平成4204日目
2000/07/12
この日のできごと(何の日)
【そごう】グループ22社、民事再生法適用申請
巨額の債務超過に陥っていた大手百貨店のそごうグループは12日、預金保険機構と72の金融機関に要請していた6300億円の債権放棄計画を推回、民事再生法の適用を東京地裁に申請し、財産保全命令を受けた。負債総額は約1兆8700億円と、金融機関を除けば過去最大で、全国展開している大手百貨店では戦後初の倒産になった。
預保機構が新生銀行(旧日本長期信用銀行)から買い取った債権のうち約970億円の放棄を決めたことで、税金による私企業救済との批判が噴出。自民党の亀井静香政調会長が11日、与党3党の代表として債権放棄要請を自主的に取り下げるよう直接求めたことで、法的整理に進まざるを得ないと判断した。
創業170年で、パートを含め国内従業員約1万人を抱えるそごうの倒産が、取引先や同社に融資していた金融機関に大きな打撃を与えるのは必至。ゼネコンなど経営が悪化している企業の再建にも影響を及ぼしそうだ。
民事再生法を申請したのはそごう本体と各地の地域法人の計22社。手続きが迅速で半年程度で計画の認可を得られる上、各地域法人がまとめて申請できるため、再生法を選んだ。多摩そごうも12日、特別清算を申請した。長野そごうは13日にも、木更津そごうも近く破産を申請する方針。既に閉店している茂原そごうは特別清算する。全国28、海外14の店舗は基本的に営業を継続するが、多摩そごうは閉鎖の準備のため、13日は臨時休業するとしている。《共同通信》
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【大相撲名古屋場所】4日目
大相撲名古屋場所4日目(12日・愛知県体育館)横綱曙が関脇栃東を一方的に押し出して4連勝。新入幕の高見盛とともに全勝を守った。栃東は初黒星。ほかの2横綱も安泰。貴乃花が闘牙を押し倒し、武蔵丸が隆乃若を突き出して、ともに3勝目を挙げた。大関では出島が関脇貴ノ浪を、千代大海が小結玉春日をそれぞれ下して1敗を守った。だが、かど番の武双山が安芸乃島に負けて2敗目。新大関の雅山は栃乃花に勝って、星を五分にした。大関とりの懸かる関脇魁皇は1敗をキープした。《共同通信》
【Jリーグ】ヤマザキナビスコ・カップ2回戦
Jリーグ・ヤマザキナビスコ・カップ2回戦最終日(12日・日立柏サッカー場=ほか7試合)第2戦を行い、連覇を狙う柏レイソル、昨年四強のFC東京が敗退する波乱があった。
柏は川崎フロンターレに1−0で勝ち、1勝1敗で得失点差も同じため延長戦に入ったが、川崎FのイジドーロにVゴールを許した。第1戦で京都サンガに引き分けた東京は0−1で敗れた。
リーグ戦首位の鹿島アントトラーズは本山が延長Vゴーール。清水エスパルスは4−0でヴィッセル神戸を下し、1勝1敗で得失点差が上回り、ジュビロ磐田とともに準々決勝進出を決めた。
【愛知県警】息子の殺害を元組員に依頼、59歳女を逮捕
愛知県岡崎市のマンションの無職Sさん(35)方で2月、大学四年の男子学生がSさんと間違われ頭を撃たれ負傷した発砲事件で、愛知県警捜査四課と岡崎署は12日、現金九百数十万円を渡してSさん殺害を元組員に頼んだとして、殺人教唆の疑いでSさんの母親、A子容疑者(59)=同県瀬戸市=を逮捕した。
A子容疑者はSさんの家庭内暴力に悩み、ラーメン店経営に失敗したSさんが平成11年12月、勝手に瀬戸市の自宅を売却しようとしたため「もう耐えられない。殺してほしい」と元組員に頼んだといい、愛知県警は息子の暴力や事業失敗が事件の引き金になったとみている。同容疑者は「そんなことはありません」と容疑を否認している。
調べでは、A子容疑者は1月下旬、名古屋市守山区内の喫茶店で、元指定暴力団山口組系組員の建設会社役員B被告(38)=殺人未遂罪などで起訴=に現金九百数十万円を渡し、息子のSさんの殺害を依頼した疑い。
B被告は、元暴力団組員のC被告(51)を使って、今年2月14日夜、Sさん方に遊びに来ていたDさん(22)をSさんと間違えてけん銃3発を発射させ、うち1発がDさんの頭をかすめ軽傷を負わせたとして起訴された。
供述などによると、B被告は11年12月初め、知人の紹介で知り合ったA容疑者から「息子が家で暴れるので注意してほしい」と相談を受け、同容疑者宅を訪れ、当時同居していたSさんを注意した。しかし暴力はやまず、同月下旬、A容疑者に殺害を持ち掛けられた。
関係者によると、Sさんは経営していたラーメン店を昨年11月ごろに閉店。数千万円の借金があり、担保に土地などを提供したA子容疑者らとトラブルになっていたという。《共同通信》
【岡山金属バット母親殺人事件】「嫌がらせ」全員が証言
金属バット殴打事件で逮捕された岡山県立高校三年の少年(17)に対し、重傷を負った野球部の後輩らが日常的に繰り返していたとされる嫌がらせについて、ほかの部員全員が学校側の調査に「確かにあった」と証言していることが、12日分かった。
少年は、頭髪をめぐって重傷の後輩とトラブルになった事件前日の日記に、この後輩を名指しして「あす狩りを決行する」と記述しており、岡山県警牛窓署捜査本部は、日ごろの嫌がらせに対する不満が、前日のトラブルで一気に爆発したと判断。母親(42)の殺害を含め、さらに詳しい動機を追及する。
調査は、少年と重傷で入院中の後輩を除き、マネージャーらを含む野球部員22人を対象に実施。その結果、野球部には先輩と後輩間の垣根がなく、重傷の後輩らが少年に柔道の技をかけたり、ランニングを邪魔したりし、頻繁にからかうことなどもあったことを、全員が証言した。少年はされるままだったという。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・民主党の鳩山由紀夫代表は12日の記者会見で、首相番記者の取材を拒否してきた森喜朗首相を「マスコミはありがたいPRの機会。自分の思いを述べる機会を首相自ら閉ざされるのは、あまりに勇気がない」と酷評。「過去の失言癖でマスコミとの対応を求めてないのかもしれないが、積極的に対応すべきだ」と挑発してみせた。自らのオフレコ発言で地山兄弟の「内紛」が報じられ、記者団ともめた前歴もある同氏だが、ここは攻撃に専念といった様子。《共同通信》
【森喜朗首相】番記者に笑顔
森喜朗首相は12日、首相番記者の質問に3日ぶりに応じた。2日間かたくなに無言の行を続けていた首相だが、一転、この日は冷戦状態だった記者団に時折笑顔も見せた。
首相は11日夜、会食した森派若手議員らから「今は首相の良さが出ていない。早く記者との関係を修復した方が良いのでは」と、心配するが相次ぎ、黙って聞いていたという。自民党の野中広務幹事長らからも間接的に、アドバイスがあったようだ。
【G8高校生サミット・生徒代表】森喜朗首相を表敬訪問
6月24日、25日の2日間九州・沖縄サミットのプレイベントとして、「G8高校生サミット(実行委員長・樋口廣太郎アサヒビール(株)名誉会長)」が沖縄で開催された。
その会議の成果報告のため、代表者3名(昭和薬科大学附属高等学校3年 友寄隆智さん、沖縄県立知念高等学校3年 濱田好恵さん、沖縄県立球陽高等学校2年 喜屋武百合子さん)が12日、首相官邸に森総理を表敬訪問した。高校生サミットでは、環境や平和問題などについて提言をまとめた。総理は「この提言をもとに各国首脳と相談したい。」と首脳会議での議論に向けた意欲を表明した。《首相官邸》
【フィリピン、北朝鮮】国交樹立
フィリピンのシアゾン外相と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のジョ・インチョル駐夕イ大使は12日、マニラで外交関係確立に関する共同声明に署名し、両国は国交を樹立した。
今年に入って北朝鮮が国交を樹立、正常化したのはイタリア、オーストラリアに続いて3カ国目。
北朝鮮は今月末にバンコクで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に初参加するほか、カナダやニュージーランドとの国交正常化も目指している。孤立脱却に向けた積極外交に、さらに弾みがつきそうだ。
共同声明で両国は、国交樹立の指針として①国連憲章や国際法②互いの国内法③国家主権と領土の統一性④内政不干渉−の尊重を表明した。
署名後、シアゾン外相は「(国交樹立は)地域の平和と安全保障を推進する」と強調、ジョ大使も「われわれは偉大な努力で外交関係を確立した」と満足感を示した。両国は大使館を開設せず、フィリピン側は駐中国大使、北朝鮮側は駐夕イ大使が大使を兼任する見通し。《共同通信》
【NTTドコモ】英国進出を発表
NTTドコモは12日、英国で次世代携帯電話(IMT−2000)の免許を持つ「ハチソン・3G・UK・ホールディングス」に対し、ドコモとオランダの携帯電話会社KPNモバイル、それに香港の持ち株会社ハチソン・ワンポワの3社で共同出資することで合意したと発表した。
ドコモは株式の20%を約12億ポンド(約1944億円)で取得する。一方、5月に発表したKPNモバイルへの出資方針については、ドコモが15%の株を約40億ユーロ(約4080億円)で取得することで12日、両社が契約を締結した。
ドコモはKPNモバイル、ハチソンと組み、約6000億円を投入して欧州で次世代携帯電話サービスを展開。日本で人気の携帯電話向けインターネット接続サービス「iモード」の普及も狙う。《共同通信》
【この日の民主党】
そごうの民事再生法申請について菅政調会長が談話
百貨店のそごうが12日、債権放棄などによる再建を断念し、民事再生法の適用を東京地裁に申請した。これを受けて、民主党の菅直人政調会長は同日夜、「金融秩序と社会的公平を維持するために、当然の措置である」とする談話を発表した。菅政調会長は、今回の混乱の原因について、「金融再生委員会が金融再生法の原則を無視してそごう向け債権放棄を決定したことにある」として、瑕疵担保特約など金融再生法の原則に反する契約を結んで、こうした混乱を招いた森内閣の政治責任を強く批判した。
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そごうの民事再生法申請について(談話)平成12年7月12日
民主党政策調査会長
菅直人
—————————————-1.百貨店のそごうが本日、民事再生法の適用を申請し、事実上倒産した。今回のそごうの民事再生法申請により、金融再生委員会が決定した預金保険機構による債権放棄と公的資金の投入は、白紙に戻り、法的な会社整理に移行する。民主党は、公的資金を投入して、放漫経営の私企業を救済することは、モラルハザードを招くと一貫して反対してきた。今回、そごうが債権放棄要請を取り下げて、法的整理に移ることは、金融秩序と社会的公平を維持するために、当然の措置であると考える。
2.金融再生法は、預金者保護以外の目的で公的資金の投入を認めていない。しかし、旧長銀の経営譲渡時に瑕疵担保特約が結ばれたことによって、これを悪用して経営不振企業の際限なき救済に道を開き、金融秩序が破綻する恐れがあった。今回の混乱の原因は、金融再生委員会が金融再生法の原則を無視してそごう向け債権放棄を決定したことにある。瑕疵担保特約など金融再生法の原則に反する契約を結んで、こうした混乱を招いた森内閣の政治責任は、極めて重いと言わざるを得ない。
3.そごうは、グループ全体で負債総額約2兆円ともいわれており、民間事業会社では過去最大規模の倒産になる。そごうの倒産が、取引先企業等の連鎖倒産につながらないように、政府は、取引先中小企業の金融支援などに万全の対策をとることを求める。
4.そごうの新生銀行(旧長銀)向け債務には、水島広雄前会長が個人名で債務保証をしていたと報じられており、水島前会長が私財をもって債務の穴埋めをすべきことは明白である。金融再生委員会は、金融再生法第4条の「国民負担最小化原則」に則り、法的整理に伴う国民負担を最小化するため、水島前会長ら旧経営陣の私財提供などを求めて、あらゆる法的手段を行使し、民事、刑事上の責任を徹底的に追及すべきである。
市民が主役の司法へ構造改革を~党司法制度改革プロジェクトが提言を発表
民主党の江田五月司法担当ネクスト大臣は12日、国会内で記者会見し、党司法制度改革プロジェクトチームがまとめた提言「市民が主役の司法へ=新・民主主義確立の時代の司法改革」を発表した。
国民にとって高価で、不便で、時間がかかり、敷居が高くなっている司法を国民主権の理念に則って構造改革するもので、次の10項目からなっている。
(1)法曹人口を10年後には、5万人とし国民に対し法的サービスが行き渡るようにする。
(2)民主的な推薦委員会の選任手続きにより、法曹経験の豊かなものから裁判官を選ぶ法曹一元制度を、21世紀初頭の遅くない時期までに実現する。
(3)市民の司法参加である陪審制・参審制を実現する。
(4)行政訴訟手続を改革し、行政に対する国民の権利保障を行いやすい制度を実現する。
(5)少年の健全育成、家事紛争の解決や豊かな後見制度のために、家庭裁判所の機能を飛躍的に充実させる。
(6)法律扶助制度を充実させ、実効ある支援制度を実現する。
(7)犯罪被害者基本法を成立させ、被害者の権利を確立する。
(8)裁判の迅速化と証拠開示や証拠の早期提出等の適正化をはかる。
(9)仲裁制度等裁判外紛争処理制度(ADR)を充実させ、隣接士業を活用する。
(10)最高裁判所のジェンダ-バランスを実現する。(1)では、わが国の法曹人口を、司法試験制度の改革やロースクール(法科大学院)制度などにより、質とともに量的に充実させることをめざす。
(2)では、裁判官のキャリア制度をやめ、市民生活に密着した経験をもつ法律家から裁判官を選ぶ「法曹一元」制度を実現させる。
(3)は、厳格な手続きによって選ばれた市民が陪審員として裁判に参加する制度、「陪審制」を復活させる。また事案に応じて市民が裁判官と共に審理に参加する「参審制」を導入する。
(4)は、きわめて制約が多く、使いにくい現在の行政訴訟制度を抜本的に見直し、訴えの利益や当事者適格の緩和や不服対象の拡大などを行う。
(10)では、民主党が政権をとった場合にはただちに女性を最高裁判事に登用する、としている。《民主党ニュース》