平成3944日目
1999/10/26
この日のできごと(何の日)
【桶川ストーカー殺人事件】
26日午後1時ごろ、埼玉県桶川市若宮のJR桶川駅西口前の路上で、同県上尾市、跡見学園女子大二年A子さん(21)が男に刃物で刺された。A子さんは左胸と右背部の2カ所を刺されており、近くの病院に収容されたが、間もなく死亡した。男は徒歩で逃走した。
A子さんの母親は最近、友人に「娘がストーカーに追われている」と漏らしており、埼玉県警はストーカーの犯行の可能性もあるとみて、捜査本部を設置、殺人容疑で男の行方を追っている。
調べでは、男は30−40歳ぐらい、小太りで短髪。紺色系のスーツのような服を着ていたという。
A子さんは同日午後から同県新座市にある大学の講義に出席するため、自転車で桶川駅に向かったらしい。倒れた場所のすぐ近くに、かぎが付いたままの自転車があり、前かごにバッグが入っていた。自転車を止めた直後に襲われたとみられる。
捜査本部によると、A子さん方では、4月下旬に自宅周辺に写真や中傷文が書いてあるチラシが張られたとして被害届を提出。上尾署が名誉棄損の疑いで捜査していた。
◇
昼下がりの商店街に女性の悲鳴が響き渡り、刃物を持った男が走り去った。A子さんには若い男の不気味なストーカーの影が見え隠れする。現場は「早く男を追い掛けろ」という叫び声や救急車のサイレンで一時騒然となった。
駅前でチラシ配りをしていた20代の女性は「キャーという悲鳴が聞こえ、だれかが早く追い掛けろと叫んでいた」と話す。A子さんは跡見学園女子大国文学科の二年生。近所の人の話では、会うと必ず会釈をする朗らかな性格だったという。
会社員で父親のBさん(49)によると、A子さんには東京都内の20歳代の男性がつきまとっていたとされる。悲報を聞き、上尾署に駆け付けたBさんは「今は何も話す気になれない。ストーカーが今回の犯人かどうか分からないが、早く捕まえてほしい」と悲しみをこらえ、気丈な口調で語った。《共同通信》
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【プロ野球・日本シリーズ】第3戦
日本シリーズ第3戦は26日、ナゴヤドームで行われ、得意の継投が決まったダイエーが5−0で中日に完勝し、2勝1敗と白星を先行させた。日本シリーズ初先発の永井は6回を無安打3四球に抑える快投。七回から登板した篠原が一死からゴメスに初安打を喫したが、危なげなく、最後はペドラザが締めた。
打線は四回二死一塁で城島が変化球を左越えへ先制の2点本塁打。七回は一死満塁で秋山の三ゴロを福留がはじき(記録は失策)、1点を追加。八回にも決定的な2点を加えた。
中日の山本昌も丁寧な投球で六回途中まで5安打、2失点と踏ん張った。しかし、打線は一回の二死一、三塁を逸機すると、最後まで反撃の糸口がなかった。《共同通信》
【政界談話室】
○・・・村上正邦参院自民党議員会長は26日の自民党役員会で、首相官邸の危機管理のまずさを批判した。西村真悟前防衛政務次官が「核武装発言」の釈明で官邸を訪ねた際、社民党の辻元清美議員から抗議文を手渡されたことを取り上げ「首相に渡しに行ったならともかく、ニュース性を意識してのあんな行動が容認されるとは、官邸の危機管理はどうなっているのか」と怒りが収まらない様子。目立つ言動とパフォーマンスで知られる村上氏だけに、危機管理というよりも辻元氏にお株を奪われたことが気に入らない?《共同通信》
【東海村JCO臨界事故】被ばくした3人を労災認定
茨城県東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」東海事業所の臨界事故で、大量被ばくし、入院中の同社員3人から出されていた労災申請について、水戸労働基準監督署は26日午前、労災を認定した。急性放射線症に対する労災申請が認められたのは初めて。事故の重大性などから、20日の申請から一週間足らずでのスピード認定となった。《毎日新聞》
【小渕恵三首相】政策遂行へ全力
自自公連立政権発足後、初めての政府与党連絡会議が26日昼、首相官邸で開かれ、小渕恵三首相は「連立に厳しい声があることは承知しているが、新しい政策を遂行し、3党連立の意義を国民の前にきちんと示していきたい」と述べ、経済政策をはじめ政策遂行に全力を挙げる決意を表明した。
自由党の小沢一郎党首は、同党所属の西村眞悟前防衛政務次官の「核武装」発言とそれに伴う引責辞任について「不用意な発言で、おわびしたい」と陳謝。その上で、29日召集の臨時国会から政府委員制度が廃止されることを指摘し「国会改革が実現し大変喜んでいる。今後の前例になるので、ぜひ育てていかなければならない」と、政府側に国会論戦に向けた努力を求めた。《共同通信》
【インドネシア】国防相に初の文民
インドネシアのワヒド大統領は26日、新閣僚を発表した。国防相に初めて文民を起用して改革姿勢を印象づけたほか、大半の閣僚が初入閣となり、人心一新を図る顔触れとなった。大統領は記者会見で「挙国一致内閣」と宣言。政権を支える全主要政党の均衡に配慮したと明らかにした。
新閣僚は計35人。国防相はユウォノ教育・文化相が任命され、ウィラント・国防・治安相兼国軍司令官は治安担当の調整相に昇格。司令官の後任は海軍出身のウィドド副司令官となった。大統領は国防相人事はウィラント氏の提案と説明、民主的改革を進める国軍の意思の表れと強調した。《共同通信》
【民主党ニュース】
コンピュータ西暦2000年問題/小冊子とビデオを無料配布
民主党では、間近に迫ったコンピュータ西暦2000年問題(Y2K)に関して、「自分で備える2000年問題」と題した小冊子とビデオを制作し、万一の事態に対して自分たちの暮らしを自分で守るために必要な情報をまとめた。鳩山代表が26日の定例記者会見で紹介した。
小冊子はA5版カラーで8ページ。Y2Kの基礎知識と、暮らしの上での具体的な備えを食料・生活・お金・交通・情報・その他の6項目に分けてわかり易く整理した他、便利なチェックリストもある。
ビデオはVHS方式で約8分。鳩山代表からのメッセージに加えて、起こる可能性のある事態を説明し、アメリカにおける対応状況の調査報告や、具体的な生活上の備えについて簡潔にまとめてある。
参院決算委で臨界事故追及/内藤正光・櫻井充参議院議員
参議院決算委員会で26日、茨城県東海村で起きた原子力施設臨界事故についての質疑が行われ、民主党・新緑風会から内藤正光、櫻井充両参議院議員が質問に立った。
内藤正光議員は、質疑の冒頭、「JCOの海外との競争がコスト削減・安全軽視の原因となった」と指摘して資源エネルギー庁に安全性確保を要求した。また84年から科技庁が行ってきた立ち入り調査が実はほとんど運転休止中に行われていたことを明らかにした上で、唯一の調査も高木JCO前社長が通産省局長から天下った頃から突然ストップしている事実を突き付け、監督官庁の怠慢を厳しく追及した。
これに対し斎藤鉄夫科技庁政務次官は「行政指導はちゃんとやってきたが結果的に事故がおきた」と答弁し、内藤議員から「結果的などと言わないでほしい。そんな監督官庁の逃げ腰が事故を生んだ」とたしなめられる一幕もあった。
続いて内藤議員は、JCOが実は18年前にもフッ素漏れ事故を起こしていたことを紹介しながら「緊張感が欠如していたのではないか。危機意識を持って臨んで欲しい」と求めたのに対し、斎藤次官は「フッ素漏れ事故のことは知らなかった。核加工施設で事故は起こりうるという思想で見直していきたい」と答弁した。さらに政府が立法作業を急いナいる原子力防災法案にも触れ、既に科技庁が3年前にJCOなどに情報公開を「指導」していた文書を示しながら、「事故では情報公開が完全に後手に回った。にもかかわらず新法の中には住民や国会への情報公開・報告が全く欠落している」と指摘し、斎藤次官から「徹底した情報公開をするという認識を持って法案作成を進める」との答弁を引き出した。(以上内藤正光事務所記事提供)
櫻井充議員は医学的見地から「事故の時にどれだけの放射線がどの範囲まで出たのか。放射線量はその距離の二乗に反比例して減少する。住民の被爆量を量る基本となる地図を公表して欲しい。」と質問。間宮原子力安全局長は、「なるべく早く公表する」と述べただけで、さらに櫻井議員が「中性子線を浴びた場合の遺伝子への影響はどうなのか」と迫ったが、斉藤政務次官は「すぐには言えない」としか答えられなかった。
次に、原子力事故の緊急時医療体制について、櫻井議員は、「マニュアルはあるのだろうが、現実と全くあっていない」と事故後の遅い対応を批判。さらに、「事故の発生から避難命令が出るまで、5時間以上かかっているが、これはおそいのかはやいのか」との追及に、間宮局長は、「なるべくなら早い方がいい」と答弁にならない答弁を3度繰り返した後、「時間的に充分(な早さ)ではなかった」と避難命令が遅かったことを認めた。
最後に、櫻井議員は「こういった事故の後、チェルノブイリ事故の後にも多く見られたように、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を訴える人が出てくるはず。そういう人たちのケアはどうなっているのか」と質問。厚生省の篠崎保健医療局長は「保健所に窓口を設置し、必要な支援を実施していく。また、PTSD研究班をたちあげた」と答えた。
論戦に備え、ネクストキャビネットが合宿 「責任野党」から「強力野党」へ・対決姿勢より明確に
民主党のネクストキャビネットは26、27日の両日、神奈川県箱根町のホテルで泊まり込みの合宿を行い、今後の内閣の運営方法や臨時国会への対応などについて突っ込んだ議論を行った。
冒頭、挨拶に立った鳩山代表は「微調整の連続では追いつかない社会になっている。政官業の癒着構造を持つ今の与党では対応できない。われわれは時間軸を長く、巨視的な視点から現在を見てしっかりと議論をして欲しい」と各閣僚に要望した。
初日はまず横路・予算決算担当大臣の提起を受けて、政府の第2次補正予算案への対応を中心に協議。特に、与党3党が進めている介護保険制度の見直しについての意見交換に時間を割き、今井澄・雇用社会保障担当大臣が論点をあらためて整理して、次の閣議に提示することで合意した。また後半では、構造改革についてさまざまな切り口からの討議が行われた。
この後、細川内閣の首相秘書官だった成田憲彦・駿河台教授を招き、これからの国会で野党の果たすべき役割やネクストキャビネット運営のポイントなどについて意見を聞いた。
成田氏は、野党の仕事は(1)政府の失政を国民にわからせる(2)自分たちが政権担当能力があることを示すこと、の2つだとした上で、「統治の責任は与党にあり、それを野党が手伝う必要はない」と提起。その見方から「これまで最強であり、政権を狙う理想の野党の姿は、細川政権当時の野党・自民党だった」と述べ、その国会論戦での切り口やテクニックなどを示し、これからの国会論戦の先頭に立つことになる各閣僚に強いインパクトを与えた。
2日目は、ネクストキャビネットの運営方法と、個別の政策課題について議論。体勢の充実に向けて、ネクスト大臣、副大臣、各委員会の理事や政策秘書をひとつのチームとして構成し、委員会質疑などに対し戦略的、統一的に対応することなどが確認された。
菅政調会長は会議後記者会見し、従来の「責任野党」から「強力野党」に姿勢転換を図り、巨大与党への対決姿勢をより明確に示す戦略を示した。