平成4885日目
2002/05/24
この日のできごと(何の日)
【米ロ首脳会談】
ロシアを初訪問したブッシュ米大統領は24日、モスクワのクレムリンでプーチン・ロシア大統領と会談した。会談後、両首脳は双方の戦略核弾頭を2012年までにそれぞれ現在の3分の1程度の1700−2200個に減らす「戦略攻撃兵器削減条約」に調印した。
ブッシュ大統領は会談後の記者会見で「米ロは冷戦の遺産を清算し、新たな時代の幕を開けた」と強調。プーチン大統領も「米ロは、安定的で公正な世界秩序を構築する用意がある」と述べた。
両国は核の均衡を基盤とした冷戦時代以来の敵対的な枠組みを解消し、経済、安全保障など広範囲に協調することになった。同時に条約は米国が再び、核増強に転じる道を開いており、世界は米一極支配が色濃い核秩序に移行する。
今回の条約は、核兵器の削減率では過去最大。しかし、削減した核弾頭の「廃棄」を義務付けず、米国は削減弾頭のうち2400個を保管することで再配備を視野に入れており、本格的な軍縮条約とは程遠いとの批判が出ている。
プーチン大統領は会見で「(弾頭を)廃棄することが望ましかった」としながらも廃棄しなくても核戦争の危険度は下がると指摘、米国の保管方針を現段階で容認する姿勢を示した。
条約は3ページ、全5条の短い内容。第一次戦略兵器削減条約(START1)の有効性を確認、3カ月前の事前通告で脱退が可能となっている。
両首脳はまた、米ロの新戦略関係に関する「共同宣言」に調印。宣言は、ミサイル防衛の透明性確保のため、情報交換や迎撃実験施設の相互訪問などの協力の可能性を盛り込んだ。また、核安全保障問題を外相、国防相レベルで検討する協議機関設置で合意した。《共同通信》
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【サッカー・カメルーン代表】中津江村に到着
来日が大幅に遅れていたサッカー・ワールドカップ(W杯)のカメルーン代表チームは予定より5日遅れの24日午前3時すぎ、事前キャンプ地の大分県中津江村に到着した。
未明の歓迎式典で坂本休村長は「不屈のライオンを迎えられてうれしい」とあいさつ。一行は40時間を超える移動で疲れが見えたが、村民ら150人が同国の国旗を振って出迎えると笑顔でこたえた。《共同通信》
【大相撲】
大相撲夏場所13日目(24日・両国国技館)横綱武蔵丸が大関千代大海に押し出されて初黒星を喫し、優勝決定は14日目以降に持ち越しとなった。14日目は武蔵丸が大関栃東を下すか、3敗で追う千代大海と北勝力がともに敗れれば、武蔵丸の2場所連続11度目の優勝が決まる。魁皇と栃東の大関対戦は魁皇が右小手投げで勝ち、ともに9勝4敗となった。大関武双山は旭天鵬の寄りに屈して4敗目。関脇朝青龍は出島を突き落として9勝目を挙げた。小結若の里は土佐ノ海を下して勝ち越しを決め、小結栃乃洋は雅山に敗れて7敗となった。《共同通信》
【日本航空、全日空】テロで赤字
日本航空、全日本空輸、日本エアシステム(JAS)の航空大手3社の2002年3月期連結決算が24日、出そろった。米中枢同時テロの影響で国際線が大きく落ち込み、日航と全日空が当期純損益で赤字に転落。国際線の比重が低いJASは黒字を確保したものの、大幅減益だった。
日航は、国際線収入が前期比9.4%減となるなど、テロによる減収は1520億円に上った。売上高は前期比5.6%減、当期純損失は367億円となり、4年ぶりの赤字となった。
全日空も国際線収入が18.2%減で、テロでの減収は550億円。売上高は5.9%減、94億円の当期純損失で2年ぶりの赤字だった。
JASは国内線の運賃単価の低下などが響き、当期純利益が8.6%減と落ち込んだ。ただ、テロによる減収は49億円にとどまり、売上高は0.6%の微増。
03年3月期は「上期までテロの影響がある」(日航)が、3社とも増収を見込み、日航と全日空は黒字転換、JASも増益と予想している。《共同通信》
【任天堂】新社長に岩田聡氏
任天堂は24日、山内溥社長(74)が取締役相談役に退き、後任に岩田聡取締役経営企画室長(42)が社長に昇格するトップ人事を発表した。浅田篤副社長(69)は会長、森仁洋常務(57)は専務にそれぞれ就く。30日に開く取締役会で正式決定し、31日付で就任する。山内氏は社長在任52年に達し、後継者選びが注目されていたが、40代で中途入社の岩田氏が抜てきされる異例の人事となった。
山内氏は1983年、家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」を発売し、爆発的なヒットで任天堂をトランプなどの遊具メーカーから最先端のゲーム機器メーカーに脱皮させた。今年に入って退任を表明。後任には浅田副社長や森常務が有力視されていた。《共同通信》
【IWC総会】
山口県下関市で開かれていた国際捕鯨委員会(IWC)総会は24日、米国など反捕鯨国が提出した日本の調査捕鯨自粛決議案などを議論し、採決する予定だったが、フェルンホルム議長が「時間がない」と審議の打ち切りを決め、あっけなく閉幕した。
米国とロシアが共同で提案したアラスカのイヌイットらによる先住民捕鯨をめぐり、22日以降の審議が断続的に中断したためで、両国は先住民捕鯨が認められなかった決定に異議を申し立てるなどして先住民捕鯨を続けたい考えだ。
商業捕鯨の前提となり、捕鯨を科学的に規制する改訂管理制度(RMS)に関しては、デンマークか英国で10月に代表者会議を開き、打開策を探る。《共同通信》
【福田康夫官房長官】鈴木宗男氏は議員辞職すべき
福田康夫官房長官は24日の記者会見で、鈴木宗男衆院議員が自民党の北海道ブロック比例代表候補として当選している点を踏まえ、自民党を離党した以上は衆院議員も辞職すべきだとの見解を表明した。《共同通信》
首相官邸サイドから、鈴木氏の議員辞職を明確に求める声が出たのは初めて。
福田長官は、衆院本会議への上程が2回にわたって否定さえている鈴木氏の議員辞職勧告決議案に関連して「議員を辞めるべきかは、国会の場で決めることかどうかということもある」と指摘、本会議上程には慎重な姿勢をみせた。
その上で、比例代表で当選した国会議員が、当選時の所属政党を離党した場合の議員資格については「制度の盲点の一つと言ってよい」と述べ、現行制度の問題点であるとの認識を示した。午前の記者会見でも、比例代表議員が離党した場合など衆院選挙制度の問題点を見直すべきだとの考えを示した。《共同通信》
【小泉純一郎首相】鈴木氏問題「状況を見る必要」
小泉純一郎首相は24日夜、鈴木宗男衆院議員の議員辞職勧告決議案の本会議上程問題について「国会内の駆け引き、思惑があるので、状況を見る必要がある」と述べ、与野党の対応を見守る考えを示した。《共同通信》
【MLB】
米大リーグ、ジャイアンツの新庄外野手は24日、デンバーのロッキーズ戦で4打数2安打し、8試合連続安打。打率を今季初の2割5分台(2割5分2厘)に上げた。
新庄は第1打席で左翼線二塁打、第2打席で右前打。残る2打席は凡退。試合は8−5でロッキーズが勝った。
マリナーズのイチロー外野手はオリオールズ戦で4打数1安打。打率は3割5分2厘で3位後退。エクスポズの大家投手はフィリーズ戦に先発。7回を5安打、1失点で今季4勝(3敗)を挙げた。《共同通信》
【伊藤俊人さん】死去
伊藤俊人氏(俳優)24日午後、くも膜下出血のため東京都渋谷区の病院で死去、40歳。新潟市出身。葬儀・告別式は29日午前11時から東京都中野区、宝仙寺で。葬儀委員長は脚本家の三谷幸喜氏。《共同通信》
【清川虹子さん】死去
庶民的な味わいの喜劇女優として、映画、テレビ、舞台で活躍した清川虹子さんが24日午前、川崎市の病院で死去した。89歳。千葉県出身。
1933(昭和8)年、東京・浅草で古川緑波さんらが旗揚げした「笑の王国」に参加。その後映画界に入り、柳家金語楼さんや、エノケンの愛称で知られた榎本健一さんら多くの喜劇人と共演した。戦後も映画「サザエさん」シリーズで江利チエミさんが演じるサザエさんの母親役で出演。火野葦平の原作を映画化した「女侠一代」(58年)では男勝りのヒロインを好演。
また、黒澤明監督「どん底」(57年)、今村昌平監督「復讐するは我にあり」(79年)、「楢山節考」(83年)などの作品では、脇役ながら独特の存在感で映画を引き締めた。《共同通信》
【この日の民主党】
広中議員、京都議定書の目標達成へ具体案を提示
24日の参議院本会議において、民主党の広中和歌子議員が地球温暖化防止の京都議定書批准をめぐって質問し、温室効果ガス削減目標を達成するために積極的な取り組みを開始することを政府に要求した。
冒頭、広中議員は瀋陽総領事館事件について、亡命者5人が無事韓国入りしたことを評価した上で、今後類似する事件が起きた場合の対応を福田官房長官に確認した。福田官房長官は、「政治亡命者や難民問題への今後の対応は、入国の問題も含め、難民の受け入れのあり方については、国の内外における人道・人権への意識の動向、国際社会における日本の役割や関係国との関係等も視野に入れながら、真剣に取組んでいく」などとした。
続いて広中議員は、京都議定書について「文明のあり方に大いなる転換を求める人類史上画期的な国際ルールである」とし、にもかかわらず日本政府が批准の国会審議までに4年半もの月日を費やしたことを非難。そればかりか、一部経済界の利益を「国益」と見なし、米国などと組んで合意寸前で交渉を決裂させたり、日本の排出削減量を大幅緩和するような外交を展開してきたことを批判。21世紀の国際社会においては、環境を基軸にした外交展開と途上国の持続可能な発展への支援こそ求められるとし、川口外相に見解を質した。川口外相は「京都会議の議長国として、合意形成に向け最大限努力する」などとした。
また広中議員は、京都議定書の批准でわが国経済が国際競争力を失うといった主張は誤りだと指摘。むしろ技術革新が生まれ、投資やビジネスの膨大なチャンスが開け、新たな雇用創出効果も生み出すとの見方を示した上で、今後の経済財政運営の基軸として積極的に活用すべきだと提起した。
さらに広中議員は、石油・石炭・天然ガスなどへの課税を二酸化炭素の原単価に応じた公平な税制へ転換するよう要求。併せて、その税収を特別財源として地球温暖化対策に充てるべきだと問題提起した。またコストが高いために普及が進まない風力や太陽光発電などの再生可能エネルギーについては、政府が率先してまとまった需要を確保するなど、生産コスト低下を促す仕組みづくりの必要性を指摘。住宅・建物に対するより高度な断熱構造化の義務付けや、サマータイム制の導入、高速道路でのETCの積極導入など、省エネのための提案、環境教育の必要性などを列挙した。
最後に広中議員は「議員・閣僚・そして国民のみなさん、京都議定書の目標達成に挑戦し、その過程を通じて経済や地域の活性化、雇用創出を図っていこう」と呼びかけ、質問を締めくくった。
「瓦特別委員長の規正法違反も濃厚」熊谷国対委員長
有事関連法制の公聴会日程を与党が強行採決したことをめぐり、衆参両院ですべての新たな国会日程協議がストップしているなか、与党側は24日と27日に予定していた地方公聴会を延期、中央公聴会についても延期が検討されている。こうした動きを受けて民主党など野党4党の国会対策委員長は24日、国会内で会談し、現時点では与党側に原状回復と事態収拾の責任があることから、野党側から軽々に動くべきでないとの認識で一致した。
会談後に記者会見した民主党の熊谷弘国対委員長は、「確かに中央・地方公聴会の中止、小泉首相の慎重審議指示などが報道されてはいるが、与党内に何ら事態の転換を図る動きも与党内の意見取りまとめもなされていない」と野党4党国対委員長の認識の背景を説明。
また、熊谷国対委員長は、鈴木宗男議員の政治団体の政治資金規正法違反事件で、家宅捜索が議員本人の自宅にまで及んだことについては、「辞職勧告決議案を早く本会議で採決するよう野党4党が求めてきたことは、やはり間違っていなかった」と4党で確認したものの、直ちに国会審議が正常化して決議案を採決するという状況ではないことから、国会審議正常化への動向を見ながら、あらためて採決の時期を判断するとした。
熊谷国対委員長はさらに、衆議院武力攻撃事態特別委員会の瓦委員長が地元建設会社に私設秘書給与を肩代わりさせていた問題で、野党4党の調査団が23日に現地調査を行ったことについて「すべて調査が終わったわけではないが、現時点で政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記載)の疑いが濃厚であることに加え、建設大臣当時に(公共事業受注企業の社員である秘書が大臣室で決裁文書を自由に見られる状況にあったことについて)特別職国家公務員の守秘義務違反の疑いも出てきた。あわせて禁固15年に相当する犯罪だ」と報告した。
熊谷委員長は、同特別委員会の与党側筆頭理事である久間章生議員がイトマン事件の許永中被告との密接な関係を指摘されていることとあわせ、「まるで犯罪者集団が重要な法案の国会運営を指揮しているようなものだ」と語気を強めた。
野党4党「個人情報保護法案の廃案を求める緊急集会」を開催
24日、国会内において野党4党共催の「個人情報保護法案の廃案を求める緊急集会」が開かれ、50名を越える国会議員のほか、同法案の成立に反対する弁護士団体、メディア関連団体、労働組合、消費者団体など、約300名が法案廃案に向けた決意をうち固めた。
集会は民主党の細野豪志衆院議員の司会で始まり、最初に、同法案に対する野党4党実務者協議会の座長を務める同党の枝野幸男衆院議員が経過報告。法案を委員会審議にかけたものの、まともな答弁もできずに立ち往生している政府与党の現状を明らかにし、院内外の声を結集して世論の力で廃案に追い込む正念場だと訴えた。
各党からの代表挨拶のトップで発言した民主党の鳩山由紀夫代表は、まず、同法案が与党議員のスキャンダル隠しを動機としたものであることを指摘し、「一言で言えば、山拓(自民党幹事長)保護法案」と喝破。「政治不信を払拭するために何をなすのかが問われている時に、報道や言論を統制しようというとんでもない企みだ」と法案を厳しく批判し、廃案に向けた取り組みの先頭に立つ決意を明らかにした。
さらに作家の城山三郎氏、ジャーナリストの櫻井よしこ氏が連帯発言。城山氏は、内閣官房の人間が同法案について「大きな網をかけるんですよ」などと語ったことを紹介し、「とても許せない。あれで網をかけられたらものが書けなくなる。作家は死を覚悟するくらいの気持ちでないとやっていけない」と、危機意識も露わに語った。櫻井氏は、行政府による膨大な個人情報の使い回しを可能にする同法案の危険性を明確にし、「このような官尊民卑の法律をゆるしてはならない」と訴えた。
この他、民主党の河村たかし衆院議員、小泉俊明衆院議員、山谷えり子衆院議員も会場から発言し、8月から導入される住民基本台帳ネットワークシステムとともに同法案が実現することの問題性などを明らかにしながら、廃案に向けたたたかいを強めるべきことを主張した。
最後に、参加者は全体で「廃案に向けて頑張ろう」と気勢を上げ、集会を締めくくった。
「与党はなお鈴木議員の辞職勧告決議を妨害するのか」菅幹事長
民主党の菅直人幹事長は、24日の定例記者会見で、鈴木宗男議員の自宅や国会事務所が家宅捜索を受けたことを受け、「鈴木議員の再喚問・辞職勧告決議をさらに要求していく。今まで与党は国民の意思に反した行動をとってきたが、よもや野党の主張を妨害することはないだろう」と与党を強く牽制した。
菅幹事長はまた、会期延長に関して「政府・与党の動きを見極めたい。大幅なのか、小幅なのか、与党でも多くの人は国会を閉じて出直した方がいいと思っている人が多い」と述べた。
瀋陽総領事館事件で、菅幹事長は「事後の対応でも首相の指導力の欠如、川口外相の甘さが目立った。事実を正確に把握して、中国側の反論に応えることができなかった。民主党に対して『自虐的』などと筋違いの主張をする前に、自ら反省すべき」と批判した。
角田参院議員会長「即刻退陣を求め、解散に追い込む」
24日午前、民主党の参議院議員総会が開かれ、挨拶に立った角田義一議員会長は、終盤国会において野党4党が一致団結して小泉内閣打倒をめざすことを確認した前日の党首会談について報告。その上で「小泉政権はもはや政治担当能力なし。即刻退陣を求め、解散・総選挙に追い込む」と強い口調で語った。
さらに、与党3党が衆議院武力攻撃事態特別委員会の単独審議を強行したことについて、角田議員は「民主主義のルールを破るものであり、有事法制についても国民の安全や権利が守られないようなものではとても納得出来ない」と述べ、すでに審議日程協議に応じていない衆議院にあわせて、参議院でも来週の月曜日からの日程協議に一切応じないことを報告した。《民主党ニュース》
【俳優・伊藤俊人さん】死去
24日午後5時18分、くも膜下出血のため東京都渋谷区の病院で死去、40歳。新潟市出身。
83年、三谷幸喜氏らと劇団「東京サンシャインボーイズ」を旗揚げ。解散後はテレビドラマ「古畑任三郎」シリーズや「ショムニ」などで活躍した。《共同通信》
【女優・清川虹子さん】死去
庶民的な味わいの喜劇女優として、映画、テレビ、舞台で活躍した清川虹子さんが24日午前3時37分、肺出血のため川崎市高津区の病院で死去した。89歳。千葉県出身。
1933(昭和8)年、東京・浅草で古川緑波さんらが旗揚げした「笑いの王国」に参加。その後映画界に入り、柳家金語楼さんや、エノケンの愛称で知られた榎本健一さんら多くの喜劇人と共演した。《共同通信》