時代にできたもので内容が粗悪。一度白紙に戻してから考えるべき」
「一極集中は問題。情報の東京一極集中も甚だしい。地方分権のためには情報の担い手も地方への分散をはかるべき」
「10年間の凍結は賛成できない。真剣に議論している国民のためにも党として方向性を示すべき」
「経済立て直しを含め、移転は大きな起爆剤になる」
「現在の国家財政のどこにそんな資金があるのか」
「広大な国有林を切り開き、すばらしい自然をこわすという観点からも、やってはならない。10年凍結ではなく今すぐやめるべき」
「残念ながら政治決断が遅すぎた。国力を考え、国全体の立場を考え、判断すべき」
「震災等が東京で起きることを考えると、日本の政治はその時点でストップする。第二の頭脳整備が必要」
などがあった。こうした意見をふまえ、他党の意見も考慮しながら、30日もしくは6月4日のNCで最終結論が出される見通し。《民主党ニュース》