平成4673日目
2001/10/24
この日のできごと(何の日)
【パキスタン】炭疽菌感染
炭疽菌感染の疑いがあるパキスタン各地の約35人について調べていたカラチのアガカーン病院関係者は24日、米国系企業などの従業員2人が感染していたことを明らかにした。パキスタンで感染者が確認されたのは初めて。政府は既に病院から検査結果の報告を受けており、近く公表する見通し。
病院関係者によると、炭疽菌に感染したのはパキスタンにある米国系銀行とコンピューター市場調査会社の男性従業員。いずれも先週送付された炭疽菌入りの国際郵便物で感染した。
この病院は今月19日ごろから、パキスタン各地から報告された約35人に炭疽菌感染の疑いがあるとして検査を行っていた。
米政府は同時多発テロと一連の炭疽菌事件の関連を調べているが、アフガニスタンを実効支配しているタリバンは「炭疽菌が何であるかも知らない」として、事件との関係を否定している。《共同通信》
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【プロ野球日本シリーズ】第4戦
2001年プロ野球日本シリーズ第4戦、ヤクルト(セ・リーグ)−近鉄(パ・リーグ)は24日、神宮球場で行われ、ヤクルトが2−1で勝ち、対戦成績を3勝1敗とし、4年ぶりの日本一にあと1勝とした。
ヤクルトは1点を追う五回に二死二塁から宮本の中前打で追いつき、七回に代打の副島の左越え本塁打で1点を勝ち越した。
四回にローズの2号本塁打で、このシリーズで初めて先手を取った近鉄だが、五回以降は無安打と打線が沈黙した。《共同通信》
【JOC】新会長に竹田恒和氏
日本オリンピック委員会(JOC)は24日、東京都内で臨時評議会を開き、9月に急死した八木祐四郎会長の後任に竹田恒和常務理事(53)を推挙し、第4代会長就任が正式に決まった。
最も若いJOC会長の誕生で、任期は故八木会長の残任期間と同じ2003年3月末まで。
JOCは、故八木会長の後任候補を選ぶ選考委員会を設置。馬術の元五輪選手で、国際馬術連盟副会長を努めるなど、若さと国際感覚に優れた竹田氏で一本化していた。《共同通信》
【民主党・鳩山由紀夫代表】小泉内閣「改革、何も進んでいない」
民主党の鳩山由紀夫代表は24日の記者会見で、小泉内閣が26日に発足後半年を迎えることについて「歴代内閣でも国民の期待は高いが、実際には改革は何も進んでいない。国民もようやく気付きはじめたのではないか」と述べた。
鳩山氏は「他の国ならどんどん物事が進んでなければならない。にもかかわらず、不良債権処理一つ取ってみても何ら動いていない」と指摘した。《共同通信》
【小泉純一郎首相】一定限度の誤爆はやむなし
小泉純一郎首相は24日午後の参院外交防衛委員会などの連合審査で、米英軍によるアフガニスタン攻撃で民間人に死傷者が出ていることについて「軍事施設を狙ってやったが、外れる場合も100%ないとは言えない。限定的に一切テロリストだけ攻撃できればいいが、100%確実に標的に当たるとは限らない」と述べ、一定限度の誤爆はやむを得ないとの見解を示した。
首相は「テロリストは世界に何十人散らばっているか分からない。長期戦を覚悟している。時限立法の2年でまだ終わっていなかったら、その状況を見て判断せざるを得ない」と述べ、自衛隊派遣が2年以上に及ぶことも想定していることを明らかにした。《共同通信》
【この日の民主党】
自衛隊派遣計画を国民に説明すべき~海野徹議員が追及
テロ対策関連3法案を審議する参議院内閣、外交防衛、国土交通の3常任委員会の連合審査会で24日、民主党・新緑風会から海野徹、木俣佳丈、佐藤道夫、榛葉賀津也の4参議院議員が質問に立った。
トップバッターの海野徹議員はまず、今世界が日本に求めているのは、テロ事件による世界経済へのマイナス影響を引き受けることだとし、その観点から不良債権の抜本処理を急ぐべきことを主張。金融機関への公的資金の再投入をためらうべきではないと質した。小泉首相は「今、投入の必要はない」としたが、海野議員は「150兆円の不良債権の“根雪”の部分を確定して早急に対処すべきだ」と再度強調した。
次に海野議員は、自衛隊法の改正において新たに定められた警護出動の規定について取り上げ、警護対象を駐留米軍と自衛隊の施設に限定した理由を質した。村井国家公安委員長および中谷防衛庁長官は、基本的な警備は警察が行うが防衛に関連するところに限って自衛隊も対応できるようにしたと答弁。これに対して海野議員は、なぜ原発を警護対象から外したのかと追及し、村井国家公安委員長が「もし原発に対するテロが起こる蓋然性が高くなれば治安出動で対応する」とかわしたのに対し、「もっと国民生活の防衛も真剣に考えるべきだ」と批判した。
さらに、自衛隊による対応措置の国会事前承認をめぐって、派遣のリスクを国民全体で分かち合う上でも必要だと指摘したが、小泉首相は「こういう審議をしていること自体が事前承認的な意味を持つ」などと乱暴な議論を展開。福田官房長官も、武力行使はせず、派遣先も将来にわたって戦闘が起こらない地域を選ぶという意味であらかじめ限定的な活動になる(から事前承認は必要ない)などと答弁した。
海野議員は、自衛隊という部隊を動かすこと自体が世界の常識からすれば戦闘行為への参加にあたる重大な政策だとして、国会でより具体的な議論を行う必要を訴えた。しかし首相は「自衛隊が動けば武力行使になるとは初めて聞いた」などと述べ、国際感覚の鈍さを露わにした。
歴史の教訓に学び、公正な判断を~佐藤道夫議員
民主党・新緑風会の佐藤道夫参議院議員は24日のテロ対策特別法案をめぐる参議院連合審査会の質疑で、独自の視点から今回のテロ対応の問題点を鋭く衝いた。
これまでも佐藤議員は、法律家の視点での鋭い言説で知られていたが、少数会派に所属していたため、十分な時間をかけた国会質疑はできなかった。今年夏の参院選で民主党比例代表で当選し、今回初めて1時間の質問時間を使い、じっくり自説を展開した。
佐藤議員は、今回のテロ対策でなおざりにできない問題点として、「過去の歴史的な教訓をどう受けとめ、今回のテロ対応に生かすか」「国連独自の司法機関行使の必要性」「タリバン政府からの要求の妥当性とそれを拒否した米国政府の矛盾」「タリバン後の政権を模索する国際社会のゆがんだ構造」「テロ対策が不十分だった米国政府の姿勢」などを指摘。
まず、歴史的教訓として「第一次大戦も今回同様、テロから始まった」と説明。バルカン半島でオーストリア皇太子夫妻にむけてテロリストが撃った銃弾が夫妻の命を奪い、世界の列国を巻き込み、死者800万人に及ぶ第一次世界大戦へと発展した歴史を述べた。佐藤議員は「この戦争終結に乗り出したのは米国のウィルソン大統領。“国家間でテロが発生した場合、国際協調の精神に立ち、平和に議論して解決に導こう”として国際連盟をつくった」と説明した。
また、「300万人もの死者を出すことになった第二次世界大戦の終結に乗り出したのも米国だった。あらゆる問題を平和裏に解決するため、国際連盟をさらに強化する形でつくられたのが国際連合だったはずだ」と指摘した。
また、明治24年に日本の警察官が来日中のロシア皇太子に切りつけた大津事件を例に「このとき大審委員長の児島惟謙は“外国皇族殺害未遂犯を死刑にできる条文はない”とし、政府の要請を断り司法権の独立を守った」という事実を紹介。
これらの事例から、佐藤議員は今回のテロ対策について、「こういうときこそ国連が立ち上がり、自らが調査会をつくり、被害者である米国を調査して、米国が“証拠がある”としている点を明らかにすべきだ」と指摘。国連独自の司法機関をつくり、裁判する形があってもいいのではないかと提案した。
そして佐藤議員は事件1週間後にオサマ・ビンラディンを犯人と断定し、タリバンに関する証拠が一切ないまま「かくまうヤツも同罪だ」とした米国のブッシュ大統領の姿勢を、「一国の大統領にあるまじき言動だ」と述べて、首相の見解を求めた。
小泉首相は「堪忍袋の緒が切れるような、限界を超えたからこそ米国は立ち上がり、国際社会が立ち上がったのだと思う。証拠がないのでもっとゆっくりやれ、何もするなといった態度は、日本としても、首相としても取り得ない」と答えたが、これに佐藤議員は半ば呆れながら、「衆議院で示された証拠は情況証拠にもなっておらず、推測の域を出ない。あんなので起訴したらどこの国の裁判所だって無罪を言い渡す」と反論。「長い歴史のなかで証拠の徹底追及→公正な裁判というルールづけを行ってきたはずの米国が、被害者になった途端にそのルールを無視し、非合理的な論理を展開している」と戒めた。
次に、“証拠を米国が提示すれば、犯人を第三国に引き渡す”としたタリバンの姿勢について佐藤議員は「犯人の生命を守るため、当事国の米国ではなく、第三国へ委ねるというのは当然」と見解を示し、これを受け入れずに空爆を開始した米国の姿勢に重ねて異議を唱えた。
また、佐藤議員は、北部同盟を支援し、タリバン後のアフガニスタン政治のあり方を模索している国際社会の状況にも疑問を呈し、「アフガニスタン国民が目指す国づくりを手助けするのこそ、日本をはじめ文明国の役割だ」と提言した。
さらに、佐藤議員は江戸時代末期の「生麦事件」など歴史的事例をあげながら、「自国民を外国に引き渡さないのは国際法の大原則」として、「アフガニスタンにオサマ・ビンラディンの引渡しを求めることは筋が通らない」と指摘。小泉首相に、「今の法制度に従って解決していく、相手の立場も尊重してやっていく、西部劇の時代じゃないんですよとブッシュ大統領に言ってほしい」と求めたが、小泉首相は、「話しても通じない相手のテロリストと戦うんだから難しい」などと述べるばかりだった。
最後に佐藤議員は、米国政府の危機管理について、「FBIはじめ4つの情報機関をもち、オサマ・ビンラディンらを危険視する警告を発していたにも関わらず、航空機搭乗時のチェック体制の確立など、安全対策に真剣に取組んでいたとは思えない」と指摘し、「米国追従ではなく、こうした一連の問題点の指摘を米国に対して行うべきでないか」と求めたが、小泉首相は「テロ対策を充分にとっていなかったのが悪く、テロがいいといったように聞こえる」とあくまで否定的に受け止めるだけで、議論は平行線をたどったままに終始した。
国会で責任ある派遣計画の議論を~木俣佳丈議員
テロ対策関連3法案を審議する参議院内閣、外交防衛、国土交通の3常任委員会の連合審査会で24日、民主党・新緑風会から海野徹、木俣佳丈、佐藤道夫、榛葉賀津也の4参議院議員が質問に立った。
木俣佳丈議員は最初に、「この間、憲法に対するあまりに軽い発言が続いている」として 、PKF活動の凍結解除をめぐる議論などで小泉首相が基本的人権の侵害も仕方ないと繰り返し述べていることを批判した。首相はやはり「有事の際には一部制限されるのもやむを得ない。それを避けて論議しても進まない」などと答弁。
木俣議員は、「所有権や財産権などがどの程度制限されるかという具体的な話は必要だが、基本的人権自体は憲法の基本原則であり、犯すことのできない永久の権利だ。その侵害を認めたら、近代民主主義の否定になる」と首相を強く批判した。
次に木俣議員は、政府の外交的追求がきわめて不足していることについて追及。田中外相がテロ問題で他国首脳と直接会って協議したのは1回しかないことを挙げ、「これでは自主的外交などありえない」と批判した。小泉首相は「目に見える外交も、見えない外交もやっている」などと弁明したが、木俣議員は「外交努力ぬきに軍事オペレーションだけという対応はおかしいではないか」と政府の基本姿勢を批判した。
さらにテロ対策特措法案における基本計画の国会事前承認問題では、法案審議自体が事前承認にあたるという首相の論理を問題にし、「それならば、ここで具体的な自衛隊派遣の計画案を提示し議論に付すべきだ」と迫った。しかし福田官房長官は、「具体的計画は法案を通してからやるしかない」とし、被災民支援に関する国連からの要請があるかという質問に対しても「あるわけない。情報交換もしていない」などと言い放つ始末 。
また、自衛隊派遣に必要な費用概算を基本計画に盛り込むべきだとの指摘に対し、福田官房長官は「それほど重要な項目だと考えていないので記載項目に入れていない」などと答弁。木俣議員は「血税を使うのだから、いくら使います、と決めて国民に理解を求めるべきではないか」と強く批判したが、小泉首相は「どういうところに、何人の部隊を、いくら使って、といったことはまだ分からない。それは政府の行政権の問題だ」と居直った。
木俣議員は「これで法案審議が事前承認と同じとはよく言えたものだ」と怒りも露わに述べ、基本計画策定に必要な情報さえ収集できていないような状態では派遣される自衛隊員も浮かばれないとして、事前承認を盛り込んだ法案修正を改めて強く求めた 。
日米安保と中東和平を両立させる外交努力を~榛葉賀津也議員
テロ対策関連3法案を審議する参議院内閣、外交防衛、国土交通の3常任委員会の連合審査会で24日、民主党・新緑風会から榛葉賀津也議員が質問に立った。
榛葉議員は、湾岸戦争前後3年間にわたってイスラエルで研究生活を過ごし、インティファーダ(イスラエルに対するパレスチナ住民の投石による蜂起)に遭遇し、テロにより目の前で友人を失った経験を持っている。
質問の最初にその経験を語った榛葉議員は「テロを起こす側にも起こされる側にも何らかの原因があり、理由があり、言い分がある。しかしそれ以上に大切なのは、テロには正当性がないこと。いかなる理由であれ、主義主張や思いをテロリズムという形で表現してはいけない」と切々と訴えた。
その上で、榛葉議員は自衛隊法改正案で緊急出動の項目(第81条2)に新たにテロリズムの法律上の定義が加わったことをふまえて、小泉首相にテロの定義を尋ねた。ところが首相は「許すことのできない卑劣な行為だ」と感情論を語るだけだった。さらに「10月17日にイスラエルのゼービ観光大臣が暗殺されたのはテロといれるか」と認識をただすと、首相は「テロといってもいいんじゃないか」と答弁。
これを受けて榛葉議員は、「私もそう思うが、ところがアラブの国々はこれをテロとは認めていない」として、国連の総会第6委員会のテロ作業部会で、テロの定義論争が紛糾している事実を紹介。「テロと闘っている以上、テロとは何かという認識を国としてしっかり持つことが闘いへの第一歩」と提起し、「今回の特措法がテロを包括的にカバーするものになっているのか」と疑問を呈した。しかし「テロにはいかなる正当な理由もない、これと毅然と対決しなければならない」と繰り返すだけの小泉首相の答弁に限界を感じたのか、榛葉議員は深追いを避け、次のテーマに移った。
榛葉議員は、「パレスチナでテロに遭い、命を落としそうになった私を助けてくれたのは軍だった。しかし、それと同時に軍が力や権力を持ちすぎたときの悲劇も中東で学んだ」と述べ、自衛隊の派遣にはシビリアンコントロールをきかせるための事前承認が絶対必要条件だと主張した。
さらに、「緊急的なテロ対応と同時に根元的な対策を同時並行で進める必要がある。それが外交だ」と指摘して、「ビンラディンをタリバンから糾弾させ、イスラム教を世界から誤解させたり、文明対文明の戦いにしてはいけないという声を、アラブやイスラム諸国から上げさせる外交努力をすることが日本にとって一番のシナリオではないか」と提起したが、小泉首相は「いろんな努力をしてきても通じる相手でなかったから今回世界が立ち上がった」と述べるだけで、榛葉議員が訴える予防外交の必要性は伝わらないようだった。
また榛葉議員が、「中東和平問題が今回のテロの起因となっている。アフガンの情勢が中東和平に影響を与える」と指摘したが、田中外相は「重要性はわかっているが、そのことと今回のテロの原因をくっつけて言うことはできない」などと、重要性を認識しているとは思えない答弁ぶりだった。
榛葉議員は、炭疽菌などバイオテロへの政府の対応状況を確認し、最後に「日米安保か中東かという、二者択一になってはいけない。両方を両立させることは十分できる、それが外交努力だ」と述べ、質問を締めくくった。《民主党ニュース》