平成3975日目
1999/11/26
この日のできごと(何の日)
【小渕恵三首相】インドネシア入り
小渕恵三首相は26日午前、東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議に出席のため、羽田発の政府専用機で出発、同日午後、最初の訪問国、インドネシアのジャカルタに到着した。
首相は同日夜、ジャカルタ市内で、インドネシアのアミン・ライス国民協議会議長、アクバル・ダンシュン国会議長、ウィラント調整相と相次いで会談した。
一連の会談で、首相は「先の国民協議会での正副大統領の選出は、インドネシアが真に透明性のある民主主義国家として船出したことを世界に強く印象付けた」と述べ、新政権が民主的な手続きを経て発足したことを高く評価した。《共同通信》
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インドネシア訪問中の小渕恵三首相は26日夜(日本時間同)、ジャカルタ市内で同行記者団と懇談し、次の衆院選での自民党の獲得議席について「過半数を確保するということが政党の党首の考えるべきことだ」と、自民党単独で過半数獲得を目指す考えを強調した。
一方で、首相は自民党の野中広務幹事長代理が勝敗ラインを「215」と低めに設定していることに言及。「選挙の直接の担当者である幹事長や幹事長代理は私よりも選挙情勢を隅々まで承知している」とし、実際の選挙情勢については厳しい認識を表明した。衆院解散・総選挙の時期については「今、念頭にはない」と述べ、当面は臨時国会での補正予算案や法案の成立など政策遂行に全力を挙げる考えを強調した。
自民、自由両党の合流問題に関し、自民党内に合流に反対する議員グループができたことを指摘した上で、「小沢一郎党首との間で最終的に結論を出すためには、両党の議員の意見を率直に静かに見守らせていただきたい」と述べ、早急な合流は困難との見方を示した。《共同通信》
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【サッカー・三浦知良選手】日本代表候補に復活
日本サッカー協会は26日、静岡県御殿場市で12月1日から4日にかけて行う日本代表候補合宿の参加メンバー37人を発表した。ベテランFWの三浦(京都)が復活したのをはじめ、先にシドニー五輪出場権を獲得した若手の五輪代表を含んだ幅広い世代から選出された。《共同通信》
【警視庁】新たに「日栄」元社員逮捕
元社員が恐喝未遂罪で起訴された商工ローン最大手「日栄」(本社京都市下京区)の別の元社員が、債務者を脅して違法な債権回収を行った疑いが強まったとして、警視庁生活経済課などは26日午前、恐喝と貸金業規制法違反(取り立て行為の規制)の疑いでこの元社員を逮捕した。同課などは同法の両罰規定を適用、法人としての日栄も立件する方針で、本社や松田一男社長(77)の自宅(同市左京区)、東京支店(東京都品川区)など14カ所を同法違反容疑などで一斉に家宅捜索した。
逮捕されたのは、元日栄社員で、子会社の日本信用保証社員のB容疑者(45)=千葉県四街道市=。日栄による債権回収をめぐる逮捕者は2人となり、同課などは組織的な脅迫まがいの取り立てが裏付けられたとして、近く松田社長から事情聴取する。10月末から始まった日栄捜査は、悪質商法の全容解明に向け、新たな段階を迎えた。
調べによると、B容疑者は日栄東京支店社員だった平成10年4月から5月にかけ、同社に720万円の債務を負っていた千葉県に住む元自営業の夫婦を同社千葉支店に呼び出し「この泥棒野郎」と脅迫。さらに電話で「腎臓を売って金つくれ。300万円で売れる」などと脅し、80万円を取り立てた疑い。
B容疑者は犯行当時、「腎臓を売れ」などと脅迫的な取り立てをしたとして、恐喝未遂の疑いで逮捕、起訴された日栄東京支店元社員のA被告(25)と同僚だった。2人で千葉県の債務回収を担当しており、同課はA被告が発案した脅迫の文言をB容疑者がまねたのでははないかとみて、追求する。
貸金業規制法は社員の違法な取り立て行為があった場合、会社も処罰される両罰規定を定めているが、A被告による恐喝未遂事件では、債権が子会社に移されており、同法は適用できなかった。今回の事件では、B容疑者が子会社に債権が移転される前に取り立てをしたため、同課はこの債権が日栄のものと判断、同法の適用に踏み切った。《共同通信》
【年金制度改正関連法案】衆院厚生委で可決
衆院厚生委員会は26日夜、年金制度改正関連法案を修正の上、自民、自由、公明の与党3党が民主、共産、社民の野党の抵抗を押し切って採決を強行、賛成多数で可決した。
与党3党が同法案の付則に「給付水準および財政方式の在り方を幅広く検討する」との項目を盛り込む修正案について趣旨説明を行った後、質疑をうち切り採決、民主、共産、社民の野党側は激しく抵抗、委員長席に詰め寄り与党議員と激しくもみ合い、議場は大混乱となり、国会は一気に緊迫化した。
与党は29日の本会議で通過を目指す構えだが、野党は採決の強行に激しく反発、今後の本会議や各委員会審議を拒否する強硬姿勢を貫く方針。与野党の対立激化で補正予算案の衆院予算委審議など今後の国会審議の見通しは極めて不透明となった。《共同通信》
【民主党ニュース】
[衆院厚生委]年金改革法案 自自公が一方的に強行採決 議会制民主主義踏みにじる運営、野党は身を挺して抵抗
給付水準の引き下げを柱とする年金改革関連法案を審議している衆議院厚生委員会で26日、自民・自由・公明の与党3党が強行採決に踏み切った。民主党は、共産、社民両党とともに激しく抵抗、委員長席に詰め寄ったが、江口一雄委員長は衛視に囲まれながら、怒号の中、与党側の動議や修正案説明を聞かないまま議事を進めていた。これに対して、野党側は採決はあくまで無効だと主張している。
この日は朝9時30分から同委員会の理事会が開かれようとしたが、野党側は25日に江口委員長が強引に今日の採決日程を決めたことに反発し、民主党の金田誠一、山本孝史両理事ら野党側の4人の理事が着席せずに、「審議は尽くされておらず、採決は認められない」と猛烈に抗議し、日程の白紙撤回を強く求めた。
理事会室の外側廊下には、民主党の若手議員などがびっしり集結し、衛視ともみ合いながら、強引に委員会を始めようとする江口委員長を制止しようと汗だくになって抗議行動を続け、委員長は1時間以上缶詰状態に。その中で、自民党の厚生委理事の衛藤晟一議員が、廊下にいた民主党の今田保典議員を恫喝し、さらに腹部を殴りつけるという暴行をはたらき、理事会室の周囲はしばし騒然となった。
その後、江口委員長は衛視に支えられ、委員会室になだれ込んだが、野党側議員が委員長席を囲んで猛烈に抗議したため、委員長は委員会の開会を宣言したものの、直ちに休憩とした。
こうした中で、野党3党の国会対策責任者は伊藤衆院議長に対し、採決日程を撤回し、円満な運営に努力するよう要請。議長は「円満な運営が大事だ。誠実に努力する」と述べた。
この後、与野党の国会対策委員長会談が断続的に開かれ、野党側が「まず、委員会の採決日程を取り消し、委員会の理事会で改めて今後の日程を協議すべきだ」と強く求めたが、与党側は「きょうの採決を行うかどうかも含めて、国会対策委員長で協議したい」と繰り返すだけで、結局話し合いはつかなかった。
この間、与党側は委員会室で待機している野党側議員に「自民党と民主党が裏で話をつけている」などと卑劣なデマを流したり、「与野党の第一党でまず話し合おう」などと働きかけ、野党を分断する工作を試みたが、3野党が緊密な連絡を取り合って対応したため、いずれも不発に終わった。
このため、江口委員長は午後6時過ぎ、再度衛視に囲まれて委員会室に入り、野党側が委員長を取り囲むなど猛烈に抗議する中で、与党側の発言すら聞き取れない状態で強引に議事を進め、一方的に法案は可決したと宣言した。
この後、野党3党の国会対策責任者は国会内で記者会見し、この強行採決に対し、与党が採決を撤回しない限り、週明け以降の衆参両院の本会議、全委員会の審議には応じない方針を表明した。民主党の川端達夫国対委員長は、強行採決を「議会の役割を忘れた許しがたい暴挙」と批判した。
もっと国民の怒りを!/緊急街頭演説で訴え・週末には全国でも
自自公3党による暴挙に抗議するため、民主党国民運動委員会は26日夕、東京・JR新橋駅前で緊急街頭演説を行い、帰宅途中の市民に「もっと皆さんの怒りを」と訴えた。
玉置一弥国民運動委員長の司会で、最初にマイクを握った小宮山洋子広報委員長は、25日からの自自公3党のわずか14時間での審議打ち切りや、公聴会の無視という無謀なやり方を批判しながら、衆院厚生委員会の緊迫した情勢を報告。
続いて、鳩山由紀夫代表は「いま、日本の民主主義は風前の灯だ。さまざまな根本的問題を抱えた年金制度は国会で十分な議論が必要なのに、自自公与党は自分たちの矛盾が表面化するのを恐れて、審議ルールを踏みにじっても法案を強行しようとしている」と演説。「ここまで言論の府が踏みにじられた以上、自自公与党体制をつぶすために最後まで抵抗する」と闘う決意を表明した。
最後に菅直人政調会長が「とにかく権力を維持するためなら何でもあり。後は野となれ山となれというのが現在の小渕内閣だ。彼らの頭には日本の将来のことなど一片もない」と強く批判。次の総選挙で、何の問題解決策も持たない巨大な与党体制を倒そうと力強く訴え、多くの市民から熱い拍手が送られた。
民主党国民運動委員会では、さらに年金法強行採決に抗議する緊急街頭宣伝を、この週末から来週の予算審議にむけて全国一斉に展開するように各都道府県支部や小選挙区候補者に要請している。すでに街頭演説用の参考メモを送付し、宣伝用チラシも大至急で準備を進めている。
こうした暴挙許せば国会審議は形骸化/羽田幹事長が会見で与党批判
羽田孜幹事長は26日、2回にわたって記者会見を開き、経過の説明と与党の横暴な議会運営への批判を繰り返し強調した。
強行採決を受けての記者会見で、羽田幹事長は「年金という高齢化社会でもっとも重要な課題に対し、十分な審議もせず数の力で議会を蹂躙したことはきわめて重大だ」と述べ、「こうした暴挙を許せば、国会での審議は形骸化し、すべては自自公3党の思うままになってしまう」と強く批判。国会対策委員長会談が物別れに終わったことについても、「与党側は何回も呼びかけたという形を作りたかっただけだ」と与党側の対応を非難した。さらに、「審議できる環境を奪っているのは与党の側だ」として、国会混乱の責任は与党にあるとの認識を強調した。
また、25日の公聴会で途中退席した連合の笹森事務局長を自民党の森幹事長らが「国会の冒涜だ」「労働組合の横暴だ」などと批判していることについて、「一般の公述人として公募に応じた方への態度として不見識だ。議長も副議長も(公述人の前で翌日の採決を宣言した)昨日の委員会のあり方はまずいと話している。委員会審議の中での公聴会の位置づけを自民党役員ともあろう人が認識していないのか」と厳しく非難した。
さらに羽田幹事長は、早期解散・総選挙を求め、「このまま国会が進んでいったら解散が早まるのではないか。与党側にその覚悟があるのか」とけん制した。