平成4875日目
2002/05/14
この日のできごと(何の日)
【瀋陽日本総領事館駆け込み事件】引き渡し要求を拒否
中国瀋陽の亡命者連行事件で、日本外務省の小野正昭領事移住部長は14日午前、北京の中国外務省で羅田広領事局長と会談、日本の調査結果を基に朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)住民5人の引き渡しを求めたが、中国側はこれを拒否した。
北京の日本大使館によると、小野部長は中国側のウィーン条約(公館の不可侵)違反としてあらためて抗議、陳謝を要求、北朝鮮住民の引き渡しと人道的な扱いを求めた。
羅局長は「中国の調査結果は責任あるもので、うそを言うことはない。ウィーン条約には違反しておらず、日本側の要求は受け入れられない。5人は日本に引き渡すことはできない」と反論する一方、「一日も早く妥当に処理し、中日関係に影響しないよう希望する」と日中関係の冷却化回避を求めた。《共同通信》
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阿南惟茂・駐中国大使が8日午前10時から開かれた北京・日本大使館の定例全体会議で職員全員に対し、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から脱出した住民が日本大使館に入って来た場合は「不審者とみなして追い出せ」と指示をしていたことが14日、明らかになった。複数の同大使館関係者が明らかにした。この指示の約四時間後に瀋陽の亡命者連行事件が発生した。
事件では、中国の武装警察官に北朝鮮住民5人を連行されてしまった日本総領事館の対応が問題となっているが、阿南大使の指示は人道問題として日本だけでなく国際社会でも大きな波紋を広げるのは必至だ。
また、事件前に北京の大使館から瀋陽総領事館に「駆け込みに気を付けるよう」指示したことが明らかになっているが、この際「追い出せ」との内容が含まれていたかどうかが今後、焦点になりそうだ。
日本政府は原則として政治亡命を受け入れない立場だが、阿南大使の発言が個人的な判断からなのか、外務省の指示に基づくのかが重要なポイントだ。
阿南大使は共同通信の取材に対し「(館内に)入ってしまったら人道的観点からもきちっと対応しなさいと言った」と述べ、「追い出せ」と指示したかどうかは直接答えなかった。《共同通信》
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小泉純一郎首相は14日午後、衆院本会議で行われた中国・瀋陽の亡命者連行事件に関する質疑で「わが国が同意を与え、感謝を表明した旨主張しているが事実に反する。13日の外務省の調査結果を踏まえ今後とも中国側にしかるべく反論していく」と述べ、日本側の立場を主張していく考えを示した。
北朝鮮亡命者5人の身柄について、首相は「人道上の要請が満たされる必要がある」と、北朝鮮への送還は認められないとの立場を強調。同時に日本に引き渡された場合は「事実関係を確認し希望を聴取する。その上で、生命・身体の安全が確保されるか、関係国との関係を総合的に考慮して具体的な対応を検討する」との見解を示した。
首相は難民受け入れ枠拡大について「従来より個別に審査の上、難民と認定すべきは認定している。今後とも細心の配慮をしたい」と述べるにとどまった。
一方、川口順子外相は瀋陽総領事館の対応の不備を重ねて認めた上で「猛省の上、改善策を早急に講じていく」と強調。中国警官による不可侵権の侵害があったことを踏まえ、新たな対処方針を在外公館に通達したことを明らかにした。
外相は、中国警官による連行容認の指示を最終的に出した駐中国公使に関して「主権意識の欠如を示すものではない」と述べ、問題はないとの認識を表明した。《共同通信》
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【皇太子同妃両殿下】静養終え帰京
栃木県の那須御用邸付属邸で静養していた皇太子ご一家は14日午後、帰京された。那須滞在中は愛子さまを連れて御用邸近くの牧場を散策されるなどした。宮内庁によると、愛子さまは手をつかずに座れるようになり、座ったまま前に置いたおもちゃに手を伸ばして触るようにもなったという。《共同通信》
【大相撲】
大相撲夏場所3日目(14日・両国国技館)横綱武蔵丸は安美錦を押し出して3連勝とした。大関陣は栃東が小結若の里を突き落とし、かど番の千代大海も貴ノ浪を押し出して、ともに3連勝。武双山は隆乃若を巻き落として2勝1敗とししたが、魁皇は雅山の首投げに屈し2連敗で黒星が先行した。関脇朝青龍は土佐ノ海に押し出され、小結栃乃洋も闘牙にはたき込まれ、いずれも初黒星を喫した。若の里は1勝2敗。3戦全勝は武蔵丸、栃東、千代大海に、平幕の出島、旭鷲山の5人となった。《共同通信》
【東京地検】外務省元主任分析官ら逮捕
イスラエルで2000年4月に開かれた国際学会への参加費など3300万円余を、国際機関「支援委員会」に不正支出させ損害を与えたとして、東京地検特捜部は14日、背任容疑で外務省の前国際情報局分析第一課主任分析官、S(42)=現外交史料館課長補佐=と元ロシア支援室課長補佐、M(37)=現大洋州課課長補佐=の両容疑者を逮捕した。
学会日程の大半は観光で、支出を決裁した当時欧亜局長のT前オランダ大使(57)も同様の疑いを持たれているが、現在海外渡航中のため帰国し次第、聴取するとみられる。
S、M両容疑者らは、ともに鈴木宗男衆院議員の「側近」と呼ばれており、特捜部は鈴木氏との癒着の実態解明も進める。《共同通信》
【故小渕恵三元首相】3回忌
故小渕恵三元首相の3回忌が命日の14日昼、都内のホテルで営まれ、橋本龍太郎元首相や小渕内閣で閣僚を務めた野中広務、堺屋太一各氏ら親交のあった約50人が出席した。
橋本氏はあいさつで「政治の中に身を置く者にも今の政治はさっぱり分からない。毎日嫌な思いをしているが、恵ちゃんがいたらどう思うかと考えている」と述べ、小渕氏死去以降、混乱の続く政界を嘆き、小渕氏をしのんだ。《共同通信》
【サッカー・国際親善試合】
ワールドカップ(W杯)を控え最後の欧州遠征中のサッカー日本代表は14日夕にオスロでノルウェー代表と対戦し、0−3で完敗した。日本は欧州遠征の2試合で連敗し、本番に不安を募らせたまま17日のW杯代表23人の発表を迎える。
日本はMF中田英寿(パルマ)小野伸二(フェイエノールト)にGK川口能活(ポーツマス)がそろって先発し、ほぼベストメンバーで臨んだ。しかし後半、守備が破たんして3点を失った。
ことしの強化試合で日本は今遠征前まで3勝2分けと好調だったが、7日のレアル・マドリード(スペイン)戦に続いて完敗を喫し、16日に帰国する。《共同通信》
【MLB】
米大リーグ、ジャイアンツの新庄外野手は14日、サンフランシスコでのブレーブス戦で4打数1安打。4試合ぶりに安打を記録した。打率は2割1分6厘。
「7番・中堅」で先発出場した新庄は、七回先頭の第3打席で左前打を放った。第1打席では右前に落ちた打球で走者が二風され、安打を逃す不運もあった。試合は2−0でジャイアンツが勝った。
マリナーズのイチロー外野手はブルージェイズ戦で、13試合ぶりにヒットがなく、5打数無安打。打率は3割5分1厘で2位をキープした。イチローは一ゴロ併殺打の第5打席を含め、すべて内野ゴロに倒れた。守備では今季発の失策を記録し、試合は3−6で敗れた。《共同通信》
【この日の民主党】
中川議員、総領事館事件で首相の初期対応を批判
14日、衆議院本会議で瀋陽総領事館内連行事件に関する緊急質疑が行われ、民主党の中川正春議員が小泉首相と外務省の対応を厳しく批判した。
中川議員は質問の冒頭、北朝鮮の亡命希望者を拘束・連行した中国政府に抗議の意を表した上で、「国民の憤り・焦燥感に火を注いだのは総理の初期対応だった。結論が出ない総理に、この国は守れるのか」と、首相の初期の対応のまずさを厳しく批判した。
さらに中川議員は、人道的な難民受け入れ枠の拡大への政策転換、日本、中国、韓国、アメリカの4国による北朝鮮難民問題に関する国際協調会議の開催を提案した。これに対して首相は従来からの方針を繰り返すのみで、ここでも結論の出ない、出せない答弁に終始した。川口外相も「韓国、日米で協議・調整している。中国とも随時行っている」と答えるのみで、中川議員の提案には直接答えなかった。
最後に中川議員は、関係者の厳格な処分、および外相の辞任を要求したが、川口外相は「毅然かつ冷静に対処しつつ、早期に解決をすることが大切」と答えるだけで、質問に答えず逃げの姿勢に終始した。
鈴木議員辞職勧告決議案上程を再び否決
14日昼、衆議院の議院運営委員会が開かれ、4野党提出の鈴木議員辞職勧告決議案について質疑を行った後、同決議案の本会議上程を求める野党の動議を採決。委員の可否は同数だったものの、自民党の鳩山邦夫委員長が反対に回ったため否決された。
辞職勧告決議案をめぐる質疑では、自民党の委員が「選挙で選ばれた議員は法的に身分を保証されている」「本人が逮捕、起訴されたわけではない」「議決しても議員が辞職しない場合、院の権威にかかわる」などとして、反対の意思を表明。
これに対して民主党の上田清司議員は、鈴木議員の公設第一秘書が偽計業務妨害容疑で逮捕されたことに関連して、鈴木議員が衆院予算委の証人喚問で「秘書の関与はない」などと明らかに事実と異なる証言を行っていたことを指摘。同時に、その他にも同議員に対して指摘されている問題は「驚くべき広がりと深み」を持っており、国民の政治不信は極に達している、とした。そして、本人が何ら反省の意を表していない以上、政治的・道義的責任を明らかにするよう求めるべきだ、と辞職勧告決議の必要性を述べた。
前回の議運委採決で同決議案の本会議上程に反対した公明党は、その後の鈴木議員の公設秘書逮捕について「政治家にとって“明白かつ重大な違法行為”に匹敵する」「自身の政治的・道義的責任は免れない」という見解を明らかにし、決議案に賛成する意向を表明した。
この他、保守党は反対、自由、共産、社民各党は賛成の立場から発言を行った。続いて、民主党の長浜博行議員から決議案の本会議上程を求める動議が出され、採決が行われた。委員の可否は同数となったが、最後に自民党の鳩山邦夫委員長が反対に回り、動議は否決された。
4野党、鳩山邦夫衆院議運委員長の解任決議案を提出
14日午後、野党4党は、衆議院本会議後に開かれた4野党国対委員長会談の合意に基づいて、鳩山邦夫衆院議院運営委員長の解任決議案を綿貫衆院議長あてに共同で提出した。同日の衆院議院運営委員会で、鈴木宗男議員辞職勧告決議案の本会議上程・採決を求める動議が鳩山委員長の決裁で否決されたことに対し、解任を求めたもの。
解任決議案の提出理由について、民主党の熊谷弘国対委員長は「議員辞職勧告決議案の本会議採決の必要性について十分な理解を促すことなく、その努力も全くせずに、与党内にもある本会議上程賛成の意見を強引に押し切って否決を決定した鳩山委員長の行為は、国民の常識とまったくかけ離れた極めて見識を欠いたものだ」と指弾。同時に、本会議において議員が意見を表明し、本院としての意思を国民に明示する機会を封殺したことは、議会の何たるかをわきまえない行為であり、議院運営委員長の重い職責に全く背くものだと厳しく批判した。
解任決議案は15日にも開かれる衆院本会議で、採決される見通し。《民主党ニュース》