平成4847日目

2002/04/16

この日のできごと(何の日)

【政府】有事3法案を閣議決定

政府は16日夜、安全保障会議と臨時閣議を相次いで開き、日本が外国から侵攻を受けた場合に備え、国の意思決定の在り方や首相の地方自治体への指示権、自衛隊の権限拡大を盛り込んだ武力攻撃事態法案など有事関連3法案を決めた。本格的な有事法制としては戦後初の立法措置で、憲法で戦争放棄をうたう日本の安全保障政策の一大転機となる。

政府は3法案を17日に衆院へ提出、今国会での成立を目指すが、激しい国会論戦が展開される見通しだ。

首相は記者団に「国民の安全をいかに平時から考えるかという大事な法案だ」と強調。福田康夫官房長官は記者会見で「(法案の)速やかな成立を期したい」と表明した。

法案には物資保管命令に従わない民間人への罰則など、私権制限につながる規定を明示。自衛隊の行動などを円滑に実施するための対処措置として警報発令や避難指示、被災者救助、生活関連物資の価格安定、捕虜の処遇などを挙げ、こうした措置の法整備を同法案の施行から2年以内に実施するとした。テロや不審船対策は「必要な法整備を講ずる」との指針を示すにとどまった。

対象となる事態については「外部からの武力攻撃が発生した事態」だけでなく、「武力攻撃が予測される事態」にも拡大。政府が自衛隊出動などを含む対処基本方針を作成し首相を長に対策本部を設置する仕組みを規定。対処基本方針の閣議決定後、直ちに国会承認の手続きを行うよう義務付けたが、事態認定にあいまいさを残している。対処措置実施の際、首相に自治体や公共機関への指示権を付与。緊急時には司法手続きなしに代執行できる強い権限を認めた。

自衛隊法改正案は、防衛出動が予測される場合に首相の承認を得て防衛庁長官が私有地に陣地構築を命令できるとする準備行為規定を新設。その際の武器使用も認めた。道路法や建築基準法など計20の国内法の適用除外措置も明示した。

小泉純一郎首相は16日夜、有事関連3法案に併せて閣議決定した首相談話で「国家の緊急事態対処態勢は、情勢の変化に対応して不断の見直しを行い、国民が安心して暮らせる国づくりを推進する」と、大規模テロや武装不審船対処を含め態勢整備に取り組む考えを表明し、国民の理解と協力を求めた。

首相は談話で、政府の緊急事態対処が憲法の枠内の行動であることを強調。昨年12月の不審船銃撃・沈没事件を「わが国の安全を脅かす恐れのある武装不審船の存在を明らかにした」とした。《共同通信》

16日に閣議決定された有事関連3法案への野党各党の対応が割れている。共産、社民両党は「憲法違反」として反対、廃案を目指すが、民主党は党内で賛否両論が交錯し意見集約の難航は必至だ。一方、有事法制は必一とする立場の自由党は、政府案では首相の権限が不明確として、5月の大型連休明けにも独自案をまとめる予定だ。

民主党の16日の常任幹事会では、党の対応の明確化を求める意見が出されたものの、岡田克也政調会長は来週早々に役員会で論点整理する考えを表明した。「修正の上、賛成」を想定する執行部メンバーがいる半面、旧社会党系などに反対意見が強い。

菅直人幹事長は政府案がテロや不審船対策を含まないことを理由に、今国会での成立を急ぐべきではないと指摘。熊谷弘国対委員長は鈴木宗男衆院議員の防衛庁絡みの疑惑解明を審議の前提条件に挙げ、与党をけん制している。

一方、共産党の志位和夫委員長は記者会見で「国民を戦争に総動員する体制をつくるところに立法の狙いがある」と批判。社民党は国会対策委員会で重要課題として法案に反対していくことを確認した。自由党は独自案への政府、与党の対応を見た上で最終的な賛否を判断する予定だ。《共同通信》

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【みずほ問題】特別顧問3人辞任へ

3月末まで旧富士銀行頭取でみずほホールディングスの最高経営責任者(CEO)だった全国銀一行協会の山本恵朗会長は、16日の記者会見で、現金自動預払機(ATM)障害などみずほフィナンシャルグループの一連のトラブルについて「基本的な責任は私を含め、統合段階の責任者だった3人の(前の)CEOにあると考えている」と述べた。

山本会長は、これを「3人の一致した考え方」とし、責任の取り方は「復旧のめどがつき、原因究明がなされた段階で具体的に明らかにしたい」と言及。山本会長と西村正雄・旧日本興業銀行頭取、杉田力之・旧第一勧業銀行頭取の3前CEOが、完全復旧、再発防止の体制が整った段階で特別顧問を引責辞任することが確実となった。

山本会長は「万全の態勢で臨み、こんな事態は夢にも思わなかった。悔しい気持ちだ」と発言。原因については「巨大なシステムを構築するマネージメントの欠如か(統合前の)銀行ごとの開発体制のどこかに問題があったのか、まだ把握できていない」と述べた。《共同通信》

【河野洋平元外相】河野太郎氏から肝移植

肝硬変治療のため、自民党の河野洋平元外相(65)に対する生体肝移植が、息子で総務政務官の河野太郎衆院議員(39)からの提供で16日、長野県松本市の信州大病院で行われた。

手術は午前9時45分に始まり、午後も続いた。生体肝移植は国内で1800例を超えているが、政治家の親子同士での移植は極めて異例。《共同通信》

【小泉純一郎首相】不良債権処理の加速を指示

政府の経済財政諮問会議は16日、大手銀行に対する特別検査の結果について柳沢伯夫金融担当相から説明を受け、不良債権問題への取り組みを議論。小泉純一郎首相は「危機と言われる状況は脱却した」との認識を示すと同時に「不良債権処理を急ぐため切れ目なく手を打つ」よう金融庁と諮問会議に指示した。《共同通信》

【小泉純一郎首相】五輪入賞者に記念品


https://www.kantei.go.jp/

16日、小泉首相は、ソルトレイクシティー・オリンピック及びパラリンピックの入賞者等を官邸に招き、記念品を贈呈した。

贈呈式には、スピードスケート男子500メートルで銀メダルを獲得した清水宏保選手、スキージャンプのラージヒル団体で5位入賞した原田雅彦選手、船木和喜選手、宮平秀治選手、山田大起選手、フリースタールスキーの女子モーグルで6位入賞した上村愛子選手、パラリンピックのアルペンスキー女子大回転と回転で銅メダルをとった大日方邦子選手ら日本選手団40人が出席した。

小泉首相は、清水宏保選手ほか各種目別の代表者に記念品の銀製写真立てを手渡し、「私もテレビではらはらし、感心しながら見ていた」「一瞬のために長い時間をかけ、本当にえらいと思う」と声を詰まらせながら選手の活躍をたたえた。《首相官邸》

【天皇、皇后両陛下】五輪入賞者招き茶会

天皇、皇后両陛下は16日午後、ソルトレーク五輪の入賞者や大会関係者計49人を招いて皇居・宮殿で茶会を開き、約1時間にわたって歓談された。

茶会には皇太子ご夫妻ら皇族方も出席。天皇陛下が「立派な成績を収められたことを心からお祝いいたします。経験を生かし、今後の道を力強く進んでいかれるよう願っております」とお言葉を述べた。

茶会の後、記者団に囲まれた女子モーグル6位の上村愛子選手(22)は、「(皇太子妃雅子さまに)『うちの愛子と同じ名前ですね』と声を掛けていただきました」とにっこり。フィギュアスケート女子シングル5位の村主章枝選手(21)は「皇后さまに(演技に)『良い曲をお選びになりましたね』とお褒めの言葉をいただきました」と話した。《共同通信》

【中国国際航空129便墜落事故】旋回着陸「初めて」

韓国・釜山近郊で起きた中国国際航空機墜落事故で救助された機長は16日、入院先の病院で韓国建設交通省の事故調査官に対し、金海国際空港へ「旋回しながら着陸を試みたのは初めて」と述べた。同省自己対策本部が明らかにした。

機長はまた、今年に入り金海国際空港を「4、5回離着陸したことがある」と説明、事故当時は「機体に異常は感じられなかったとも話した。

風雨と濃霧の悪天候の中で初めて旋回着陸を試みようとしたことが明らかになったことで、今後の事故原因調査は旋回しようとした際の機長の操縦ミスの有無が焦点となる可能性が出てきた。

韓国政府は墜落現場から回収した事故機のフライトレコーダー(飛行機録装置)とボイスレコーダー(音声記録装置)を17日にソウルの金浦空港に移送、同日訪韓する米運輸安全委員会(NTSB)など米側調査団や既に訪韓している中国側調査団と合同で解析作業に入る。

また同省によると、16日午後10時現在で死者は126人、行方不明者は2人となった。生存者は38人。《共同通信》

【パレスチナ問題】

パウエル米国務長官は16日、イスラエルとパレスチナとの停戦実現に向け、エルサレムの首相公邸でシャロン・イスラエル首相と約1時間にわたり3度目の会談をした。

長官は、首相が前日に表明したイスラエル軍のパレスチナ自治区からの撤退計画について説明を受け、全面撤退の見通しを提示するよう求めたとみられる。

長官は、会談に先立つ同日午前、記者団に対し「(調停は)前進していると思う。今後24時間でさらなる進展を期待している」と述べ、停戦実現に向け一両日中にも重要なヤマ場を迎えるとの認識を示した。

米政府高官によると、長官は会談結果を受けて、17日にヨルダン川西岸のラマラでアラファト・パレスチナ自治政府議長と再会談に臨む。《共同通信》

11日にエルサレム入りしてパレスチナ問題の調停を続けていたパウエル米国務長官は16日、現地での調停工作を打ち切って17日にカイロ経由で帰国することを正式に決めた。

国務長官は17日にパレスチナ自治政府のアラファト議長と2回目の会談を行い、停戦実現に向けて最終的な交渉に臨むが、停戦合意は困難との見方が強まっている。

AP通信は16日、自治政府による最大限のテロ対策をうたった米、自治政府の共同声明案をめぐり、両者間で続いていた協議が決裂したと報じた。ブッシュ米大統領は同日、パレスチナ解放機構(PLO)への米援助を今後、6カ月間継続するが、テロ取り締まり状況によっては支援停止もあり得ると発表した。

今回の調停で長官は、イスラエルのシャロン首相と3回、パレスチナ自治政府のアラファト議長とも協議を重ねた。両者は、パレスチナ和平の国際会議開催を受け入れる方針だが、停戦合意をめぐる双方の溝を埋めるに至っていない。

米政府は、閣僚級レベルの国際会議を開催する準備を進めている。会議には欧州連合(EU)や国連の参加も検討されている。

イスラエルのギシン首相報道官は16日、国務長官と首相との一連の会談で、国際会議を早ければ6月に米国で開催する案の提示を受けたことを明らかにした。

国務長官は今月7日にワシントンを出発、エジプト、モロッコ、スペインを訪問。11日にイスラエル入りしてからは、日帰りでレバノン、シリアを急きょ訪問するなどパレスチナ停戦に向けて精力的な外交を展開した。

17日にアラファト議長との会談後、カイロに立ち寄り、エジプトのムバラク大統領と会談。帰国の途に就く。《共同通信》

【東ティモール】グスマン氏が初代大統領に

東ティモールの大統領選は16日夕までの国連東ティモール暫定統治機構(UNTAET)の独立選挙委員会の集計で、独立抵抗運動の最高指導者シャナナ・グスマン元東ティモール民族抵抗評議会議長(53)が総投票数の過半数を獲得、当選を決めた。

独立選挙委員会の集計では、これまでに13県のうち12県で開票が終了。開票率89%の段階でグスマン氏の得票率は82%で、投票総数37万8000人の半数を超えた。

グスマン氏は東ティモールが独立する5月20日に、新国家の初代大統領に正式就任する。《共同通信》

【MLB】

米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手は16日、オークランドのアスレチックス戦で4打点3安打と今季2度目の1試合3安打。連続試合安打を「10」」とし、打率を3割4分4厘に上げた。

イチローは第1打席で、左中間二塁打。三回の第2打席で投手内野安打、五回の第3打席でも左前打した。試合は七回表終了で降雨コールドゲームとなり、マリナーズが6−2で勝ち、9連勝。

エクスポズの吉井投手はカブス戦に先発。5回を3安打、1失点で勝利投手(2勝1敗)になった。

ジャイアンツの新庄外野手はバドレス戦で5打数1安打。第4打席で右翼線三塁打して7試合連続安打。

レンジャーズの伊良部投手はエンゼルス戦の九回、2番手で1イニングを投げ、無失点だった。

ブルワーズの野村投手はパイレーツ戦の八回無死一、二塁に3番手で登板。打者1人を右飛に抑えた。《共同通信》

【この日の民主党】

沖縄・北方特別委で与党の審議拒否続く

16日、国会内で行われた民主党の代議士会で議院運営委員会理事の上田清司議員が発言し、沖縄及び北方問題に関する特別委員会において与党が審議に応じず、すでに1カ月にわたって委員会が開かれていないという異常事態になっていることを報告。「これ以上、与党の横暴を許してはならない」と怒りを込めて呼びかけた。

同委員会の与党側理事は、野党側の委員会開催要求から逃げ回っており、とくに自民党の筆頭理事である松岡利勝議員は電話にも出ず、雲隠れしている状態だという。

上田議員は、「北方領土返還交渉のあり方など、日本外交の根本に関わる問題を議論しなければならない時に、とんでもない。皆さんの支援をお願いしたい」と呼びかけた。

4野党、あっせん利得処罰法強化法案を今週中に提出へ

野党4党は、共同で取りまとめたあっせん利得処罰法強化法案について、今週中に提出することで合意した。16日、民主党の熊谷弘国会対策委員長が明らかにした。

同法案については、2月15日に4党の政策責任者会議で合意されていたが、国会審議で“政治とカネ”にまつわる様々な疑惑問題が表面化しつつあったため、それらをめぐる議論の推移を見ながら提出時期を検討してきた。今回、後半国会のスケジュールをにらみつつ、政治倫理確立に向けた積極的な議論を進める時期だと判断したもの。

同法案は、私設秘書や親族等への処罰対象の拡大、第三者供賄の明記、「報酬」の範囲拡大など、処罰法の適用範囲を拡大しているほか、犯罪構成要件から「請託」をはずしたり、「その権限に基づく影響力を行使して」といったあいまいな文言を削除するなど、より立件しやすくなるような改定も盛り込んでいる。

「新しい公共事業のあり方調査会」を設置

民主党ネクストキャビネットは16日、「新しい公共事業のあり方調査会」を設置 することを決めた。

同調査会は、先に設置されていた代表の諮問委員会「公共事業を国民の手に取り戻 す会」の成果を引き継ぎ、党の政策決定に資することを目的とするもので、(1)自 然再生(2)ごみ、廃棄問題(3)森林資源の再生と山村の活性化(4)自然エネル ギー(5)経済の再生(6)その他、という観点から、公共事業のあり方の研究と改 革手法の検討を進めるほか、個別公共事業のケーススタディ等を通じた提言の取りま とめも行う。

メンバーは、会長に羽田孜特別代表、副会長に樽床伸二NC国土交通相、筒井信隆 NC農林水産相、小宮山洋子NC環境相、北橋健治NC経済産業相、事務局長に渡辺 周衆院議員が就任。また専門家による助言の仕組みも取り入れる。《民主党ニュース》



4月16日 その日のできごと(何の日)