平成3863日目
1999/08/06
【広島】原爆の日
広島は6日、54回目の「原爆の日」を迎えた。広島市中区の平和記念公園で原爆死没者慰霊式・平和祈念式(平和記念式典)が営まれ、約5万人の参列者が原爆犠牲者を追悼した。
核管理体制を揺るがしたインド、パキスタンの核実験から一年余り。核軍縮への道筋が見えないまま、国内では日米防衛協力の新指針(ガイドライン)関連法の成立など安全保障をめぐる環境が大きく変化。被爆者の高齢化も進み、被爆の記憶をどう次の世代に継承していくか、21世紀を前に被爆地ヒロシマは転機を迎えている。
秋葉忠利市長は平和宣言で、若い世代に核廃絶への強い意志を持つように呼び掛け、日本政府に対しては、核廃絶に向け世界各国に働き掛けることを求めた。
式典に参列した小渕恵三首相はあいさつで「核のない世界を実現するため、積極的な役割を果たす」と述べた。
首相は日程を急きょ調整、同公園内に7月移設された「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」を訪れ、献花した。広島市によると、日本の首相が同慰霊碑を訪れたのは初めて。
記者会見で首相は、来年4月から実施される介護保険制度に関連し「現在の被爆者援護措置より不利な取り扱いにならないよう配慮したい」と述べ、被爆者への介護手当支給など被爆者援護法に基づく現行制度を、同保険制度実施後も維持する考えを示した。
式典で原爆慰霊碑の石室に納められた原爆死没者名簿には、昨年8月からの一年間に亡くなったり、死亡が確認された5071人が書き加えられ、死没者の総数は21万2116人となった。《共同通信》
54回目の原爆の日を迎えた6日、小渕総理は、平和記念公園(広島市中区)で開かれた「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」に出席した。式典には、被爆者、遺族、市民ら約5万人が参列、各国大使らも列席した。
総理はあいさつの中で、「核不拡散・核軍縮に関する東京フォーラム」が提言をまとめたことにふれ、政府としては「核不拡散体制を堅持・強化し、核兵器国の核軍縮の一層の進展により、核のない世界を実現するため、今後とも積極的な役割を果たしてまいります」と述べた。《首相官邸》
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【MLB】トニー・グウィン外野手、3000安打
米大リーグ、パドレスのトニー・グウィン外野手(39)が6日のエクスポズ戦で4安打を放って通算安打を3003本とし、史上22人目の3000本安打を達成した。2284試合目での到達は史上3番目の早さだ。昨年まで16年連続で打率3割以上をマークし、通算打率3割3分8厘。首位打者に8度(歴代2位タイ)輝いている安打製造機が、超エリート集団に仲間入りした。《時事通信》
【横浜国際総合競技場】2002年サッカーW杯決勝戦会場に決定
日本と韓国が共同開催するサッカーの2002年ワールドカップ(W杯)日本組織委員会(那須翔会長)は6日、東京・虎ノ門で理事会を開き、2002年大会の決勝を横浜市の横浜国際総合競技場、準決勝を浦和市に建設中の埼玉県営スタジアム(仮称)で行うと、正式決定し、理事会後の記者会見で発表した。
日本組織委は同日付の文書で国際サッカー連盟(FIFA)に報告し、承認を求める。
記者会見した那須会長は「(決勝会場の)決定は大きな一歩」との認識を表明。遠藤安彦事務総長は「総合的に勘案したが、明確な優劣はつかなかった。しかしアジア初のW杯をできるだけ多くの人に見てほしいとの結論になった」と述べ、収容人員の差を選定理由に挙げた。
決勝と準決勝1試合は日本での開催が決まっていたが、FIFAが「収容人員6万人以上」と要求事項で規定。このため、日本組織委は国内の開催自治体の会場のうち、収容人員の基準を満たす横浜と埼玉の両スタジアムを候補に選定を進めていた。
収容人員は横浜国際総合競技場が7万718人、埼玉県営スタジアムは6万3060人。日本組織委の遠藤事務総長らは既に7月12日、横浜市、埼玉県の両自治体を訪れ「収容人員の多い横浜で決勝、埼玉で準決勝を行いたい」との意向を伝えていた。
このため、横浜市、埼玉県の両自治体の決勝会場の招致合戦が激化、両自治体に絡む政治家の介入も招いた。日本組織委は入場料収入に直結する収容人員を選定の一番の理由にしたが、交通の利便性、関連施設などを含め、総合的な評価をしたとみられる。
決勝会場が決まったことで、国際放送センター(IBC)やFIFA本部となるホテルなど関連施設の選定も今後活発に動きだす。《共同通信》
【小渕恵三首相】“定数削減改正案”今国会の通過困難
小渕恵三首相は6日午前、広島市内のホテルで記者会見し、自由党が強く求めている衆院比例定数50削減を内容とした公選法改正案の取り扱いについて「党首間、公党間の約束は実現していかなければならないが、国会は(自民、自由の)2党だけで政治ができるわけではない」と指摘し、今国会での衆院通過は困難との認識を示した。
首相は「小沢一郎自由党党首と私は、選挙制度の根本の在り方や基本的な理念は一致しているが、それを具体化するためにどう定数があるべきか、定数の削減については議会制度の根本にかかわることである」と述べ、各党間の協議の重要性を強調。「結論が得られるよう(自民、自由、公明の)3党間で努力していただきたい」と述べ、重ねて3党間の協議による決着に期待を示した。《共同通信》
【産業再生法】成立
企業の事業再編を促進するための産業活力再生特別措置法(産業再生法)と過剰設備廃棄などに対して優遇税制を適用する租税特別措置法の一部改正が6日の参院本会議で共に原案通り可決され、成立した。経済の供給面の構造改革を目的にしたもので、バブル期に膨らんだ過剰設備の廃棄や合併、分社化を促し、日本企業の国際競争力を回復させるのが狙い。
基本的に平成15年3月末までの時限立法としている。9月と10月の二段階での実施を目指す。
政府は7月に成立した約70万人の雇用創設を目指した第一次補正予算と合わせて日本経済を自律的な景気回復軌道に乗せたい考えだ。しかし、足元の民間需要はなお力強さに欠けることから、引き続き財政面での下支えが必要との声が強く、第二次補正予算編成の時期、規模が今後の焦点となる。
ただ、産業再生法に対しては、企業がリストラを加速することで雇用不安の増大を懸念する声や、企業のモラルハザード(倫理観の欠如)を助長するとの批判も出ている。
産業再生法は①企業の事業再編を容易にする商法の特例措置②創業者や新規事業を開拓する中小企業(中小ベンチャー)の支援③技術開発の促進−の三本柱となっている。事業再編を検討している企業は、同法の適用を受けるため主務大臣に事業再構築計画を提出するほか、計画の進ちょく状況を報告することを義務付けられている。《共同通信》
【自民党、自由党】幹事長会談
自民党の森喜朗幹事長は6日午後、自由党の藤井裕久幹事長と会談し、衆院比例代表定数の50削減法案の扱いについて協議したが、審議入りの要求が受け入れられなければ政権離脱も辞さないとする自由党の強硬姿勢は変わらなかった。
森氏は同日夜、都内の料理屋で自由党の小沢一郎党首とも会談し「一歩でも前進させた方がいい」として衆院議長の下に協議機関を置く案への理解を求めた。しかし小沢氏は「(自自合意の)約束を守るべきだ。法案を審議してほしい」と迫り、平行線のまま終わった。
このため同問題の決着は週明けの9日以降に持ち越されることになり、国会会期末を13日に控え、政局は緊迫した場面を迎えそうだ。
二度にわたる幹事長会談で森氏は、協議機関設置案について「諸般の国会事情からみてこれが限界だ」と強調、「各党の対応を見ても、審議入りは非常に難しい。不可能に近い」との考えを示した。これに対し、藤井氏は「あれでは棚上げと言わざるを得ない。衆院で過半数を持つ与党が同法案を衆院通過させることは全くおかしなことではないし、世論もそういう方向だ」と反論した。
一方、森氏と小沢氏との会談には自民党の村上正邦参院議員会長、自由党の扇千景参院議員会長も同席。週明けまでお互いにさらに検討することを確認した。《共同通信》
【なみはや銀行】経営再建を断念
経営難に陥って金融監督庁から早期是正措置の発動を受けた第二地方銀行のなみはや銀行(本店大阪)は6日、再建を断念し「預金の払い戻しができなくなる恐れがある」と金融再生委員会に申請し、経営破たんした。金融監督庁の検査結果、不良債権を厳密に処理すると、今年9月末で1100億円強の債務超過に陥る見通しとなり、増資によって債務超過を解消することができないと判断した。
なみはや銀行は破たん処理されるが預金は全額保護され、正常な取引先への融資も継続される。週明け以降も営業を続ける。日銀は必要に応じて特別融資し資金繰りを支援する。
申請後、吉田進治頭取は大阪市で記者会見し「大幅な債務超過状態では信用の回復は困難で預金の流出も予想され、地域の金融秩序を乱す事態も考えられ破たん申請した」と述べ、責任を取って辞任する意向を明らかにした。
なみはや銀行によると、前身の福徳銀行の不正融資事件が発覚した5月末から7月末までの預金流出額は約1600億円に上った。
金融再生委員会は金融整理管財人を派遣し、営業の譲渡先となる銀行を探すが、受け皿金融機関が見つからない場合は、承継銀行(ブリッジバンク)に移行する。金融整理管財人の派遣による銀行の破たん処理は国民銀行、幸福銀行、東京相和銀行に次いで四番目。《共同通信》
【航空自衛隊小松基地】オウム信者2人、脱会説得応じず退職
航空自衛隊小松基地(小松市)所属の男性自衛官2人が同基地の内部調査でオウム真理教信者と判明、同基地は脱会するよう説得したが2人は「オウムを辞めることはできない」と説得には応じず、6日までに依願退職していたことが分かった。
小松基地によると、2人は29歳と28歳の三等空曹。2人は約10年前に入隊。同基地で第六航空団整備補給群に所属し、施設整備などの仕事をしていた。
29歳の隊員は平成7年3月の地下鉄サリン事件当時、既に信者だったが、その後、いったん脱会。しかし昨年1月になって28歳の同期の隊員を勧誘し再び入信し、週に一回程度、オウム真理教金沢支部に通っていたという。
2人は今年6月、指揮官が部下の行動などについて把握するために行った定期面接を受けた際、オウム信者であることを認めた。基地側は「オウム真理教は好ましくない」と脱会を説得。しかし2人は「迷惑がかかるなら自衛隊を辞める」と話し、7月2日付で依願退職したという。
小松基地(第六航空団)司令部の佐々木勉監理部長は「隊員の中にオウム信者がいたことは残念。隊員に対しオウムがどういう集団だったのか再度説明するとともに、今後このような隊員が出ないよう行動を掌握するよう努めたい」としている。《北國新聞》
【北朝鮮・金桂寛外務次官】ミサイル「必要なら発射する」
ジュネーブでの朝鮮半島和平四者会談第6回本会談に出席している朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)首席代表の金桂寛外務次官は6日、準備中とされる弾道ミサイル再発射について「人工衛星であれミサイルであれ、われわれの自主権(国家主権)に属する問題であり、必要ならいつでも計画に沿って打ち上げる」と述べた。
金次官は3、4の両日、当地でカートマン朝鮮半島和平担当米特使との間で行われた米朝高官協議に関し「懸案についていろいろ話した」と言明。その上で「ミサイルを打ち上げるか、打ち上げないかを米国と論議する必要はない。われわれの自主的な権利だ」と強調、高官協議で発射中止を求める米国と北朝鮮の主張が平行線をたどっていることを裏付けた。
一方、ミサイル問題をめぐる米朝高官協議は、3回目の協議が6日に行われる予定だったが、北朝鮮側が応じず、同日は行われなかった。しかし双方は協議を継続することでは一致しており、3回目協議は四者会談予備日の8日か、9日の同会談終了後に行われるとみられる。《共同通信》
【国家公務員倫理法案】衆院で可決
民主党が強く成立を主張していた国家公務員への接待や贈与などを原則禁止する国家公務員倫理法案が6日午後の衆院本会議で全会一致で可決された。同様の内容の自衛隊員倫理法案も可決された。
この法案は、職務権限に関連した業者などからの接待や贈与を原則禁止した上で、(1)本省課長補佐級以上の職員に対し、業者や他省庁、地方自治体、外郭団体などからの1件5000円を超える接待や贈与について4半期ごとに報告書提出を義務づける(2)本省官房審議官以上は株取引、給与外を含む所得全般の報告も義務づける–ことなどを盛り込んだ。贈与や接待元の「事業者等」に、いわゆる「官官接待」が含まれることは、5日の衆院内閣委の衆院法制局の答弁で確認された。
報告内容は人事院内に設ける国家公務員倫理審査会で審査し、虚偽報告などの違反者には国家公務員法上の懲戒処分を準用する。報告書は5年間保管し、2万円を超える案件は公開する。
国家公務員倫理法案は、大蔵省接待汚職事件などの不祥事を受けて、昨年の6月の通常国会に当時の与党だった自民、社民、さきがけの3党が議員立法として提出した。一方、民主、自由、共産、平和・改革の当時の野党4会派も共同で対案を提出。昨年末の臨時国会で自社さ案、野党案ともに趣旨説明は行われたものの、それ以降与野党の枠組みが変わったこともあって審議は行われていなかった。
民主党は、「政治への信頼を回復するためには、政治倫理の確立と、政治と行政の癒着を断つことが不可欠」との立場から、情報公開法、国会議員の地位利用収賄罪法案、公務員倫理法の3法案を一連のものとして位置付け、国会内で鹿野道彦国会対策委員長を先頭に調整と協議を続けてきた。
6月30日に国旗・国歌法案の審議などをめぐって行われた民主党と自民・自由両党との国対委員長会談で、鹿野委員長が「先に衆院内閣委に付託されている公務員倫理法案の成立を優先させるべきだ」と強く主張し、法案成立に消極的だった与党側を押し切り、法案成立への道筋を開いた。
与野党協議会では、自社さ案をベースに「公務員の対象範囲」や「資産・所得報告」などをめぐって調整が行われた。自民・自由両党の主張で、資産報告の部分が削除されるなど、原案より後退した部分もあったが、法案の成立を優先させた民主党など野党側のねばり強い姿勢で、4日に修正が決着した。《民主党ニュース》