平成4112日目

2000/04/11

この日のできごと(何の日)

【森喜朗首相】青木代理に問題なし

国会は11日午後の衆院本会議で、森喜朗首相の所信表明演説に対する代表質問を続行した。

青木幹雄官房長官は内閣法9条で「あらかじめ指定された閣僚が首相の職務を臨時に行う」と規定された首相臨時代理への就任について「首相に『何かあれば万事よろしく頼む』と指示された。これは、同9条で規定された臨時代理の任に当たるようにとの指示を当然含んだものと考えている」と述べ、何ら問題はないとの認識を表明した。

森首相は自民、公明、保守の連立政権について「強い信頼関係に立脚し、緊密に連携しつつ一丸となって山積する課題に挑戦し、国民の負託にこたえるのが使命だ」と強調した。自由党の二見伸明氏が「今の連立政権は野合だ」と追及したのに答えた。

首相は7月の主要国首脳会議(沖縄サミット)では「21世紀に希望を抱ける明るく力強いメッセージを発信すべく、議長国のイニシアチブを発揮したい」と意欲表明。併せて「安全保障面を含めて国際社会への日本の寄与をアピールしたい」とも述べ、アジア太平洋地域における日米安保体制の役割に理解を求める考えを明らかにした。

共産党の不破哲三委員長は財政再建に当たり「消費税増税を視野に入れているのではないか」と追及した。首相は「少子・高齢化の進展など経済社会の構造変化、財政状況を踏まえて国民的議論によって検討されるべき課題だ。現時点で中身を申し上げる状況ではない」とかわした。不破氏のほか、土井たか子社民党党首、野田保守党幹事長らが質問した。この日は午前、参院本会議でも代表質問が行われた。

森喜朗首相は11日夕、ドイツのシュレーダー首相と電話会談し、7月の主要国首脳会議(沖縄サミット)について「日本にとってことし最重要の外交課題であり、昨年議長を務めた首相に指導と協力をお願いしたい」と伝えた。シュレーダー氏は「成功を祈る」と述べ、協力を約束した。《共同通信》

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【森喜朗首相】ハンガリー・ゲンツ大統領と会談

11日、森首相は国賓として日本滞在中のハンガリーのゲンツ大統領と会談した。会談の中で、ゲンツ大統領は、天皇皇后両陛下と首相のハンガリー訪問を招請した。首相は「ハンガリーを対欧州外交の重要な国と位置づけ、今回の大統領訪日を契機にあらゆる分野で交流を深めたい」と述べた。《首相官邸》


https://www.kantei.go.jp/

森喜朗首相は11日夜、官邸でハンガリーのゲンツ大統領と会談し「改革と民主化を経てハンガリーは中、東欧で指導的地位を占めるに至った。日本の対欧州外交で重要な国と位置付けている」と強調した。

大統領は、ハンガリーが欧州連合(EU)加盟に向け準備を進めている状況を説明。また、日本の国連安保理常任理事国入りについて「できるだけ協力したい」と支持を表明した。さらに天皇、皇后両陛下と森首相のハンガリー訪問を招請、首相は「感謝する」と答えた。《共同通信》

【小渕恵三前首相】こん睡状態続く

青木幹雄官房長官は11日午前の記者会見で、脳梗塞で入院中の小渕恵三前首相の病状について「同じような状態が続いているという報告を病院から先ほど受けた」と述べ、前首相がこん睡状態で、引き続き重篤な状況にあることを明らかにした。《共同通信》

【この日の民主党】

羽田幹事長が東ティモール暫定行政機構の特別代表と会談

民主党の羽田幹事長は11日、党本部で、来日中の国連東ティモール暫定行政機構のデ・メロ事務総長特別代表と会見し、東ティモールの現状や今後の日本の協力のあり方について協議した。簗瀬進国際交流委員長、笹野貞子参院議員が同席した。

羽田幹事長は昨年、同地域での選挙監視活動に参加した経験をふまえ、「党として粘り強く支援活動を続けていきたい」と発言。メロ特別代表は民主党の協力に謝辞を述べ、「東ティモールの独立に反対する武装勢力がまだ活動しているのが不安材料だが、国家建設は経済・行政ともに順調に進展している」と報告し、日本からの援助に期待を表明した。

「野中発言の全面削除と謝罪求める」川端国対委員長が会見で

民主党の川端達夫国会対策委員長は11日の会見で、野中自民党幹事長の「白々しい発言」を取り上げ、「許されないこと」「前首相の病気を、野党代表のバッシングに政治的に利用した」と厳しい表情で指摘した。川端委員長はそのうえで、同日の議院運営委員会で、議事録からの野中発言の全面削除と本人の謝罪を求める方針を明らかにした。

羽田幹事長も10日の会見で、「あたかも鳩山代表の発言が病に追い込んだかのような発言は由々しきこと。私たちは公の、野党の立場で発言している。この発言は民主主義の否定につながっていくもの。猛省を促す」と指摘した。

政治参加のバリアフリーの実現を=市民がつくる政策調査会がシンポジウム

民主党と提携している「市民がつくる政策調査会」は11日、憲政記念館で「高齢者・障害者の参政権保障」をテーマにシンポジウムを開いた。民主党からは福山哲郎・堀利和・朝日俊弘各参院議員が出席した。

まず、障害者権利擁護センターの金政玉さんが、全国3万カ所以上の投票場の63%に入り口に段差があり、67%が人的介助を必要としているほか、病院・施設での選管の第三者派遣者による投票も実現されていない現状を報告。

これを受けて福山議員が、「公選法改正で、手話通訳者に対する報酬の支払いが認められようとしているが、高齢者・障害者の政治参加がせばめられぬよう運動していきたい」とあいさつ。 さらに堀議員は、「外出困難者が投票場まで移動するのを助ける『ガイドヘルプ制度』を実地しているのは全国の自治体の半分に過ぎず、肢体不自由者の投票場での介助者による代筆も認められていない」として、「早急に政治参加のバリアフリーを実現するため、できるところから改革に着手すべきだ」と主張した。

小渕前首相入院以降の対応ただす質問主意書を提出=川端国対委員長

川端国対委員長は11日、伊藤衆院議長に対し、小渕前首相の入院以降の政府の対応をただす「国の危機管理と国民の知る権利、情報公開に関する質問主意書」を提出した。内容は、7日に青木官房長官に提出した「申し入れ」に加え、次のとおり。

▽青木官房長官は、2日午後7時頃に病院で小渕前首相に面会した際、「検査結果によっては、私が臨時代理の任にあたるように言われた」と述べたが、10日の衆院本会議では「何かあれば万事よろしく頼む旨指示をうけた」と変わり、同日夕刻の会見では「『何かあったらよろしく頼む』ということだった。病人相手に万一の場合の臨時代理の話をするものではない。そういう風に理解したということだ」とさらに発言が変わった。その理由は何か。

▽青木官房長官は10日の会見で、2日に前首相と面会した際(に見た)前首相の脳の断面写真は「右側がかなり白くなっていた」と、危険な状態であったことを明らかにしているが、1週間も経過して発表した理由は何か。

▽この貴重な経験を生かし、森首相は直ちに首相臨時代理を指名すべきだが、今日に至るまで指名したとの報告がない。重大な国家の危機管理の経験が全く生かされない理由は何か。

本岡参院議員会長が代表質問=失業、教育、公務員不祥事などただす

森首相に対する代表質問が11日、参院でも始まった。民主党・新緑風会からは本岡昭次議員会長が質問に立ち、森首相が自民党内で後継者に選出されるまでの不透明な経過をただすとともに、失業問題や教育対策、警察・自衛隊をはじめとする公務員の不祥事などについて、政府の姿勢を追及した。

本岡会長は森内閣誕生について、「政策や理念、人物を考慮しない自民党の派閥均衡と連立維持を最優先した密室の政権交代劇だ」と指摘。あわせて小渕前首相入院以降の政府の措置は「危機管理の面で疑念がある」として、(1)前首相入院から発表まで22時間かかった(2)昏睡状態に陥ったとされる2日午後8時から3日午前9時まで臨時代理をおかなかった(3)医師団の報告がないなどについて、釈明を要求した。

さらに本岡会長は、(1)昨年11月に政府が発表した100万人規模の雇用創出計画をどう実現するか(2)児童・生徒の不登校問題をどう解決するか(3)警察不祥事については保利国家公安委員長の辞職が急務ではないか(4)汚職が相次ぐ農水省構造改善局の改革には政官業のゆ着絶ち切ることが必要だと迫った。

これに対し森首相は、「(自分は)密室ではなく国会で正当に選出された」、「青木官房長官は臨時代理の任務を立派に果たした」と述べるばかりで、本岡会長の質問には一切答えなかった。

さらに雇用対策については「職業対策の充実など労働者保護に努める」、不登校問題は「学校と家庭、地域の連携強化を図る」などと抽象論に終始。保利委員長の辞職は「警察不祥事は警察刷新会議で論議している」、農水省構造改善局汚職は「事業の透明性を図る」とだけ答えた。



4月11日 その日のできごと(何の日)