平成4526日目
2001/05/30
この日のできごと(何の日)
【田中真紀子外相】報道官発言に激怒
「外務報道官の定例記者会見を中止させなさい」−。田中真紀子外相は30日、機密費詐欺事件をめぐって追加処分は困難との見解を示していた服部則夫外務報道官に前代未聞の「記者会見中止命令」を出した。外相は29日に服部報道官を「職を越えている」と厳しく批判していた。記者クラブ側の反対で、結局、報道官会見を渋々受け入れたものの、怒りは当分収まりそうもない。
外相は就任当初から追加処分の考えを表明していた。しかし、服部報道官は23日の会見で「(1月25日の)処分が妥当だとの見解に変わりはない」として、国家公務員法上の追加処分は困難との見解を示した。これに対し、外相は29日の参院外交防衛委員会で「報道官の仕事は客観的にファクト(事実)を言うことだ。職を越えている」と強い不快感を表明した。
30日は午後5時から外務報道官の定例会見が予定されていたが、その約2時間前、外相から同省報道課を通して「報道官の会見を中止し、報道課長にやらせる」との意向が記者クラブ側に伝えられた。しかし記者クラブ側が突然の変更には応じられないとして受け入れなかったため、服部報道官は予定通り記者会見を行った。
しかし、外相の逆鱗に触れた服部報道官は終始こわばった表情。改めて処分問題に関する見解を聞かれても、「事務当局としては大臣の判断、指示を待つということに尽きる」と力無く繰り返すだけ。国会対応や訪中などに追われ小康状態だった外相と同省幹部の対立だが、火種が消えたわけではなく、「追加処分」問題をめぐり再燃しそうな気配が濃厚だ。《共同通信》
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【NTTドコモ・FOMA】首都圏の一部でスタート
携帯電話最大手のNTTドコモは30日、現在の携帯電話の性能を大きく上回る次世代携帯電話の試験サービス「FOMA(フォーマ)」を開始した。一般向けの次世代サービスとしては世界初。
高速通信によりiモードや動画像などを快適に閲覧でき、通話時の音質も向上。将来は海外でも利用できるようにする。
料金水準によっては幅広く関心を集めそうだが、サービス開始直前に一部機種のソフトに不具合がみつかるなど、「不安」を抱えたままの見切り発車となった。
試験サービスは、利用を東京23区と横浜、川崎市の一部の計4500台に限定し、9月末まで実施する。基本料は無料で端末は貸与されるが、通信料は利用者負担。通信速度は毎秒64−348ビットで、現行のiモードの約6−40倍の速さ。本格サービスは10月1日から首都圏で始め、年内には大阪、名古屋地区にも広げる。
30日はサービス地域内の各地で、抽選で選ばれた一般モニターに端末が配布された。東京都港区のドコモ支店には午前中からスーツ姿の男性会社員らが訪れ、新しい端末を手にしながら説明を受けていた。ただ「期待したほど(通信が)速くなく拍子抜け」など不満を漏らす利用者もいた。《共同通信》
【オウム裁判】中村昇被告に無期懲役
松本サリンなど計9人が死亡した4事件で、殺人や殺人未遂、逮捕監禁致死などの罪に問われた元オウム真理教幹部中村昇被告(34)の判決で、東京地裁は30日、無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。
松本サリン事件の実行犯の判決は、噴霧車の運転手で坂本堤弁護士一家殺害にも加わった端本悟被告(34)=死刑、控訴中=、警備役だった富田隆被告(43)=懲役17年、控訴審公判中=に次いで3人目。
判決理由で永井敏雄裁判長は「各事件はいずれも教団で絶対的な存在だった松本智津夫被告(46)=教祖名麻原彰晃=の指示で実行され、中村被告は教団の仕事として犯行に加担し固有の動機はなかった」と指摘。
主導的役割を果たした目黒公証役場事務長監禁致死を除き「警備役だった松本サリンなど3事件での関与は従属的」と認定した。
量刑上最も重要視された松本サリンについては、「被告が噴霧物質がサリンであると知っていたとは認められず、致死性の認識も十分でなく、重大な被害が出ることをあらかじめ予測していたとは言い難い」と述べた。
その上で「被告が今も独自の宗教観にとらわれ、生じた結果を現実的なものと受け止めておらず、真摯な反省は認めがたい」と指摘したが、「首謀者の松本被告などとは、行為の実質に大きな差異があることは否定できない」とし、「極刑がやむを得ない場合とまでは認めることはできない」と結論付けた。《共同通信》
【サッカー・コンフェデ杯】開幕
サッカーの2002年ワールドカップ(W杯)のプレ大会、コンフェデレーションズカップが30日、韓国で開幕し、大邱での一次リーグA組、フランス−韓国はフランスが5−0で大勝した。水原での同組、メキシコ−オーストラリアは、オーストラリアが2−0で1勝目を挙げた。W杯王者で欧州選手権チャンピオンのフランスはマルレの先制ゴールを皮切りに前半で3点を奪い、後半もジョルカエフのゴールなどで2点を追加し韓国を圧倒した。
31日には日本で一次リーグB組のブラジル−カメルーン(茨城)日本−カナダ(新潟)が行われる。大会には各大陸王者など8チームが出場。A、B組に分かれて一次リーグを行った後、各組上位2チームが6月7日の準決勝に進む。決勝は同10日に横浜で行われる。《共同通信》
【小泉純一郎首相】一票の格差「2倍以内に」
小泉純一郎首相は30日午後、衆院小選挙区の「一票の格差」問題をめぐり、次期衆院選までに格差を2倍以内に是正することを目指す考えを首相官邸で記者団に表明した。
これに先立つ参院予算委員会でも、2倍以内を達成するために、各都道府県に1議席を基本配分し、残りの議席を人口比例で割り振る現行方式を見直し、完全比例配分方式にすべきだとの認識を示した。《共同通信》
【小泉純一郎首相】市町村合併支援を指示
30日、官邸で市町村合併支援本部の会議が開催された。会議では、市町村合併支援本部における今後の取り組みが了承された。
会議の最後に小泉首相は、市町村合併は地方分権推進の上で重要であるとの認識を示した上で、住民の自治ということを念頭において、政府一体となって市町村合併を強力に支援するよう関係者に指示した。《首相官邸》
【インドネシア・ワヒド大統領】弾劾審議へ
インドネシア国会は30日、ワヒド大統領の資金流用疑惑を理由に弾劾を審議する国民協議会(国権の最高機関)特別会の招集を賛成365、反対4、保留39で決めた。大統領支持の国民覚せい党は抗議のため退席、採決に加わらなかった。
国会の招集要請を受け、国民協議会は7−8月に特別会を開く見込み。大統領の延命は極めて困難となり、メガワティ副大統領への政権交代の流れが一段と加速した。
大統領派は同日、抗議行動を一層強め、地盤の東ジャワ州パスルアンの警察によると、警察施設を襲撃しようとした大統領支持者1人を警官が射殺した。弾劾問題をめぐる死者は初めて。国会ではデモ隊約5000人が封鎖線を破って構内に突入したが、「警察が催涙弾を使用、議事堂への接近を阻止した。
社会情勢が悪化すれば、大統領が実権を手放す代わりに弾劾を避ける妥協案が再浮上する可能性もあるが、同日の国会で主要政党は妥協案に否定的見解を表明した。妥協が成立しても大統領は名目的な存在となり、副大統領主導の政権となる。《共同通信》
【この日の民主党】
「ようこそ!民主党案に」~一票の格差是正を表明した首相を評価=鳩山代表が会見で
民主党の鳩山由紀夫代表は30日の定例記者会見で、小泉首相が国会質疑で「1票の格差是正に取組む」と答弁した点に関連し、「ようこそ民主党案に!という思いだ」と首相の姿勢を評価した。
民主党では、一票の格差が広がっている最大の原因は、各都道府県に最低1議席を割り振る現行の仕組みにあると指摘。昨年10月に衆院小選挙区の定数300議席について、現行の47都道府県に1議席ずつ基礎配分して残りを各都道府県の人口に比例して割り振る「一人別枠制」を廃止し、完全な人口比で各都道府県に割り振るよう改める「衆議院議員選挙区画定審議会設置法改正案」をまとめている。
鳩山代表は、「総理自らの考えだけではなく、早急に党内をまとめ、自民党案を作成してほしい」と要請し、同時に、民主党案の準備は万全であることをアピールした。
また、6日に予定されている小泉首相との初の党首討論に臨む姿勢を問われたのに対し、「できるだけわかりやすく国民に問い掛けていきたい。首相が主張している構造改革路線はあくまでも民主党が主張してきたものであることを示して、どんどん進めていこう!本当に自民党内は大丈夫なのか、と投げかけたい」と述べた。そして、「基本的には自然体で臨む。国民に楽しんでもらえる議論を展開したい」と決意を示した。
靖国神社公式参拝について小泉首相が強いこだわりを持っている点をどう思うかと問われたのに対し、鳩山代表は「戦没者の霊をなぐさめたいという思いは同じだ」としながらも、「戦没者の霊を弔う場所は他にも多くあるはず。特定の宗教と強いかかわりがある場所に参拝する違憲性や永久戦犯の合祀という問題を軽視していいのか。アジアの人たちがどう判断するかという点も、真剣に考えなければいけないはず」と指摘した。そして、それぞれの問題点を勘案しながら、冷静に判断すべきだと述べた。《民主党ニュース》