平成4876日目

2002/05/15

この日のできごと(何の日)

【瀋陽日本総領事館駆け込み事件】第三国出国で一致

日中両国政府は15日、中国・瀋陽の亡命者連行事件で、外務省の竹内行夫事務次官と武大偉駐日中国大使が会談するなど中国の武装警官に連行された朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)住民5人の身柄問題で大詰めの協議を行い、人道的観点から、第三国へ出国させる方針で一致した。フィリピンなどを経由した後、韓国への出国が濃厚で、日本側は身柄問題の週内決着を目指す。

武大使は竹内次官との会談で「国際法、国内法、人道主義に基づいてこの問題を処理している。冷静な協議で早期解決を目指したい」と述べ、第三国への出国で調整していることを明らかにした。竹内次官も「人道上の観点から率直に意見交換したい」と応じた。会談後、武大使は「早期の問題解決を目指すことでは日中一緒だ」と強調した。

これに関連して、福田康夫官房長官は午前の記者会見で「あまり時間を置くわけにはいかない。早急に解決を図るために、全力を挙げる」と、5人の身柄解放を急ぐ考えを強調した。小泉純一郎首相は「まだ交渉の最中であり、言うべきではない。手の内を明かす必要はない」と述べた。

政府は当初から「中国が住民を引き渡すことはあり得ない」とみて、住民の北朝鮮への送還を阻止することを大前提に中国側と折衝。「第三国出国」によって送還を回避できるため「人道上の要請」(小泉首相)は満たされると判断、第三国への出国を容認する方針を固めていた。《共同通信》

川口順子外相は15日午後の参院本会議で、中国・瀋陽の亡命者連行事件に関連し、阿南惟茂・駐中国大使が北朝鮮からの脱出住民が大使館に入ってきた場合には「不審者と見なして追い出せ」との指示を出していたとの報道について「そのような事実はない」と否定した。《共同通信》

小泉純一郎首相は15日午後の参院本会議で、中国・瀋陽の亡命者連行事件で問題となった亡命者への対応について「今回の事件を契機に亡命についての今後のわが国の在り方について幅広く議論していきたい」と述べ、検討を開始する考えを示した。《共同通信》

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【大相撲】

大相撲夏場所4日目(15日・両国国技館)大関栃東が土佐ノ海に一方的に押し出され、初黒星を喫した。横綱武蔵丸は隆乃若を難なく押し出し、4連勝。かど番の大関千代大海も闘牙を押し出して全勝を守った。大関武双山は小結栃乃洋を寄り切って3勝目を挙げ、大関魁皇は大善を押し出して2勝2敗の五分とした。栃乃洋も2勝2敗。関脇朝青龍は貴ノ浪を寄り切って3勝目。小結若の里は2勝目を挙げた。4連勝は武蔵丸、千代大海、旭鷲山の3人。《共同通信》

寺尾が929敗目を喫し、史上最多黒星に並んだ。西十両2枚目の寺尾は中入り後の土俵で栃栄に破れ、初土俵から23年目で大潮の「大記録」に到達した。幕内返り咲きを狙える位置でもあるため、一番一番がより重要な今場所、2勝2敗となった取組後、不満そうに風呂から出てきた。《共同通信》

【自由党】有事法制で対案

自由党は15日、有事法制と安全保障に関する考え方をまとめた「非常事態対処基本法案」と「安全保障基本法案」の骨子をまとめた。法案化の作業を急ぎ、来週後半にも国会に提出する法アイン。藤井裕久幹事長は、民主党の岡田克也政調会長に共同提出の検討を要請、近日中の回答を求めた。困難なら自由党単独で提出する。

非常事態法案は、政府の武力攻撃事態法案と違い、非常事態の定義に大規模なテロ攻撃や災害なども盛り込んだ。首相が非常事態を布告するときは、政府案が国会の事後承認となっているのに対し、事前承認を原則にしている。《共同通信》

【与党】党首会談

小泉純一郎首相(自民党総裁)は15日夕、首相官邸で公明党の神崎武法代表、保守党の野田毅党首と会談し、厳しい経済状況を踏まえて第二次デフレ対策を6月15日をめどに策定することで一致した。首相は会談後、記者団にデフレ対策の柱となる税制改正に関連し、年度内改正を「検討する」と述べた。

衆院の一票の格差是正問題については、衆院選挙区画定審議会の勧告に沿って政府が「5増5減」案を早期に国会に提出し、今国会成立を期することも確認。

後半国会では、健康保険法改正案、有事関連法案、郵政関連法案、個人情報保護法案の4法案とともに、政治倫理関連法案を重要法案と位置付け、今国会での成立に全力を挙げることで一致した。《共同通信》

【サッカー・欧州CL】

サッカーの欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝は15日、グラスゴーで行われ、レアル・マドリード(スペイン)が2−1(前半2−1)でバイエル・レバークーゼン(ドイツ)を下し、2季ぶり、自己の最多記録更新となる9度目の優勝を果たした。

Rマドリードは前半9分、ラウルのゴールで先制。5分後に同点とされたが、前半終了間際に左サイドからのセンタリングをジダンが見事なボレーシュートで決め、勝ち越し。終盤の相手の猛攻をしのいだ。4年前のワールドカップ(W杯)フランス大会と2年前の欧州選手権でのフランス優勝に貢献したジダンは、初の欧州クラブカップ獲得となった。

レバークーゼンは今季、国内のリーグ戦、カップ戦、欧州チャンピオンズリーグとすべて2位に終わった。《共同通信》

【この日の民主党】

[衆院本会議]鳩山議運委員長解任決議案、与党が否決

15日、衆議院本会議が開かれ、民主党の上田清司議員が野党各会派を代表して、鳩山邦夫議院運営委員長解任決議案の趣旨弁明を行った。解任決議案は、前日の議院運営委員会で鈴木宗男議員に対する議員辞職勧告決議案を委員長の職権で否決したことの責任を問うたもの。

上田議員は「与党は野党が疑惑解明のために提案した告発、再証人喚問のいずれも拒否をした。委員長の行為は、疑惑解明を望む国民の常識とかけ離れたもので、見識を欠く」と鳩山委員長の職権での否決を批判した。

趣旨弁明の最後に上田議員は、綿貫衆議院議長が政治倫理基本法の制定を提案していることを取り上げ、また、衆議院の政治倫理綱領を読み上げ、決議案への賛成と政治倫理の確立を訴えた。

解任決議案は与党の反対多数で否決された。

木俣議員、領事館事件をめぐって外相を追及

15日、参議院本会議において民主党・新緑風会の木俣佳丈議員が質問に立ち、中国・瀋陽総領事館事件について質した。

木俣議員は冒頭、第二次世界大戦中、ナチスの迫害から逃れてきた6千人にも及ぶユダヤ人の命を独自の判断でビザを発給して救出した外交官・杉原千畝の功績について語り、「それに引き替え、瀋陽総領事館をめぐる日本政府の対応は無責任極まりない。緊張感がまったく欠如し、国益を損なっていることこの上ない」と批判。「外交のイロハさえもわきまえない行為であり、人権外交重視を唱えながら、実際には人権尊重のかけらも見当たらないことが、白日のもとにさらされた」とし、日本外交への世界の信頼は完全に地に落ちたと分析した。

次に木俣議員は、事件の4時間前、北京の日本大使館における会議で阿南大使が「ともかく来たら追い返せ。仮に人道問題になっても面倒に巻き込まれるよりはまし」といった趣旨の発言をしていたことを問題視した。その上で木俣議員は、外務省調査に隠匿はないか、北朝鮮人5名に対して「連行やむなし」との指示を出したかどうかなど、川口外相に説明を求めた。

外相は、出張中の総領事および北京の公使が現場の副領事に「連行やむなし」の判断を伝えていたことについて「現場の状況が緊迫の度合いを増すなかで、武装警察に抵抗して物理的に押し留めることができないとの判断をしたため」などとし、「連行の同意を得たとする中国側の主張には反論する」との姿勢を示した。

さらにマスコミがNGOから事前に情報を入手し、用意周到に撮影したにもかかわらず、外務省がその情報を入手できなかったことを問題視し、「情報収集体制の欠陥があらわになった」と指摘。また、中国に対しては原状回復と謝罪を求めるべきで、中国側が応じない場合は、何らかの対抗措置を講じてもおかしくないと指摘した。さらに木俣議員は「北朝鮮住民と見られる5人の取扱いが最も重要」とし、生命・自由が脅かされる恐れがないよう、監視を怠らず、中国側に強力に働きかけるよう政府に求めた。

質問の中で木俣議員は、昨日、鈴木宗男議員の辞職勧告決議案の上程が再度見送られたことにもふれ、「ご自身の明確な説明なくして国会の威信回復はないと思う」として小泉首相に答弁を求めた。小泉首相は「疑惑を持たれたときは、進んで国民の前に明らかにするべきと思われる」と他人事の答弁に終始した。

22日に衆院予算委で外務省問題等の集中審議 与野党が合意

与野党の国会対策委員長は15日午後、国会内で会談し、外務省の佐藤前主任分析官ら2名の逮捕をめぐる鈴木宗男議員の疑惑問題と在瀋陽総領事館事件の真相解明のため、野党4党が求めていた衆議院予算委員会の集中審議を22日に開催することで合意した。これを受け、衆議院の他の各委員会の日程協議も再開した。

武力攻撃事態対処特別委員会についても、野党側が、先週の委員会質疑の中で求めていた(1)武力攻撃の「予測されるに至った事態」「おそれのある場合」の定義に関する統一見解(2)防衛庁公文書偽造事件について関係者の責任明確化(3)台湾国家安全委員会秘密資金の提供を受けていた秋山前防衛庁事務次官の参考人招致──の3点の要求項目について与党が受け入れる意向を示したため、16日より審議が再開されることになった。

領事館事件調査のため海江田、中川両議員を瀋陽へ派遣

民主党は、瀋陽総領事館内連行事件を独自に調査するため、15日朝、海江田万里、中川正春両衆院議員を現地へ派遣した。

同日の代議士会で両議員の派遣について報告した菅直人幹事長は、「役人が役人を調査して本当のことが出てくるか。とても信用できない。国会が行政のあり方をきちっと調査するという良い前例をつくるためにも行ってもらった」と述べた。

両議員は、現地で総領事館関係者から聴取を行うほか、場合によっては中国側の関係者からも事情を聞く予定。

鳩山代表、外相辞任、中国大使更迭を求める

民主党の鳩山由紀夫代表は15日の定例会見で、外務省の連続する不祥事に関連して「官僚の言いなりの大臣では外務省を導くことはできない」と外相に辞任を求めた。

会見の冒頭、鳩山代表は、同日に沖縄県が本土復帰30周年を迎えたことについて「記念すべき日である」と言及。沖縄県に米軍基地が集中し、県民に過重な負担を強いている問題については、「基地の整理縮小は国民的課題である」とし、その解決に向けて強い意欲を示した。

また、鈴木宗男議員問題、瀋陽総領事館内連行事件等、不祥事が多発する外務省について、「自分たちに都合の良い部分のみを知らせ、悪い部分はすべて隠蔽する。その体質が今日の外務省をつくった」と強く批判した。

さらに川口外相について、「官僚の言いなりの大臣では外務省を導くことはできない」と辞任を要求。阿南駐中国大使についても、北朝鮮からの亡命者に対する非人道的な対応を指摘し、更迭を求めた。

4野党、外務省前主任分析官逮捕を受けて集中審議を要求

民主党など野党4党の国会対策委員長は15日午前、国会内で会談し、本日の衆議院本会議での鳩山邦夫衆議院議院運営委員長解任決議案の処理後の対応について協議した。

会談後に記者会見した民主党の熊谷弘国対委員長は、「(外務省の佐藤優前主任分析官の逮捕という)新たな事態を迎え、これまで予算委員会・外務委員会など多くの委員会で外務省が事実とは違うことを答弁してきたことが明らかになった。いったいこの責任をどうするのか」と外務省のこれまでの対応を厳しく批判するとともに、事実を解明するためにまず予算委員会の集中審議を開くことで野党4党が一致したと報告。「与党がこの審議を拒否するのであれば、これは到底正常な国会運営とは言えず、野党4党としては新たな日程協議には応じられない」と述べた。

熊谷国対委員長はまた、在瀋陽総領事館での亡命希望者連行事件発生の直前に阿南駐中国大使が「侵入者は追い帰せ」などと指示していたことが新たに判明した件についても言及。「連行に同意したことを否定するような発言をしてきたが、実はこれを肯定していた。外務省として許しがたい嘘の説明をしていたことになる。外務委員会で本人から説明を受けることを含め徹底的に追及していく」と述べた。

国対委員長はさらに、「これだけ国民の怒りが高まっている以上、小泉首相は与党内にどんな反対があっても、率先して国会に出てきて真実を徹底的に明らかにして国民の疑問を払拭すべきだ」と述べるとともに、公明党幹部などが「単独でも粛々と法案審議を進めるべき」と発言したと伝えられていることについて、「臭いものにフタをして、異論は数で押しつぶして行くというなら、まるでファッショ政党ではないか」と語気を強めた。

市民政策議員懇、アフガン難民申請者からのヒアリング実施

15日、民主党の市民政策議員懇談会は、アフガン難民申請者たちを招いて仮放免の現況についてのヒアリングを開催した。昨年来、難民認定を求めて来日しながら申請を却下され、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)に収容されていたアフガニスタン難民は、3月から4月にかけて続々仮放免され、ついに16名全員が解放されたが、この日のヒアリングはこうした状況を受けて行われた。

民主党本部の会場には、平均日数200日を超える長期にわたる収容から仮放免されたアフガン人11名が出席。出席者たちは、アフガニスタンに真の安定が訪れればすぐにも帰国したいこと、それまでの間、日本で働いて暮すという普通の自由な生活が欲しい、と口々に訴えた。

また今回仮放免された16名のほかに、3月1日の東京地方裁判所民事3部の決定で解放された7名については、国側から抗告がなされ、早ければ今週中にも再再収監される可能性が高い。さらに、仮放免中の他の難民も、強制送還の問題以外に、生活費、医療、日本語の問題等々に直面しており、日本の難民政策の根幹に関る課題が浮き彫りになった。《民主党ニュース》



5月15日 その日のできごと(何の日)