平成4078日目
2000/03/08
この日のできごと(何の日)
【営団日比谷線中目黒駅構内列車脱線衝突事故】
8日午前9時すぎ、東京都目黒区上目黒の営団地下鉄日比谷線中目黒駅近くで、下り電車(8両)の最後尾車両が脱線して上り電車(同)と衝突、双方の車両が大破した。東京消防庁などによると、男女4人が死亡、33人が重軽傷を負った。死亡した4人は都心への通勤客で満員の上り電車の乗客だった。警視庁捜査一課と目黒署は捜査本部を設置、業務上過失致死傷容疑で捜査を始めた。政府は首相官邸内の危機管理センターに官邸連絡室を設置、運輸省も事務次官を本部長とする対策本部を設け、専門家の調査チームを現場に派遣し原因調査に乗り出した。
警視庁や運輸省などによると、脱線したのは営団地下鉄日比谷線の北千住発菊名行き下り電車。中目黒駅手前の地上に出るトンネルを出て約40メートルの地点で最後尾車両の前軸が脱線、中目黒発竹ノ塚行き上り電車の先頭から5両目と擦れ違いざまに接触、6両目と衝突したという。衝突現場は同駅約150メートル手前で、緩やかなカーブの時速40キロ徐行区間。下り電車は乗客約240人(乗車率20%)が乗り、上り電車は都心への通勤客ら約1300人(同120%)で満員状態だった。
脱線車両は右側面をはぎ取られるように大破、屋根だけを残した状態で内部がむき出しになった。
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東京都目黒区の営団地下鉄日比谷線中目黒駅近くで電車が脱線、衝突した事故は、現場の線路構造が原因で脱線後の下り電車のはみ出しが大きくなり、上り電車との衝突につながった可能性が強いことが8日、運輸省鉄道事故調査検討会の調べで分かった。現場は上り急こう配の急カーブで、脱線しやすい構造だったとの見方も浮上している。
鉄道事故調査検討会によると、脱線した北千住発菊名行き下り電車(8両)の最後部車両の車輪や車軸に異常はなかったが、台車左側前部の緩衝装置「空気バネ」の空気がすべて抜けていた。事故直後駆け付けた営団職員は空気が残っていたと話しており、事故との関連は不明。
警視庁目黒署捜査本部は業務上過失致死傷事件として運転士や営団関係者から事情を聴く一方、破損状況を調べるためレールなどを押収して脱線原因の解明に乗り出した。9日朝から車両も検証し、車輪や車軸を詳しく調べる方針。
現場のコンクリートまくら木を調べると、脱線の痕跡はトンネルを出て約50メートルの地点から始まり、そこから82メートルにわたってV字形にえぐられるなどの傷が続いていた。
下り電車は最後部車両の前四輪が脱線したまま中目黒駅へ向かって進行。途中で交差する工事用引き込み線のレールに沿って一気に外側へ約1メートルはみ出し、通常72センチの距離で擦れ違う同駅発竹ノ塚行き上り電車の5両目と接触、6両目に衝突したとみられる。《共同通信》
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【小渕恵三首相】国家公安委員長罷免「考えず」
小渕恵三首相は8日午後、参院で開かれた党首討論で、警察不祥事などに絡む保利耕輔国家公安委員長(自治相)の責任問題について「(保利氏には)この問題を処理し、再び起こらないよう国家公安委員会の在り方を検討する責務がある。罷免は毛頭考えていない」と述べ、野党党首が求めた罷免を拒否した。保利氏も衆院地方行政委員会の警察不祥事に関する集中審議で、辞任する意思のないことを重ねて強調した。
党首討論後に首相は、国家公安委員会が第三者機関を設置し、警察制度全般の見直しを早期に実施すべきだとの見解を記者団に表明。課題として①国家公安委の在り方②国家公安委員長の役割と内閣との関係③キャリア組の昇任問題④各県公安委員会と警察との関係−などを例示した。
警察改革に併せて政府は、国家公安委員など国会同意で任命される行政委員会全般の委員任期の短縮も実施する方向だ。《共同通信》
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小渕恵三首相と野党党首による2回目の党首討論(クエスチョンタイム)が8日午後、国家基本政策委員会の合同審査会として参院で開かれた。小渕首相は鳩山由紀夫民主党代表への答弁で、一連の警察不祥事が明るみに出たことについて「俗っぽく言えば、運が悪かったということかもしれない」と失言。後で「運が悪かったで過ごせない問題と言った」と釈明した。
警察制度について首相は「一義的には公安委員会そのものが対応すべきだ」と強調、公安委員会主導で制度全般について見直しを検討すべきだとの見解を示した。
共産党の不酸哲三委員長は国家公安委の運営をめぐる保利耕輔国家公安委員長の国会答弁を問題視し「仕組みを変えるとかでなく、刷新すべきかどうかが根本だ。(保利氏の)罷免から刷新を始めるべきだ」と強調・社民党の土井たか子党首は新潟県警本部長の処分を国家公安委が持ち回りで決めたことについて「公安委員会規則では『会議の議決により権限を行う』となっており、持ち回りで決めた処分は無効だ」と主張した。《共同通信》
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民主、共産、社民の野党3党の党首は8日午後、記者会見などで、警察不祥事をめぐる党首討論での小渕恵三首相の「運が悪かった」発言などを批判した。
民主党の鳩山由紀夫代表は、首相が一連の不祥事が明るみに出たことを「運が悪かったということかもしれない」と述べたことに対し「このようなことが日常茶飯事で起きていることを、はしもなく露呈した」と指摘。今後も他の野党とともに保利耕輔国家公安委員長の辞任を求め、首相の責任も追求していく方針を示した。
共産党の不破哲三委員長も「運が悪かった」発言について「(首相は)内心そう思っているんだろう。言った後で取り編ったということだ。首相答弁で詳しかったのは散髪に行った話だけ」と皮肉った。社民党の土井たか子党首は「首相の返事はよく分からない、歯切れの悪い発言だった」と述べた。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・羽田孜民主党幹事長は8日、インタビュー番組の収録で、小渕恵三首相について「昔(自民党)で一緒にやっていた時から、政策や国の進め方について信念を持っている人ではなかった」とばっさり。さらに「信念で物事をやるというより、パフォーマンスとかを場当たり的にやってしまう。『こういう方向でやる』とエネルギーを出す人ではない」とも。「民主党の衆院選公認候補を支援していた中坊公平氏を内閣特別顧問に任命された悔しさも手伝ってか、首相批判も八つ当たり気味。《共同通信》
【この日の民主党】
第2回党首討論「新潟県警不祥事は運が悪かった」首相答弁に怒り渦巻く
第2回目の党首討論(クエスチョン・タイム)が8日、参院第1委員会室でおこなわれた。この日は、民主党参院議員会長の本岡昭次国家基本政策委員長が会長を務め、議事をさばいた。
鳩山由紀夫代表はまず、この日の朝発生した地下鉄日比谷線の事故にふれ、「亡くなった方のご冥福を祈るとともに、被災された方にお見舞いを申し上げる」と述べるとともに、首相に対し、徹底的な原因究明と再発防止策を求めた。
「このごろ世間では、ウソつきは警官の始まりと言われている。真面目な警官は泣いていると思わないか」――鳩山代表は一連の警察不祥事について首相の認識をただした。これに対し首相は、「警察官の不祥事は残念至極、新潟の件はあってはならない事件だった」と述べる一方、「俗っぽく言えば、運が悪かったのかも知れない。天網恢々疎にして漏らさず(悪いことをすれば必ず天罰が下る)とはまさにこのことだ」と発言。この無神経な発言に、委員会室は激しいヤジと非難の声に包まれた。
鳩山代表は即座に「運が悪かったとは、見つからなければみんなやっているということ。まさに体質の問題だ」と背景に踏み込んで問題点を指摘。
さらに「新潟県警不祥事の真の問題は、責任を逃れるために事実を隠し、ウソで塗りこめたことだ。保利国家公安委員長は持ち回りの委員会を、まるで開会したかのように答弁していたが、持ち回りであることは事前に報告されていたのか」と切り込み、首相は「逐一は報告を受けていない」と答弁。このため、鳩山代表は「報告義務を怠った保利委員長の責任は重い」と指摘。
さらに昨年の神奈川県警不祥事を受けて始まった特別監察制度について、「形をつくればいいのか。機能しているのか。総理の責任も重いが、私たちはまず保利委員長を罷免するよう求める」と迫ったが、首相は「罷免する考えはない」と要求を突っぱねた。
鳩山代表は「人心が一新されない限り、国民の不満や疑問はうやむやにされ、問題の本質は解決しない」と重ねて罷免を要求したが、首相は応えなかった。
さらに鳩山代表は景気回復について、最近の世論調査を挙げ、「内閣支持率が下がっているが、不支持の主な原因は経済政策に対する批判の高まりだ」と指摘。「ジャブジャブ金をばらまいているのに景気が回復しないのは、なぜか。ゼネコンなど自分たちの応援団だけをえこひいきする政策だからだ。財政出動が国民の不安をむしろ煽っている」と述べ、無軌道なバラマキ政策を転換するよう求めたが、首相は「プラス成長していくと確信している」などと述べ、議論は平行線だった。
建設省OB議員会社の出版独占を追及=田中慶秋・平野博文議員
8日の衆院建設委員会で、民主党の田中慶秋、平野博文両衆議院議員は、建設省関連の「公的資格」取得用テキスト・問題集を同省OBの前参院議員の会社が独占的に出版し、同省の職員にも監修させて原稿料を支払っていたと報じられた問題で、「省あって国なし、天下り構造の典型だ」として、同省の腐敗体質を追及した。
まず田中議員は、「93年に業者が抱えることが義務付けられた建設業経理事務士の資格が典型だが、本来は企業の責任でやるべき事柄なのに、建設省が様ざまな『公的資格』の取得を押しつけ、そのための試験や講習会を実施する公益法人を増やして天下りの受け皿にしている」と指摘。さらに「規制緩和のため、こうした試験や講習会を廃止し、残すにしても癒着の指摘を受けぬよう関連公益法人からOBを除外すべきだ」と迫った。これに対し小野邦久建設事務次官は「誤解を与えぬよう検討する」と述べる一方、「必要な試験や講習会制度もあり、そこで(OBの)専門的な知識を活用することも必要」と消極的な意向を示した。
さらに田中議員が「試験や講習会を1度行うと、それに使われるテキストは何十万部も売れる。利権の温床だ。しかも建設省職員がそこに寄稿して年に1千万円以上の原稿料を受け取っているのはおかしい」と追及したが、小野事務次官は「テキストに誤りがあると大変だから内容を熟知している現場の職員が書いている」などと答弁し、自浄能力のなさを露呈した。
続いて質問に立った平野議員も、「故永田良雄前参院議員の政治団体の会計責任者が、出版社の社長を務めていたというのはまさに癒着だ。絶対あってはならないことで、建設省の猛省を促す」と述べ、根本的な体質の改革をするよう求めた。
警察・公安委不祥事を集中審議=衆院地行委で中沢、中川、坂上議員
衆院地方行政委員会は8日、新潟県警の不祥事をめぐる一連の警察・公安委員会の対応について集中審議をおこなった。 民主党の中沢健次・中川正春・坂上富男各議員が保利国家公安委員長の責任を追及した。
中沢議員は、「関東管区警察局長は神奈川県警の不祥事があったから新潟に監査に行ったはずだ。しかし結局、警察の信用を失墜させた。それを処分なしとしたのは、身内に甘い警察の体質ではないか」と批判し、「警察の判断が誤りだったと認めるべきだ」と主張。さらに「警察・公安委員会の抜本的改革に着手する前に、保利委員長が政治家としての結果責任を取るべきだ」と辞職を迫った。
しかし保利委員長は「いまの職責を全うすることが責任を取ること」として辞任要求を突っぱねた。 ●森自民党幹事長のパーティ問題を追及=中川議員
中川議員は、自民党の森幹事長が金沢市で開いた議員在職30年パーティーで、県公安委員に発起人として名を連ねさせ、乾杯の音頭も取らせていた問題を取り上げ、「警察法の『公安委員は積極的に政治活動をしてはならない』という条項に違反している」と追及。だが保利委員長は「公安委員は良識ある態度を取るべき」と述べる一方、「森議員にいきさつを聞いてみたい」と答え、明確な判断を避けた。
●官官接待での賭け麻雀は贈収賄では?=坂上議員
坂上議員は、「この問題を国会で取り上げるのは5回目だが、そのたびに答弁が変わる」と警察のデタラメぶりを厳しく指摘。そのうえで、(1)県警本部長が、監察に来た局長と賭マージャンをしたのは贈収賄にあたるのではないか(2)2人が宿泊したホテルの領収書の宛名は県警だったというホテル側の証言があり、私費とした田中警察庁長官の答弁と食い違う――などの問題点について釈明を求めた。
田中長官は、「贈収賄かどうかは判断を要する」とし、宿泊費についても「参加者が自分で払って領収書は破棄した」とこれまでと同じ答弁に終わった。
連携して保利国家公安委員長を辞職に追い込む=3野党衆参国対委員長会談
民主党の川端達夫国対委員長と北澤俊美参院国対委員長は9日、国会内で共産党と社民党の衆参国対委員長と会い、警察や公安委員会の一連の不祥事について話し合い、今後、連携して保利国家公安委員長の辞職を求めていくことを確認した。
当面は参院予算委員会の質疑を通じて保利委員長の責任を明らかにしていくため、当事者間で打ち合わせをし、問題点などの認識を共有していく。
「交通のバリアフリー法案」を衆議院に提出
民主党は8日、「交通のバリアフリー法案」を衆院に提出したことを発表した。提出者は「高齢者・障害者の交通アクセスに関するプロジェクトチーム」の座長として法案の取りまとめにあたった玉置一弥議員と、前原誠司・金田誠一両衆院議員。
同法案は、高齢者や身体障害者、妊婦などの「移動制約者」が、ドア・ツー・ドアで自由に安全に移動できるよう、公共交通機関の設備や車両、道路、ターミナルビルなど、出発点から目的地までのすべてをバリアフリー(障害のない)化するため、事業者に改善計画の策定を義務づけるもの。
政府も同様の法案を提出しているが、もっとも大きな違いは「市民参加を盛り込んだこと」 (玉置座長)で、基本指針策定や各事業者が大規模な改善を計画する際に、障害者などの当事者が必ず参加するよう定めている。法案をつくりあげる過程でも原案を公開し、1カ月以上かけてパブリックコメント(意見や提案)を募集し、それに基づく修正をして成案とした。FAXや電子メールなど様ざまな方法で約120件のコメントが寄せられた。
ほかに政府案と異なる点は、政府案にはないタクシーを盛り込んだほか、整備対象について政府案では既設設備を努力義務としているのに対し、民主党案では新設・既設を問わずすべてを対象としている。補助金についても、交通事業者に4分の3を補助するよう明記した。
「税金太りの役人に農家に辛い要求する権利ない」安住衆院議員が追及
民主党の安住淳議員は8日、衆院農水委員会で質問に立ち、農水省構造改善局の元課長補佐が3日に収賄容疑で逮捕された問題を取り上げ、「業者と組んで税金で肥え太っている役人に、どうして減反など農家につらい要求を押しつける権利があるのか」と玉沢農水相の責任を追及した。
安住議員は「今回の件を農水省自身が摘発できなかったのは、内部調査の甘さだ。局内で飲食の付け回しが横行している事実も報道されており、逮捕者の倫理観などでは片付けられない構造的な腐敗がある」として、天下りの廃止を含む抜本的な同局の改革を要求。しかし玉沢農水相は、「調査の後に18人も処分しており、甘くない。逮捕者は調査の際に自己申告しなかった」などと開き直った。
安住議員がさらに「自己申告しないと発覚しないような調査は、世間では調査と言わない。また新たな不祥事が発覚したら責任を取るのか」と迫ったが、玉沢農水相は「大事なのは(職員が)高い倫理観をもつことだ。また、仮定の問題には答えられない」として真正面の答弁を避けた。
県公安委員が森自民幹事長のパーティの発起人に=川端国対委員長が疑義
民主党の川端達夫国対委員長は8日の記者会見で、自民党の森幹事長が5日に金沢市で開いたパーティーで県公安委員のメンバーを発起人に加え、乾杯の音頭も取らせていた問題について、「これほど公安委員のあり方が問題になっている時に、与党の幹事長がこうしたことをさせるのは見識を疑う」と、森幹事長を批判した。
川端委員長は「警察への政治介入を許さないという公安委員会の趣旨を森幹事長は理解していないのではないか。公安委員は積極的な政治活動をしてはならないという警察法の規定にも全く反している」と指摘した。
鳩山代表も8日の定例会見で、「事実確認を急ぐ必要があるが、公務員が一党一派に偏する行為を取ったとすれば大きな問題だ」と指摘した。《民主党ニュース》